前回記事からのつづきです。
犬の問題行動の原因を考える際の大前提は次の2つ。
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① 犬には何の落ち度もない。
② 犬が問題行動を起こす原因の多くは飼い主にあるが、原因の全てが飼い主にあるわけではない。
<問題行動の原因>
◇ 飼い主の問題
◇ 犬側の問題(犬にはまったく非がありません)
◇ 飼い主以外のすべての人間の問題
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前回の記事では、しつけでは解決できない「犬の問題行動」の因子として、犬の体格や脳の先天性異常、ワクチンの影響や抱えているトラウマなどについてお話しました。
ここからは、犬の問題行動の原因のうち、飼い主以外のすべての人間の問題=責任についてお話したいと思います。
【飼い主以外のすべての人間の責任①】
●繁殖~販売方法の問題点
繁殖~販売方法の現状については、犬の殺処分の直接や間接の原因になっていると問題視されていて、このブログでも何度も触れてきました。
直接的な殺処分の対象になっていると言われているのは、これらの業者による売れ残った子犬の処分方法です。
行政が「殺処分ゼロ」を掲げるようになって、保健所や公共の保護センターが簡単には引取ってくれなくなったことで、闇から闇に葬られる子犬たちがたくさんいて、その数さえ把握できない状況です。
そして、殺処分の間接的な原因となっているのが、問題行動を起こしやすい因子を持った子犬の繁殖と販売です。
前回、前々回のブログでお話した通り、飼い主さんの愛情やしつけだけでは解決できない問題を抱えたワンちゃんがいます。
問題行動の原因その2【犬側の問題】①
問題行動の原因その2【犬側の問題】②
そういったワンちゃんの飼い主さんは ワンちゃんの問題行動に疲れ果て、ワンちゃんのことを可愛いと感じられなくなり、酷い場合は日常生活が送れないようになり・・・そして最悪の場合、ワンちゃんに噛まれて大怪我を負ったりして、
「んもーーーっ!飼ってられんぞっ!」
と飼育放棄するに至る・・・という流れですね。
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・売れ残る → 処分する(直接的な原因)
・問題行動の因子を持った子犬を繁殖または販売する → 飼い主が持てあます →処分する(間接的な原因)
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ってことになります。
◇販売業者の「生命保障制度」について
でも・・・繁殖業者やペットショップが取り扱っているのは他ならぬ”生き物”。
生き物である以上、健康上の問題や気質的な問題などを抱えた子が生まれる可能性は、どうしてもありますね。
ペットショップのショーケースの中から店員さんに出してもらった子犬を抱っこした時には判らなかったそれらの問題が、おうちに連れ帰って数か月してから判明したらどうしましょう?
ペットショップの多くは「生命保証」(生命保障)という制度を設けています。
お店によってその内容はまちまちですが、たとえば、販売後1カ月以内の病気や死亡について、同等のペットと交換してくれたり、代金の一部または全部を返金してくれるというようなシステムです。
けれども、可愛いと感じて家族として迎え入れた子犬に何かがあった時に、まるで家電量販店で購入した扇風機に不具合が見つかった時のように
「あ~あ、ダメだこりゃ!でもよかった♪まだ保証期間内だから交換してもらえるヨ!ホレーイ♪」
って割り切れる感性の人ってどのくらいいるでしょうか?
