Pet Hotel 11! お庭番のブログ①: 脂漏性皮膚炎・マラセチア症との仁義なき闘い④

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!（ペットホテルワンワン）のお庭番です。

我が家にきて2か月半の元繁殖犬チャコ（シーズー×ヨーキーMIX）の、脂漏性皮膚炎およびマラセチア症との闘いの様子をお話しています。

【闘いはいまだ継続中】

前回までのブログでご報告した内容と現在に至る状況をまとめると、次のようになります。

	シャンプー	アポキル	乳酸菌	パラボラ
10/29～11/22	薬用（中3日）	1錠/1日	なし	なし
11/23～12/13	薬用と低刺激を1回おき（中3日）	1錠/1日	毎食	あり
12/24～1/10	低刺激＆ヒバ湯（中7～9日）	✖	毎食	あり
1/11～現在	ヒバ湯のみ	✖	毎食	時々なし

●チャコのビフォーアフター画像

2ヵ月半前：ほぼハゲちゃんだったオシリも

最近：ホヨホヨと生えてきたでしょ？

2ヵ月半前：脇腹や後脚も

現在：ワサワサっと生えてきたでしょ？
（顔は目ヤニ対策で刈られちゃったけど・・・）

2ヵ月半前：胴体部分のスカスカの毛も

現在：密集してきたでしょ？

2ヵ月半前：毛が薄くシワシワだったシッポも・・・

現在：もうシワなんか見えないくらい生えたでしょ？

2ヵ月前：後脚の内側もハゲて足首のシワが
目立っていたけど・・・

現在：ね？もうシワなんか見えないでしょ？
だってチャコ、頑張ってるんだも～～ん！

●なるべく負担なく

◆お薬の長期服用への抵抗

アポキルというお薬の役割は、強い痒みを抑えてストレスや負担を軽減することです。

アポキルは、アトピーのお薬の中では比較的副作用が少ないと言われていますが、飲まずにすめばそれに越したことはありません。

また、アポキルは決して安くないお薬なので、長期服用となるとお財布への打撃も無視できません。

アポキルを飲むことで明らかにチャコが快適に過ごせるなら背に腹は代えられませんからつづけたかもしれませんが、アポキルを毎日服用していた期間よりも現在の方がチャコが痒がる仕草を見せる回数が減っていることから、チャコに関してはあまり効果がないものと判断しました。

今後もよほどのことがない限り飲ませる予定はありません。

◆シャンプーを頻繁にすることへの抵抗

薬用シャンプーの役割は、爆発的に増殖したマラセチア菌を一時的にやっつけることです。

シャンプーはまた、マラセチア菌のエサとなる過剰な皮脂を洗い流すのに有効です。

普通のシャンプーでは皮脂や汚れは洗い流せてもマラセチア菌には無効なので、脂漏症とマラセチア症を併発しているワンちゃんには薬用シャンプーを頻繁に（中3日くらい）用いる対処療法を施すのが通例なんですね。

