前回のブログで、ヘルシンキ大学の研究チームによる実験について書きました。
犬は、オキシトシンを投与された状態の時は、見知らぬ人の笑った顔はジっと見つめたものの、怒った顔はあまり見ようとしませんでしたね。
対してオキシトシンを投与しなかった場合は、笑った顔も怒った顔もジっと見つめました。
オキシトシンは、人間同士の場合だと良好な関係にある人とのアイコンタクトやスキンシップによって脳から分泌されます。
犬の場合も、大好きな人(主に飼い主さん)とふれあうことや見つめあうことでオキシトシンが分泌されることがわかっています。
「見つめていたい」(←以前、犬と見つめあうこととオキシトシンの関係について書いた記事です)
つまり、オキシトシンというホルモンは、愛着や愛情を感じて満ち足りた気持ちになった時に分泌されるんです。
ヘルシンキ大学の実験でオキシトシンを鼻腔に投与したのは、そういう状態を恣意的に作り出しているということですね。
ワンちゃんが、自分が飼い主さんから十分に愛されていることを実感して満ち足りた状態の時は、たとえ怖い顔をした他人に会っても不安に感じないでいられるってことかもしれません。
【愛犬に笑顔で接しよう】
●ジっと見つめる意味
ヘルシンキ大学の実験結果の画像をもう一度ご覧ください。
線はワンちゃんの視線の動き 円はワンちゃんが見つめた時間が長いほど大きい PLB)オキシトシンを投与していない時 OXT)オキシトシンを投与している時 |
オキシトシンを投与していない時の上の2枚と、オキシトシンを投与している時の下の左側__笑顔の画像は、どれもワンちゃんがジっと見つめたことを示していますね。
でも、同じ様に見つめていても、その意味合いは違っていると思うんです。
オキシトシンを投与していない時は、相手(人間)の表情の意味を一生懸命に読み取ろうとしているのだと思います。
だって、この写真の人はワンちゃんにとって他人なんですからね。
オキシトシンを投与された状態の時は、例えワンちゃんにとって知らない人であっても、この人との愛着関係が形成されているかのような暗示をかけられている状態になるために、この”知らないお兄さん”の笑顔に対してワンちゃんは素直に好意的に受け止めているのだと思います。
ですから、
上の2枚は「観察」とか「顔色伺い」の”ジーっ”
下の左側1枚は「親愛の情をこめてウットリ見つめる」の”ジーっ”
だとわたしは解釈しました。
●しつけへの応用
この実験結果は、わたしたちにワンちゃんのしつけに関する大きなヒントをふたつ与えてくれています。
①愛情あってのしつけ
子どもが生まれたとき、
「いい母親にならなくっちゃ!子育てに失敗しないようにしなくっちゃ!」
と気負うあまり、やたらと厳格になったり神経質になったりしてしまう新米ママってけっこういるものです。
同じように、ワンちゃんを飼うときも、
「小さい時が大切だ・・・シッカリキッチリしつけなくてはっ!!」
と、しつけのノウハウを読み漁って”にわか調教師”みたいになっちゃう飼い主さんがけっこういらっしゃいます。
とっても真面目な方に多いんですね・・・
だけど、ワンちゃんへのしつけで、何よりも一番優先すべきことは、
ワンちゃんへの愛情をたっぷりと惜しみなく表現してあげること
です。
もしも、ワンちゃんがアナタの愛情に不安を抱いている場合、ワンちゃんはアナタの機嫌がいいか悪いかをいつも気にして過ごすことになるでしょう。
しつけのためにとアナタが怒って見せたり笑って見せたりするのをジーーっと観察して、オドオドしながら
「こうかな?ちがうかな?どうすればいいんだよぅ~・・・オロオロ・・・」
という感じでトレーニングを受けることになりますね。
そんな風にして形だけはおりこうさんに振る舞うことができるワンちゃんになったとしても、叱られたくないからしぶしぶ従っているだけのワンちゃんが出来上がってしまいます。
そういうワンちゃんは、得てして飼い主さんがお留守の時に、平気で禁止されていることをしてしまったりする、困ったワンちゃんになってしまう可能性が高いんです。
「怒られなきゃやってもいいんだ」
では意味がないんですね・・・
けれども、飼い主さんとの愛着関係(絆)がしっかりと築け、愛されている実感のあるワンちゃんは、飼い主さんと過ごす時間はただただ幸せです。
もちろん、飼い主さんと一緒に行うトレーニングだって楽しい遊びと捉えて喜んでやってくれます。
「やった~!こうすると大好きな飼い主さんは喜んでくれるんだな♪」
そんな風にして覚えたことは、しっかりとワンちゃんの身になりますし、何よりとっても早く覚えてくれます。
もし、愛犬にキチンとしたしつけを早く入れたいと思うならば、何を置いてもまずはたっぷりと愛情をかけてあげること・・・急がば回れってことですね。
②やっぱり褒めてしつけた方がいい
もうひとつ、この実験結果から解ることは
「叱るしつけよりも褒めるしつけの方がやっぱり有効」
ってことです。
前提として、飼い主さんとの愛着関係(絆)がしっかりとできているワンちゃんの場合、飼い主さんと過ごす時間はおのずとオキシトシンが脳から分泌されているはずですね?
実験結果の画像だと、下の2枚と同じ状態になっています。
そんな時のワンちゃんは、怒った顔にはあまり関心を示していないことが判りました。
・・・ということは、飼い主さんが一生懸命に怖い顔をして叱ってみせたところで、ワンちゃんの眼中にないってことになるじゃーありませんか!
「あ、なんか怒ってるや・・・あ~ヤダヤダ。早く終わんないかなぁ~!ル~ルルル~♪」
なんて上の空でいられているワンちゃんに必死でこわぁい顔をして叱ったってムダムダ!
ですから、愛犬に接する時はなるべくワンちゃんがウットリと見つめたくなる笑顔でいましょうよ!
そして、もしもワンちゃんがイケナイことをした時には、単に笑顔を引っ込め、静かに低いトーンで「ダメ」と言うだけでいいんです。
ワンちゃんにとっても飼い主さんにとっても、ハッピーで楽しいやり方が実は一番のしつけの近道だなんて、こんな素晴らしいことはないですよね!
そういう意味で、わたしはこの実験結果を見て、とっても嬉しい気持ちになったんです♪
<今日のPet Hotel 11!>
スーパームーンの翌朝は、 やっぱりスーパームーンだったー♪ |
ボス「あ・・・」 チコくん「あ・・・」 |
ボス「チコくん、取ってよ~」 チコくん「う・・・うん」 |
そ~~っと、そ~~~っと・・・ |
「ううう・・・怖いよぅ~・・・」 |
「ムリッ!!」 |
チコくんはマッシュくんのことも怖いんだって ガンバレ、チコくん(^▽^) |
チャコ「ボス~眠いぃ~」 ボス「お・・・重いよチャコ~」 |
ボス「寝ればいいじゃない?」 |
チャコ「うん、そうする~!ヨイショっと・・・」 ボス「え?ちょっと?」 |
ボス「え?ちょっとナニそれ?」 |
ボス「すっごく重たいんですけどーーー?」 |
ボス「重くてもう・・・眠くなっちゃ・・・」 |
Zzzzz・・・・ |
マッシュくん「ボクも眠ーーい!お腹撫でて~~!」 ハイハイ(^-^; |