2018年5月31日木曜日

命の尊厳について③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回ブログのつづきです。




ペットホテルオーナーとして今まで出会った飼い主さんの 印象に残ったお言葉を紹介させていただきました。

おふたりの飼い主さんのお言葉が印象的なのは何故でしょう。

わたしは、その理由を次のように考えています。


・おふたりの「犬を飼うこと」や「命」に対する覚悟のようなものが現れているから。

・おふたりがその姿勢を「行動」で示しているから。

・そういったことを頭では理解していてもなかなかできない人の方が多いように思うから。


では、おふたりの飼い主さんの


「犬を飼うこと」や「命」への向き合い方の姿勢とは、どういうものでしょう?

ひとつひとつ、掘り下げていってみたいと思います。


ここからのお話は、わたしの個人的な見解となります。



【ポジティブなリーダー】


●なぜポジティブ?


少し前に書かせていただいた「おりこうワンちゃんのレシピ(最終回)」の中で、


飼い主さんがおおらかで心身ともに健全であること


の大切さを書かせていただきました。

ひとことで言うと


「飼い主さんはポジティブなリーダーであれ!」


ということになります。

なぜポジティブでなくてはならないかというと、動物の世界ではネガティブ=「弱い」と判断されるからです。

動物たちにとって、弱い者と共にいることは命を危険に晒すことですし、まして弱い者がリーダーならば群全体の危機です。


ネガティブな個体は群のメンバー(ワンちゃん)からリーダーだとみなされない

→ワンちゃんが指示に従う(おりこうにする)ワケがない!


ってことですね(;´Д`)



●ただの楽天家?


ここで言っている「ポジティブ」というのは、みなさんがイメージしている「ポジティブ」とは少し違っているかもしれません。


「え~?ポジティブって・・・楽観的とか楽天的とか前向きって意味でしょ?」


って括って(くくって)しまうと、なんかもうポジティブな人ってアホみたいな印象になっちゃいますけど・・・(-_-;)


ちがーーーうっ!!



野犬の群がエサを求めて渓谷を歩いていました。

絶壁の上から見下ろすと、はるか下に鹿の群が・・・


A「あ!リーダー、下に美味しそうな鹿がいやすぜいっ♪」

B「ああ・・・でもここから降りていたらもう間に合わないやー・・・くそ~~!」

リーダー「よし、飛び降りよう!」

一同「え・・・・死んじゃいますよ~・・・汗」

リーダー「そ~か~?行けんじゃね?ヘーキヘーキぃ~~♪」


おお!なんてポジティブなリーダー・・・って、


ちがーーーうっ!!


殺す気か?と・・・

バカなのか?と・・・


こんなリーダーに着いていくわけにはいきませんね(-_-;)




●常に前向きで危機感を感じない?


「ああ、じゃあポジティブってゆーのは、イヤなことがあっても楽しい気持ちでいられる才能のことでしょ?」


って括って(くくって)しまうと、これまたポジティブな人って”鈍感なお人よし”みたいな印象になっちゃうので・・・


ちがーーーうっ!!


やはり、野犬の群で・・・(←またかい?)


A「リーダー、お腹空きましたねぇ~」

B「ここんとこ、獲物がサッパリ摂れなくて、空腹で辛すぎますよぅ~。どうします?」

リーダー「そうか?!オマエら、まだまだだな!空腹を嘆くよりも楽しいことだけ考えよーぜっ♪」

一同「え・・・・死んじゃいますよ~・・・汗」

リーダー「ハハハ♪それもいーんじゃね?!」


おお!なんてポジティブなリーダー・・・って、


ちがーーーうっ!!


飢え死にするよ?と・・・

バカだろう?と・・・



じゃあ、ここで言っている「ポジティブ」っていうのはどういうことかというと・・・たーだ単に”お気楽さん”を指しているんではなく(←あったりまえだ)


「現実を受け止め、今を懸命に生きようとする姿勢」


を指しています。



●今を生きる



「現実を受け止め、今を懸命に生きようとする姿勢」

って・・・ぜ~んぜんポジティブって感じがしなーい(ブーブー)

とお感じになるかもしれませんが・・・(・_・;)


動物たちはみな、現実を受け止めて今を懸命に生きようとしているとは思いませんか?


