2017年11月30日木曜日

ワンちゃんへの愛?依存?⑥

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログで、ご自身が共依存症だと自覚したら、依存をやめようと頑張るのではなく、むしろどんどん依存する相手を増やした方がいいとお話しました。

では、どんな風に依存する相手を増やしていけばいいのでしょう?


【共依存の克服に向けて(つづき)】


●たくさんの人に依存しよう


共依存症の人は、”依存者の世話をすることに依存している人”ですから、できるだけいろんな人のお世話を焼いてあげるようにしてください。


被災者支援のボランティアに参加したり

ペットの保護活動に参加したり

地域のクリーン活動に参加したり

近所のお年寄りに声をかけて手助けをしたり

貧しい国の子どものための基金をしたり


・・・などなど、アナタの助けを必要としている人はたっくさんいます。

大事なことは、特定の対象者や、ひとつの活動だけにのめり込まないように気を付けることです。

その理由はふたつあります。

ひとつは、アナタ自身が共依存の状態から抜け出せなくては意味がないから。

例えば、我が子の共依存者だった母親が、我が子が巣立ってしまった後に”空の巣症候群”になって、今度は愛犬の共依存者になってしまったとしたら・・・

単にお世話をする特定の対象者が変わっただけで、母親の共依存症はまったく克服できていないことになります。


もうひとつの理由は、そもそも助けを必要としている人にとって、最も喜ばしいことは、

「助けを必要としない状態になること」

だからです。

つまり、共依存者がお世話をする対象者=依存者にとっての一番の幸せは、皮肉なことに共依存者を必要としなくなることだという意味です。

この、ふたつめの理由を、もう少し掘り下げてみましょう。


●共依存の人が陥りやすい落とし穴


「この人(犬)はわたしを必要としているんだ!」

というのは、誰かのために”いいこと”をしている人が感じる、ある種の”喜び”の気持ちです。

必要とされていることは、自分の価値を証明すること・・・つまり承認欲求が満たされることだからですね。

けれども同時に、アナタの助けを借りて、めでたく独り立ちした人が、アナタの手から巣立ち、アナタを必要としなくなることをも喜んであげられないようでは、それは偽善になってしまいます。

共依存症になりやすいタイプの人は、本来なら喜ぶべきそんなシチュエーションで、空虚感や寂しい気持ちに陥るため、残念ながら相手の自立を阻害してしまうんでしたね。

ですから、言い方は悪いですが、逃げられても逃げられてもお世話する対象が幾らでもいる状態に自分をおいた方がいいということです。

ターゲットを絞りすぎず、深追いしすぎないのがコツなんです。

寂しがって泣いている暇がないくらいにするといいですね♪


●たとえば・・・


特定の対象にのめり込み過ぎないためには、物理的にのめりこめないような対象のお世話をするのも手です。

World Vision

をご存じでしょうか?

貧困国の子どもが教育を受けることを支援する団体です。

こういうボランティア団体には、私腹を肥やす悪徳団体もあるので注意が必要ですが、World Visionは大丈夫だとわたし個人は判断したので、少し前までスポンサーシップに加入していました。

申し込むと、自分が支援する子どもを教えてもらえます。

例えば

「貴方の基金で学校に通うのは、アフリカの〇〇くんです」

という風に。

そして〇〇くんの写真が送られてきて、時々〇〇くんからお手紙や絵が送られてくるんです。

「学校でこんなことをやったよ!」

という感じですね。

自分が援助する子どもが一定の年齢になるなどして助けが必要なくなったら、事務局の方で別な子どもをまた選んでくれます。


わたしは、個人的にWorld Visionの援助システムは、共依存の方にとても向いていると思っています。

まず、〇〇くんには遠すぎて、とっても毎日会いになど行けません。

のめり込みようがありませんし、〇〇くんを自立させないように縛り付けることもできません

〇〇くんから時折受け取るお手紙や、成長の様子を報告書で受け取ることで、自分の存在価値を見出すことができます

〇〇くんが巣立っても、またすぐに別の子どもを支援することになりますから、〇〇くんの巣立ちを心から喜ぶことができます


そういう意味で、World Visionをひとつの例としてご紹介させていただきました。

※本団体が本当に信用できるものかについては、わたしは責任を負うことができません。
ご自身で判断していただきたく思います。



●広く浅くお世話をしていると・・・


特定の対象やひとつのボランティア活動だけにのめり込まないように気を付けて、たくさんの人のお世話をしていると、そもそもアナタがひとりひとりにしてあげられることは限られてきます。

