というお話を、3つのケースを例にお話ししてきました。
結局、迷い犬を見つけてそれを放置することなく、きちんと警察などに届け出た善良な人は、そのあとで
●飼い主さんが見つかる
●飼い主さんは見つからないが、よい里親さんが見つかる
●愛護団体に空きがあり、引き受けてもらえる
●自分の家で飼うことができる
上記のような展開ではなかった場合、大なり小なり
『関わるんじゃなかった・・・』
と後悔をするようなシステムになっているのですね。
野犬が見られなくなった昨今、迷い犬はほぼ100%人に飼われていたワンちゃんです。
飼い主さんの意に反して逃げ出してしまったようなワンちゃんであれば、当然飼い主さんが必死で探しますから、警察なり保護センターなりに届け出がされれば悲しい結末になることは少ないでしょう。
厳しいかもしれませんが、災害などの可能性を考えれば、責任感のある飼い主なら、万一自分の飼い犬が知らない人に保護された際、必ず自分のワンコだと判る工夫をしているはずです。
鑑札を装着する(←これは実は飼い主の義務です)なり、IDタグや連絡先入りチョーカーなり、ICチップなり、いくらでも方法はあります。
つまり、飼い主が判明しなかったり、飼い主がいつまでも現れない迷い犬は、そのほとんどが故意に捨てられたか飼い主が無責任なのだと言わざるを得ません。
(中には何らかの理由で飼い主さんが行方不明または死亡などといったケースもありますが)
特に、脱走癖があるようなワンちゃんの場合、飼い主は上記のような配慮の他に、更にさまざまな脱走防止策を講じる義務があると思います。
●飼い犬を遺棄する飼い主。
●ワンちゃんの身元が判明する策を講じていない飼い主。
●脱走防止義務を怠っている飼い主。
こういった飼い主はみな共通して
『誰かがなんとかしてくれるだろう』
という無責任きわまりない考え方をしているのではないでしょうか・・・
本来、迷い犬をどうするか?という問題に、一番悩み苦しんで、解決策を見出すために奔走しなくてはならないはずの飼い主が、その【労力】や【心痛】の全てから逃げて、
『あの子どうしたかなぁ?今頃きっといい人に拾われて元気に暮らしていると信じよう!』
だとか
『放浪癖があるからねぇ・・・きっとそのうちフラっと帰ってくるさ~♪』
などとお気楽に構えている・・・
その裏で、たまたま迷い犬を発見した善意ある人が心を痛めて苦しんでいる状況は、やはりどうにも腑に落ちませんね。
殺処分はこの10年でおよそ1/3に減少しているといいます。
けれどもその成果もやはり、ボランティアや愛護団体といった善意の人々の想像を絶するようなご苦労に依るところが大半です。
私たちの国は、問題の根本を解決するための制度改革などをすることなく、あまりにも善意ある人々の厚意に寄りかかり、甘え、結果的にそういった人々を傷つけているように感じてしまいます。
それはいずれ、善意ある人々に『善い行いをしてもバカを見るだけだ』という失望感と疲労感をもたらして、この国はろくでなしと無関心の集団になってしまいそうで、とても悲しくなります。もしかすると、もうそうなってきているのかもしれません・・・
結局、現状では『迷い犬を見つけたらどうする?』という今回のブログテーマに答えようとするとき、質問者にとって楽な答えを導き出すことはできません。
それでも・・・
私はやはり、道端で迷い犬を見つけた時、自分の良心に恥じないその時取れるベストな行動をとる人間でありたいと思いますし、これをお読みいただいたみなさんにもそうしていただきたい・・・と切に願ってやみません。
あまり、お役にたつ情報ではなくてごめんなさい。
そして、最後は愚痴のような内容になってしまい、申し訳ございません。
最後に、こちらの動画をご紹介してこのお話はおしまいにしようと思います。
人間を”鬼”にする原因のひとつは【想像力の欠如】だと私は思っています。
この動画は、それを素晴らしくシンプルに表現しています。
ぜひ主役の女の子の気持ちになってご覧ください。
心優しい”サムくん” と 甘えん坊の”アンちゃん” |
ながーーい”ボス” と 短い”なつ” |