前回のブログからのつづきです。
【愛犬が交通事故に遭ったら・・・】
●被害者になってしまった時
◇ペットは法的に「所有物」扱い
考えたくもないことですが、もし万が一 愛犬が交通事故に遭ってしまった場合、損害賠償や慰謝料、治療費などはどうなるのでしょう?
飼い主さんにとって愛犬はかけがえのない家族です。
でも、残念ながら法律上ペットは「所有物」として扱われるのが原則です。
ですから例えば愛犬が車にはねられてケガをしてしまった場合、「物損事故」ということになって、相手方のドライバーが刑法上問われるのは「器物損壊罪」
ワンちゃんにかかる治療費は加害者(ドライバー)が任意加入している「対物賠償保険」から支払われることになります。
とはいっても、その金額の上限は事故が起きた時点での「ワンちゃんの時価」となるので、年齢の高いワンちゃんほど上限額は低くなってしまうのが現実です。
逆に、ショーレースのチャンピオン犬や血統書付きの犬の場合、それだけ価値が高いとみなされるため、賠償額も多少多めになるようです。
まとめると、
・ペットがケガをした=所有物を壊してしまったのと同じ。
・所有物は法的には「代替えが効くもの」と考えられる。
・だから賠償金は同等のモノが買える程度の金額まで。
・物損なので基本的に「慰謝料」の請求は難しい。
ってことになります。
飼い主さんにしてみたら
「事故のせいで後遺症が残って、とてつもない治療費がかかるのに、賠償額がたった1万円?!そんなのあんまりだ~!!」
「ふざけるな!!あの子の代替えなんて効くワケがないだろーっ!!」
「大切な家族を失った心の傷がこんなに深いのに慰謝料なしってどーゆーこと?!」
って感じてしまいますよね・・・(´;ω;`)
◇最近の判例は少し変わってきている
けれども、最近は「ペットは家族」という概念が一般に浸透してきているため、ケースによっては「慰謝料」を認める判例も多くなっているようです。
また、後遺症で介護が必要になってしまったワンちゃんについて、社会通念上必要とみなされる治療費の請求が認められたという判例もあるようです。
それに、法律や保険やさんの概念は別にして、示談交渉によって治療費や慰謝料を請求することはできます。
いずれにしても、いくら支払ってもらったところで愛犬の命が奪われたり、重傷を負わされたりしたら、事故前と同じ状態には二度と戻れないことを考えると、やはり絶対に事故から愛犬を守ってあげなくてはなりませんね。
傷は軽かったものの、事故の恐怖がトラウマとなって性格が変わってしまうようなワンちゃんもいるそうですから・・・
●加害者にならないために・・・
◇被害者なのに賠償金を請求される?!
さて・・・次のようなケースを想像してみてください。
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飼い主さんが愛犬をノーリードでお散歩させている時に、突然走り出した愛犬が車にひかれ、不幸にも亡くなってしまった。
ぶつかった衝撃で車には傷がつき、フロントライトも割れてしまった。
また、飛び出してきた犬に驚いて急ブレーキを踏んだために、後部座席にいる同乗者がむち打ちになってしまった。
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目の前で最愛の家族を失って失意のどん底にいる飼い主さんからすると、自分の方が被害者だと思いがちですね?
けれども残念ながら、こういった場合は飼い主さんの方が賠償金の支払いを命じられることがほとんどです。
つまり、被害者はむしろドライバーの方だとみなされるということです。
なぜ、そんなことになるんでしょう?
◇過失割合
交通事故が起きた時、重要な争点となるのは「過失割合」です。
自動車と歩行者の事故の場合、注意運転義務を怠ったとしてドライバー側に全部またはほとんどの過失割合があるとみなされるのが普通です。
けれども、自動車とペットの事故の場合は、むしろ飼い主さんのペットに対する管理者責任の方が問われるケースが多いのが現実です。
特に、愛犬をノーリードにしていた飼い主には多くの過失割合が課せられます。
なぜならば、ノーリードは次のような法律に抵触するからです。
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<動物愛護管理法>
動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない(7-1)
動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物の逸走を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない(7-3)
<民法>
動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、 動物の種類および性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない(718条)
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愛犬が道路に飛び出したりしないように管理すべき責任があるのに、それが不十分なために車と衝突したってことですね。
・・・ということは、当然 適切に愛犬を制御できないようなロングリードを使用していた時も、それなりに過失割合が大きくなるということです。
ただ、事故はそれぞれのケースで過失割合が変わってきます。
そこで、次回はイメージが掴みやすいように、過去に実際起きた事故の判例をいくつかご紹介したいと思います。
<今日のPet Hotel 11!>
夜はママが恋しくなっちゃったけど、よく頑張ったね! Eくん、またお泊りにおいでね~(^▽^)/ |
Pくんがまたお泊りにきてくれたヨ! 午前中まで降っていた雨はやんだけど、 まだ風と波がすごいねぇ~! Pくんはとってもおりこうにしてるよ~(^▽^)/ |
ありゃりゃ・・・チャコはまたつぶれちゃった。 どうしたのかなぁ?心配そうに見守るボス |
お!歩き出した! ちょっと体力落ちてるのかもね(;´Д`) |