愛犬の”ケンちゃん”と共依存の関係にあった飼い主さんが、ふと気づくと

「ケンちゃん、キミもちょっとくらいはひとりでお留守番できるようになってくれないと困っちゃうわ。ママ、忙しいんだからね!」

なんて言う日がやってきたら・・・

もうその飼い主さんは共依存から抜け出していますし、ケンちゃんがママ依存症から抜け出す日だって近いでしょう。


このように、たくさんの人に、広く浅くお世話を焼くことによって、もうひとつイイことがあるんです。


それは、長くなってしまうのでまた次回にお話することにします。




<今日のPet Hotel 11!>

お山を眺めるボーダーコリーのグレイスちゃん。
今日はトライアルで1泊です。

お外だーい好きなの♪

11才とは思えないほど、とっても元気!

海辺をたっぷりお散歩したよ!

あの大根たちはみーんな”たくあん”になるんだよ

お陰様でチャコもすっかり元気になりました。
写真は撮れなかったけど、お散歩でもグングン
歩きましたー (^▽^)/




2017年11月29日水曜日

ワンちゃんへの愛?依存?⑤

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログで、共依存の人はまず、ご自身が共依存だと自覚することが大事だと書きました。

今日は、共依存かもしれないと感じた方や、身近に共依存らしき人がいる方に参考にしていただきたいことをお話します。

最初にお断りしておきますが、わたしは周囲に共依存だった人がいるので、ある程度の確信をもってお話していますけれど、当然わたしは医者ではありませんから、これからお話することはあくまでも個人的な考えです。



【共依存の克服に向けて】


●依存してはダメなの?


まず、依存症や共依存症という言葉を聞いてしまうと、ついつい

「依存はいけないんだ」

と思いがちですね。

世間でもよく

「依存ばかりしないで自立しなくちゃ!」

と言われます。

もちろん、誰にも何者にも依存することなく、しっかりと自立していて、いつもポジティブに笑っている・・・

そうできたら理想的でしょうね。

でも、そんなことができる人が一体どのくらいいるでしょう?

人生は山あり谷ありです。

うまくいっている時は誰にも頼らずカラカラと笑っていられるかもしれません。

だけど、誰だってつまづく時もあれば病に倒れる時だってあります。

そんな時に

「依存はダメよ」

なんて言われたって無理なお話だと思いませんか?


●むしろ依存した方がいい


「何言ってるんだ?」

と思われるかもしれませんが、ホンキで書いています。

人間が集団社会(群)で生活しているのは、お互いが助け合って寄り添い合っていかなければ生きていけない生き物だからです。

つまり、本来は依存し合って生きてイイはずなんです。

なのに、

「自立しろ自立しろ。自己責任自己責任」

と念仏のように言われ、依存することはまるでいけないことのように感じてしまうことで、多くの問題や苦しみを一人で抱えきれなくなるほど抱え込んでいる人がとっても多いように思うんです。


●大学時代の恩師の言葉


実はわたし、その昔育児ノイローゼになる一歩手前までいったことがあるんです。

子どもが大好きだったわたしは、大学では乳幼児心理学や児童心理学を学んでいましたので、心のどこかで育児に関して自信があったのだと思います。

「わたしはきっといいママになれる・・・に決まってる!」

ってな感じでしょーか(;''∀'')

今考えると笑っちゃいますね。

いいママなんて、子どもと一緒に育って作られていくものなのに、最初から完成品みたいに思っていたんですから、ナメてましたね・・・

ところが、さっすが神さま、奢り高ぶっていたわたしのために、ナカナカ難しい子どもを授けて下さいました。

育児本には

「産まれてすぐの赤ちゃんは1日中スヤスヤおねんね♪」

な~~~んて書いてあるのにウソウソ、ウソばっか!!

1日中、抱っこしたって体をエビ反らせてギャーギャーと泣き続けているではないですか?!

更に、1日中わたしの耳たぶをグリグリとこねくり回しているではないですか?!

