前回記事からのつづきです。
犬の問題行動の原因を考える際の大前提は次の2つ。
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① 犬には何の落ち度もない。
② 犬が問題行動を起こす原因の多くは飼い主にあるが、原因の全てが飼い主にあるわけではない。
<問題行動の原因>
◇ 飼い主の問題
◇ 犬側の問題(犬にはまったく非がありません)
◇ 飼い主以外のすべての人間の問題
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前回の記事では、問題行動の原因ひとつめ「飼い主の問題」のうち、「しつけ」についてお話しました。
今日は「飼い主の問題」のふたつめ「飼い主の性格」についてです。
【飼い主の問題2 性格】
●噛む・唸る 攻撃性の高い犬
飼い主が愛犬を遺棄する理由のひとつ「問題行動」
その中でも最も深刻な問題行動は、飼い主や他の人を噛む・唸るなどといった高い攻撃性でしょう。
本気で噛みつくようになってしまったワンちゃんは、もはや「飼いにくい」のではなく「飼えない」状態になってしまいます。
米国では、飼い犬が人間を噛む事故が後を絶たず、毎年約450万件の咬傷事故が発生しています。
米国の人口は2017年時点で約325.8百万人。
つまり、72人に1人が犬に噛みつかれていることになりますね・・・(;´Д`)
日本の29000人に1人という割合に比べて恐ろしく高い数値です。
米国は日本に比べて大型の犬を飼っている人が多いことも原因のひとつだと言われています。
確かに日本では小型犬が圧倒的に多いので、飼い主が指を噛まれて少し血が出たくらいのことは「咬傷事故」としてカウントされていない可能性が高いでしょうね。
でも、おんなじことをピットブルがすれば、飼い主の腕の骨がむき出しになるほどの事故になってしまうのかもしれません。
いや・・・にしても72人に1人って、多くな~~~い?!(汗)
そのため、米国では愛犬の攻撃性に関する専門家への相談件数も大変多く、またそれが原因となる飼育放棄も問題になっています。
●攻撃性の高い犬の共通点
米国のサイトでは、咬傷事故を起こしやすい犬種のランキングなどがよく見られるのも、アメリカ人の関心の高さを示しているといえるでしょう。
ちなみに、2016年の噛み犬全米ランキング上位の犬種は、下記のようになっています。
Chihuahua(チワワ)
Bulldog(ブルドッグ)
Pit Bull(ピットブル)
German Shepherd(ジャーマンシェパード)
Australian Shepherd(オーストラリアンシェパード)
Lhasa Apso(ラサアプソ)
Jack Russell Terrier(ジャックラッセルテリア)
Cocker Spaniel(コッカースパニエル)
Bull Terrier(ブルテリア)
Pekingese(ペキニーズ)
Papillion(パピヨン)
(Dog Bite Statisticsによる)
チワワ、ラサアプソ、ペキニーズ、パピヨンなんか、愛玩犬で、ぜんっぜん大型犬じゃあありませんね(;'∀')
この”噛み犬ランキング”を見て、共通点を見出すのはちょっと難しい気が・・・
そこで、ペンシルバニア大学の獣医学部のジェームズ・サーペル教授は、攻撃性が高い犬種1000頭についてアンケート調査を実施しました。
その結果・・・犬の年齢、性別、去勢の有無、攻撃性を見せ始めたきっかけなど、様々な観点で共通点を探りましたが、有意な結果を見出すことはできませんでした。
●攻撃性の高い犬の飼い主の共通点
やはり、犬には共通点がない・・・となると、気になるのは攻撃性の高い犬にしてしまった飼い主側の共通点ですよね?
