前回の記事では、犬の問題行動が飼い主自身が愛犬を捨てる原因のひとつになっていることをおはなししました。
犬の問題行動の原因を考える際の大前提は次の2つ。
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① 犬には何の落ち度もない。
② 犬が問題行動を起こす原因の多くは飼い主にあるが、原因の全てが飼い主にあるわけではない。
<問題行動の原因>
◇ 飼い主の問題
◇ 犬側の問題(犬にはまったく非がありません)
◇ 飼い主以外のすべての人間の問題
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ここからは、まずわたしたち飼い主自身の問題について考えてみたいと思います。
【飼い主の問題1 しつけ】
●正しいしつけってナニ?!
「犬の問題行動は100%飼い主に責任がある」と言い切る人は、かなりの数いらっしゃいます。
そして、そういう人たちが口を揃えて言うのは
「正しいしつけができていないからだ」
ということです。
これは、ある意味正論です。
犬の飼い主さんには、愛犬が他人に迷惑をかけないよう、正しくしつける義務があります。
いわゆる「監督者責任」ですね。
そして、正しくしつけができていれば、飼い主さん自身が手に負えなくなって遺棄するようなことにもならないという考えですね。
けれども、ここで大きな疑問が湧いてきます。
「正しいしつけを知っている飼い主さんって実際どのくらいいるんだろう?」
「そもそも、正しいしつけってなんだろう?」
●正解はひとつではない
犬のしつけやトレーニングに関する書籍やネット上の情報の量は膨大です。
そして、困ったことにそれぞれがまったく違う方法を提唱していたりして、当然どれも「我こそが正解」と言っていますね。
方法論をキッチリ学んだ上で経験を積み、すばらしいトレーナーになっている人がいる一方で、方法論など一切知らないのに、しつけのプロも舌を巻くほどおりこうなワンちゃんを連れたホームレスの人もいます(というかけっこう多い!)
結局のところ、しつけの正解はひとつではないってことです。
ここまで読んで、
「じゃあ一体全体、どうすればいいっていうのよーうっ?!」
と、イライラされている方は、おそらく現在、直したいと思っている愛犬の問題行動があるか、子犬を飼い始めたばかりで、その子を絶対にいい子に育てたいと張り切っている飼い主さんではないでしょうか。
そもそも、既に飼っている愛犬に何の問題も感じていないような飼い主さんは、このテーマに興味を抱かれないかもしれません。
●飼い主さんの心得
わが国では、何の知識も資質もないような人であっても簡単に犬を飼うことができます。
そもそも、そこに大きな問題があるとわたしは考えていますが、今日はソコントコは置いておいて・・・
しつけに迷ったらまず、いきなり方法論を学ぶ前に、誰も教えてくれなかった
「犬を飼うということはどういうことか?」
という基本に立ち返ってみてください。
次の動物愛護読本「犬を飼うってステキです-か?」をぜひ一度、読んでみてください。
犬を飼うってステキです-か?(1/4)
犬を飼うってステキです-か?(2/4)
犬を飼うってステキです-か?(3/4)
犬を飼うってステキです-か?(4/4)
これから犬を飼おうと思っている人向けに作られた内容ではありますが、現在犬を飼っている人にとっても、初心を思い出させてくれる大変いい内容だと思います。
愛犬のしつけで一番たいせつなことは、飼い主である私たちが「あきらめないこと」「投げ出さないこと」だという点は、決して忘れてはならないことですね。
●方法論について
どういうしつけ法、トレーニング方法が正しいのか?