そのため、耳たぶは両耳ともちぎれて血が垂れていました(-_-;)

まとめて1時間も眠れず、睡眠不足で半ノイローゼだったわたしはウソばっかり書いてある育児本をすぐにポイッしました。

離れて暮らしていた母に電話で相談しても笑って

「お母さんってゆーのはみーんなそうやって頑張ってきたのよ。わたしの苦労がわかった?」

なーんて言って相手もしてくれません。

「そういうレベルじゃないんだよ、そういうレベルじゃあ・・・もうっ誰も解ってくれない!!(号泣)」

何時間も抱っこしてやっと眠った我が子の顔を見つめながら

「そっと鼻と口を塞いでしまおうか・・・わたしもその後で・・・」

なんて恐ろしいことを考えたことだって何度もあります。

そんな時に、わたしを救ってくれたのは大学時代の恩師でした。

いよいよもうダメだと思った時に、ふと乳幼児心理学の先生の顔を思い出して電話をしてみたんです。

先生は

「なおちゃん(先生はわたしをこう呼びます)ちゃんと授業を聞いていなかったの?

お母さんっていうのはね、完璧じゃなくっていいんだよ。

いや、むしろ完璧なお母さんじゃない方がいい。

赤ちゃんは、お母さんを見て、人間ってものを学ぶんだからね。

失敗もするし、イライラもする。

怒りもするし、泣きもする。

そんなお母さんを見て育った赤ちゃんは、他の人に寛容な人間に育つんだよ。」


先生のお陰で、スッスッス~~~♪って肩の荷が下りて、幸いにもわたしはニュースに登場することはありませんでした。



●自立しろと言われて自立できる人はいない


わたしのエピソードは、共依存とは直接の関係はありません。

でも、いい母親になろうと頑張っているのに、いい母親になれない・・・ともがいていたわたしが

「いい母親になんかなる必要ないよ」

と言われたことで楽になった経験は、まさに「北風と太陽」

同様に、

自立しようと頑張って、それでも依存症や共依存症から抜け出せない・・・ともがいている人には、

「無理に自立する必要はないよ。依存しちゃっていいんだよ」

と言ってあげた方がうまくいくと思っています。



●一点集中がキケンなの


どうして依存しちゃった方がいいかというと・・・

「依存しちゃダメだ!自立しなくちゃ!しっかりしなくちゃ!」

そうやって無理をした結果、どこにも依存できなくなった人がどうするかというと・・・


依存しやすい対象に一点集中で依存してしまうということが起きてしまいます。


共依存症の人は、”依存者の世話をすることに依存している人”のことです。

そのため、共依存の人が依存する対象は例えば・・・


・アルコール依存症や薬物依存症などといった、なんらかの依存症の人

・精神的にアンバランスなDV夫

・未熟でか弱い子ども

・同じく未熟でか弱いペット


など、お世話が必要な人(ペット)です。


こういった対象の世話をすることに唯一の救いを見出し、

こういった対象の世話をすることによってしか自分の存在価値を見出せない状態。


これが共依存症の最も問題となる点です。


そこから抜け出すには、依存する対象をなるべくたくさん増やしてしまった方がいいんです。

依存者と共依存者は、お互いに唯一の拠りどころとして依存し合っているために、自分の負担も相手の負担も膨れ上がって、多くの場合、破滅的な関係になってしまうんです。

ワンちゃんの場合だと、過保護にさんざん甘やかした結果、最悪の場合、ストレスが溜まった愛犬に咬みつかれて重傷を負ったり、手に負えなくなった愛犬をプツリと糸が切れたように飼育放棄してしまったりということがあります。

自分の負担も相手の負担も、できるかぎり分散するように、対象以外の人にもどんどん依存するようにしてみていただきたいです。



次回は、具体的にどんな風に依存するといいか・・・についてお話してみたいと思います。



<今日のPet Hotel 11!>

おさんぽおさんぽ楽しいな~♪

お砂をいっぱいつけて無邪気に遊んでるけど・・・
これから手術なんだな~(ドキドキ)

「さ、チャコ 行くよー!」
チャコ「え・・・どこに?」(勘づかれた)

とっても心配しましたが、チャコの手術は無事に成功しました!

日帰りで先ほど帰宅し、ちょっとまだボンヤリしています。


幸い、元飼い主の繁殖屋は自然分娩させていたので、癒着などもなく問題なしとのこと。

ひとまずホっとしました~!

