【愛犬の老老問題】
●高齢犬は何かと不便
近年、ご家庭で飼われているワンちゃんの寿命はとても長くなりました。
PetHotel11!では、原則として10才以上の高齢犬のお預かりはお断りしています。
けれども、元気な高齢犬が増えていることから、現実には杓子定規に10才以上だからといってお断りすることは少なく、以下の条件をクリアすればお預かりしていることが多いです。
・事前の面談で健康状態などを拝見し、問題なくお預かりできそうだとわたしたちが判断できている。
・高齢犬をペットホテルに預けるリスクを飼い主さんにご説明し、十分にご理解いただいた上で承諾書にサインをいただける。
ほとんどのペットホテルが10才以上の高齢犬を預からないのは、次のような理由によります。
・どんなに元気そうに見えている高齢犬でも、やはり若いワンちゃんよりはお預かり中に体調を崩したり亡くなってしまうリスクが高い。
・高齢犬にとって、飼い主さんと離れて慣れない環境に置かれることによるストレスは命を危険に晒しかねないほどの影響力を持つ。
・つい昨日まで元気ピンピンだったワンちゃんが、突然眠るように寿命を迎えて亡くなるケースもあるため、それがお預かり中に起きないとは限らない。
・どんなにペットホテルが丁寧にお世話していたとしても、元気だった愛犬がペットホテルで亡くなったとなれば、納得できない飼い主さんの方が多いため、訴訟のリスクや悪評を立てられるリスクを背負うことになりかねない。
こうしたリスクを承知の上で、わたしたちが条件つきで高齢犬のお預かりをしているのは、飼い主さんのためというよりはワンちゃんのためなのです。
最近では、小型犬で長生きする子は20才近くまで生きることが珍しくありません。
もしも、どこのペットホテルも10才以上の子をお断りしてしまうと、20才まで生きる愛犬の飼い主さんは10年間もの間、愛犬を預けることができなくなってしまいます。
10年の間には、ご家族の入院やご自身の体調不良、冠婚葬祭など、どうしても愛犬を誰かにお願いしなくてはならないことだってあるでしょう。
しかも今は、昔と違って核家族化により頼る家族が離れて暮らしていることがほとんどですね・・・
愛犬の預け先が見つからないことで、仕方なく大量のごはんを置いてワンちゃんだけを残して家を空ける飼い主さんもいるかもしれません・・・
何年も身動きが取れない状況に困り果てて、愛犬を疎ましく感じるようになってしまい、飼育放棄をしたり、ネグレクトになってしまうような飼い主さんもいるかもしれません・・・
そんなことを想像すると、できる限りわたしたちができることはしたいと思っています。
けれども、高齢犬をお預かりする時はいつも大変緊張してことさら注意を払っていますし、グッスリ眠っているとドキドキしてお腹をジっと観察し、呼吸しているとわかるとホっとしたりするんですが・・・(^o^;)
●健康上の問題も続々・・・
寿命が長くなったワンちゃんのシニア期には、同じように寿命が延びているわたしたち人間が抱えている問題と同じ問題に直面します。
・認知症(徘徊や夜泣き)
・関節の不調
・寝たきり
・難聴
・失明
・排泄の調整困難
・病気による長患い
などなど・・・
本来は生物学的に寿命で亡くなっている年齢に達しているにも関わらず生きている・・・
そのために各パーツが不具合を起こして不調になりつつ何年も過ごすことになるんですね。
予防医療の進歩や食生活の向上、住環境の改善などによって、人も犬もジレンマに陥っているような感じです・・・
そういった意味では、さっきまで元気だったのに、突然倒れて亡くなってしまうという「ポックリ型」の亡くなり方をするシニア犬は、突然ペットを失くす飼い主さんにとってはつらいかもしれませんが、結果的にどちらにとっても幸せなのかもしれません。
●Hちゃんのこと
HちゃんはPetHotel11!の常連のワンちゃん(小型犬)です。
今年12才になるHちゃんは立派なオバアちゃんですが、とっても元気です。
Hちゃんのお父さん(飼い主さん)は後期高齢者のオジイちゃん。
奥様をご病気で亡くされて、現在はHちゃんとふたりきりの生活をされています。
Hちゃん同様にやっぱりとっても元気です。
Hちゃんのお世話は、お母さんがお元気でいらっしゃる頃はほぼ全てお母さんが見ていたようで、Hちゃんのお父さんは奥様が病に倒れられてから慣れない家事とHちゃんのお世話でとてもご苦労されています。
息子さんは離れた土地にご家族と住んでおられますが、共働きでHちゃんのお世話はできないそうで、たまに預かってもらうことも難しい状態だそうです。
それでもHちゃんのことが可愛くて仕方ないお父さんは、一生懸命お世話をされていました。
以前は車の運転をされていたHちゃんのお父さんですが、既に運転免許を返納されているので、病院やトリミングサロンにHちゃんを連れて行くのも大変です。
そのため、わたしたちは可能な限りHちゃんの送り迎えなど、できるお手伝いをさせていただいているのですが・・・
●相次ぐ不具合
◇外歯瘻
Hちゃんは、一昨年の暮れに”外歯瘻”になって手術を受けることになってしまいました。
外歯瘻(がいしごう)というのは、歯槽膿漏が進行することによって頬に菌が回り・・・遂にはほっぺたに穴が空いてしまうという病気です(ヒィイイイ~~!)