についてはここでは触れません。
分厚い本1冊分ほどの内容になってしまうからです。
飼い主として、ご自身に何かが足りないと感じたり、愛犬の問題行動をどうにかしたいと少しでも感じておられるなら、漫然と日々を過ごすのではなく、行動してください。
知識が足りないと思うなら、インターネットで調べたり、本を読んだり、他の飼い主さんからお話を聞いたり、プロといわれる人に相談したりしてみてください。
ひとつの方法に固執するのではなく、できるだけ多くの情報に”触れる”ようにしてみてください。
そうしているうちに、方法論は確かにそれぞれの主張がまったく違うように見えるけれど、犬についての基本的な考え方に、ある程度の共通点も見出せるでしょう。
●しつけについて学ぶ際のヒント
意見が分かれるところですが、あえて個人的な見解を申し上げるなら、両極端な方法にはリスクが伴うと心得ておいた方がいいと思います。
具体的に言うと、罰してばかりの方法と、褒めてばかりでまったく叱らない方法は、あまりお勧めしません。
人間の子どもを育てる際に、叱ることしかしない育て方や、褒めてばかりの甘やかしがいい方法か?を考えていただければ解りやすいかと思います。
もっと言えば、罰してばかり または 甘やかしてばかりという育て方は、いずれもワンちゃんの尊厳を無視した自己満足に陥りやすい方法なので、うまくいく可能性が低いばかりか、大変な問題犬を育成してしまうリスクが大きいのです。
ワンちゃんは、アナタの奴隷でもなければ、アナタの抱き人形でもありません。
しつけは、個々のワンちゃんの理解度や習熟度を見極めながら行う、究極のコミュニケーションだと考えていただけるといいかと思っています。
●一歩踏み出せば新しい発見が・・・
しつけについての色々な情報に触れているうちに、
「なるほど納得!このやり方をぜひうちの子に試してみたい!」
そう感じるものに出会ったら、ぜひ愛犬と一緒に楽しみながらトライしてみてください。
トライすれば、新たな課題にぶつかるでしょう。
そうなると、もっと知りたいと感じて更に学びたくなるでしょう。
愛犬とアイコンタクトを取りながら学んだことを実践し、試行錯誤するうちに、
「あーそっか、最適なタイミングはこれか!」
と、突然光が見えたり、今まで愛犬がちっともできなかったことができるようになったりするのは、本当にステキな体験です。
愛犬と一緒にチャレンジするその取り組みは、お互いの信頼関係を深める、実に楽しいものになるはずです。
●犬の行動生態学についても学ぼう
しつけの方法論にばかり捕らわてしまうと忘れがちなのが、犬という動物についての知識です。
犬はわたしたちとは違う種の動物ですから、その行動や生態について何も知らなければ適切なコミュニケーションが取れるわけがありませんね。
しつけにつまづいていた人が、犬の生態について何かで読んで知識を得た結果、
「ハッ!!何をやっても直らなかったうちの子の無駄吠えは、実はお散歩が足りていなくてストレスがたまっているのが原因だったんだーーー!!」
みたいな気づきを得ることもアルアルなんですよ。
長くなりました。つづきはまた次回にお話しまーす!
<今日のPet Hotel 11!>
朝の海岸さんぽ♪ |
Fく~~~ん、みんなが写らないよー! |
Fくん「あ、スンマセーン」 |
やっぱりダックスはボールが好きなのか? |
ママー、ちゃんとイイコにしてるよ~! |
ウリなんだよ~~ん。 前は仲良しだったのに、最近Dくんのことが 怖くなっちゃったの( ノД`) Dくんは前みたいに遊びたいだけなんだけど・・・ ウリくん「キャーー助けてぇーーーっ!!」 |
すると・・・ウリくんを心配したチャコが |
Dくんとウリくんの間に入って・・・ |
「大丈夫だよ!」ってウリくんを |
ペロペロしてあげて・・・ |
「ホラね!ぜんぜん大丈夫~!」って 仰向けになって見せていました。 チャコの社会性ってやっぱりすごい!! |
そんなウリくんだけど、あの女帝”なつ”のことは ぜーーんぜん怖がってなくて(ちっちゃいから) なつ「やめんかーーーっ!!」 ウリくん「やめなーーーいっ♪」 |
昨日の朝から元気いっぱいごはんをモリモリ 食べていたチャコですが・・・ つい先ほど、ネンネの前に再び吐いてしまったので 明日の朝一番で病院に行くことになりました。 はぁ・・・ホっとしていただけに落ち込んでいます・・・ 早く元気になぁれーー!! |