(個人的にはそういった感性の方は生き物を飼うのに向いていないとあえて言わせていただきたい)
結局は、何かしらの病気が判明したからといってアッサリと手放すことができず、悩んでいるうちに保証期間を過ぎてしまう飼い主さんもいっぱいいます。
(死亡してしまった場合は、当分ペットなど飼う気が起きないことがほとんどで、代替えペットを拒否する人も多いでしょう)
更に、成長するとともに出てくる様々な「問題行動」に関しては、ほとんどが飼い主の責任と考えられているために、保証してくれるようなペットショップはまずありません。
(それが、先天的な脳疾患などによると、保証期間内に獣医師が証明してくれれば別ですが・・・)
結果的に、ペットショップが「弊社の安心プラン♪」とかなんとか言って宣伝しているこの「生命保障制度」を利用する(できる)人というのは、ごく少数だといえるでしょう。
◇絶対に業者が損をしないカラクリ
もっと言えば、ある飼い主さんがこの「生命保障制度」を利用することになったとしても、お店としては何一つ懐が痛むことはありません。
何故なら、大手ペットショップは2~3万円で仕入れた子犬を10~20万円で販売しているからです。
もちろん、餌代などの維持管理費、人件費、テナント料などの諸費用が小さな子犬の背中にのっかっているんでしょう。
でも、それだけ大きな利益を上乗せしている理由のひとつには、売れ残り(在庫)を抱えるリスクがあります。
仕入れた時には、大きな利益を生む「金の卵」だった子犬は、可愛い盛りを過ぎてしまえば買い手がつきにくいため売れ残り商品となり、業者にとっては餌代などの経費ばかりがかかる「金食い虫」になり下がってしまいます。
そのため、少し大きくなってしまった子犬は 原価割れ覚悟で時にはタダ同然で叩き売ったり、繁殖業者に売りとばしたりするんですね・・・
Pet Hotel 11!にいる超長期お預かり犬”なつ”も、そんな売れ残り状態だったところを、元飼い主さんに救われた子です。
こぉ~んなに可愛いくて頭のいい子なのに売れ残っていたなんて、みんな見る目がないのねぇ~~(笑)
「生命保障制度」を利用すると申し出た顧客に、業者が代わりの子犬1匹引き渡したところで、ペットショップにとっては、単に売れ残り在庫の子犬が1匹”はける”くらいのことだってことです・・・
そのような、あくまでも業者に甘っちょろい制度の中で、繁殖業者やペットショップが何を考えるか・・・もうお分かりですよね?
「ちょっとくらい不良品があってもいいから、とにかくバンバン生ませてバンバン売っちまえ~~!!」
・・・当然こういう風になります。
さて、先ほど
「生き物である以上、健康上の問題や気質的な問題などを抱えた子が生まれる可能性は、どうしてもあります。」
と書きました。
それは本当です。
けれども、ここでぜひみなさんに考えていただきたいのは、
現在の子犬たちの繁殖~流通~販売システムは、果たしてそういった問題を抱えた子犬を最小限にする努力や工夫をしているように見えますか?
ってことなんです。
ある程度は先天的に問題行動の因子を持った子犬が産まれてしまっても仕方がない。
でも、今のシステムはまるで、そういう因子を持った子犬を量産しているといっても過言ではないわが国の現状を、愕然とするようなデータをご紹介しながら次回のブログでお話していきたいと思います。
<今日のPet Hotel 11!>
ボクはIくん |
ボクはFくん |
わんぱく0歳児軍団なんだっ!! もー顔がわんぱくだもの・・・(;'∀') |
1歳のCお兄ちゃんにいっぱい遊んでもらったヨ! |
1歳になると、こんな風に浮かぶことが できるようになるんだね!? |
す・・・すごいや!Cお兄ちゃん! |
Fくん「おい!そこのちっさいオバサンっ!!」 なつ「・・・なによ?」 |
Fくん「ボク、こおーんなに大きいんだぞっ!」 なつ「ハイハイ、すごいすごい」 チャコ「おーおー、すごいねぇ~」 ・・・完全に貫禄負けしてるよFくん (-_-;) |
Iくん「ねーねーボスおじさ~ん」 ボス「なんだよ~、お水飲んでんだよ~う」 |
Iくん「ボールは?ボールはどこなの~?」 Iくん・・・デリケートな問題だから訊かないで あげてぇ~~~( ノД`) |
平和主義でやさしいSくんは |
気が強いRちゃんにいつもタジタジ・・・ でも、Rちゃんは0歳児軍団ととっても上手に 遊んでくれたんだよ!ありがとねRちゃん♪ |
またしても、例のスロープに居座る”なつ” チャコ「ちょっとー通らせてよぅ」 なつ(聞こえないフリ) |
チャコ「少しは横にどいてよーぅ!」 なつ(聞こえないフリ) |
チャコ「まったくもうっ!!」 なつ「・・・ケケケ♪」 |