2019年3月1日金曜日

臆病でおとなしい犬がなぜ赤ちゃんに噛み付いたか?⑤

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





前回ブログのつづきです。


【わたしたちにできること(つづき)】


愛犬のゴールデンレトリバーが、目の前で生後10ヶ月の可愛い孫娘に噛みつき、死なせてしまった・・・そんな悲劇に見舞われたご夫妻が書類送検されたという、胸が潰れそうな事案から、わたしたち犬の飼い主が気をつけるべきことについて考えています。


●適度な距離感


新しい家族(赤ちゃん)と愛犬の出会い方が適切な形で行われ、愛犬が赤ちゃんを飼い主さん(リーダー)に属するのだと認識してくれたからといって、すぐに至近距離に近づけてしまうのは危険です。

生まれたばかりの赤ちゃんであれば自分からワンちゃんに近づくことはまずないでしょうから、できればワンちゃんが赤ちゃんに勝手に近づかないようにしつけておくか、物理的にお部屋を分けるなどしてワンちゃんが近づけないようにした方が安心です。

赤ちゃんはワンちゃんが知っている人間とは違う音を立てたり違う動きをするため、それに対してワンちゃんが何を感じどう反応するかの予測はしにくいからです。

ワンちゃんを赤ちゃんに接近させる時には常に飼い主さんがすぐそばについていて、何かあればすぐに赤ちゃんを守れるようにしておきましょう。

赤ちゃんに対するワンちゃんの反応を注意深く観察し、明らかにワンちゃんの方が赤ちゃんに対して親愛の情を抱いていると確信できるようになったら、そこから両者の仲睦まじいコミュニケーションを楽しむようにしても遅すぎることはないですね。


一番やってはならないことは、まだワンちゃんが赤ちゃんの存在をどう受け止めていいかわかりかねているような初期の段階で、ワンちゃんの気持ちを無視して鼻先に赤ちゃんを無理やり近づけたり、赤ちゃんが寝ているところに無理にワンちゃんを引っ張ってきたりすることです。

前回もお話したように、犬にとって”距離感”はとても大事なものですから、ワンちゃんが新しい家族を認め、受け入れることができるまで のんびりとその時を待ってあげてください。



●関係が構築されるまでの時間


今回、祖父母宅の飼い犬ゴールデンに噛みつかれてしまった女の子は、ゴールデンにとっては”よそ者”でした。

つまり、群の一員(家族の一員)ではなかったという意味です。

そして、おそらくゴールデンにとって、心を許せる馴染みの友達でもなかったはずです。

同居の家族であれば、日々の暮らしを共にする中で、イヤでも少しずつ新しい家族を受け入れることになるでしょう。

けれども、赤ちゃんがあくまでも”来訪者”という位置づけだった場合、特に注意が必要になります。

女の子は、それまでも何度か祖父母宅を訪れていたそうですからゴールデンとは初対面ではなかったようですね。

とはいえ、ご存知のように赤ちゃんの成長はとても早く、その様子や表情、身体能力は祖父母宅を訪れるたびに違っていたのではないでしょうか・・・

まして、事故を起こしたゴールデンは臆病だったのでしたね。

ただでさえ、警戒心を抱いている来訪者(侵入者)が、やってくるたびに前回とは様子が異なっていたら、関係を育んだり慣れたりするのはとても難しかったのではないでしょうか?

わたしたち飼い主は、両者の間にちゃんと信頼関係や愛着関係が形成されたことを見極められるまでは、安心して両者を近づけるべきではないということですね。


わたしは、今回の事故が起きてしまったことは、赤ちゃんが同居犬ではなかったことと無関係ではないように感じています。



●守るべき存在


わたしは、多くの犬(成犬)が人間の赤ちゃんを、”守るべき弱き者”として認識できると思っています。

犬だけでなく、哺乳類全般にそうした感覚は共通認識としてあるようにすら感じています。

(種の違う生き物の赤ちゃんを育てる動物の姿を見たことがある方も多いでしょう)