そこで、ジェームス・サーペル教授は、攻撃性の高い犬の飼い主に対して、簡単な性格診断検査を行いました。
すると・・・
攻撃性の高い犬の飼い主には、性格診断結果に、次のような共通点が顕著に出たのです。
・感受性が強すぎる
・混乱しやすい
・感情的に行動する
・恥ずかしがり
・臆病である
・躊躇する
・社会規範に無頓着
・決まり事を守れない
・言うこととやることが矛盾している
・意欲満々
・ひどく興奮しやすい
更に、犬猫の問題行動専門家で、「犬と猫の行動学―問題行動の理論と実際」の著者 ヴァレリー・オーファレル女史も、攻撃性の高い犬の飼い主50人を対象にした調査を行いました。
調査内容は、犬への意識調査・接し方調査・飼い主の性格検査(モーズレイ性格検査テストによる)です。
その結果・・・
オ-ファレル女史は、高い攻撃性を持つ犬の飼い主が、次のふたつのグループに分けられることを発見しました。
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・犬にのめり込みすぎて、犬が何かすると激しく狼狽し、一気に冷静さを失う傾向がある。
・犬が吠えて要求すれば散歩に連れて行き、犬がボールを持ってくれば遊んでやるといったように、犬の言いなりになる傾向がある。
・犬との付き合い方において、主体性がない飼い主。
溺愛グループの飼い主の殆どが共通して行っている行動は、
・犬と一緒に寝ている
・犬と一緒にごはんを食べている
・犬と一緒にソファに座っている
などでした。
・感情の起伏が激しく、犬に対して一貫性のある態度を示していない。
※このタイプの飼い主に飼われている犬は、攻撃性の他にも、
破壊行動・マウンティング・後追い・自傷行為、常同行動
などといった他の異常行動も示していることが多い。
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調査内容は、犬への意識調査・接し方調査・飼い主の性格検査(モーズレイ性格検査テストによる)です。
その結果・・・
オ-ファレル女史は、高い攻撃性を持つ犬の飼い主が、次のふたつのグループに分けられることを発見しました。
--------------
1)犬に感情的に固執する「溺愛グループ」
・犬にのめり込みすぎて、犬が何かすると激しく狼狽し、一気に冷静さを失う傾向がある。
・犬が吠えて要求すれば散歩に連れて行き、犬がボールを持ってくれば遊んでやるといったように、犬の言いなりになる傾向がある。
・犬との付き合い方において、主体性がない飼い主。
溺愛グループの飼い主の殆どが共通して行っている行動は、
・犬と一緒に寝ている
・犬と一緒にごはんを食べている
・犬と一緒にソファに座っている
などでした。
2)犬への態度に一貫性を欠いた「神経症グループ」
・感情の起伏が激しく、犬に対して一貫性のある態度を示していない。
※このタイプの飼い主に飼われている犬は、攻撃性の他にも、
破壊行動・マウンティング・後追い・自傷行為、常同行動
などといった他の異常行動も示していることが多い。
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●飼い主側の問題(まとめ)
やはり・・・あらためて、問題行動に関して、ワンちゃんの側にはまったく非がないことがよーく解りましたね。
「可愛い~~♪」
って言って買ってきた愛犬が攻撃的になったからといって、
「このバカ犬!ちっとも言うこときかないんだからっ!」
などと言って捨てる飼い主には、えんりょなく
「バカはそっちだ、ヤ~イヤ~イ!」
と言ってやりましょう(←危険ですから絶対にやめてください)
愛犬が問題行動を起こさないために、飼い主さん自身ができることは、
・命を預かっているという覚悟を持ち、犬について積極的に知るよう心がけて、愛犬とよくコミュニケーションをとりながら必要なしつけをきちんと行う。
・飼い主さん自身が心身ともに健全でいるよう心がけ、愛犬との適度な距離感を持ち、一貫した姿勢で犬と接するようにする。
ということですね。
さて、飼い主さんがこういったことを全てクリアしていれば、愛犬は問題行動を起こさないのでしょうか?
長くなるので、次回につづきます。
<今日のPet Hotel 11!>
朝のおさんぽ♪ 畑の用水路を眺めるHちゃんとDくん 仲良しねぇ~(^▽^) |
朝のおさんぽ♪ お花を眺めるボスと”なつ” なかよしねぇ~・・・ん?ボスは食べてるんだっ! 「やめんかーーーーっ!!」 |
Hちゃん、何見てるのかな? |
ああ~、うるさいヘリコプターだね(-_-;) |
ンベ~~~ッ!! いいぞ!Hちゃん(笑) |
転げまわったり走り回ったり 今日も元気なDくん |
Fくんもお庭遊び大好きだね~!
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「ね、ママー?ボクいっぱいお散歩してるよ! ちょっとスリムになったかなぁ?」 ・・・そんなことよりお鼻にお花がついてるよ(クスクス) |
Hちゃんで~~~す! 初めてお泊りに来ました!ヨロシク~♪ |
ちょっとビクビクしてるけど、アタシ 頑張ってるの!!ママ、ほめてほめてっ!! |
チャコは獣医さんで検査して「心配いらない」って 言ってもらったよ♪ ボスはチャコの枕になってあげてるんだね~ やさしいねぇ~~~・・・ |
・・・って思ったら、今度はチャコが枕にされてる ボス・・・アンタって子は・・・(-_-;) |