エイプリルフールにふさわしい話題をお届けしております(笑)
前回のブログをお読みでない方はチンプンカンプンになると思われるので、まずコチラ↓からお読みください。
犬は嘘をつく人を信用しなくなるのか?①
【嘘つきは犬の信用も失うのか?】
●実験1の結果をどう見るか
ちょっとここで、実験1の結果を振り返ってみましょう。
<1-1>でAさんが指した方の容器に向かった犬は、Aさんに従った結果 オヤツを食べられたんですから、その時点ではAさんを信用していたはずですね。
ところが<1-2>でAさんはわざと空っぽの方の容器を指したので、犬はAさんに対して不信感を感じた可能性がありますね。
そのため<1-3>ではAさんが指したのとは反対の方の容器に向かった・・・
こういう推論が成り立ちます。
でも、この実験だけではまだこの推論を立証するには足りません。
なぜならば、<1-3>で92%もの犬たちが、Aさんが指した方とは反対の容器に向かったのは、単にその直前に行った<1-2>の結果を学習しただけかもしれないからです。
要するに、この時点で考えられる可能性はふたつ。
①犬がAさんを信用できない人物だと判断した。
②犬が「実験者が指した方と反対の容器にオヤツがある」と学習した。
このどちらなのか?を見極める必要があります。
実験者って本当に大変ですねぇ~~!
そこで、研究チームはもうひとつ、別パターンで実験を行いました。
●犬は嘘をつく人を信用しなくなるのか?②
◇実験2
実験1とは別の26頭のワンちゃんで実験します。
(実験1の影響が出てしまわないようにするためですね)
<2-1>(<1-1>と同じことをします)
人間Aさんが 犬に対して2つの容器を見せます。
(匂いがもれず、中も見えない容器)
容器の片方にだけオヤツが入っています。
どちらにオヤツが入っているか、犬は知りません。
人間Aさんはオヤツの入った方の容器を犬に指して、そちらに行くように指示します。
犬はAさんの指示通りにすればオヤツが食べられます。
<2-2>(<1-2>と同じことをします)
人間Aさんが また犬に対して2つの容器を見せ、犬が見ている前で片方にオヤツを入れます。
人間Aさんは、犬に空っぽの方の容器を指して、そちらに行くように指示します。
(こっちだよ!って嘘をついて見せるんですね)
犬はAさんの指示通りにするとオヤツが食べられません。
(Aさんに騙されちゃうことになりますね)
<2-3>(ここが<1-3>と違います)
ここで、実験者を交代させます。
つまり、さきほど犬を騙したAさんではなくBさんが登場して、犬に対して2つの容器を見せます。
容器の片方にだけオヤツが入っています。
どちらにオヤツが入っているか、犬は知りません。
人間Bさんはオヤツの入った方の容器を犬に指して、そちらに行くように指示します。
さて・・・犬は果たしてどうすると思いますか?
なんと、ほとんどの犬が人間Bさんの指した容器に向かって、ちゃんとオヤツをゲットできました♪
指示したのがもしも人間Aさんだったら、実験1の結果と同じくほとんどの子がAさんが指したのとは反対の容器に向かったことでしょう!
犬たちは、直前の実験で学習したことを頼りに行動していたのではなく、明らかに指示を出す人によって対応を変えることが判明したことになりますね。
●実験結果から判ったこと
この実験から、犬は
① 嘘をつかれたということが認識できる。
② 嘘をついた人間の事を憶えている。
③ 嘘をついた人間はまた嘘をつくだろうということを予測できる。
④ 自分に嘘をついた人から受け取る情報を信用するかしないか、今後のその人との関わり方をどうするかを判断している。
つまり、
「犬は特定の人間を信頼できるかどうかを、自らの経験を踏まえて判断する」
ということが判ったというワケですね。
犬の社会的な知能が、とっても高度だということが改めて確認できましたね~!
