2018年5月4日金曜日

お泊りをお断りしたGくんのお話⑥

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回ブログのつづきです。

ワンちゃんの「苦手」は、先々何があるかわからないので、できる限りなくしておいた方がいいというお話をしましたね。


今回のお話の主人公Gくんの「苦手」は車に乗せられることでした。


【ワンちゃんの車嫌い対策】


●車嫌いになる原因


主に原因は次のふたつです。


・車酔いするから。

・車に乗って獣医さんやトリミングといった大嫌いな場所に連れていかれる経験から。


車酔い対策については、以前このブログでもご紹介しましたので、ぜひそちらを読んでみてください。

特に「景色を見せないようにする」というのは目からウロコだったという飼い主さんが多いですよ~!


「ワンちゃんの車酔い対策」


問題は原因の2番目。



●思い出を塗り替える


ワンちゃんが「オスワリ」「マテ」「フセ」などのコマンドを覚えるのは、そのコマンド(合図)が出された時に特定の行動をするとイイことがあった・・・という記憶の回路が強化された結果です。

最初は


①「オスワリ」と言われる

②オスワリする

③オヤツがもらえたり褒められたりする


の繰り返しで回路が確立してしまうと、たとえ③のご褒美がなくたってワンちゃんは喜んでオスワリしますね?


だから、


①車に乗せられる

②目的地で降ろされる

③獣医さんで押さえつけられて注射を打たれる


という回路が確立してしまったワンちゃんにとって、実際には行き先が獣医さんじゃーなくたってもう、車自体が怖くなっちゃうんです。


だったら どうするかっていうと・・・もうおわかりですよね?

「車に乗るとイイことがある♪」っていう風に回路を繋ぎなおしてあげればいいんです。


当分は獣医さんに連れて行く必要がないだろうという時期を選んで、できるだけ頻繁に次のような経験をワンちゃんにさせてあげてください。


・車に乗ったら、いつもはもらえないとびっきり美味しいオヤツがもらえた!

・車に乗ったら、とっても楽しい場所に連れて行ってたくさんたくさん遊んでもらえた!


最初は激しく抵抗していたワンちゃんが、エンジンをかけるとシッポを振って「乗せて乗せてっ!」って言うようになってからなら、たとえ車で獣医さんに行くことがあっても大丈夫。

もう「車」=「獣医さん」の回路は断ち切られていますから、「獣医さんは嫌いだけど車は大好き!」という風にワンちゃんが思ってくれているはずです。

でも、元の状態に戻ってしまうことが心配ならば、獣医さんに行った後はまた楽しいドライブで上書きしておいてあげてくださいね!


この回路の繋ぎ変えは、


・ハウスが苦手な子

・ハンドシャイな(人間の手を怖がる)子

・お風呂やシャワーが苦手な子


などの「苦手」にも応用できます。


ぜひ試してみてください。



【Gくん 帰るよっ!!】


さて・・・大格闘の末、やっと車に押し込んで獣医さんのペットホテルに送り届けたGくんをお迎えに行く日がやってきました(ゴクリ)


●対面


受付でお会計を済ませて待っていると、受付のお兄さんに連れられたGくんが出てきました。

わたしはGくんにとって


「初対面の直後にいきなり力づくで車に押し込めたチョー乱暴なヤツ」


のはずです。

もしかすると「お庭番=車=大っ嫌い」という回路ができてしまっているかもしれない・・・

そうなると、わたしを見たとたんに大暴れする可能性もあるなったらあるな(ゴクリ・・・)と覚悟していたのですが、予想に反してGくんは


大はしゃぎ♪(それはそれで困る)


腰をくねらせ、ぶっといシッポで受付台をドカンドカンと叩きながら後ろ足で立って熱烈に抱きついてくれるGくんなのでした(笑)



●軽くおさんぽ


「ようしっ!この勢いで車に搬入しちゃうぞっ!」

と思ったのですが、いや待てよ・・・

念のため、受付のお兄さんに


「Gくん、今日はおさんぽは・・・?」

「あ、まだですぅ~」


げっ!なるほどなるほど・・・

ということはオシッコが溜まっているかもしれないし、運動不足で体力を持て余している可能性が高いとゆーことですね(嗚呼サイアク~~)

