前回のブログで、犬を飼っている人は、そうでない人に比べて死亡リスクや心臓血管関連死亡率が低くなるという研究結果についてお話しました。
今日はその研究結果と報道のされ方について私見を・・・
【でしょうね・・・( ̄▽ ̄)】
まず、研究結果についてですが、異論はまったくありません。
ただ正直なところ、この研究結果を受けてのわたしの感想は
「でしょうね」
というものでした。
特に、普段からワンちゃんに親しんでいる方なら、おおむね似たような感想を持たれたのではないでしょうか。
研究結果というのは、必ずしも世間をアッと驚かせるものでなくてはいけないってことはありません。
感覚的にみんなが
「たぶんこうじゃないかなぁ~・・・」
と思っていたことを実証するのも大切なことです。
そりゃそーなんだけど、どうしてこうも素直に受け止められないんだろう?
そればかりか、喜ばしいはずの研究結果に抵抗すら感じてしまっているのはどうしてかしらん?
で、考えた結果、恐らく・・・
この研究結果は、単に目新しくないってだけじゃなく、こじつけっぽいからじゃあないかと思ったのです。
嗚呼・・・関係者の方がいらしたら本当にすみませんすみません。
小さな島国の片田舎に住む、ただのおバカさんの意見だと笑って、おへそでお茶でもブクブクしておいてくださいまし。
わたしはどうも、この研究結果は・・・
実際には『犬を飼っている人は長生きする』ではなくて、例えば
毎日習慣的に軽い運動をしていて、
日光や外気、雑菌といった外部環境と適度に触合っていて、
地域の人たちとの会話や交流があって、
自らの存在価値や生き甲斐を感じられている・・・
そんな人は、そうでない人に比べて長生きだよ!
っていうことに過ぎない気がするんです。
で、犬を飼っている人の多くは、結果的にそれに合致しているんでしょう。
唯一、犬でなければならない要素だと思えたのは『癒し』の部分でしょうか・・・
でもまあ、だからといってこの研究結果自体には、そこまで目くじら立てるようなこともないですね。
わたしが一番抵抗を感じた部分・・・つまり本丸は、その報道のされ方にあったのです。
【ちーがーうーだーろーーーっ!!】
●目的と結果をはき違えると・・・
世の中には、
〇〇すると △△になる
というような、色々な因果関係がありますが・・・
△△になるために 〇〇する
っていう風に、”結果”を”目的”にしてしまうとヨロシクないことがいっぱいありますよね?
例えば、代理ミュンヒハウゼン症候群って言葉をご存じでしょうか?
病気やケガのある子どもを献身的に看病する母親が、周囲から同情や賞賛、注目を浴びるということは、よくありますね?
代理ミュンヒハウゼン症候群の母親は、周囲からの同情や賞賛を集めるために、わざと自分の子どもにケガを負わせたり病気にしたりするんです。
病気にする・・・っていうと「どうやって?」って思うかもしれませんが、なんらかの病気にかかった子どもに必要な投薬をわざとせずに完治を遅らせたりする軽いものから、ひどい場合は少量の毒物を食事に混ぜたり虐待したりということもあるんですね。
こわいですねぇ~~~~!!
”結果”を”目的”にしてしまうとヨロシクないことの事例は他にもたくさんあります。
身近なところだと、例えば子どもが
勉強を頑張って、テストでいい点を取った結果 親に褒められる → 〇
親に褒められたいから テストの点を改ざんして親に見せる → ✖
・・・みたいなことです。
●気に入らねーなあ!
今回の研究結果が、CNNでどのように報道されたかというと・・・
Want to live longer? Get a dog
(長生きしたいですか?では犬を飼いなさい)
というタイトルの元、まずサンジェイ・グプタという医学者が出てくる動画が流れます。
この方はCNNの番組で医学に関する話題が出ると、たびたび専門家としてコメントする立場にあって、ご本人の番組も持っているような、言ってみればタレント学者的な人のようです。
動画の中で彼は、
『Pets are the best medicine』
(ペットは人間にとって最高の医療だ)
と言っています。
「気に入らねーなあ!」
コレがわたしの正直な感想でした。
得意満面で語る彼の顔が気に入らなかったというだけではありません。
「冗談言ってもらっちゃー困るよ!犬をバランスボールやセンブリ茶と一緒みたいに語ってんじゃーないよ!!」
という不快感です。
(動画のあるCNNのサイトはコチラ)
●決定的に抜けているもの
仮にも医学者である超有名人物が、メジャーな報道機関から得意顔で
『長生きしたけりゃ犬を飼え』
『ペットは最高の医療だ』
みたいなことを発信すれば、その影響力は決して小さくはないと思います。
彼は犬好きでご自身も犬を飼っているようですし、『犬に倣え』というような内容の書籍も著している人です。
ですから彼は単に、今回のスウェーデンの研究結果を受けて、犬を飼うことの素晴らしさを伝えたかっただけなのかもしれません。
その想いにエンターテイメントの要素を盛り込んで、少し誇張しただけに過ぎないかもしれません。
けれども、仮にも医学の専門家であれば、グプタ氏には今回のスウェーデンの研究結果を、
『この結果は、犬を飼えば長生きできることを示唆するものではなく、犬を飼っている人のこういう生活習慣が長生きに繋がっているという意味ですよ』
ということをむしろ伝えていただきたかった・・・
そうでなかったことが実に残念です。
わたしが声を大にして言いたいのは、
『それは”結果”であって、絶対に”目的”にしてはならない』
ってことなんです。
彼のお話に決定的に欠落していること・・・それは
命ある生き物を飼うことに対する、人間の重い責任
という点です。
犬の飼い主が手にするのは、健康的な生活という”権利”だけでなく、命を預かるという”責任”であって、後者の方がむしろ大きいという点です。
それヌキで、このような報道をするのは、単なる人間のエゴにしか感じられないのはわたしだけでしょうか?
わたしは、この報道を見た独り暮らしの老人たちが、少しでも長生きしたいからという目的のために、自分よりも長生きしてしまいそうなワンちゃんを安易に飼おうとペットショップへ走らないことを願ってやみません・・・
『なぁに、犬さえいれば長生きするから大丈夫さ!』
なんてアホなこと言わないでよね!!( ノД`)
ちょっと心配しすぎかしら?
<今日のPet Hotel 11!>
三浦海岸の冬の風物詩 大根干し~~ そして・・・ 公認の拾い食い~~♪ |
ボス「みんなはもう知ってると思うけど・・・ ボク、”なつ”と”チャコ”っていうふたりの女の子に 大人気なんだぁ~!」 |
「ね?!ボクのとなりに居たいってさ! こういうの、両手に花っていうんでしょ?」 |
「あ、ちょっとチャコ・・・重たいんだけど・・・」 |
「ねえ、チャコ?それじゃボクが写らないんだけど・・・」 |
「ねえ?!ちょっとちょっとーーーっ?!」 ボス・・・がんばれ~~~(笑) |