犬に嘘をついたりするのは信頼関係を崩す可能性があるので絶対にやめた方がいいってことです。
●知らず知らずのうちに嘘をついているかも?
このブログをお読みくださっている愛犬家の方の多くは
「当たり前でしょ!純粋な犬に嘘をつくなんてこと、するわけがない!」
とおっしゃるでしょう。
もちろん、悪意を持って愛犬を騙してやろうとする人はあまりいないでしょう。
けれども、わたしはこの実験結果を知って気を付けなくては・・・と思ったことがあります。
それは、
「わたしたちは日常的に何気なく、自分でも気づかないうちに、愛犬から見たら『騙された』と感じるようなことをしてはいないだろうか?」
ってことです。
たとえば、次のようなことをしていることはありませんか?
◇愛犬が病院を嫌がるので、「ドッグランに行くよー!」などと言って車に乗せ、ドッグランには連れて行かない。
◇呼び戻してもぜんぜん帰ってこないので「ごはんだよー!」と呼んで、ごはんはあげない。
◇帰宅したら愛犬がゴミ箱をひっくりかえしていたことを叱ろうとするも、愛犬が殺気を感じて逃げたので、「おいで~!」と優しく呼び、その指示に従ってやってきた愛犬を叱った。
(犬から見ると・・・指示に従ったのになぜか叱られた?!ってことになる)
◇ボールやフリスビーで遊んであげている時に、投げるフリをして実際は投げず、騙されて追いかけた愛犬の姿が可愛いので笑った。
◇犬に対して決めたルールを家族の誰かが守っていない。
(たとえば・・・禁止されていたソファーにパパが乗せてくれたので、もういいことになったのかな~と思ってソファーに乗っていたらママにこっぴどく叱られた)
愛犬が、トレーナーさんや他の家族の指示はきくのに、アナタの指示だけはきかない・・・という方は、「下に見られている」可能性以外にも、「信用できないヤツと思われている」可能性も疑ってみた方がいいかもしれませんね。
もしかすると日ごろから愛犬をからかって遊んでいたりしませんか~~~~?
●信頼に対する考え方
この実験結果を受けて、もうひとつ感じたことがあります。
実験では、たった1度嘘をつかれただけで、犬はもうその人の指示とは正反対の行動をしましたよね?
「信頼を築くには根気強く誠実に付き合う必要があるけれど、信頼を失ってしまうのはほんの一瞬」
このことが当てはまるのは相手が人間でも犬でも一緒なんだな~・・・
そう感じました。
もちろんワンちゃんは飼い主さんが大好きですから、ほんの些細なことで日ごろの信頼関係が全面的に崩壊してしまうようなことはないと思います。
でも、裏切られたと感じているとしたらワンちゃんが可哀想ですから、やっぱり気を付けたいですね~!
高岡さん率いる研究チームの論文(抜粋)はコチラに掲載されています。
(全文を読むのは有料です)
<今日のPet Hotel 11!>
朝のおさんぽで・・・後ろから来るオジサンが 気になって気になって仕方ないNちゃん ・・・風太くんか?! |
ん?呼んだ~? |
久しぶりにCちゃんが遊びにきてくれたよ! ルンルンで遊びました♪ |
新しいお友達の登場にNちゃんもルンルン♪ |
Cちゃんは体の大きなNちゃんのことを ちょっぴり怖いみたい(;^_^A |
SくんとRちゃん 遠慮なく嗅ぐねぇ~~~・・・(-_-;) |
女の子同士でチュッ♡ |
よーし!ボクたちだって~! 男の子同士でチュッ♡ |
Sくん「じゃ、今度は男の子と女の子で・・・」 Cちゃん「絶対しないから~~~~!!」 (;'∀') |
お腹を壊して隔離されているチャコを心配してくれる |
Sくんのお鼻にお花♪ |
Rちゃん、アラお水に花びら・・・風流だねぇ~! |