こんなこともあろーかと、飼い主さんとのお約束時間よりもだいぶ早めにお迎えに行っていたわたしは、Gくんを連れて軽くおさんぽすることにしました。

ただ、Gくんは飼い主さんがスパイクチョークチェーンでおさんぽさせている子です。

もしも制御できないと感じたら、すぐさまおさんぽ中止にしようと決めて歩き出しました。


すると・・・



●ただの元気な大型犬


な~~~んだぁ~~~・・・

確かに体重はあるし動きはダイナミックながら、こんな風にワンパクな大型犬は特に珍しくないという程度でした。

んも~~~、いきなり初対面でスパイクチョークチェーンをジャラリと見せられてしまったから、わたしも先入観を持ちすぎてしまったじゃないのー(←人のせいにしないっ)

毎日たっぷりとおさんぽしてエネルギーを発散させてあげ、きちんと訓練してあげればGくんはトゲトゲの首輪なんか使う必要がまったくない子なのではないかなー・・・と複雑な思いを抱きました。


溜まっているオシッコをして、軽く歩いてガス抜きしたらいよいよご乗車タイム・・・


士気を高めろーー!

歯を食いしばれーー!

腹に力を入れろーーー!



●格闘ふたたび


今回、わたしには強い味方がついていました。

それは、獣医さんの受付のお兄さん!

先ほど受付を済ませた際に、優しいお兄さんがこう言ってくださっていたんです。


「大丈夫ですか?車・・・乗せられます?ボク、手伝いますよ?」

「ほ、ホントですか?あ、でもオシッコさせてちょっとだけその辺を歩かせるので・・・乗せる時にもし必要ならお願いしますぅ~!」

「はい、声かけてくださいね~!」


なんて優しい若者なのだろう・・・(ウルウル)


病院のファサードはガラス張りで、すぐ前に停めている車のところから受付のお兄さんがバッチリ見えます。

もちろん、お兄さんからもわたしの車がバッチリ見えています。

よしよし、いざとなったら正義の味方をホラ貝で呼べばいいんだもんね~♪


おさんぽ中、ルンルンだったGくんはその勢いで車に乗ってくれるかと思いきや、やっぱり車の前に着くと、いきなりベタンッと地面に突っ伏して「ちょっとした敷物状」に・・・(-_-;)


もう腰をいじめたくない


そう思ったわたしは、ガラス越しにお兄さんに助けを求めようとしたのですが・・・



へ? い、いない・・・

さっきまでいたのに・・・いないいないいないーーっ!!


受付のお兄さんは、神隠しに遭ったように忽然と消えていたのです(号泣)


もしかすると、運悪くそのタイミングで先生に呼ばれて診察室に行ってしまったのかもしれません。

はたまた逃げたのかーー?!(受付け台の後ろにしゃがんでたりしてー・・・)


仕方ありません。こうなったらやるしかーーー・・・


わたしは往路でやったのと同じように腰をかがめてGくんを持ち上げながら


「Gくんイイ子だねー!

お父さんお母さんのいるおうちに帰ろうねぇ~!

おうちに帰ったらオヤツかなぁ~?」


と、Gくんが好きそうな言葉を優し~い声で連発しました。

もちろん、少しでもGくんが心穏やかになり 暴れないことを狙ってのことです。

けれども、おそろしく重たいGくんを「ウンショ!」と持ち上げながらわたしが発した精一杯の「優し~い声」は、Gくんおよび通りすがりの人々には、


取組み後の関取インタビュー


にしか聞こえなかったに違いありません・・・( ノД`)


声掛けの効果もむなしく、行きと同様に激しく抵抗するGくんを


オリャーーッ!

チェストーーッ!!

ドスコイドスコイッ!!


