2018年4月26日木曜日

その予防接種、本当に必要ですか?⑧(混合ワクチンmenuの不思議)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





前回のブログのつづきです。


混合ワクチンで防げる感染症について理解し、自分の愛犬にどのワクチンを受けさせるべきかが判断できたとしても、現在わたしたち飼い主が選択できる混合ワクチンはどれもセットメニューになっていて、自由に選ぶことはできないというお話をしてきました。

ファミレスの¥500ランチセットで好きなスープが選べないのはまあ仕方ないとしても、ワクチン接種は愛犬の健康にかかわることなので、仕方ないとは思えないのですが・・・無いものはしょーがありません。

用意されているmenuの中から一番よい選択をするしかないですね。

そこで、選択の指針となるヒントをもう少しお話しましょう。



【ワクチンの特性について知ろう】


前回までのブログで、感染症のお話をしましたから、今度は接種するワクチンの方のお話です。

●ワクチンの持続時間はそれぞれ違う


今、国内で流行の兆しを見せていることでニュースになっている麻疹(はしか)

すさまじい感染力をもち、感染した1000人にひとりが死亡すると言われる麻疹は、ワクチン接種の普及によって日本では「排除状態」にあると言われていたのに、今回残念ながらまた発生してしまったんですね・・・

麻疹の抗体は、ワクチン接種を2回受ける実際に罹患するかで定着し、1度抗体がついてしまうと二度と感染する心配はありません。

一方、インフルエンザワクチンはどうでしょう?

毎年毎年、流行の前に「予防接種を受けましょう」とメディアが呼び掛けていますね。

インフルエンザワクチンを子供のころに1~2回受ければ一生インフルエンザにならないなんてことはないですよね。


つまり、ワクチンには「免疫持続期間」があって、それはワクチンによって異なるということです。



●ワンちゃんのワクチンの免疫持続期間は?


世界86か国(日本を含む)が加盟しているWSAVA(世界小動物獣医師会)がワクチン接種の指針として発表している『ワクチネーションガイドライン』によると、それぞれのワクチンの予想免疫持続期間は以下の通りです。


---------------------
◇コアワクチン
ジステンパーウイルス → 生で9年以上 
パルボウイルス    → 生で9年以上 
アデノウイルス2型   → 生で9年以上 
狂犬病ウイルス    → 不活化で3年以上

◇ノンコアワクチン
コロナウイルス    → 生・不活化で1年以内
パラインフルエンザ  → 生で1年以内
レプトスピラ各種   → 不活化で1年以内
---------------------


むむむ・・・困りましたね・・・(-_-;)

狂犬病をのぞくコアワクチン(ジステンパー、パルボ、アデノ)の免疫持続期間は9年以上あるのに対して、ノンコアワクチンの免疫持続期間は1年以内です。


それを踏まえてもう一度、現在国内で受けられる混合ワクチンの組み合わせを見てみましょう。


※クリックすると大きな画像が見られます。

赤いがコアワクチン(免疫持続期間=9年以上)
黒い●がノンコアワクチン(免疫持続期間=1年以内)です。


表1



ほとんどの混合ワクチンが、予想免疫持続期間が大きく違うワクチン同士をセットにしていることがお判りいただけると思います。

このことは、製薬会社も認めている事実です。

たとえばインターベット社の混合ワクチン「ノビバック」のパンフレットには以下の図が掲載されています。

図1
CPV=パルボウィルス
CDV=ジステンパーウイルス
CAV=アデノウイルス





パンフレット全体はコチラでご覧になれます。


コアワクチンの予想免疫持続期間は9年以上あると考えられるけれども、『ワクチネーションガイドライン』では念のため「9年ごとに接種しなさい」ではなく「少なくとも3年以上は空けて接種しなさい」と言っていることがわかりますね。



●ありえない組み合わせ


ここで、最初の麻疹インフルエンザワクチンのお話を思い出してみてください。

もしも、毎年1回受けているインフルエンザの予防接種に、麻疹のワクチンも一緒に入っているとしたらどうでしょうか?

本来なら一生に2回だけ受ければ十分な麻疹のワクチンが、インフルエンザの予防接種を受けに行くと漏れなくついてくる・・・おっ得ぅ~~~♪


って、そんなワケあるかーーいっ?!(ハリセン)


世の中には、もれなくついてきて嬉しいもの(ティッシュとかね)と、ちっとも嬉しくないもの(趣味じゃない置物とかね)があるではないですか?!


1年以内に効力がなくなるワクチンを毎年接種するのは納得だけど、それにもれなく9年以上も効力があると言われているワクチンをくっつけられても、迷惑以外の何物でもないと感じるのはわたしだけでしょーか・・・

ワクチンってーのは、たくさん打ちゃーいいってもんじゃーないんです。

むしろ副作用のリスク確率と、お財布から飛んでいくお金の額が上がるだけではないですか・・・(-_-;)



●コロナワクチンについて


上のインターベット社「ノビバック」のパンフレット中の図1、下の方に、


「CCV(コロナワクチン) 接種を推奨しない」


とありますね?

これはどういうことかというと、『ワクチネーションガイドライン』には次のように記載されているからです。


------------------
コロナワクチンは非推奨。
CCV 感染症は通常は無症状か、 臨床症状が発現しても軽度である。

確定された CCV 感染症の有病率は、現在 利用可能なワクチンを用いる根拠とは ならない。
既存のワクチンが、CCV の 病原性変異株に対して防御効果を示す というエビデンスは得られていない。
------------------


要するに、予防接種するほど怖い感染症ではない上に、ワクチンの有効性も実証されてないよーってことが科学的に立証されているんですね。


無駄ぢゃ~~~~ん?!


にもかかわらず、その上の表1を見ると、国内で販売されている混合ワクチンにはコロナワクチンを含んでいるものがいくつもありますね。

獣医さんや製薬会社が『ワクチネーションガイドライン』を知らないとは考えにくいのですが、それを飼い主さんに明かさないのは一体なぜなんでしょうね・・・(-_-;)




長くなりました。

つづきはまた次回に~!




<今日のPet Hotel 11!>

Mくん「ボールくん、
今日もとことん遊んであげるねっ!」

どりゃーーーっ!!

ボス「ボクのボールが・・・」

Mくん「あ~疲れた!いっぱい遊んだよ~♪」
ホントだ、ボールが真っ黒に・・・(;'∀')

ボス ( ノД`)
よしよし(笑)

おや?ブーブでだれかきたの~?

ハイ、はじめまして。
わたし、Rちゃんです。今日は数時間だけ
お世話になります(ドキドキドキドキ)

ものすごく緊張して挙動不審だったRちゃんも
お帰りのころにはだいぶ慣れたね!
次回はお泊り、がんばろーねっ!!

画面右下、スロープの横にいるのは・・・

なつ「なによ?!なんか文句あるのっ?!」
いえいえ、ありまへ~ん(;^_^A
涼んでるんだね~♪