※お食事中にはお読みにならないことをおすすめします(悲惨な画像はありません)
【なくならない多頭飼育崩壊】
●滋賀県 犬屋敷
今月(2018年4月)11日、動物愛護法違反と県の動物愛護条例違反の疑いで住所不定アルバイトの男が逮捕されました。
多頭飼育現場となっていた木造2階建ての一軒家に捜索に入った大垣署の捜査員は、
「強烈なふん尿の臭いが漂い、室内の床が抜け落ちて地面がむき出しの状態で、白骨化した犬の頭蓋骨や動物の毛が堆積している凄惨な光景だった」
と報告していたそうです。
捜索時、室内にはやせ細った犬が2頭だけ残っていて、堆積していた骨を鑑定したところ、12~21頭分だったそうです・・・
◇経緯
男の年齢は68才。
以前はこの民家に犬と一緒に暮らしていたようですが、いつからか男は付近の月極駐車場の車中で寝泊まりしていたそうです。
ボロボロの民家には、あちこちに隙間があって、外を犬がウロウロしていた姿もたびたび目撃されていました。
近所の女性によると
「夏場は臭いがきつくて通り過ぎる時は息を止めていた」
そうです・・・( ノД`)
県の生活衛生課が近隣住民からこういった悪臭や鳴き声に関する苦情を受け付けたのは6年も前でした。
その当時、男は自分の飼い犬として34頭の犬を登録していたそうです。
(この時点で行政がおかしいと気づくべきだと思いますが・・・)
すでに当時から男はその家には住んでいなかったといいます。
昨年の11月以降になってから、大垣市から要請を受けた保健所が調査のために現場の民家を訪れるようになりました。
11月24日に調査員が民家に入った時は30頭ほどの犬が室内にいたそうです。
「不衛生な環境ではあったものの、男には飼育の意思があり、餌や水は確認できた」
と言います。
とはいえ、犬が勝手に隙間から外に出られる状況だったため、保健所は12月までに付近で6頭を捕獲しています。
その後、指導のために男と連絡を取ろうと試みたけれど音信不通になってしまい、勝手に立ち入ることもできなくなってしまったため、県警に相談したということのようです。
近所の70歳代の男性は新聞社の取材に答えて
「もともと犬はそんなに多くなかった。飼育しているうちに繁殖して手に負えなくなったのでは」
と話しています。
逮捕された男は
「犬は好きだから飼っている」
と近所の人に話していたようで、週に1度は犬たちがいる民家に立ち寄って餌を与えていたといいます。
●多頭飼育崩壊 その他の事例
こういった多頭飼育崩壊の事例は枚挙のいとまがありません。
◇神奈川県 猫屋敷
昨年6月には神奈川県大和市で多数の猫を不適切な環境で飼育していた土木作業員の男(49歳)が書類送検されました。
男は大家さんにに「飼う猫は1匹だけ」と約束していたそうですが、保護された猫はなんと76匹!
近所では「猫屋敷」と呼ばれていて、中にはネコの死骸や排泄物、ゴミなどが散乱していました。
男は
「7年前に知人からもらったメス猫が野良猫と交配して繁殖し、手がつけられなくなったので、自分は車で寝泊まりしていた」
と言っています。
滋賀の男と状況が似ていますね・・・(-_-;)
◇兵庫県 8年間の地獄
昨年11月に、神戸市東灘区の市営住宅で56匹の猫と複数の猫の死骸を放置していた40代の女が強制退去処分となりました。
3DKのその部屋には人間の膝の高さまで猫の糞尿が堆積し、いたるところに汚物が染み込んで、猫の死骸から大量のハエやウジがわく「地獄絵図」だったそうです。
女が10代~20代の子どもと3人で市営住宅に入居してきたのは平成18年ごろで、それからしばらくして捨て猫を数匹拾ってきて飼い始めたそうです。
市営住宅ではペットの飼育は禁止されていましたが、近所の人が「数匹なら・・・」と黙認してたところ平成21年ごろから異変を感じるようになりました。
女の部屋から異臭が漂い始めたのです。
近所の人が女を問いただすと、「鼻が悪くて分からない」と受け流し、平成22年末には猫が大量繁殖し、飼育できなくなった女は別の場所に移動してしまいます。
通報を受けて市がやっと調査に乗り出したのが平成27年。
女は
「猫はきちんと世話しており、一緒に暮らしている」
と主張したそうですが、水道メーターも回っておらず、女は毎日 午前4時ごろに帽子とマスクを身に着けて近隣住人と顔を合わせないようにコソコソと猫にエサと水を与えに来て、足早に立ち去っていたとか・・・
近隣の46世帯からの要望書を受けて平成28年10月に市が部屋の明け渡しを求める提訴を起こしたのを受け、神戸地裁が悪臭による迷惑行為という市の主張を認める判決を下し、業者が強制退去に踏み切ったのは昨年4月になってからでした。
「言葉では言い表せない悲惨な現場だった。まさか猫が53匹も放置されていたとは」
と絶句していたそうです。
猫たちは保護団体に引き取られましたが、その半数近くが妊娠していたといいます。
いやいや・・・市の職員さんもね、「まさか」ってんなバカな・・・
8年も放置していたらそんな風になっていることは容易に想像できませんけー?
