【社会性をつけさせたくて・・・】
●社会性が低い犬って?
PetHotel11!には、旅行や出張といった用事がある時だけでなく、愛犬に犬としての社会勉強をさせたいという目的でワンちゃんを預けられる飼い主さんがいらっしゃいます。
ケージでお留守番するペットホテルと違って、ケージレスのペットホテルでは さまざまなタイプの他のワンちゃんとふれあうことができるので、社会化勉強にはもってこいなんですね。
さて、犬としての社会化ができていないワンちゃんってどういうワンちゃんかというと、犬社会におけるコミュニケーションの仕方がよく解っていないワンちゃんです。
本来 犬は人間と同様に高いコミュニケーション能力を持っていて、家族や仲間と協調しながら暮らすことができる生き物ですし、仲間と関わりを持ちたがる生き物です。
だからこそ犬は、”人間の一番の親友”という地位を確立することができたんですね。
当たり前のことですが、犬は人に飼われていようが飼われていまいが”犬”なんですから、人間とのコミュニケーションよりも犬同士のコミュニケーションの方が得意なはずです。
ところが、ペットとして飼われているワンちゃんの中には、犬同士のコミュニケーションの仕方がまったく解らず、人間(主に飼い主さん)とのコミュニケーションしかできない子が実に多いんです。
そうなってしまう一番大きな原因は、お母さん犬や兄弟犬と一緒に過ごしながら社会性を学ぶべき”社会化期”に、早々と引き離されて(母子分離)商品として出荷されてしまうことです。
ペットショップのガラスケースの中にいる多くの子犬たちは、犬としての社会性を学ぶチャンスを人間に奪われてしまった可能性が高いということですね・・・
●社会化のチャンス
犬としての社会化を学ぶのに最も適した時期(社会化期)は、生後4週齢~13週齢と言われています。
特に8週齢より早くに母犬や兄弟犬と引き離されてしまった子犬は、社会性の低い犬になってしまう可能性が非常に高く、その後の成長過程で様々な問題行動を起こしやすくなることが判っています。
ただ、犬には第二の社会化期(生後13週齢~1才くらいまで)といわれる時期があります。
社会化に最適な時期を逃してしまったとしても飼い主さんが諦めることなく、できるだけ早い時期に他の犬たちと接する機会を積極的に作ってあげることによって、社会性を身につけるチャンスはまだあるってことです。
さらに・・・1才を過ぎるまで、他の犬たちとのふれあいをまったく持たなかったワンちゃんが社会性を身につけるのは、正直かなりハードルが高くなりますが、それでもPetHotel11!にやってくるワンちゃんの中には、1才を過ぎてから社会性を少しずつ身に付けていった子もいます。
元々のワンちゃんの気質や、母犬と引き離された時期、お散歩をよくしているか?などといったことによって違ってくるとは思いますが、感覚的には3才まで社会化のチャンスがまったく与えられなかった子は、その後で社会性を身につけることは相当厳しいと思っています。
●社会性のなさも十ワン十色
一口に『社会性が低い』と言っても、そのタイプは実にさまざまです。
◇犬慣れしていないために、他の犬の存在自体を怖がって近付こうともしないタイプ
こういう子は、他のワンちゃんたちの中に入れられると、お部屋やお庭の隅っこだとか物陰、または人間の後ろに隠れるようにして身を固め、ブルブル震えていることが多いです。
「誰もボク(ワタシ)に気づきませんように~!神サマ、できればここから消えてしまいたいですぅ~」
と言っているように見えます。
このタイプの子は、いかにも社会性を身につけることが難しそうに感じるかもしれませんが、わたしたちが今までお預かりした経験からすると、意外とそうでもないんです。
こういう子って、身を隠すようにジっと隅っこにいる間、何をしているかというと、おのずと周りの犬たちの様子をひたすら観察することになるんです。
そうしているうちに、だんだんと周りの子たちの性格が掴めてくると同時に、
「どうやらここはキケンな場所ではないらしいな・・・」
ってことも冷静に理解できるんだと思います。
また、周囲の犬たちも、あからさまにビクついて遠慮がちにしている犬にワザワザちょっかいを出すようなことはしません。
したとしてもリアクションしてこないので、やがて興味を失ってしまうか、怯えている子への気遣いでそっとしておいてあげるかです。
中には、わざと目の前でお腹を出してみせたりして、怖がっているその子を安心させてあげようと優しい仕草を見せる子もいます。
そんな風に時間を過ごしているうちに、微動だにしなかった子が、その場で力を抜いて体を横たえてみたり、数歩歩いては戻る・・・を繰り返してみたりと、少しずつ安全を確認していき・・・やがて、いつの間にかスゥ~っと群れに馴染んでいく様子を何度も見てきました。
それが一番の近道だとわかっているので、わたしたちもあえてこういうタイプの子を他の犬の方に近づけ、
「ホラホラ、仲良くしてごらん、楽しいよ~!!」
なんて余計な手出しをすることは絶対にありません。
自分がナットクいくまで観察する時間を与えてあげることが大事なんですね。
もし、ご自分の愛犬がこういうタイプの子で、
「ドッグランに連れて行ってもいつも自分の後ろに隠れてばかりいて、ちっとも楽しそうじゃないからもう連れて行くのはやーめた!」
な~んて思っている飼い主さんがいらっしゃったなら、それはとても勿体無いと思ってしまいます。
アナタの足の間から他の犬たちの様子を観察していたワンちゃんが、いつか優しい子が誘いに来てくれたときに最初の一歩を踏み出すかもしれないのに、そのチャンスの芽を摘み取ってしまうんですか~?
