ひきつづき、愛犬家の個人宅にワンちゃんを預けるというマッチングサービスについてです。
【利用規約の気になるトコロ②】
●サービスの中止について
-------------------◇ 当社が必要と判断した場合には、利用者に通知することなく、いつでも本サイト又は本サービスを変更、停止、中止又は終了することができるものとし、これらにより、利用者に生じた不利益又は損害について、一切責任を負わないものとします。本サイト又は本サービスが変更、停止、中止又は終了した場合であっても、これらの事象が生じる前に利用者間で有効に成立したホスティングに関する契約は何ら影響を受けないものとします。
『ウチはいつでもこのサービスを変更したりやめたりできるかんねっ!
もしそれで、ウチを利用している人に不利益や損害が出たって一切責任は負えないかんねっ!
ウチがやめた後も、ホストは約束通りワンちゃんを預かってねっ!!』
-------------------
これも、ずいぶんと勝手な言い分に聞こえますが、企業の作成する利用規約としてはごくごくフツーです。
変更するのもやめるのも企業側は自由にできるし、それで損害を被る人がいたとしても責任は取らないと公言するのがフツーだなんて、イヤな世の中ですね・・・
先日の成人式当日、突然営業をやめてしまった某「はれの〇」を思い出してしまいました( ノД`)
少なくとも予約していた飼い主さんは、約束通りワンちゃんをホストに預かってもらえるようです。
ただ、ワンちゃんを預かって実際にお世話をしたホストさんに、サービスをやめた企業からお金がキチンと支払われるかについては・・・どうなんでしょう?
どうか払ってあげてねー!
●個人取引について
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◇ 登録メンバー又は過去に登録メンバーであった者は、登録メンバー又は過去1年以内に登録メンバーであった者と、本サービスを利用せずに、直接にホスティングに関する契約を締結すること及びその勧誘を行ってはならないものとします。
『飼い主さんとホストは、このサービスを使わずに個人的に取引きしちゃダメなんだかんねっ!
ホストがウチの登録を解除した後も1年間はダメだかんねっ!』
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この企業は、飼い主さんとホストが”無償預託契約”を結んだ時点で飼い主さんから前払いで報酬を得ます。
そして、その報酬の30%ほどを”マーケティング協力費”としてピンハネ 差し引いて、残りをホストさんに振り込むようです。
まあ、実質は”仲介料”が収入源ということになりますね。
ですから、「より良いサービスをより安く」どころか、中間マージンが乗っかる分、実質 飼い主さんが支払う金額は、1頭あたり ¥5000~¥7000/1泊 という大変お高い金額になっているんですね。
もしもある飼い主さんが1度利用したホストをとても気に入って、企業を間に挟むことなく直接ホストさんに預けるようになれば・・・
飼い主さんはもっと安い料金でワンちゃんを安心して預けることができるようになりますし、交渉によってはホストさんが受け取る報酬額も上がるかもしれませんね。
飼い主さんとホストにとって、嬉しいお話のはずです。
ところが、マーケティング会社には中間マージンが入らなくなってしまう・・・
だから、このような条項を設けているのでしょう。
飼い主さんはもっと安い料金でワンちゃんを安心して預けることができるようになりますし、交渉によってはホストさんが受け取る報酬額も上がるかもしれませんね。
飼い主さんとホストにとって、嬉しいお話のはずです。
ところが、マーケティング会社には中間マージンが入らなくなってしまう・・・
だから、このような条項を設けているのでしょう。
でも・・・
それは、わたしにはこの企業がゴールだとして目指している
と矛盾しているように見えて仕方ありません。
”犬を預かってもらいたい飼い主さん”と”犬を預かりたい愛犬家さん”を結び付け、その結果としてご近所同士で気軽にワンちゃんを預け合えるような社会になれば、それこそが「地域コミュニティで犬を育てる」ことになるのではないでしょうか?
責任を持ってワンちゃんを安全に預かる努力を重ねた結果、多くの飼い主さんから支持を得たホストさんが、飼い主さんからの気軽な直接依頼に応えられるようにすればいいではないですか?
そんな優良ホストさんが、このサービスの登録を解除してからなお1年間も、ご近所のワンちゃんを預かることを禁止するのは、どう考えても理念と逆行しているように思えるのはわたしだけでしょうか?
