【施設に問い合わせる際のポイント】
前回のブログでは、施設利用の規約に
「混合ワクチンを1年以内に接種していること」
という文言のある7つの施設に実際に問い合わせをしてみたところ、すべての施設で
「陽性の抗体価検査結果を示す証明書があればOK」
という回答を得られたことをお話しました。
そこで、実際に施設に問い合わせる際のコツを少しだけ・・・
●問い合わせ先
まず、問い合わせる先ですが、チェーン店などの場合は本社の代表に問い合わせるようにしましょう。
店舗の窓口担当には、規約を柔軟に解釈する権限が与えられていない場合が多いからです。
代表に電話した結果、逆に
「店舗に直接問い合わせてください」
と言われた場合は、ある程度店舗に権限が与えられているので、言われた通りにします。
●準備するもの
抗体価検査を既に受けている場合はその証明書を手元に置いておきましょう。
また、一番最近受けた混合ワクチンの接種証明も念のため手元に用意します。
(最後のワクチン接種日を訊かれることがあるからです)
あとは、伝えたいことをあらかじめ書いておくと、相手に伝わりやすい説明ができますね。。
前回、実際にわたしが問い合わせた時に質問した内容は以下の通りでした。
『そちらの施設を犬連れで利用したいと思っています。規約を拝見すると「〇〇〇〇・・・」とあるのですが、ウチの子は獣医さんから混合ワクチンを接種する必要がないと言われていて、ジステンパーとパルボとアデノの抗体価検査が陽性なので接種の必要がないという証明書を持っているのですが、それで利用は可能かどうか教えていただけますか?』
ポイントとなるセリフは
「獣医さんから混合ワクチンを接種する必要がないと言われている」
「その理由はジステンパー・パルボ・アデノの抗体価検査結果が陽性だったから」
「その証明書(1年以内のもの)を提示できる」
ということです。
わたしが問い合わせた施設のご担当者はみなさん抗体価検査についてご存知のようでしたので、おそらく知らない方はいらっしゃらないかと思いますが、万一ご存知ないご担当者だった場合は、次のように説明しましょう。
「混合ワクチンは抗体をつけるために接種するものなので、既に抗体を十分に持っている場合はワクチンを打っても体内の抗体がそれを打ち消してしまうだけなので、まったく必要性がないばかりか、副作用のリスクもあるため、健康のためにはむしろ打たない方がいいと獣医さんから言われました。
ワクチンを打っても十分な抗体がつかないワンちゃんもいるので、予防接種証明よりも陽性を示す抗体価検査結果証明の方が確実なものだと言われたのですが・・・」
●問い合わせは施設を見極める試金石になる
こういった少し込み合った問い合わせをすることによって、その施設の姿勢が大変よくわかります。
もし、ここまで丁寧に説明しているにも関わらず、検討もなにもしないで
「規則ですからダメですね」
と即答するような施設ならば、わたしは違う意味で施設の利用を躊躇します。
だって、確かに規則ではそうなっているかもしれませんが、その規則は一体なんのためにあるの?ってことを担当者がまったく考えていない組織だということになりますから・・・
言うまでもなく、予防接種証明を利用者に提出してもらう目的は、施設を利用するワンちゃんたちの間でおそろしい感染症が広がってしまうことを防ぐためです。
また、施設を利用したワンちゃんが帰宅してから体調が悪くなったりした時に、「施設としては感染症予防に努めていましたよ!」ってことを対外的に言うため・・・ということもあります。
抗体価検査結果が陽性だという証明書を提示するということは、こうした要件をキチンと満たしていることになります。
それが理解できない(理解しようとしない)施設だということは、施設を利用中に何かトラブルが起きた時に柔軟な対応をしてもらえることは期待できませんよね。
少なくとも、ワンちゃん関係の施設を運営していながら、ワンちゃんの体に負担をかける混合ワクチンの毎年接種を何が何でもさせるという姿勢を崩さないとしたら、わたしはその施設を利用する気がなくなってしまいます。
逆に、施設利用に何の条件もなくて「誰でも自由にご利用いただけますよ~」という施設だった場合は、これまた管理者責任という観点からその姿勢にはちょっと疑問が出てきますね。
やはり、多くのワンちゃんが集まる場所の責任者としては、感染症の拡大予防に努める義務を怠ってはなりません。
杓子定規で血の通った対応ができない施設も困るし、無責任な施設も困るということですね。
問い合わせた時の担当者の対応の仕方や回答内容によって、今後もその施設を利用していきたいかどうかを見極めることもできるのではないでしょうか?
