2018年5月28日月曜日

愛犬を他人に託す時⑥(最終回)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回ブログのつづきです。


【信頼を担保するもの】


●ラッキーだっただけ?


前回のブログでは、Pet Hotel 11!でお預かりしている間に、ワンちゃんが体調不良になったりケガをしてしまって病院に連れて行った時のエピソードをご紹介しました。

ご自身のワンちゃんをお散歩代行やシッターさん、ペットホテル、トリミングサロンなどに託している時に、こういった事態が起きるかもしれないということを、少し想像してみることができたでしょうか?


幸い、こういったケースで飼い主さんとわたしたちの関係が、事後に壊れるようなことは今までありませんでした。

むしろ、お迎えにいらした時に飼い主さんの方から


「かえってご迷惑をおかけしてしまって申し訳ございませんでした」


という温かいお言葉をいただき恐縮しています。

つくづく、わたしたちはいいお客様に恵まれているなぁ・・・と日々感謝しております。


けれども、飼い主さんと私たちがこのような良好な関係が築けているのは「たまたま」その飼い主さんたちがいいお客様だったからというだけでしょうか?

わたしは、決して「たまたま」ではないと思っています。



●もっとも大切な共通認識


大切なワンちゃんを他人に託す飼い主さんと、託される側の人間の間で、もっとも大切な共通認識はなんでしょうか?


「こっちはお金を支払っているんだからお客様だぞ!」

「ははぁー!お客様は神様ですぅ~」


ってゆー認識でしょうか?

違いますっ!!


ワンちゃんを託される側は確かにお金をいただいていますが、その金額に見合うだけのことをしていれば、そこはトレードオフになっているはずですから、まったく卑屈になる必要はないと考えています。

(・・・って、お預かりする側のわたしが言うのもナンですけどね)


飼い主さんと預かる側が共通で持っておくべき重要な認識は、次のようなことです。


・主役は預けられるワンちゃんである。

・だからわたしたちはお互いにワンちゃんのことを一番に考えましょう。

・当然、委託(受託)中のワンちゃんに何かあった時は協力し連携して最善の道を選択しましょう。


こういった意識が共有できているかいないかで、有事の対応は大きく変わってきます。


たとえば・・・

ペットホテルに預けている愛犬が緊急オペが必要な状態に陥ってしまったとしましょう。

ペットホテルからかかってきた電話に飼い主さんが確実に応答できる確率って実はそんなに高くないと思いませんか?

上記のような共通認識が持てていれば、もし飼い主さんご自身が電話に出られなくても、


「預けた相手はきっと愛犬のために最良の判断を私の代わりにしてくれる」


そういう安心感が持てるのではないでしょうか?

逆に、上記のような認識を共有できていなかったら、旅行中だろーが葬儀列席中であろーが出張会議中であろーが、不安で不安で心底楽しめないのではないですか?


預かる側からしても同じことが言えるんです。

上記のような共通認識が飼い主さんとの間になければ、預かっている側は飼い主さんに連絡がつかないまま緊急オペのGOサインを獣医さんに出すことはとてもできません

だって、何十万の費用がかかるかもしれないんですからね!


「何を勝手にオペの許可なんか出してるんだ?!こっちは頼んでもいないんだからびた一文払わないぞっ!!

そればかりか、こちらの意向を無視して勝手な医療行為を愛犬に受けさせたことによる慰謝料を請求するっ!!」


って飼い主さんから言われちゃうリスクを背負うことになるんです(;´Д`)


その結果、


「申し訳ございません。何度もご連絡したのですが繋がらなかったので〇〇ちゃんは残念ながら・・・」


なんてこともあり得ちゃうわけです( ノД`)



●昨日今日会った相手をどう信頼すれば・・・?


では、上記のような共通認識を飼い主さんと預かる側とで持つためにはどうすればいいんでしょう?

つまり、


「この人(業者)はイザという時にわたしの代わりを果たしてウチの子を親身に守ってくれるだろうか?」


ということを、どうやって見極めればいいんでしょう?


愛犬を託す人は「信頼できる人」がベストだと以前お話しましたが、実際に長い人間関係を築いてきたわけでもない相手を心底信頼するなんて到底無理なお話ですね。


「パンフレットやホームページに書いてあることがよかったから」

「施設の写真が綺麗そうだったし、オーナーさんの写真も優しそうだったから」


などというイメージで選んではいけないことは明白ですね~?


最低限、予約を確定する前に飼い主さんご自身でワンちゃんをお世話してくれる人と直接会ってお話しておきたいはずです。

ただ!その時点でチョーーー感じ悪い対応をする商売人なんかほぼいません。

(ガンコオヤジが売りのラーメン屋じゃあるまいし・・・)


何が言いたいかと言うと、ただ会って話しゃーいいってモンじゃないよ!

ってことなんです。



●シビアな見極めポイント


もちろん、人間同士ですから会ってお話すればある程度のことは解ります。

それに加えて、その人(業者)が有事を想定しているかどうか?を見ておく必要があるんです。


それは、申込書や規約を見ることである程度わかります。



Pet Hotel 11!の場合、初回に飼い主さんにお書きいただく申込書には、次のような項目があります。


<ワンちゃんの健康管理に関する項目>


・病歴(既往症)

・現在の通院について

・かかりつけの獣医師名と連絡先

・アレルギーの有無



<飼い主さんへの連絡手段に関する項目>


・ご本人の電話番号

・メールアドレス(可能な限り)

・緊急連絡先(ご本人に連絡がつかない場合)



これらの項目を空欄にされる飼い主さんはけっこう多いのですが、その理由は、まさかの事態など想像もしていらっしゃらないからなのでしょう。

でも、予想もしないような出来事というのは、予想もしない時に予想もしない形でやってくるに決まってるじゃないですか~~~!

そのためわたしたちは、空欄にされている飼い主さんには


これらの項目が「もしもの時」にいかに重要な意味を持つか


をお伝えするようにしています。


たとえば・・・

ワンちゃんが病院に担ぎ込まれたときに、かかりつけの獣医さんの連絡先があらかじめ判っていれば、獣医さんがワンちゃんの診察履歴を知りたいと思われた際に、すみやかにかかりつけ医に照会でき、ワンちゃんの処置のための貴重な時間を浪費することが避けられます。

また、場合によっては緊急手術に飼い主さんの承諾が必要になることもありますので、連絡手段はできるだけたくさんお書きいただいておいた方が連絡がつく確率が上がりますよね?

メールアドレスをお書きいただいた飼い主さんには、日々のワンちゃんの様子をご報告させていただくことができるので、ちょっとした体調の変化にも飼い主さんが指示を出すことだって可能になります。

(お腹がゆるいなら、ごはんを一食抜いてみてください・・・などといった指示ですね)



こういう説明をきいて初めて、有事のことについて


「確かに・・・!」


と想像を馳せる飼い主さんも結構いらっしゃいます。

そして、先ほどまでは


「注意してほしいことですか・・・うーん、特にありませ~ん♪」


とおっしゃっていた飼い主さんでも


「実はこの子、昨年の夏に脱臼しまして・・・」


とか


「お腹が空きすぎると吐いちゃうことがあって・・・」


などとお話下さることも多いんです。


もしかすると、そういう情報を伝えると預かってもらえないかもしれないと思っていらっしゃるのかもしれませんね(;'∀')



●命を預けるという意識


飼い主さんにしてみれば、規約なんか読むのも面倒かもしれません。

申込書に記入欄がいっぱいあると、


「ムキーーーーッ!!」


ってなっちゃうのかもしれません。

でも、それらの中に、


「本気でワンちゃんを大切にお預かりしようと考えていれば、当然知っておかなくてはならない情報」


が見当たらず、やたら手続きがお手軽すぎるお店に、本当に愛犬の命を託して大丈夫なんでしょうか・・・ということを考えていただきたいと思います。


一旦、愛犬を他人の手に託してしまったら・・・

託している間、飼い主さんが直接愛犬にしてあげられることはないんですからね!

目の前に立っているその人こそ、アナタの愛犬の命を預かるキーマンなんですからね!!


それを念頭に置いて、託せる相手かどうかをシッカリと見極めてください。




<今日のPet Hotel 11!>

ボス「ねむ~~~~~い」

なつ「ねむ~~~~~~い」

チャコ「ねむ~~~~~~い」
(ウソつけ!寝すぎておめめパッチリじゃないの!)

ボス「さ、お料理番はどっちのボールでボクと遊びたい?」
お料理番「え・・・・・」

甘えん坊のCちゃんが遊びに来てくれたよ!

Sちゃん、朝のお散歩
ルンルンで歩いているけど・・・

疲れちゃうからこの辺で引き返そうか~
Sちゃん「え~~~!やだぁ~」
・・・って言いながらとってもおりこうに帰りました。
Sちゃん、長生きして、またおいでね~!