【MRIで犬の脳をスキャンした結果、飼い主に褒められた時の犬の脳は、食事を与えられた時と同程度、またはそれ以上に強い反応を示した】
という研究結果をご紹介しました。
今日はもうひとつ、日本の麻布大学、自治医科大学、東京医療学院大学の研究グループのステキな研究のお話をします。
研究チームは、
『戦略的知能はチンパンジーの方が優れているが、比較認知科学における「心のありよう」がヒトに近いのはむしろ犬だということが最近の研究で明らかになっている。たとえばヒトが示す協力的シグナルの理解は、チンパンジーや、犬と共通の祖先種をもつオオカミよりも優れている。』
という前提から、次のような仮説をたてます。
『ヒトと犬は、見つめあうことでオキシトシンが分泌される。それは、人間の母子間のアタッチメント行動とオキシトシンのポジティブ・ループと同様なものである。更に、犬はこのポジティブ・ループを進化の過程で獲得した』
ちょっと小難しいですね・・・(^-^;
噛み砕いてみます(モグモグバリバリ・・・)
一般的に動物というのは、目を合わせる行動は”威嚇”のサインとなることはご存じですね?
ところが、人間という動物は変わり者で、むしろ目を合わせる=見つめあうという行動は、威嚇ではなくポジティブなサインになりますよね?
目を合わせない人は、なんとなく信用できませんし、よそよそしい感じがします。
人間のお母さんと赤ちゃんの関係では、見つめあうことで脳からオキシトシンという物質が出ることがわかっています。
このオキシトシンというのは、絆の形成に関与するホルモンといわれていて、お母さんの脳からオキシトシンが分泌されることによって、母乳の出も促進することが知られています。
アタッチメント行動というのは、愛着行動ともいいます。
自分を理解してくれる特定の人に対して特別な愛情を持つもつことで、安心感の関係という言葉に置き換えることもできます。
この”互いに見つめあう”という行為が、飼い主さんと愛犬の間でも、人間同士と同様の意味合いを持ちます。飼い主さんと愛犬が見つめあうことが威嚇のサインになっているとは思えませんよね?
・・・ということは、飼い主さんと愛犬の間にも、人間のお母さんと赤ちゃんの様に、見つめあうことでお互いにオキシトシンが分泌され、愛着や安心感を形成するという、他の動物には見られない特殊なコミュニケーション反応が起きているのでは・・・?!
という仮説を立てたのですね。
(余計に解りづらくなっていませんように ^-^;)
さて、その研究結果は・・・
仮説の通りでした!!
つまり、飼い主さんと愛犬は、見つめあうことにより、お互いにオキシトシンの分泌が促されていることが判ったのです。
相手に見つめられることによりもう一方のオキシトシンも分泌される・・・
オキシトシンが分泌されるから愛おしさが増して、更に相手を見つめ返す・・・
という、第三者からみたら「んもう~勝手にしろ!やってられんぞ!ピイピイ♪」的な見つめあいの応酬がどうにもとまらないわけです。
これが、オキシトシン分泌によるラブラブのポジティブ・ループなわけですよ奥さん!
更に、犬の祖先と言われるオオカミには、この反応は見られませんでした。そもそもオオカミは飼い主さんを見つめるという行為をほとんどしませんでした。
すごいと思いませんか?
人間と犬は、アイコンタクトによるコミュニケーションという意味では、他の動物とはまったく異質の、しかも共通の進化をしてきたことが判ったわけです!
「目っと~目っで~通じ合うぅ~♪ そーゆー仲になりたいわぁ~♪」
ってな歌がありましたが(若い人は知らないかもしれませんねぇ・・・遠い目)
異種でありながら、それができちゃうのは人間と犬だけ!
そりゃ~絆も深まるわけですね(^▽^)
さ、愛犬家のみなさん、今までにも増して、可愛いワンちゃんの目を見つめてあげようではありませんか!
そして、見つめながらたくさん褒めてあげようではありませんか!
※詳しい実験方法などについて、ご興味のある方は、麻布大学のHPにて論文が公開されていますので、そちらをどうぞ。
http://www.azabu-u.ac.jp/files/150417_press.pdf
MAXくん、また遊びにきてくれてありがとう♪ とーーってもよく見つめてくれます❤ |
ひさびさの晴れ♪お庭でのんびり過ごします |
大好きなボールをかじったり・・・ 海岸で拾った木の枝をガジガジしたり・・・ |
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