この時、Hちゃんのお父さんは、わたしたちに
「Hちゃんが右のほっぺたから出血しているんです!!」
とお電話を下さり、わたしが獣医さんに連れて行って外歯瘻であることが判明しました。
Hちゃんは麻酔をして抜歯とスケーリング(歯のお掃除)をしてもらい、ホッペの穴も抗生剤で無事に治りました。
◇急性腸炎
外歯瘻が治って少ししたころ、今度は
「Hちゃんの下痢が止まらないんです!!」
というお電話を受けて、再び急いでHちゃんを病院に連れていきました。
クロストリジウム菌という憎たらしい芽胞細菌による急性腸炎でした。
実はHちゃんはとってもガンコ(^o^;)
お薬を飲ませるのが大変なんです!!
大好きなチーズに混ぜてもお薬だけおペッと出してしまいますし、お口にお薬を突っ込んで口を閉じさせておいて、かなり長い時間待ってもまだペッ!と出してしまいます。
(むしろ飲み込んじゃった方がラクなんじゃあ・・・って獣医さんと感心したくらい)
Hちゃんのお父さんは、
「Hちゃんにどうしてもうまくお薬を飲ませることができない!!」
と泣きそうな顔でおっしゃるので、
「芽胞細菌をやっつけるまでは毎日このお薬を飲ませないとならないんですよ!
下痢が直っても全部飲みきらないと意味がありませんから頑張ってくださいね!!」
と励まし、おうちに行ってどうやってお薬を飲ませるか教えてさしあげました。
Hちゃんのお父さんの頑張りのおかげで、Hちゃんはクロストリジウム菌をやっつけて元気になりました♪
◇ノミノミパニック
それからまた暫くして・・・今度は
「Hちゃんが体をすごく痒がっているんです。
ついでに私自身も体が痒いんですが・・・」
とのご相談を受けて飛んで行ってみると、Hちゃんの体にはたくさんのノミちゃんとノミベイビー(卵)が・・・(キャアアアーーーッ!!)
Hちゃんのお母さんがお元気だった時には毎月飲ませていたノミダニ予防のお薬・・・
お母さんが買い置きしてくれていたお薬があるうちは、カレンダーにある印に従ってHちゃんにお薬を飲ませていたお父さんでしたが、それがなくなっても追加購入しなくてはならないということには気づくことができなかったんですね・・・
「はて・・・そういえば、前は毎月Hちゃんにお薬を飲ませていたような・・・」
という状態でした(^o^;)
獣医さんでノミダニ駆除のお薬をもらってその場でHちゃんに飲ませ、おうちにいるノミたちをバルサンで退治する方法をHちゃんのお父さんにお教えして、無事に一件落着しました。
◇肥満と歯槽膿漏
つい最近のことです。
Hちゃんのお泊り予約をいただいていたので、おうちに迎えに行くと
「預かって頂いている間に、今回もまた獣医さんに連れて行っていただくことはできますか?」
とHちゃんのお父さん。
「どうかしましたか?」
と伺うと
「Hちゃんの口の臭いがどうにもこうにも臭くて・・・もしかするとまた例の・・・」
「外歯瘻ですか?」
「そうそう、ソレになったら可愛そうだと心配になって・・・」
Hちゃんの歯をチェックすると なるほど・・・かなり汚れがこびりついた状態になっています。
前回のスケーリングから1年とちょっと・・・確かにハミガキなどのケアをしていなければ歯槽膿漏になってもおかしくありません。
でも、その時わたしはHちゃんの歯よりもむしろ、もっと別に気になるところがあったのです。
長くなるので、つづきはまた次回にさせて下さい。
<今日のPetHotel11!>
朝の海岸さんぽ♪
お!調子いいねぇ~!Sちゃん!!
今日もいいお天気になりそう(*^_^*)
Pくん、長いお泊りだったけど
ずっとおりこうさんだったね!
これが最後のお散歩。
またお泊りにおいで~(*^_^*)
こちらもコレが最後のお散歩のMくん。
ジーーーーっと待ちわびているのは・・・
だいぶ遅れて後方からやってくるはずのとしお
としおはゆっくりゆっくり歩くSちゃんと
一緒に歩いてくるので
ゆっくりゆっくり来るんだよ~~~(笑)
チャコ「ジーーっと見てたって
早く来るワケじゃないのよ~」
チャコ「オスワリでもしてのんびり待っていればいいのに・・・」
ホントホント!!ワシもそー思う~~(笑)
男子たち「だって!!ジッと待つなんて
超苦手なんだも~ん!!」
威張るな!!(笑)
お庭遊びで・・・
あれ?ボス?どうした???
ボス「お鼻が・・・お鼻が・・・」
ボス「痒くて仕方ないんだよぅ~~」
可哀想に・・・アレルギー持ちは辛いねぇ~
目もショボショボしちゃって・・・(・_・;)
ナツは何やってんの~?
塀の向こうの生け垣のさらに向こう・・・
お隣の敷地のさらにそのまた向こう・・・
そこん家に済むワンコが気になっているんだってさ!!
ご苦労さま~~~(笑)
チャコは寒いからお部屋に入りたがっています。
男の人が苦手なMくんはお料理番にちょっぴり
ビビってチャコと一緒にお部屋に入りたがっています(笑)
犬のあくびは眠いときだけでなく、
緊張している時にも出るんだよ~
でも、緊張している顔には見えないから
困っちゃうんだよね www
まるでホンモノの兄弟みたいに
ずーーーっと仲良しだったMくんととしお
Mくんが帰っちゃったらとしお、
寂しがるだろうなぁ~・・・
午後の海岸さんぽ♪
Sちゃんは絶好調で・・・
朝と同じようにとってもゆっくりゆっっくり・・・
だけどね・・・Sちゃんはお散歩が大好きなの♪
ホラね!
こんなに楽しそうなお顔をするんだよ♪
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