前回のブログのつづきです。
【レシピ3 メリハリはとっても大事(1)】
これは、前回お話した
「ワンちゃんにルールを解りやすく教えてあげるフェアなリーダー」
になるためには欠かせないポイントです。
どういったメリハリが必要かを、具体的に考えていきましょう。
●「叱る」と「褒める」のメリハリ
なんといっても、一番肝心なのがコレです。
よく、
「褒めてしつけよう」
「叱るより褒める方がうまくいく」
って言われますよね?
これは本当のことです。
ただ、この言葉を
「ワンちゃんを絶対に叱ってはいけない」
と勘違いしてしまう飼い主さんがとっても多いんです。
そう思い込んでしまった飼い主さんは、おそらくワンちゃんのしつけ迷路に迷い込んでしまうことになるでしょう。
その飼い主さんに飼われているワンちゃんもまた、ヒジョーに混乱しストレスを抱えることになるでしょう。
◇叱りたくない飼い主さん
可愛いワンちゃんを叱ることは、飼い主さんにとってストレスになります。
「あの子に嫌われたくない・・・ってゆーか、もっと言えば家族で一番私に懐いていてほしい」
という潜在意識を持っている飼い主さんもたくさんいらっしゃいます。
ですから、飼い主さんにとって
「叱るより褒めろ!」
っていう言葉は耳障りがよく「渡りに船」♪
とっても歓迎できる言葉なんです。
でもね・・・
◇人間の子どもとの共通点と違い
先ほど、「叱るより褒める方がうまくいく」のは本当だと言いましたが、これは
「ワンちゃんに何かをさせたい時」
に大変効果的なやり方なんです。
具体的には「オスワリ」などのコマンドを覚えさせたい時などには、できないことを叱るよりも、たまたまできた瞬間に褒めたりオヤツをあげたりする方が圧倒的にうまくいきますね?
母親が子供に「勉強しなさい」と毎日毎日繰り返しうるさく言うよりも、勉強している子供を褒めちぎる方がよっぽど効果があるのとおんなじことです。
では、
「ワンちゃんに何かをやめさせたい時」
についてはどうでしょう?
実は、人間の子どもに関して、コレはやっぱり褒める方が効果的です。
(ちょっとややこしいですが・・・)
例えば、静かにしてほしい時に子供がワーキャー騒いでいて・・・それに対して母親が声を枯らして何度も何度も「静かにしなさいっ!!」と怒鳴り続けるよりも、たまたま一瞬静かになった時を捉えて
「まあおりこうね!ちゃんと静かにできたのね~!えらいわ~~♪」
と褒める方がよっぽど静寂を保てる時間は長いです。
でもそれは、子供たちが「何を褒められたか」を言葉によって正確に理解できるからなんですね。
日常生活の中で、ワンちゃんを「いい子」にさせたいと思っている飼い主さんにとって、ワンちゃんに教えたいことのほとんどは
「ワンちゃんに何かをやめさせたい」
ということでしょう。
では、「叱る」を封印した飼い主さんが、人間の子ども相手の時と同じように「褒めるだけ」で愛犬の問題行動をやめさせることが本当にできるでしょーか?
例えば「オシッコシートをビリビリにする」という問題行動をやめさせたいと考えている飼い主さんが、目の前でビリビリやっているワンちゃんを叱ることなくジっと我慢して・・・ビリビリをやめた瞬間にすかさず
「おりこうね~~~~!ビリビリやめたのね~~~♪」
と褒めたとします。
けれども、褒めながら飼い主さん自身が既に不安になっているはずです。
「コレって・・・伝わってる~~?」
ってね!
ワンちゃんが「何を褒められたか」を、果たしてちゃんと理解できるでしょーか?
「ビリビリしてたことを褒められた」って勘違いしちゃわない?
そうなんです。
実際、残念ながら多くのワンちゃんはビリビリを褒められたと思う、または何を褒められたかサッパリわからないというケースが多いんです。
言葉を理解できないワンちゃんに対して、「困った行為をやめた時に褒める」というやり方で、一般の飼い主さんが伝えたいことを正確に伝えるのは至難の業です。
結果的に、ビリビリを一向にやめないワンちゃんに飼い主さんは叱らないんだけどイライラして・・・
飼い主さんのイライラの原因が解らないワンちゃんは情緒不安定になって更にビリビリで不安を紛らわそうとして・・・
何一ついいことがないっ!!
