引き続き、ワンちゃんの不妊去勢手術についてお話したいと思います。
デメリットについては前回のブログでお話しましたので、メリットについて。
くりかえしになりますが、わたしは決して「不妊去勢手術をすべきだ」と申し上げるつもりはありません。
ただ、わたしは愛犬に手術を受けさせる・・・その理由として受け止めていただければ幸いでーす!
【不妊去勢手術のメリット】
●望まぬ妊娠が100%防げる
まずはコレですね。
男の子はともかく・・・女の子とその飼い主さんは大変な負担を強いられます。
ワンちゃんの出産は安産といわれていますが、特に小型犬の場合、リスクを伴うことも少なくありません。
安易に自宅で出産させて、万一母子共にキケンな状態になったら・・・ゾっとしますね。
無事に出産できたとしても、子犬を全頭引き受けるか、飼い主さんを探すかしなくてはなりません。
生まれてくる子犬の中には奇形や重い病気を抱えて生まれてくる子だっているかもしれません。
そういう可能性がナイとは言えない以上、積極的に子犬を産ませたいという希望がない限りは、手術を受けさせるのがこれらを避けるのに最も確実な方法です。
「ウチの子は1頭のみで室内飼いだからあ~んしん♪」
そう思っていらっしゃる飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
でも・・・
◆リンダのヒヤリハット案件
何度かこのブログでもお話している、実家で飼っていたビーグル犬 リンダのヒヤリハット案件についてお話します。
リンダのお母さんはなんかの大会でチャンピオン犬になったらしく、わたしの両親はリンダに子どもを産ませたいと考えていました。
そして、カッチョイイビーグル男子とお見合いをして立派に4匹の赤ちゃんを産み、みんな新しい飼い主さんに引き取られて幸せになりました。
めでたしめでたし♪
なんですがー・・・
両親はリンダにそれ以上の出産をさせるつもりはありませんでした。
だからといって、不妊手術を受けさせるつもりもなかったようです。
理由はやはり、病気でもないのにリスクのある手術を受けさせることに抵抗があったのと、不妊手術そのものに”生き物として不自然”だという気持ちがあったということのようです。
ある日のこと・・・
庭に見知らぬシェパードがいることに母が気づきました。
ビックリ仰天した母は庭に出て・・・
「あらまあ、こんにちは♪アナタどこの子?どっから来たのぉ~?」
※お気づきでしょうが、母は犬好きなだけでなく、とんでもない天然です。
お庭に侵入してきたオスのシェパードは、首輪をして鎖を引きずっていました。
そうです。シェパードくんは、繋がれていた鎖を引きちぎって我が家にやって来たんです!(猛々し~~!)
実家の庭は、リンダがオシッコをしたり遊んだりできるように柵をグルリと巡らせていましたから、母はウッカリ門を開けっぱなしにしていたかしらん?と思ったようですが、門は閉まっていました。
きっと、柵を飛び越えて侵入してきたのでしょう・・・(;'∀')
その時・・・リンダはヒート(生理)だったのですね~!
幸いにもリンダはたまたまシェパードくんがやってきた時には室内にいたため、シェパードくんにとっては叶わぬ恋となりましたが・・・
シェパードくんは隣町の子だったようです。
その後、よっぽどヒヤリとしたのか、両親はリンダに不妊手術を受けさせましたとさ。
リンダのケースのように、飼い主さんが知らない間にオス犬が敷地に侵入し、いつの間にか愛犬が妊娠していた・・・というお話はけっこう多いようです。
驚くことに、マンションでの室内飼いで、お散歩以外の外出は一切しないような子が、やっぱり飼い主さんが知らないうちに・・・というお話もきいたことがあります。
この場合はもうミステリーとしか言いようがありませんが、ヒート中の女の子と発情した男の子は、行ってみればもう必死!なわけです。
(この点については、後で詳しくお話しますね)
まあ、飼い主さんの管理不行き届きと言ってしまえばそれまでですが、「まさか」と思う飼い主さんの気持ちも解ってあげてくださいね。
・・・とまあ、そういうわけで、不妊手術のひとつめのメリットは、望まぬ、そして予期せぬ妊娠を防げるってことでーす。
●特定の病気について罹患確立を下げることができる
おそらく・・・愛犬に不妊去勢手術を受けさせる飼い主さんの多くが、この点を大きなメリットと感じておられるのではないでしょーか。
◆女の子の場合
不妊手術をすれば、子宮疾患(蓄膿症・内膜炎・ガンなど)や卵巣疾患(卵巣嚢腫・黄体嚢腫・ガンなど)、膣疾患(膣炎・膣脱・ガンなど)にかかることはなくなります。
※女の子の不妊手術は、多くの場合卵巣と子宮を両方摘出しますが、獣医さんによっては卵巣だけを摘出する術式を採用していることもあります。
その場合は、子宮疾患の予防は期待できませんので、よーく確認してくださいね~!
生殖器系の病気以外でも、乳腺腫瘍と糖尿病については、不妊手術によって減らせることが判っています。
乳腺腫瘍は、女の子500頭に1頭の割合でかかると言われていますが、不妊手術を最初の発情前にすると更にその確率が200分の1に、それ以降の手術だと4分の1に減らせると言われています。
糖尿病は、もともと男の子より女の子の方が2~3倍なりやすいそうです。
何故なら、糖尿病にはプロジェストロンというホルモンが関与していると言われていて、犬は発情後に高プロジェストロン状態になるため、糖尿病を発症しやすくなるというんですね。
そのため、最近では糖尿病という診断がついた女の子に不妊手術を受けさせるようになっているようです。
◆男の子の場合
去勢手術をすることで避けられる疾患は、女の子に比べてあまり多くはありません。
具体的には
会陰ヘルニア・前立腺肥大・肛門周囲腺腫 といった男性ホルモンが因子となる病気を避けることができます。
主に、未去勢の老犬に多くみられる疾患なのですが、便秘や排尿困難を引き起こしたり、シッポの付け根に穴が空いてしまうようなものもあるので、介護がとっても大変になります。
女の子も男の子も、不妊去勢手術を受けさせなければ必ずこういった病気になるってワケではありません。
手術した子よりも確率が高くなるというだけのことです。
ですから、なるかどうかも分からない病気を恐れて今現在健康な体に麻酔をかけてメスを入れるのには抵抗があるという飼い主さんが多いのはもっともなことでしょう。
ただ、こういった情報を知った上で手術を受けさせないことを決断した場合は、老犬になってから、上記のような病気になってしまう可能性があることをきちんと認識しておいてください。
その際、既に体力のない老犬に麻酔をかけて手術をするかどうかに悩むことになるでしょう。
けれども、正しい情報を知った上で決断されたことならば、何も知らずになんとなくそうしていた人に比べて、後悔は少ないように思っています。
不妊去勢手術のメリットは次回のブログにまだ続きま~す!
<今日のPet Hotel 11!>
ウリだよ~~~~ん♪ |
ボス「このオモチャはぜったい誰にも渡さないんだっ!」 来てるよ~・・・後ろからウリくんがー・・・ |
ウリくん「ねえ!」 ボス「ハッ!!」 |
ウリくん「ねえねえ、貸してよぅ~!」 ボス「だーめ!」 |
ウリくん「ゲーーーット♪」 |
ヘヘーーンッ!! |
ボス~~~ 頑張れよーーー(笑) |
なつ「ハミガキだーい好き♪」 |
チャコ「ハミガキきらーい!抱っこ~~」 |