2017年11月24日金曜日

おとなしい子だったのに・・・

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



【まさかの坂】


よくスピーチなんかで言われますね。

『人生には3つの坂がある。

上り坂と下り坂、そして最も気を付けなくてははらないのが”まさかの坂”』


昨日見たニュースは、まさにその”まさかの坂”を再認識するようなものでした。


●イベント中、突然・・・


ニュースの内容は次の通りです。

島根県浜田市の障碍者支援施設「桑の木園」で、昨日の祝日に恒例の「大収穫祭」が催されていました。

会場にはおよそ1000人の人が詰めかけていたそうです。

イベントのひとつである「乗馬体験」用の馬が突然逃げ出して、餅まきで賑わっていた駐車場めがけて走り出し、休日を楽しんでいた家族連れに突っ込み、生後4か月の赤ちゃんを含む10人が負傷するという事態になってしまいました。


●暴走したのはおとなしい馬だった


当日、イベントに出る馬は4頭いて、2頭が午前の部、もう2頭が午後の部という予定だったようです。

暴走した馬は、ラブという名前の9才の女の子で、午後の部に出場するために会場裏手の丘で出番を待っている状態でした。

ラブは、太い木の枝に手綱で繋留されていましたし、すぐ近くには飼育員もいたそうです。

目撃者の一人は

「木のようなものをつけた馬が目の前を駆け抜けていった」

と話しています。

ラブを繋留していた木の枝は根本から折れていました。

飼育員さんは

「ポキっという音とくっついてきた木に追いかけられて怖かったんだと思う」

と取材に答えています。


ラブは昨年の「大収穫祭」でも乗馬体験に参加していたそうで、ふだんは本当におとなしい子なんだそうです。



●馬を管理していた施設


「大収穫祭」は、今年で40回を迎える恒例の地元行事でした。

主宰していた障害者支援施設「桑の木園」は「かなぎウエスタンライディングパーク」を指定管理者として運営していました。

ラブが所属していたこの「かなぎウエスタンライディングパーク」は、乗馬を通して障がい者の馬とのふれあいや、知的障がい者の就労支援などといった福祉活動に取り組んでいたそうです。

地元の人たちとの交流もさかんで、素晴らしい取り組みをされていた施設だっただけに、今回の事件は本当に残念ですね・・・

このような事故を起こしてしまったことで、今後、この施設やラブたち馬はどうなってしまうのでしょうか。


●他人事ではない


今回のニュース、動物を扱う仕事をしているわたしたちとしては、とても他人事とは思えませんでした。

「なぜ、木の幹ではなく枝に繋留したのか?」

「なぜ、人がいるエリアとの間に柵を設けていなかったのか?」

など、後からならいくらでも言えるでしょう。

けれども、今回の場合、飼育員さんもすぐ近くにいて、決して目を離したわけではなく、当然、飼育員さんが折れそうな枝に手綱を結び付けたとも思えません。

今までも今回と同じようにやってきて、実際に事故は起きていなかったのでしょう。

けれども、”まさか”は起きてしまいました。


事件を起こしてしまったラブの隣で、担当の女性飼育員さんが泣きじゃくりながら

「怪我をさせてしまった人たちに本当に申し訳ありません。

ラブは、いつもはとってもおとなしい子なのにどうして・・・」

と声を詰まらせていた光景が頭から離れません。


●動物だという意識


ワンちゃんは馬ほどの重量はありません。

けれども、本気を出せば、とても追いつけないほどの速さで走ります。

身体の大きな子が我を失って暴れ出した時の力はすさまじく、人間が制御するのは困難です。

そして・・・咬みついたら簡単に骨まで達するほどの傷を人間に負わせる、するどい牙を持っています


わたしのような、多くのワンちゃんを扱う仕事に従事する者はもちろん、ワンちゃんの飼い主さんも、


『どんなに可愛くても、どんなに普段おとなしくても、どんなに普段聞き分けがよくても、犬は犬だよ。動物だよ!』


ということを、決して忘れてはならないと改めて思いました。

動物である以上、わたしたちの予測の及ばないような想定外の行動を、いつなんどきするかもしれない・・・

そのことを肝に銘じて、改めて日頃の安全対策をしっかり見直していきたいと思います。

きっと、ラブはわたしたちにそのことを教えてくれたのでしょう。


●何度もお話していることですが・・・


「しつこいっ!」

って言われても構うもんかー!

何度でも何度でも言っちゃいます。

やっぱり、ワンちゃんの飼い主さんにどうしてもやめていただきたいこと・・・


◆ドッグランなどの許可された場所以外でノーリードで遊ばせること

◆ロングリードでお散歩させること


周囲の人に迷惑をかけないためだけでなく、ワンちゃん自身の安全のためにも、ぜーーったいにやめていただきたいと思います。


以下、以前に書いた記事です。

お時間あればぜひお読みいただけたらありがたいです。


近所で実際に起きた咬傷事故のお話

ロングリードの危険性について





最後に、今回の事故で怪我をされた方々にお見舞いを申し上げます。

幸い、命に関わるようなお怪我をされた方はいらっしゃらなかったことが、不幸中の幸いでしたね。



<今日のPet Hotel 11!>


朝の海岸さんぽ。
ラニくんを睨む”なつ”の目・・・(笑)

他のワンちゃんが怖くて仕方ない蒼(あお)くん。
”なつ”がクンクンに夢中になっている今のうちに
そ~~~っと行ってみるの図。

え~~~~!またシャンプーするの~?

やーだなぁ~~~~~

でも・・・シャンプーの間はあの
”邪魔なまるいヤツ”つけなくていいから我慢しよっと♪

そのころ、”邪魔なまるいヤツ”は・・・
”なつ”「ちょっと!なんでよーーー?!」
(笑)

ボス「やーーめーーてーーーー!!」