けれども、臆病な犬、社会性が低い犬、余裕のない犬、神経質な犬などにとって、たとえ相手が赤ちゃんであっても、その存在を脅威に感じたり、ライバルとみなしてしまうことは十分ありえます。

なぜなら、臆病で社会性が低い犬の多くは精神的に自立できていないことが多く、簡単に言ってしまうと、いつまでたっても甘えん坊の赤ちゃんのままである可能性が高いからです。


昨年の11月に、我が家に生後2ヶ月半の子犬=”としお”が初めてやってきた時も、先住犬たちの反応はまっぷたつに別れました。

社会性が高いナツ(チワックス)とチャコ(ヨーズー)は、”としお”をひと目見た瞬間から、まるで母親のように”としお”を愛おしい存在としてフルオープンで歓待しました。

一方、その生育環境のせいで社会性が低く臆病なボス(ミニチュアダックス)は”としお”にどう接したらいいのかわからず明らかに戸惑っている様子でした。

その上、手放しで”としお”を可愛がるわたしたちやナツやチャコの姿勢を、面白くないと感じているようでした。


(”ようでした”ってゆーか、明らかにフテくされていました)


そのため、わたしたちはボスと”としお”の接触にはとても神経を使っていました。

しばらくして、ボスは”としお”を家族の一員と認め、”としお”は社会性においてあっという間にボスを追い抜いてしまったため、今ではボスの方が”としお”の子分みたいになっちゃってますが・・・(^_^;)



●先住犬への配慮


新しい家族(赤ちゃん)を家に連れてくる際、上記のように先住犬の性格や精神的な成熟度によって、反応は様々なはずです。

もし、新しい家族が増えたことに大喜びしているとはいえない様子のワンちゃんに対して、飼い主さんが配慮を欠いた接し方をしてしまえば、それは赤ちゃんを危険に晒すことになりかねません。


余談ですが、わたしの知人がよく、次のようにボヤいていたのを思い出しました。


「主人の実家に行くと、お義父さんが私のことをすごく褒めてくれることに大迷惑してるのよ。

実家で料理を作ると、美味しい美味しいって喜んでくれるのはいいんだけど、よりによってお義母さんに


『いやぁ~〇〇さんは料理上手だなぁ!オマエもこれくらいうまい料理を作ったらどうなんだ?』


とか言っちゃうの・・・。

そうやってお義父さんが私を褒めれば褒めるほどお義母さんの私への当たりがキツくなって、後ですごーくいびられるのよ!!

もうやめてほしいわ~~~!!!(泣)」


嫁姑問題にありがちなシーンなのかもしれませんねぇ~(^_^;)


もうひとつ、事例を挙げましょう。

よく、ご家族に第二子(人間のね)が生まれた時に、年齢の近い第一子が”赤ちゃん返り”してしまうことがありますね?

”赤ちゃん返り”の原因は、今まで一身に自分が受けていたパパやママの愛情を、新しくやってきた赤ちゃんに奪われてしまったと感じることによる焦りやジェラシーですね。


こうした動揺が愛犬にも起こり得るということは、よく覚えておいた方がいいでしょう。


・先住犬がいるご家庭に新しいワンちゃんを迎え入れるとき

・先住犬がいるご家庭に新しい家族(赤ちゃん)を迎え入れるとき

・先住犬がいるご家庭に、お孫さんや知人の赤ちゃんを迎え入れるとき


精神的に自立できていない甘えん坊のワンちゃんにとって、みんなの注目や愛情が自分ではなく赤ちゃんに向けられていることは、自分の存在をおびやかす脅威であり嫉妬の対象となるということです。


そのため、特に臆病で社会性が低い(精神的に自立できていない子供っぽい)ワンちゃんの飼い主さんは、愛犬への配慮を怠らないように十分気をつけなくてはなりません。


具体的には、むしろ先住犬を優先して可愛がるように努め、間違っても”新入り”の方に心を奪われて先住犬をほったらかしにしたりしないようにすることです。

むしろたっぷりと手間や時間を先住犬にかけ、たとえば長めのお散歩に連れて行ってあげるなど、先住犬が余計なストレスを溜め込まないように配慮してあげることが大切です。



●愛情を試さないで!


