お客様から時々、
「不妊去勢手術って・・・やっぱり受けさせた方がいいんでしょうか?」
というご質問をいただきます。
この質問をされる飼い主さんは
「ホントはさせたくない」
と思っていらっしゃるんですね。
実に悩ましい問題ですが・・・
わたしはいつも、このご質問に対しては
「低い確率とはいえ、リスクが伴う手術である以上、わたしの口から『した方がいい』と言うことはできません。
でも参考までに、わたしは自分の愛犬に不妊去勢手術をします」
と答えることにしています。
【みんなはどうしているの?】
日本人はこの情報、とっても気になりますでしょ~?
環境省のデータによると、ワンちゃんの不妊去勢をしている飼い主さんは昔に比べて年々増加傾向にあって、1979年には7.7%ほどだったのが、現在ではおよそ40%の飼い主さんが不妊去勢手術を愛犬に受けさせています。
「あ、でも半分以上の飼い主さんはしてないんだぁ・・・んじゃあウチの子もしなくてイイや!」
って思われる飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。
【不妊去勢をしない理由は?】
同じく環境省が不妊去勢をしないと答えた飼い主さんに対して行ったアンケートによると、その理由は
1位)手術をする必要がないと考えるから 58.1%
2位)かわいそうだから 19.9%
3位)手術費用が高いから 14.3%
4位)子犬を産ませたいから 11.8%
5位)まだ子犬だから 7.1%
6位)めんどうだから 4.0%
1位の『手術をする必要がないと考えるから』が圧倒的なんですね。
このアンケート結果を見て、みなさんはどう思われましたか?
わたしは
「設問の選択肢、センスなさすぎ~~!」
と思っちゃいました。
だって・・・
「どうして不妊去勢手術しないんですか?」
「手術する必要がないと考えているからでーす」
「OH!なるほど~~!」
って・・・なるかーーい!!(ハリセン)
『どうして必要がないと思うのか?』ちゅー、そこの理由を問わんかい!
そうは思いませんか?
どうして、そこんとこの理由をちゃんと分析した方がいいかっていうと・・・
国や行政は、不妊去勢手術の実施率をもっと上げるべきだと考えていて、それを推奨しているからなんです。
【飼い主の義務】
動物の愛護及び管理に関する法律では、動物の所有者又は占有者の責務等として、次のように定めています。
<犬及びねこの繁殖制限>第三十七条
犬又はねこの所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするように努めなければならない。
どうしてこんな法律があるんでしょう?
●放っておくと増えますから・・・
簡単に言うと、無責任に飼い主さんが望まぬ繁殖を許してしまったがために、飼いきれなくなるほど犬が増えてしまって、
どーしましょ~~~!!
てなるケースがいっぱいあるからです。
「最初はよかったんです。子犬が5匹生まれて、スッゴク可愛くて~♪
ちょっと大変だったけど、みんなカワイイから手放せなくて飼っていたら、その子たちがまた妊娠しちゃってぇ~・・・」
しちゃってぇ~じゃないよしちゃってぇ~じゃ・・・
結局、エサ代も医療費もオシッコシート代も支払えなくなり、部屋は糞尿で荒れ放題という多頭崩壊に陥って、
「カワイイ~~♪」
と言っていた子犬たちを裏山に捨ててしまったり、保健所に泣きついたりするパターンですね。
こうなってしまうともう動物愛護の観点から、本末転倒としか言いようがない事態です。
だから、国や行政は、飼い主さんに配布するパンフレットなどに必ず、
『去勢避妊手術を受けさせましょう』
ということを書いているわけです。
にも拘らず、飼い主さんへのアンケートで、↑↑↑こんな漠然とした設問ってどうなのさ・・・って思ってしまったんですね。
これだけ推奨しているにも関わらず、半数以上の飼い主さんが手術を受けさせていない実態をホンキでどうにかしたいのなら、もうちょっと具体的な理由を探って対策を取らないとダメなんじゃあ・・・
あっと・・・またお話が横道に逸れていますね。
すみませんすみません(;''∀'')
【不妊去勢手術のデメリット】
何かをするかしないか?の二択で、まっさきに考えるのは”どっちが得か”ってことですね。
メリット > デメリット → する!
メリット < デメリット → しない!
というわけです。
わたしが、自分の愛犬には不妊去勢手術をするのは、メリットの方がデメリットよりも大きいと考えているからです。
まずはデメリットについてお話しますね。
●手術そのものがリスクを伴う
不妊去勢手術は大変ポピュラーな手術です。
獣医さんによると手術そのものも簡単なので、手術の中ではリスクは小さいとのことです。
とはいえ、麻酔で亡くなってしまう事例もありますし、術後のケアが不十分だったことが原因で、傷口から感染症になってしまうというリスクもあります。
前回のブログでも、避妊手術で命を落としてしまったワンちゃんのお話をしました。
飼い主さんとしては、自分が受けさせると決めた手術で愛犬が命を落としてしまうのは耐えがたい苦痛でしょう。
個人的には、↑↑↑のアンケートで去勢避妊をしない理由を『手術をする必要がないと考えるから』と答えた飼い主さんの多くは、この手術によるリスクが念頭にあるのではないかと思っているのですが、どうなんでしょうねぇ・・・
当たり前のことですが、一般的に、高齢だったり病気を持っていたりする子ほどリスクは高まります。
手術に耐える体力が必要ですからね。
●手術費用がかかる
一般的に3万円前後でしょうか。
決して安い金額ではないですね。
●太りやすくなる
これはもう、飼い主さんの栄養管理次第ですね。
逆に、愛犬を太らせてしまう飼い主さんは、不妊去勢手術をしてもしなくても結局は太らせてしまうんですから~ (;'∀')
●ホルモン欠乏症による皮膚病を発症する恐れ
発症率は大変低く、有効な治療法もあるので、あまり心配する必要はありませんが、こういうリスクもあるということは知っておきましょう。
●やっぱり子犬を産ませたいと思ってもムリ
当たり前ですね・・・コメントの必要なーし!(笑)
以上が、不妊去勢手術のデメリットとして考えられることです。
メリットについては長くなるので次回にお話しします。
(水色のシャンプーについてのお話ではありません)
<今日のPet Hotel 11!>
フクくん、とってもおりこうにお留守番できたね! また遊びにおいでね~! |
大根畑に捨ててあった大根さんに、ボスがやけに なついている?! ボス「なつ~~~~♪」 |
なつ「アタシはココにいるわよっ! ほんとにボスってバッカじゃないの~?」 |
なつ「なんでアタシと大根を間違えるのよっ!」 (プンスカプンッ) |
似ても似つかないのに・・・ |
( ̄m ̄〃)ぷぷっ! |
チャコ「ソックリだよ!!」 ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \ |