前回ブログのつづきです。
【サーバントリーダーになろう!】
●サーバントリーダーとは?
「サーバントリーダー」というのは、アメリカのロバート・グリーンリーフ博士が提唱したリーダーシップ哲学で、
「リーダーはまず相手に奉仕し、その後相手を導くものだ」
という考え方です。
「サーバント」ってゆーのは「召使い」とか「奉仕者」って意味ですね。
これに対して、「支配型リーダー」というのは相手を力でねじ伏せ、言うことをきかせるリーダーのことです。
大きな違いは
支配型リーダーは、まず自分のことを優先して考える。
サーバントリーダーは、まずメンバーのことを優先して考える。
支配型リーダーの元では、メンバーは自らの意思に関係なくリーダーに従わされている。
サーバントリーダーの元では、メンバーは自らリーダーの指揮に従いたくなる。
ということです。
なんだか・・・リーダーシップの「悪い例」と「良い例」みたいですね。
さて、ここで前回ブログの「ひきこもり息子と母親のお話」を思い出してみてください。
母親は、まるで息子の召使いのように振る舞っていましたね?
ってことは・・・この母親の振る舞いは、まさに「サーバントリーダー」ってことになるんでしょーか?
そんなわけないでしょ~~~!
●サーバントリーダー ≠ サーバント
今から、ワンちゃんの飼い主さんの3つのリーダー像を挙げてみます。
ワンちゃんの気持ちになって(←?)どのリーダーさんのおうちで飼ってほしいか考えてみてください。
①支配型リーダーの飼い主
飼い犬を家来のように考え、ワンちゃんに舐められないよう暴力や力で征服しています。
「自らが法律」という考え方なので、そのルールは気分や状況でコロコロ変化し、ワンちゃんから見て一貫性があるとはいえません。
そのため、ワンちゃんは混乱しつつも仕方なく言う通りにするしかない状況に置かれています。
飼い主さんとワンちゃんの間に信頼関係はなく、あるのは力による支配と、それに対する服従関係のみです。
②サーバントリーダーの飼い主
飼い犬の健康や快適さに配慮して、たっぷりと愛情を注ぎながらも、絶対に守らせなくてはならないルールに関しては毅然として厳しくしつけます。
ルールや接し方は一貫しているので、ワンちゃんにも伝わりやすく、混乱に陥ることはありません。
飼い主さんとワンちゃんの間にはしっかりとした信頼関係があり、お互いが何を求めているのかを思いやりながら行動することができる関係です。
③サーバントな飼い主
飼い犬を愛し、奉仕し、ご機嫌を伺っているため、主従関係が逆転しています。
守ってほしいルールがあるのに、毅然とした態度でワンちゃんを導くリーダーシップに欠けるため、完全にワンちゃんに舐められています。
時々、これではいけないとしつけに取り組むものの、ワンちゃんから見たら「召使いが生意気にも命令しようとしている」とみなされ、叱責(反抗)されてしまいます。
飼い主さんとワンちゃんの間にあるのは、ワンちゃんをリーダーとした主従関係ですが、そのことに飼い主さん自身が気づいていません。
ま、わたしがワンちゃんだったら②のリーダーがいいと思うでしょうね。
①と③はもう、明らかに「こんなリーダーはイヤだぁ~!」って思いますが・・・
きわめて特殊なワンちゃんを訓練する過程において、一時的に①や③をあえて用いることもあります。
例えば、「自分が強大な力を持ったリーダーだ」と思い込んでいるワンちゃんが、誰彼かまわず牙を剥いて相手を力で屈服させようとしている場合などは、まずそのワンちゃんとの闘いに勝ってワンちゃんを屈服させる必要があるので①の形を用いることもあるでしょう。
逆に、過去のつらい経験などから人間をひどく恐れているが故にお世話をするのもままらない状況にあるようなワンちゃんには、何かをしつける前にまず、安心させて信頼を得るために③の形をとり、ひたすら尽くすということもあるでしょう。
けれども、こういった特殊な場合を除いて、ほとんどのワンちゃんは②のような
「強くて優しい頼れるリーダー」
を求めているということはおわかりいただけたでしょーか?
●③の飼い主さんの特徴
前回ブログで「満たされすぎて欲求不満」と書いたワンちゃんの飼い主さんは、上記の③に該当するような接し方をしてしまっている可能性が高いんです。
③の飼い主さんの特徴は、次のようなものです。
◇「リーダーになりなさい」と書いてあるしつけ本を見ると嫌悪感を感じる。
「自分と愛犬の立場は対等で、決して主従関係などではないのに・・・!」
という嫌悪感ですね。
こういう飼い主さんが「リーダー」とか「主従関係」と聞いて真っ先に頭に思い浮かべるのが①のような威張りんぼうのリーダーだからかもしれません。
しつけ本に書いてあるリーダーというのは、もっと懐の大きな人格者なんだということをぜひご理解いただきたいと思います。
◇「しょうがないわねぇ~」「今日は特別ヨ!」とワンちゃんによく言っている。
ワンちゃんのしつけや生活上のルールをキチンと決めてあげることなく、その時の気分や状況でコロコロ変えてしまいます。
これは①と③に共通する、ワンちゃんにとって大変迷惑な行為です。
「今日は〇〇ちゃんのお誕生日なんですもの!ゴミ箱をイタズラしてもティッシュをビリビリにしても、今日だけは笑って許してあげましょう♪」
なーんてことをしていたら、どうなってしまうと思いますか?
「お誕生日」も「今日だけ」もワンちゃんに理解できるかーーーい!!
結果、翌日同じことをしてひどく叱られたワンちゃんは、激しい混乱状態に陥り、飼い主さんのことを「信用できないヤツ」と思ってしまうだけでしょう。
気分次第の「例外」や「特別」がワンちゃんにとって大変なストレスになっていることがお解りいただけるでしょーか・・・
◇ワンちゃんに好かれようとする
本来は、ワンちゃんの機嫌を取ったりしなくても、ワンちゃんが尊敬し 慕ってくれるような②のリーダーになるべきところを、ワンちゃんに好きになってもらえるように媚びてしまうんです。
自分に媚びを売る、自分より下位にいる者の指示に従うワンちゃんがいるでしょうか?
ワンちゃんにしてみれば
「生意気なメンバーだなぁ・・・仕方ない、いつもイイ子にしているから、たまにはコイツの要望も叶えてやるか!」
程度に思っているかもしれないことを、早めに自覚してください。
このような、愛犬に媚びを売ってしまう召使いに飼われているワンちゃんは、ふたつの意味での欲求不満を抱えている可能性が高いんです。
「全てが思い通りになるはずなのに、時々召使いが反抗的な態度で自分に従わないという不満」
「本当は、常に周囲に気を配っていなくてはならないリーダーなんかではなく、指示に従っていれば安心して暮らせるメンバーでいたいのに、自分には頼りになるリーダーがいないという不満」
愛犬は、まちがいなく大切な家族です。
けれども、愛犬は人間ではありません。
人間の社会で通用する「平等」「対等」といった概念は犬の社会にはありません。
同じ役割をするメンバー同士の中にも、必ず「上」か「下」かがあって、必ずそのどちらかでしかありません。
その現実から目を背けることなく、わたしたちはワンちゃんにとって ②のような正しいリーダーであり続けなくてはなりませんし、その努力を続けることこそ、愛犬への奉仕(サーバント)なんですね。
長くなってしまいました・・・
次回は、前回ブログに登場したFちゃんに、わたしたちがどのように接し、Fちゃんがどのように変化したかというお話をしたいと思いまーす(^▽^)/
<今日のPet Hotel 11!>
1泊でお預かりしたAちゃん、引っ張りを直したいと飼い主さんがおっしゃっていたので、小雨の時を狙って少しだけ歩いてみました。
最初2回くらい注意したら、以降まったく引っ張ることなく歩くことができた、優秀なAちゃん。
えらーーーーい!!
午前中は晴れてたんだけどねぇ・・・ |
Kちゃんは番犬やってくれてるの(^▽^) (ウソ、ただの覗き) |
Pくん「午後から雨だってさ~!」 ね~・・・やだねぇ。でも朝のお散歩でウンチできて よかったね~(^▽^) |
Pくん「ねえねえチャコちゃん」 チャコ「今忙しいの!」(←ウソつけー) |
ボールで遊んでいると・・・ ホ~ラ暗くなってきた~~ 残念ながら降り出した雨でお外遊びはおしまーい |
なつ&チャコ「つまんないの~~」 ボス「いいんだ。どうせボクはヘルニアでボール遊び できないんだから、雨でもおんなじさ」 やさぐれてんな~~(笑) |