と後部座席に押し込んで、飼い主さん宅に送り届けました。

帰りの車内、Gくんとわたしの荒い鼻息で車窓が曇ってしまったのには、思わず吹き出してしまいました( ´∀` )


お宅で待ち受けて下さっていたのは今度は奥さんではなくご主人の方だったので、リードからお庭のワイヤーチェーンにGくんを繋ぎ替えるのはご主人がやって下さいました。

ところが、お父さんに会えた嬉しさからか、お庭に繋がれるのがイヤだからなのか、ふたたび激しく暴れるGくんにお父さんも手を焼いて、なかなか留め具を引っかけることができません・・・

既にGくんとの2度の格闘経験からGくんを手荒に扱うことに抵抗がなくなっていたわたしは、


「ちょっと失礼します・・・」


と言うと、Gくんの背中にトリャーッ!と跨り、太ももにGくんをガッチリ挟み込んで両手で首を捕まえて・・・


「さ、どうぞお留めください」


飼い主さん「あ・・・は、はい・・・ありがとう(汗)」



あ~~あ・・・飼い主さんの目の前で大切な愛犬をかように乱暴に扱ってしまったわたしをご覧になり、Gくんの飼い主さんはさぞや呆れてしまわれたことでしょねー!

咄嗟のこととはいえ、恐ろしく失礼なことをしてしまった自分を激しく責めながら、乳酸でプルプルする腕の震えを堪えながら帰路に着くわたしなのでした。


みなさま、Pet Hotel 11!はふだんは絶対にお預かりしたワンちゃんに跨ったり ガブリ寄ったりすることはございません。

とても大切に扱わせていただくことをお約束申し上げます。




●最後に・・・


今回のお話のキーワードは「苦手」でしたが・・・

Gくんの飼い主さん(奥さん)が犬を「苦手」で触ることができないにも関わらず、よりによって大型犬を飼っておられる理由について、正直たくさんの「ギモン」が浮かびました。

けれども、ご家庭には外からは見えないそれぞれの事情があります。

もしかすると、どなたかお身内の方が飼えなくなったワンちゃんを仕方なく引き受けられたのかもしれませんし・・・


もし、Gくんをあんな風に扱っていたわたしをご覧になっても、いつの日かGくんをうちにお預けいただけるような日がきたなら(たぶんないけどー・・・)そのあたりのご事情も伺ってみたいと思っていますが、今回は単に送迎させていただいただけですので、立ち入ったことは尋ねることなく飲み込みました。

スパイクチョークチェーンについても同様に・・・

事情や経緯がわからないことについては、一概に批判できないという考えです。


ブログをお読みくださっている皆様にも、同様に考えていただければ幸いです。





<今日のPet Hotel 11!>

Fちゃん「おはよーございまーしゅ!」
Fちゃん、顔かお!!(笑)

朝のおさんぽ♪
Cちゃん「アタシ、上手におさんぽできるようになった
って褒められちゃったの!」

Aくん「ボクもおさんぽがとっても上手だよー!」

「Mちゃん大丈夫?転げまわるからリードが絡んじゃってるよ」
(みんな心配そうに見守ります 笑)

Fちゃん、自分からクンクンいきまーーーす!

大きいNちゃんのオシリも
かぎまーーーす!

Aちゃん「ね?ボクが言ったとおりでしょ?
ちゃんと他の子にも慣れるでしょ~?」

Fちゃん「言っとくけど、アタシは最初から
他のワンコなんか平気なのよ!」
(へぇ~~~~~~)

お久しぶり!Cくんです。
他のワンちゃんはそもそも苦手だけど・・・

だいぶ成長したんだよー!
ホラ、シッポも隠してないでしょ?(エッヘン)

5月らしいさわやかなお天気!
みーんなお外が大好き♪

Mくん「はぁ~、遊びすぎて暑くなっちゃった」

Nちゃん「そんなときはこの木陰がヒンヤリして
気持ちいいわよー!」

夕方のおさんぽ♪
UくんとFちゃんは並んで仲良く歩けました!

Uくん「ワンちゃんがいっぱいで、
ちょっとドキドキしてるけど人は大好きなの~」
おさんぽ、とっても上手に歩けたね!

ボス「ボクさぁ・・・今日ボール追いかけてジャンプした時、
おちんちんの横っちょを擦っちゃってね・・・
もうチョーー痛くって悲鳴あげちゃったよぅ」
ホントだ、痛すぎて鼻が曲がっちゃってるね(笑)