●あらかじめ地域の他施設にも問い合わせてみる
どうしても特定の施設が気に入っていて、そこの利用を断られたら困る!って時には、念には念を入れて、こういうことをしてみてはいかがでしょうか?
同じ地域にある、名前の通ったいくつかの施設にあらかじめ問い合わせをして「利用OK」の回答をもらっておきます。
目的の施設に問い合わせる際に、
「〇〇と△△さんではOKだと言われたんですけど・・・」
と言ってみましょう。
日本の企業の性質として、同業他社の規約を参考にしているケースがとても多いので、逆に他の施設でOKを出したと聞くと、それが有名どころであればあるほど、右に倣えで同じようにOKを出す施設はとっても多いんです。
少なくとも、即答で「NO」と言われてしまう可能性は非常に低くなるのではないでしょうか?
「検討します」
を引き出せばかなり脈ありだと思います。
愛犬の健康を守り、愛犬を取り巻く環境を良くしてあげられるのは飼い主さんだけです。
愛犬を連れて行きたい施設の規約に合わせるために愛犬の健康を犠牲にするのでは本末転倒ですね。
わたしが問い合わせた施設のご担当者がみなさん抗体価検査のことをご存知だったのは、過去に同じような問い合わせが少なくとも数件はあったからだろうと思っています。
もっともっと多くの飼い主さんが、同じような問い合わせを施設にするようになれば、きっと多くの施設の規約そのものが変わっていくのではないでしょうか?
そうなればきっと、
「混合ワクチンの接種は1年に1回」
なんて常識自体が「昔はそうだったらしいね~」ってことになるのではないかと期待しています。
●老犬や持病のあるワンちゃんの場合は・・・
副作用や、ワンちゃんの体への負担のリスクがある混合ワクチンの過剰摂取を避けるために、抗体価検査を受けることをお勧めしてきました。
抗体価検査は、血液検査をするだけなので、老犬や持病のあるワンちゃんへの負担もなく、安心な検査です。
けれども、老犬の飼い主さんや、アレルギー、皮膚炎、内臓系疾患などの持病があるワンちゃんの飼い主さんには、抗体価検査以外にも有効な方法があります。
それは「ワクチン接種猶予証明書」を獣医さんに発行してもらうということです。
これは、
「感染症にかかるリスクよりもワクチンを接種するリスクの方が高いという獣医師の判断でワクチン接種を猶予する」
という証明書で、混合ワクチン以外にも狂犬病ワクチンでも有効です。
施設によっては、「獣医さんの接種猶予証明書があれば利用可能」というところも結構ありますから、ぜひかかりつけの獣医さんに相談してみてくださいね。
さて、次回は
「5種類以上の混合ワクチンを接種していること」
という規約のある施設でも、3種類の感染症に対する抗体価検査でOKなところが多かったのはなぜ?
ということについて考えてみたいと思います。
ご自身のワンちゃんに本当に必要なワクチンは何か?ということを一緒に考えながらお読みください。
<今日のPet Hotel 11!>
大好きなお兄ちゃんとお姉ちゃんが 遊びに来てくれてみんな大喜び♪ |
ボスとなつがお山に向かって大興奮で吠えています! |
「うるさいニャア~~~」 |
なつ・・・どんだけ伸びてんの? ダックスになっちゃうよ~(-_-;) |
一方、チャコはまったく無関心 |
ん~?なんかあった~? |
キミたちは本当に仲がいいねぇ~ それにしてもチャコ・・・汚すぎる(-_-;) |