2018年1月20日土曜日

【4800kmの旅】犬の帰巣本能のお話

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




【犬は磁場を感じ取る能力がある?】


前回のブログで犬のウンチのお話をしましたが、みなさんは

「犬は体を南北の軸に沿う向きにしてウンチする」

というお話をきいたことがありますか?


●犬がどっちを向いてウンチするか?の研究


地球によって生じる磁気を地磁気といいますが、長い距離を移動しながら狩を行うシカやキツネ、オオカミなどには、この地磁気の磁場を感じとる能力が備わっているのではないか・・・

そう仮定して研究したチームがありました。

チェコ生命科学大学とドイツのデュースブルク・エッセン大学の研究者が作った合同チームです。

彼らは、オオカミを祖先に持ち わたしたちの最も身近にいる犬もまた高い帰巣本能を持っていることから、磁場を感じとる能力を持つ可能性があるとして調査材料に犬を選びました。

2年間におよぶこの調査に協力した犬は37種70匹

観察したウンチの回数1893回、オシッコ5582回!

よくこんな研究を大真面目にやったもんだと感心しますが、これがすごい発見となりました!


●結果は・・・


調査は、リードなどに繋がれていないフリーの状態の犬がウンチやオシッコをする様子をひたすら観察し記録するものです。

近くに壁やフェンスといったものがあると磁場が影響を受けてしまうので、障害物がない開けた野原のようなところで行いました。

また、地場を乱すような車の往来、高圧電線、高い鉄筋構造物がない場所が選ばれたそうです。

その地道な観察の結果、磁場の動きが静かであればるほど、犬は南北の軸に体を沿わせるように体を向けてウンチをすることがわかりました。

更に、磁場の強さに関係なく、少なくとも東西に体を向けて用を足すことを、犬たちは明らかに避けている様子だということも判明しました。

ウンチの場合はオスもメスも関係なく上記のような結果が出ましたが、オシッコに関してはオスとメスで体の向きに若干の違いが見られたそうで、チームはこれを、オスが片足を上げるために生じている差異ではないかと仮定しているようです。

ではなぜ犬は南北方向に沿ってウンチングスタイルを取るのか?

なんで東西はイヤなのか?

どんなこだわり~~~~?(笑)

・・・ということについてはまだ判っていません。

けれども、少なくともこの調査結果は、犬には磁場を感じとる能力が備わっていることを証明していると言えるでしょう。


もしかすると 世界中で報告されている「遠く離れた家に帰りついたという犬たちのエピソード」は、彼らの磁場感知能力と優れた臭覚を駆使して実現したものかもしれませんね。

(参考:BMC



【名犬ボビー】


●4800km!!


わたしの知る限り、最も長い距離を移動して家に帰って来た記録が残っている犬は名犬ボビーです。

ボビーは、コリーとイングリッシュ・シェパードのMIX犬で、アメリカのオレゴン州シルバートンでレストランを経営していたブレイザー家の飼い犬でした。

ボビーが2才の時のことです。

ブレイザーさん一家はボビーを連れてインディアナ州のオルコットに休暇旅行に来ていました。

ボビーはそこで他の犬とケンカをして逃走、そのまま姿をくらましてしまいました。

ブレイザーさん一家の必死の捜索もむなしく、ボビーは一家がオレゴン州へ戻らなくてはならない日になっても見つかることはありませんでした。

ブレイザーさんは、もう2度とボビーに会うことはできないだろうと感じていたそうです。

そりゃそーでしょう!

だって、旅行先のインディアナ州オルコットから自宅のあるオレゴン州シルバートンまで、どんだけ遠いか知ってるぅ~~~?

知らなかったので調べてみました(^-^;


ホラこれ!↓ほぼアメリカ横断ウルトラクイズ(←古!)

お車使用でも33時間かかりますってさーーー!!



直線距離だと、およそ3600km

・・・え?ピンときませんか?

日本最北端の宗谷岬から日本列島最南端の佐多岬までの距離が、およそ2700km

宗谷岬から民間人が立ちいることの出来る日本最南端の高那崎までだと、およそ3200km

どうですか?え?高那崎ってどこかって?

↓ココですよココ!



ほぼ台湾やないかーーーーい!!

しかも、ボビーの帰路は直線移動ではなく、あちこち寄り道をしながらの旅だったため、実際に移動した距離はもっと長くておよそ4800kmだったと言われているんです。


どどど、ど~~んだけ~~~~~?!


●ボビーの軌跡


どうしてボビーが移動した距離が4800kmだと判ったかというと、オレゴン州の動物愛護協会が、ボビーを目撃した人や、ボビーにエサや寝る場所を提供してあげたという人々から話を聞いて、実際にボビーがたどった道程を再現したからです!

そして、そのヒアリングの結果は

「Bobbie: A Great Collie of Oregon」

という1冊の本にまとめられて発売されています。

目撃証言によるとなんと・・・

ボビーは一番寒い真冬のこの時期に、イリノイ州とアイオワ州を越えて、河を泳ぎ、氷に閉ざされたミズーリ州を横切て、ロッキー山脈を越え・・・実に8つの州を越えて、およそ6ヵ月かけてブレイザーさんの経営するレストランへと自力で辿り着いたことが判ったんです!!!

すごいぞ ボビーくん!

ボビーはもちろん、とてつもなく大した名犬ですが、見ず知らずの薄汚れた野良犬に、たくさんの人々が親切にしてあげたという事実もまた、素晴らしいとは思いませんか?


でも・・・

一家が旅行に出た当時2才だったボビーくんは、6か月かけて帰宅し、そのわずか4年後にわずか6才の若さで亡くなってしまったそうです。

詳しい死因はわかりませんが、過酷な旅が影響したのかもしれませんね。


ボビーがこの壮大な旅をしたのは100年も前のお話。

先述した犬のウンチングスタイルの調査条件を考えると、現代の都市部はWi-Fiは飛んでるわ、GPS電波は飛んでるわで、犬たちにとって磁場を正確に感じとることが難しいように思います。

ボビーくんのように長い距離を迷子にならずに帰宅できるワンちゃんは、もう二度と現れないのかもしれません。


自分ではシートにちゃんとオシッコしているつもりでも胴が長くてしょっちゅうはみだしちゃうミニチュアダックスの”ボス”

試しに南北方向にシートの長辺を合わせて置いてみたけど、全然効果がないのはWi-Fiが飛んでるからなの~~~?!(^-^;



<今日のPet Hotel 11!>

ボス「ねえ、なんかボクの悪口言ってたでしょ?」
いやいや、ボスはオシッコ上手だよね~(^-^;

フレンドリーなパールくんは
そらちゃんのことがお気に入り♪

そらちゃん「ちょっと・・・しつこいんですけどー」
(^-^; 

高いところ好き♪

お散歩の途中、お友だちワンコのおうちの前で
みんな覗きすぎ!!
”なつ”なんか侵入しようとしてる(-_-;)

夕方になって美月ちゃんがお泊りにきたよ!

わーい!また女の子だ~♪

パールくん「ボク、パールだよ!よろしくね~♪」
美月ちゃん「・・・・」
クール~~~(笑)

そらちゃん「あ!!なんか同じ香りがする・・・」

そらちゃんが珍しく自分から寄って行った美月ちゃん
同じビーグルの血が入っているのかな~

”なつ”は実は美月ちゃんがちょっぴり苦手
だって”なつ”のオラオラにぜんぜん動じないから(笑)