今回のお話は、
その行動、本当にワンちゃんのためですか?
それともご自身のためですか?
というお話です。
わたし自身、胸に手を当てて考えながら書いてみたいと思います。
【気を引きたい】
●ミュンヒハウゼン症候群
先日のブログで、”結果”を”目的”にしてしまうとヨロシクないことが起きる例として、代理ミュンヒハウゼン症候群について触れました。
病気やケガのある子どもを献身的に看病する母親が、結果として周囲から同情や賞賛、注目を浴びるのは問題ない。
でも、同情や賞賛、注目を浴びるためにわざと子どもの病気完治を阻害したり、酷い場合は病気にしてしまうとなれば、それはサイアク・・・
そういう母親の症状を代理ミュンヒハウゼン症候群っていうんでしたね。
ちなみに、自分自身が病気になって周囲の関心を引こうとするのがミュンヒハウゼン症候群。
自分の近親者を病気にして、それを介護する自分に賞賛や注目を集めようとするのが代理ミュンヒハウゼン症候群です。
自分の欲求のために子どもや愛する者の病気を長引かせたり、わざわざ病気にしてしまう代理ミュンヒハウゼン症候群は、自分自身の身体を傷つけるミュンヒハウゼン症候群に比べて、質(タチ)が悪いといえますね。
そういうエピソードをニュースなどで目にすると、許せないという気持ちになります。
でも・・・
●誰でも因子は持っている
代理ミュンヒハウゼン症候群ほど病的なレベルでなくとも、自分を拠り所にしてくれる存在によって、自己存在価値を確認しているってこと・・・
人間であれば誰しも多かれ少なかれ持っていると思うのですが、どうでしょう?
ミュンヒハウゼン症候群や代理ミュンヒハウゼン症候群の患者の多くは、自らが子どものころに病気で入院したなどの経験を有するそうです。
小さい子どもがけなげに病と闘っているとき、両親や周りの医療従事者は、その子にたいそう優しく接するでしょう。
子ども時代に大きな病気をしていた人は、周囲の人の優しさや関心を一身に受けていた時の心地よさが脳に強く刻まれていて・・・
更に、その後の人生で何もかもうまくいかず自分に自信が持てないなど、色々な要因が絡まってミュンヒハウゼン症候群を発症してしまうのかもしれませんね。
みなさんも、子どものころに風邪をひいたりして、おかゆを作ってもらって「ア~~ン♪」なんてしてもらったスウィートな思い出があるのでは?
何かのきっかけで、わたしたちは誰でもミュンヒハウゼン症候群に似たような状態になってしまうのかもしれません。
●誰がこんな犬にした?
やっとワンちゃんのお話になりました(笑)
たとえば・・・
・愛犬は、ワタシの姿が見えなくなると不安がってダメなんです。
・愛犬は、ワタシ以外の人を怖がるんです。
・愛犬は、ひとりで階段を降りられないんです。
・愛犬は、ワタシだけになついているんです。
さて、こういうワンちゃんって・・・生まれつきこんな子なんでしょうか?
そんな子も中にはいるかもしれませんが、ほとんどのワンちゃんは違いますね。
では、こんなワンちゃんにしてしまったのは一体誰でしょう?
きっと、こういうワンちゃんでいて欲しいと思っている人でしょうね。
つまり、飼い主さんです。
●”愛”と錯覚しやすい”依存”
こういう飼い主さんは、
「アナタはワンちゃんに依存しています」
と誰かに言われても、きっと信じることができないでしょう。
「依存?むしろワタシは頼られている側で、依存なんてしていませんよ!」
そのとおりですね。
臆病なワンちゃんを、可哀相だからと庇護しているのは飼い主さんの方です。
ワンちゃんは間違いなく飼い主さんに依存しているといえます。
パっと見、飼い主さんは一方的にワンちゃんから頼られているように見えるでしょう。
でも実は、こういった飼い主さんは、自分を頼りにしてくれるワンちゃんの存在によって、自分の存在価値を確認しているんです。
そういう意味で、臆病なワンちゃんの存在が、飼い主さんの心の拠りどころになっています。
飼い主さんもワンちゃんも、お互いを拠り所にしてるってことですね。
そういう状態を「共依存」と呼びます。
共依存というのは、人間の男女や親子関係によくみられる、思わしくない関係なのですが、実は飼い主さんとワンちゃんにも多くみられるんです。
この共依存が怖いのは、”依存”は当人たちにとって”愛”と錯覚しやすいことです。
「まあまあ、困った子ねぇ。ワタシがいないとホントにダメなんだから・・・でも愛しているから何でもしてあげたくなっちゃうの」
という感じでしょうか。
長くなるので、つづきは次回にします。
<今日のPet Hotel 11!>
今朝のおさんぽはお山の畑 ”邪魔なまるいヤツ”を外してもらって チャコははしゃいでいます(笑) |
遠くに富士山のシルエットが見えます。 寒い日は空気が澄んでいてキレイ~! |
日なたは暖かいねぇ~ |
おさんぽが終わると 「ちぇ・・・またこの”邪魔なまるいヤツ”つけるんだ~」 ごめんねチャコ、もう少しガマンね(;'∀') |