もう泣きたいっ!!
という結果に陥るケースが多いんですね。
◇解りやすさを曖昧にしているもの
ワンちゃんの側から見てみると、
ビリビリをしている時の飼い主さんの態度は「容認」と映ります。
ビリビリをやめた時の飼い主さんの態度は「褒められた」と映ります。
褒められるタイミングによって、「何を褒められているのか」を勘違いしやすいことは先ほどお話しましたが・・・
それ以上に「容認」⇔「褒める」の対比が曖昧すぎてワンちゃんにはよく解らないんです。
それよりも「叱る」⇔「褒める」の対比の方が落差が大きくてよっぽど伝わりやすいことはお解りいただけるかと思います。
大事なのは「叱らない」ことよりも「解りやすい」ということの方が、よほどワンちゃんに対する「思いやり」になるんだってことなんです。
◇表現を曖昧にしない
こういうお話をすると、よく
「ちゃんと叱っているんですよ~~!なのにいくら叱ってもぜんぜんダメで・・・」
とおっしゃる飼い主さんがいます。
そういう飼い主さんの叱り方って大抵・・・やさしい~~(;^_^A
ワンちゃんを本当に大切に思っているのなら・・・そして、その行動を本当にやめてほしいと思っているのなら・・・
ワンちゃんにシッカリと意図が伝わるように、叱る時と褒める時のメリハリをしっかりつけてあげてください。
嫌われたくないからといって、叱るべきときに猫なで声で
「ホラホラ~、ダメでしょ~?イケナイ子ねぇ~~♪」
なんてニコニコした顔で言うことを繰り返しておいて、一向に言うことをきかないワンちゃんに対して
「困った子だわ・・・何度言い聞かせてもちっともやめてくれないの・・・うちの子バカなのかしら・・・」
なんて言われたってワンちゃんが可哀想です。
叱られていることが伝わってないっつーーの!!(笑)
◇「叱るより褒めろ」の本当の意味は
だいたい・・・人間の子育てを考えてみたって、
我が子を叱ってばかりいてまったく褒めない親
我が子を褒めてばかりいてまったく叱らない親
どっちの親に育てられる子供も心配だとは思いませんか?
ですから、「叱るより褒めてしつけろ」というのは「絶対に叱っちゃダメ」って意味ではなく、
「叱る分量よりも褒める分量を多くした方がうまくいくよ」
と解釈すべきだとわたしは思っています。
そして・・・
叱る時はワンちゃんが叱られているとちゃんと解るように、怖い顔、低く押し殺した声(ヒステリックな声や暴力は逆効果です)でシッカリと叱りきってください。
その結果、ワンちゃんがやめてほしいことをやめたら、叱った時の倍以上の時間をかけて褒めて褒めて褒めまくってください。
「叱る」と「褒める」のメリハリをつけてあげることで、ワンちゃんに「一体何を叱られているのか?」が伝わり、結果的にそれが困った行動をなくす近道になります。
飼い主さんに叱られることはないけれど、「バカな子」とか「ダメな子」思われ、何カ月もイライラされ続けているワンちゃんと、
飼い主さんにすんごく怖い顔で叱られちゃうけど、短期間で問題行動をやらなくなって、「いい子ね~♪」って心から褒めてもらえるワンちゃん・・・
どっちがハッピーなワンちゃんだと思いますか?
長くなりました。
つづきはまた次回にしまーす!
<今日のPet Hotel 11!>
久々にお客様ワンちゃんがいない日は・・・ (ボス&なつはお客様扱いしませーん 笑) |
お客様ワンちゃんがいる時には決してしないような ワガママをするんだよね~(;'∀') なつ「やだー!まだ砂浜で遊ぶぅ~~!」 |
チャコ「暑い~~!海でならもっと遊ぶけど他の ところになら行きたくなーーい!」(-_-;) |
水分補給して歩いて帰ろう! ボスが待ってるよーー(^▽^) |
ボス「ボクならいいんだ。涼しいお部屋で の~んびりしている方が好きだも~ん」 いい子だね。 早くヘルニア治してまたお散歩いこうね!! |