人間は、過去や未来、そして自らの”死”について思い悩む唯一の生き物だと言われています。



男「お誕生日おめでとう!君の瞳に乾杯(チンッ♪)」

女「ありがとう!ワタシ今、とっても幸せ!幸せすぎてなんだかこわいっ!こわいわっ!いつの日かこの幸せが壊れてしまうんじゃないかって・・・・」


このような三流ドラマのやり取りを、


「わかるわぁ~~~!!」


と観ているのは人間ばかりで、犬たちは


「バッカじゃねーの?いいからその旨そうなディナーを楽しめよ!要らないならくれーーい!」


と思うに違いありません。


犬たちはとても賢い生き物ですから、過去の記憶は持っていますし、過去の経験から多くのことを学習をしています。

未来のことを予測する能力がないなんてことはありませんから、予測を立てて狩をすることだってもちろんできます。

「死」について考察を巡らすことはなくても、命の危険に対して敏感なことから、自らの命が永遠だと思っていないことは明らかです。


にも拘わらず、彼らは人間のように過去や未来や死についてクヨクヨと思い悩んで「今」を浪費したり台無しにするような無駄なことはしないということですね。


このポジティブさがお解りでしょうか?



●ネガティブな飼い主とポジティブな犬


Aさんが残業を終え、ボロ雑巾のように疲れ果てて帰宅すると、元保護犬の愛犬ジョンが部屋中をメチャクチャにしていました。

カップボードに入っていたオヤツの袋がビリビリになって散乱しています。

日ごろからジョンのこういった破壊行動や無駄吠えに思い悩んでいたAさんは、感情を抑えることができず、ジョンに大声で怒鳴りました。


「んもー!夕飯はヌキよ!!!」


ものすごい勢いでハウスに押し込められたジョン。

ごはんの時間になっても、ごはんを持った飼い主さんはやってきません。

ハウスの中で暴れながら、延々吠え続けるジョンの声は深夜まで続きました。


布団をかぶってジョンの吠える声を聴くAさんの枕は涙で濡れていました。


「どうしてジョンはああなのかしら・・・?

私なりに一生懸命やっているのに・・・

こんなに聞き分けがないのは、私のことを嫌いだから?

私に不満を持っているの?

それとも、やっぱり元保護犬だから?

可哀想だと思って甘やかしたのがいけなかったのかしら・・・

赤ちゃんの時から飼っていたら、こんなことにはなっていなかったような気がするわ・・・

嗚呼、保護犬なんて引取らなければよかった・・・

ジョンだって、私に引き取られなければもっと幸せだったかもしれない・・・」


何の役にも立たないことを考えて、モーレツにクヨクヨしていますね(-_-;)


一方そのころ、当のジョンは何を考えているでしょーか?


「どうしてこんな家に来ちゃったんだろう・・・

あんなにイライラしてごはんもくれないなんてっ・・・動物虐待だっ!

ボクが飼い主さんのオヤツを食べたから根に持っているのかな?

ボクは元飼い主さんに捨てられた可哀想な犬なんだぞ・・・

オヤツくらい、いいじゃないか!

なのにこんな扱いはあんまりだよ!」


・・・って、こんなことを考えている?


ちがーーーうっ!!


ジョンが考えていることはただひとつ。


「どうすりゃごはんにありつけるかなぁ」


これだけです。


このように、犬(動物)たちは


現実を受け止め、今を懸命に生きようとしている。


ただ、それだけなんです。


要するに、犬(動物)たちは基本的にポジティブです。

そんなポジティブな犬たちが、現実を受け止めず過去や未来や来る日の死を思い悩むことに囚われているような人をリーダーだと思えるでしょーか?



ご紹介した飼い主さんたちの言葉には、「現実を受け止め、今を懸命に生きる」姿勢が伺えるように思うんです。



長くなるので、つづきはまた次回にしまーす!





<今日のPet Hotel 11!>

ウリだよ~ん!
ちょっとみんな聞いてくれる~?

このMくんのママがね、ボクのファンなんだってさー♪

Mくん「ママがね・・・ボクはキミのこと知らないから」
ウリくん「え・・・」

ん?!

誰か来たよっ!!

だ~れだ~れ~?

ワーキャー♪

L兄「こんにちは。また弟と一緒にお世話になります」

L弟「ヤッホー♪ボクたち また来てあげたよ~!」

ウリくんは、クルクルカーリー軍団がいっぱいで
喜んでおります♪

Mくんも、なんだかすごく嬉しくなっちゃってます(笑)

ボスはどさくさに紛れてチャコに乗っかろうと・・・
チャコ「ちょっと!なにすんのよーーうっ!」
ボス「あ・・・ごめん」

んで・・・”なつ”は何してんの?
なつ「教えなーーい」(;'∀')

ウリくん「ボクがレインコート嫌いだって
いつになったら気づいてくれるんだろう・・・」

わかってるよ!(笑)