すぐ下の部屋に住んでいた72才の男性は8年間もの間、糞尿の雨漏りや大量のハエと悪臭に悩まされ、体調を崩すこともあったそうですよ・・・お気の毒に(´;ω;`)
●どんな罪に問われるの?
環境省の調査によると、都道府県、政令市、中核市の計115自治体が2016年度に住民からの相談に基づいて犬や猫の多頭飼育を指導した件数は、
犬が2606件、猫が3296件
に上ります。
また、そのうち虐待の恐れがある事例は
犬が145件、猫が46件
といいます。
先ほど挙げた事例のような飼い主(←飼い主なんて呼びたくないけど)は、どういった罪に問われるのでしょう?
動物愛護管理法 第6章 44条には以下のようにあります。
「愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。」
100万円以下の罰金・・・たったそんだけ~~~?!
●遅いっ!!
ご紹介したのは、多頭飼育崩壊事例のほんの一部ですが、6年だの7年だの8年だの・・・
近隣住民からの通報で事態を行政が知ってから全容解明までにあまりにも時間が経ちすぎているとは思いませんか?
その間に、何頭の子たちが亡くなり、そして何頭の子が乱繁殖によって劣悪な環境に産み落とされてきたか・・・
尋常ではない悪臭がしている住居について通報があり、住人が立ち入りを拒否する、または住人と連絡が取れない場合は強制的に立ち入ることができるという風にはできないものなんでしょうか・・・
失われていく小さな命の尊厳という観点からも、近隣住人の暮らしと健康の観点からも、迅速な立ち入りが可能になるような法や条例の改正が必要なのではないかと思っています。
どう考えても「プライバシーの侵害」と「被害状況」を天秤にかけた時に、被害が甚大すぎるように感じているのですが・・・
同じようなことを何回繰り返せば気が済むのでしょう?
ちなみに、昨年10月末に我が家の愛犬となったチャコも、茅ヶ崎市の河川敷の小屋で30頭の多頭飼育崩壊の末に保護された子です。
飼い主(←舌打ち)はやはり別な場所からエサと水だけやりに小屋に通っていたといいます。
我が家に来て間もない頃のチャコ 爪も被毛も伸び放題 被毛はスカスカで下半身はほぼハゲちゃんでした。 |
現在のチャコ。実はこんなに可愛い子だったのよ! |
こういうニュースを見ると、チャコは最悪の事態になる前に保護され、我が家に来てくれて本当によかったと思うと同時に、もしあのまま放置されていたら・・・と想像すると
「ンガーーーーーッ!!」
と気が狂いそうになっちゃいます。
<今日のPet Hotel 11!>
Mくん、ウリくんが誘ってくれてるよ! |
すぐに意気投合して遊び始めたふたり♪ お外は雨だけど遊び相手がいてよかったよかった! |
ウリくんはこうやって隙間に潜り込むのが大好き♪ (ヘンな顔~笑) |
午後は雨もあがっていっぱいお散歩できたよ! |
MくんはEコッカー×ラブラドールMIX やっぱりホリホリ大好きだね~(笑) |
お山の畑にも行ったよ! |
Mくん「ウリくん何着てるの~?」 ウリくん「お腹が汚れないためのエプロンだよ~」 ラブラブな男の子たち(;'∀') |