大好きな飼い主さんが自分以外の者を可愛がる様子を見て、激しく嫉妬するワンちゃんは多いですね。

そして、困ったことにそんな愛犬の様子を楽しむように、わざと他の犬や人、ぬいぐるみを可愛がってみせる飼い主さんが結構多いんです。

嫉妬している愛犬の様子は、飼い主さんにとってたまらなく可愛く映るのはわかります。


「この子ったら・・・こんなにもワタシのことが好きなのね~♪」


と、ちょっぴりいい気持ちになるかもしれません。

でも、愛犬にとって自分の気持ちを弄ぶかのような飼い主さんの行動はとても酷なもので、ストレス以外の何物でもありません。

気の毒な愛犬がためこんだフラストレーションは、可愛がられている対象に「憎しみ」という形で向かってしまうかもしれないということを決して忘れないでください。

ワンちゃんの愛情を試すかのような こうした行動は、絶対にやめてあげていただきたいと思います。




犬という動物は、その共感力や感受性の豊かさゆえに人間の親友となりました。

皮肉なことに、そうした犬たちのコミュニケーション能力の高さや愛情深さにわたしたち人間はつい甘えてしまい勝ちです。

でも、人間にも色々な人がいるのと同じように、犬にだって色々な子がいて、決して子供とは仲良くなれない犬だっていますし、飼い主さん以外の人や犬には絶対に心を開かないような犬だってたくさんいます。

また、普段は子供好きで近所の子供たちには優しく接しているような子でも、自分のテリトリーに入ってきた子供にも同じように接するかはわかりませんし、相手の子供との相性によっては見たこともない態度をとるかもしれません。



わたしたち飼い主はこうしたことを忘れず、飼い主として愛犬に適切なふるまいをさせる責任を果たすとともに、大人として小さな命を守る責任を果たしていかなくてはなりませんね・・・・


幼くして亡くなった命を無駄にせぬよう、これを機会に改めて胸に刻んでおきたいと思いました。






<今日のPetHotel11!>

雨降りの午前中・・・
”としお”「たいくつです~~~~」


”としお”「ん?」


”としお”「あそんでくださーーーーい!!」

ウワッ!!!


ボス「たいくつ大好き~~~♪」

(^_^;)


チャコ・・・そろそろまたトリミングしなくちゃね

チャコ「まだダイジョウブ~~」


”としお”「ボスさん、おちょくってもいいですか?」

ボス「ダメに決まってるでしょっ!!」


”としお”「チャコさんチャコさ~~~~ん」


チャコ「んも~・・・いいかげんにしてー!」


ボスー、ウンチ出たぁ~~?


ボス「撮らないでよ~~う」


ナツ「”としお”の遊び相手になる
ワンコが来ないかしらねぇ~~」


来ました!!
跳んで火にいる・・・Hくんでーす♪


Hくん「はじめまして~!よろしく~♪」

1泊トライアル、がんばろーね(*^_^*) 


ナツ「Hくん、ホラホラこわくないわよ~」


ナツ「リラックスしてね~~」 


・・・・って、心配しなくても
Hくんはぜんぜん大丈夫そうだね(*^_^*)


上手にご挨拶できてます♪


”としお”「ボクと遊んでくれそうです~♪」


”としお”「Hくん、あそんでくださーーい♪」

Hくん「イテッ!!」


Hくん「やめろよ~~~~っ!!」


ナツ「なんだ・・・アンタたち
なかなかいい遊び友達に
なれそうじゃないの?」


午後のおさんぽ♪
雨もやんで、ワンちゃんたちが
いっぱい海岸をお散歩していたよー!


Hくん「砂浜のお散歩、大好き♪」

よかったねぇ~~(*^_^*)


Hくん「お母さん、ママ、お姉ちゃん、
ボク、とっても楽しくしてるから
心配しないでね~~!







0 件のコメント:

コメントを投稿