【本音と建前のギャップ】
●調べれば調べるほど・・・
わたしは飼い主さんがもっと気軽に安心してワンちゃんを預けることができる社会になればいいのに・・・と常々思っています。
わたし自身、理想のペットホテルがなかったので自分でペットホテルを始めました。
ワンちゃんの飼い主さんにとって、ワンちゃんが我が家にいるのと同じようにのびのびとリラックスして過ごせるペットホテルがご近所にあれば、どんなに心強いでしょう。
Pet Hotel 11!は自宅を改装してワンちゃんをお預かりしていますが、同じように お預かりしたワンちゃんと24h一緒にいてくれる自宅開業のペットホテルがどんどんできれば素晴らしいと思っています。
飼主さんにとって、選択肢が増えればそれだけ相性のいいホテルが見つかる可能性が広がりますし、ペットホテル側も、生き残るために競争が活発になり、結果的にサービスの品質も上がるように思います。
ですから、わたしはこの取組みを最初に知った時、
「すばらしいっ!」
と思ったんです。
けれども調べれば調べるほど正直、失望してしまいました。
●こうだったらイイのになぁ~
わたしが残念に思い、「こうだったらイイのになぁ~」と感じたことをまとめます。
それは、一言で言うと
「アンフェア」ではない形にしてほしい・・・
ということになるかもしれません。
「アンフェア」ではない形にしてほしい・・・
ということになるかもしれません。
■法令違反を誤魔化すロジックがなければなぁ~
本来は第一種動物取扱業の登録と動物取扱責任者の資格が必要なペット預かり業を、その資格を持たない個人にさせることで利益を上げていながら「契約は無償貸与」だから資格は不要だとしているのは、やはり実態とかけ離れているように思えてなりません。
第一種動物取扱業の登録は、そんなにハードルの高いものではありません。
動物取扱責任者の資格も、通信教育で十分に取ることが可能なものです。
新規サービスの参入が、大きな力を持った業界団体によって阻止されているようなこともありません。
ならば、ホストになりたいと手を上げた人にキチンと資格を取らせ、法令順守させればいいだけなのになぁ~~
その手間を省くためにわざわざ不自然な”無償貸与契約”などというグレーの契約を結ばせるようなことをしなければいいのになぁ~~
ホストさんに違法行為で摘発されるようなリスクを負わせないでほしいなぁ~~
ホストさんに違法行為で摘発されるようなリスクを負わせないでほしいなぁ~~
■誇大広告はやめてほしいなぁ~
『厳正な審査を合格した信頼できるドッグホストばかりです』
と飼い主さんに宣伝しながら、規約ではホストの品質になんら責任を負わないとあるのは、誇大広告には当たらないのでしょうか?
結果的に利用者を欺くような不誠実さにしか感じられないやり方は、実に残念です。
審査したホストの品質に責任を持つか、広告に真実を記載するかのどちらかにすれば解りやすいのになぁ~~
■収益はどこへ?
この企業は、
犬がしあわせに暮らせる社会
を目指しているそうです。
そして、収益の一部を殺処分される犬や猫を減らす”蛇口を締める活動”や、生体販売をなくす活動に使っていきたいそうです。
飼い主さんから徴収しているお金が、本当にそういったことに使われているならば、やけに高い料金にも納得がいきますし、理念に賛同した飼い主さんの気持ちを裏切ることにはならないでしょう。
けれども、例えば
売上金の何%を〇〇へ寄付させていただきます。
だとか、
売上金の何%をこういった活動資金に使いました。
というような内容を、わたしは見つけることができませんでした。
きっと今から・・・宣伝文句や理念を具現化するような素晴らしい活動に乗り出し、集めたお金をそのためにどのように使ったのかを明らかにしてくれるのだろうと信じたいです。
本当にそうだといいなぁ~~~!
飼い主さんから、決して安くない料金を頂戴し、たいせつな命をお預かりするお仕事に絶対に欠かせないのは『信頼』です。
この企業もサイト上で
『信頼と安全を最優先に取り組んでいます』
と謳っています。
言うのは簡単ですが、それを実践するのは大変なことですね。
信頼を得るためには、まず「ウソや誤魔化しがないやり方」をしなければなりません。
どうか、目指す理念の実現に向けて、愛犬家のみなさんやワンちゃんにとって、誠実な態度で素晴らしいサービスを提供できる企業に成長していただきたいと、心から願っています。
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