ただ、薬用シャンプーはマラセチア菌だけを都合よくやっつけることはできませんから、皮膚を健全に保っている善玉の常在菌も一掃してしまうことになります。

そのあたりの損益分岐点を考えると、やはり薬用シャンプーを長期かつ頻繁に使用することはためらわれます。

低刺激シャンプーであれば、薬用シャンプーよりも皮膚への刺激が比較的少ないですが、マラセチア菌には効果がありません。

実際のところ、1回のシャンプーから次にシャンプーする必要性を感じるまでの期間が一番長かったのは

低刺激シャンプー　+　ヒバ湯

でした。

マラセチア菌のエサとなる皮脂は低刺激シャンプーで洗い流し、増殖したマラセチア菌本体はヒバ湯で洗い流すという作戦です。

理にかなっていて納得できる結果です。

けれども・・・

◆皮脂を洗い流すことへの抵抗

人間でもそうですが、過剰に皮脂を分泌してしまう脂漏症の皮膚というのは、皮脂をゴッソリ取り除けば取り除くほど、更に頑張って皮脂を分泌しようとするものです。

皮膚というのは体を保護するバリアーの役割を担っているので、バリアー機能が破壊されないように潤いを保とうと皮脂を出してその油膜で保護しているんです。

頻繁に皮脂を根こそぎ洗い流していると、過剰な皮脂分泌はますます促進されるということですね。

それではマラセチア軍の配給の量と回数が増えるだけじゃないのか？！

そのように思ったわたしたちは、しばらくの間、低刺激シャンプーの使用すら取りやめて、当面はヒバ湯だけでマラセチア軍と闘ってみようとしているところです。

チャコの皮膚が

「そういえば最近、皮脂がゴッソリなくなることがないなぁ・・・じゃああんまり頑張って分泌しなくてもいっかぁ～♪」

と感じて、過剰な皮脂分泌をやめてくれることを期待しています。

それには、皮膚のターンオーバーを考えると少なくとも1か月以上はかかるでしょう。

うまくいけば、まずチャコの脂漏症が治り、皮脂をエサにするマラセチア軍にとって、継続的な兵糧攻めとなるはずです。

思惑通りにいくか、まったくアテが外れるかはわかりませんが、

イーーーーンデス！！

やってみなくてはわかりませんから、やってみること自体に意義があるんデス！！

余談ですが、わたし自身、もう何年も前から洗顔はぬるま湯のみで行っています。

W洗顔をしていた頃は、いわゆるTゾーンがテカってそれ以外はドライスキンという”混合肌”で、吹き出物もしょっちゅうでしたが、洗浄剤の使用をやめてからは・・・

・過剰な皮脂分泌がなくなり、テカらないし乾燥しにくい。

・毛穴が目立たなくなって小鼻の脇のザラつきもキレイになくなった。

・肌のきめが整って小じわも目立たなくなった。

・吹き出物もめっきりできなくなった。

というように、実に健康的なお肌を取り戻したんです。

なんといっても、ノーコストでできるスキンケアってところが気に入ってまーす♪

●乳酸菌への期待

シャンプーやヒバ湯は、チャコの皮膚の表面を清浄に保つものです。

それに対して現在続けている乳酸菌は、チャコの腸内環境を正常な方向に導いて、免疫自体を高めることを期待するものです。

これがうまくいけば、そこいら中にウヨウヨしている常在菌のマラセチア菌になど恐るるに足りなくなります。

チャコ自身の免疫があんなヘンテコな臭いを放つヤツラを駆逐してくれるはずなんですから・・・

●発酵食品の力？

このシリーズをお読みくださった何人かの方から、チャコを心配して色々な情報をお寄せいただきました。

「このシャンプーが効果あるよ」

「これを塗るとテキメンに効くよ」

という情報もいただきましたし、

「これを摂らせてウチの子がよくなったよ」

といった栄養補助食品のご紹介もいただきました。

貴重な情報をお寄せいただいたみなさん、本当にありがとうございます！

ぜひ参考にさせていただきたいと思います。

以前、アレルギーに関してお話した記事でも触れましたが、アレルギーのような免疫系疾患を持つ人や動物は、腸内細菌環境が悪いということがわかってきています。

アレルギーのワンちゃんが増えている①
アレルギーのワンちゃんが増えている②
アレルギーのワンちゃんが増えている③
アレルギーのワンちゃんが増えている④
アレルギーのワンちゃんが増えている⑤
アレルギーのワンちゃんが増えている⑥

今回お教えいただいた栄養補助食品的なものには、

・黒酵母βグルカン
・納豆（のオヤツ）
・甘酒
・酵素のノニジュース

などがありました。

ウチでは現在乳酸菌を試していますが、どれも共通しているのは腸内細菌環境の向上が期待できるとされているものですから、理屈に合っていると言えそうですね。

●無理せず根気よく

チャコが現在闘っている脂漏症やマラセチア症も、アレルギーやアトピーも、免疫性疾患と言われるものの根治が現在の医療では困難であることは確かです。

それは、腸内細菌環境が生後数か月で決定してしまうこと、生物が一度決定した腸内細菌環境を恒常的に保とうとすることなどによるのかもしれません。

一朝一夕で変えられるようなモノじゃーないってことですね。

それだけに、これらの疾患と対峙するには相当の根気がいると覚悟しなくてはなりません。

更に、長期の闘いになることが予想されるだけに、無理をして続かなくなり、さじを投げてしまうようでは意味がありません。

ですから、かけられるコスト、時間、労力といったことも十分に考慮した上で、無理なくつづけられる方法を模索していくことが大切なのではないかと思います。

また、腸内細菌環境や皮膚の状態は、ある程度の期間様子を見てみないと結論を出すことが困難です。

いずれも、短期間で劇的に改善するようなものではないからです。

そのため、短期間でアレコレとっかえひっかえすることは貴重な可能性をドブに捨てていることにもなりかねません。

そういう意味で、じっと待つという「忍耐」も必要だといえそうですね。

わたしたちは、チャコに使用するものの選定基準として、単純に以下のようなものを設けました。

・人間が使用しても安全だと言われているもの。

・上記に合致してなおかつ、ある程度長い期間使われたり飲まれたりしている実績があるもの。

・継続使用が可能なくらいの価格であること。

・特定の企業が潰れてしまったら入手が困難になるようなことがないよう、一般に流通しているものであること。

今後もまた、不定期でチャコの様子やマラセチア軍との闘いの経緯をご紹介していきたいと思っています。

＜今日のPet Hotel 11!＞