社会性がない犬に他の犬たちがいる空間を体験させることは、まったく無駄なことではありません。
◇他の犬と遊びたいのに空気が読めずにヒンシュクを買っちゃうタイプ
他の犬に対して、怯えよりも好奇心があるポジティブタイプのワンちゃん・・・
なのに、犬社会のお作法や距離感が解っていないばかりに、迷惑そうにしている犬をしつこく遊びに誘ってしまったり、他の犬をクンクン嗅ぐくせに自分の匂いを嗅がせなかったりして、他の犬たちから疎ましがられちゃうタイプの子です。
こういうタイプの子は、残念ながら嫌われちゃうことが多いです(^o^;)
でも、他の犬と積極的に関わろうとする姿勢があるため、他の犬たちに叱られたり無視されたりという経験を通じて、適切なコミュニケーションを学んでいく可能性もまた高いんです。
◇虚勢を張るタイプ
さて、今回お話したいのがこのタイプのワンちゃんの社会化についてです。
根底にあるのは”怯え”や”不安”の感情です。
他の犬たちと一緒に過ごすことに慣れていないため、
自分がこの場でどう振舞っていいかわからない・・・
他の犬たちがどういう行動に出てくるかの予測もつかない・・・
そんな感じでとっても緊張しています。
だからといって、壁際や人の後ろに隠れてオドオドした態度を見せて他の犬たちに舐められるのもイヤだという気の強さがあるので、結果的にどういう行動に出るかというと・・・
・高いところに登ろうとする
・他の犬に自分からわざわざ寄って行って吠えついてみたりする(防衛戦を張っている)
さて、こういった行動がなにを意味しているのか、また周囲の犬はそれをどう受け止めているのかについては、長くなるので次回お話させてください。
<今日のPetHotel11!>
朝のお散歩
北風が強かったから
今日も海岸ではなくて畑道をおさんぽ♪
パピーの頃に遊んでくれていたAくんと一緒にいると
としおは赤ちゃんの顔に戻るみたい(*^_^*)
Iくん、お姉ちゃんがいなくても、
ひとりで落ち着いてお泊りすることができました!
がんばったねぇ~(^o^)
Rくんも、慣れない環境で初めてのお泊り
よく頑張りました!
また遊びにおいでね~(*^_^*)
お散歩から戻ると仲良く一緒にお水を飲むふたり(笑)
としお「お水のおかわり、まだですか~?」
チャコは、本当にとしおに何をされても
許してあげちゃうんだねぇ~~(^o^;)
お庭遊び
とりあえずみんな走りたくなる(笑)
Kくん、今日はAくんにワンワンしていません。
えらいぞっ!!
ナツがジーーーっと眺めているのは・・・
トンビ!
ナツ「ちょっととしお、ジャマしないでよねっ!」
としお「何をですか~~?」
午後のお散歩
また仲良く何をクンクンしているのかな~?
Kくんは、まさに今、社会化のための合宿中!!
今日はまたひとつ前進して、何かを掴みかけているみたい♪
気長に見守っているからね(*^_^*)
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