ただ、肝臓の数値があまり思わしくないのがちょっぴり気がかり・・・

経過観察していくことになりました。


ご心配してくださった皆様、ほんとうにありがとうございました(^▽^)/


チャコ、よくがんばったねぇ!えらいね~~~( ノД`)




2017年11月28日火曜日

ワンちゃんへの愛?依存?④

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



【もしかして共依存?】


●不幸は続くよどこまでも


依存者と共依存者の関係から抜け出すことは、大変困難だと言われています。

その理由は


・お互いが一時的な慰めとなっていて離れがたい関係に陥っているから

・本人たちが、現状が好ましくないものだという自覚を持つのが困難だから


けれども依存関係を続ける限り、いつまでたってもどちらも幸せにはなれません


依存者は、本来の自分の能力や可能性を追求できないまま、劣等感や自己嫌悪を抱え続けて生きることになります。

共依存者は、かりそめ(ウソ)の自分の存在価値に潜在的に疑いを感じているため、承認欲求の充足感を味わうことができず、常に不安を抱えていることになります。

そして、両者とも常に自分に自信が持てないために、相手を失うことを恐れ続けています。


わたしは、こんな負のスパイラルにハマっている飼い主さんとワンちゃんを見ると、そのどちらにも何とか本当の幸せを感じられるようになってほしいと思います。

ワンちゃんにアドバイスをすることはできませんから、共依存症の飼い主さんの役にたちそうなことをお話していきますね。


●依存症の気づき


何度もお話しているように、共依存は自覚がとっても難しいんです。

ワンちゃんの飼い主さんの場合、次のようなことが当てはまる方は、

「もしかして~~・・・」

と思ってみていただきたいです。

ただし、ワンちゃんがパピーや老犬だったり、体調を崩している場合は例外ですからね。


◆愛犬が吠えて自分を呼ぶと、可哀相で放っておけない
 (近所迷惑だからという理由ではなく)

◆他の人やワンちゃんを怖がるのが可哀相で、お散歩ではよく抱っこしてあげる
 (ずーっと抱っこももちろん含みます)

◆自分がいないと愛犬が寂しがって可哀相なので、最低限の外出しかできない
 (人に犬を預けて旅行などもってのほか)

◆人間の食事時、愛犬にもあげないと可哀相だから、いつも分けてあげている

◆愛犬は肥満だ
 (偏食と運動不足でこうなっているワンちゃんが多いです)

◆「この子はわたしがいないとダメなの」が口癖だ



「けっこう当てはまっちゃってる~ぅ!」

という飼い主さんは、もしかすると共依存の状態に陥っているかもしれません。


●共依存症になりやすい人は?


心理学的に、共依存症になりやすい人のタイプというのがあります。

エゴグラムという性格診断テストで、ご自身のタイプを把握することができます。

ぜひやってみてください。(けっこうおもしろいですよ)

コレです → エゴグラムによる性格診断

さて、結果はどうでしたか?

結果は以下の5つのタイプに分かれています。


---------------
・CP(Critical Parent=厳しい親タイプ)<支配性>
自分の価値観を正しいものと信じて譲らず、責任を持って行動し、他人に批判的。
この部分が低いと、ルーズな性格になる。


・NP(Nurturing Parent=優しい親タイプ)<寛容性>
愛情深く、他人を思いやって行動し、世話好きで保護的で親切。
この部分が低いと、冷淡な性格になる。


・A  (Adult=大人タイプ)<論理性>
現実を重視しており、知的で計算力が高く、聡明で頭脳明晰で合理的。
この部分が低いと、非合理的な性格になる。


・FC(Free Child=自由奔放な子供タイプ)<奔放性>
明るく好奇心旺盛でユーモアがあり、自我中心性で自己中心的。
この部分が低いと、閉鎖的で暗い性格になる。


・AC(Adapted Child=従順な子供タイプ)<順応性>
他人からの評価を気にし、言いたいことを言わずに我慢してしまい、従順で遠慮がち。
この部分が低いと、マイペースな性格になる。
---------------


共依存症になりやすいタイプは、NPまたはACであることが多いそうです。

なんとなくわかりますね。

NP(Nurturing Parent=優しい親タイプ)の人は、一言で言うと”世話焼き”になりやすい傾向があるのでしょうし、

AC(Adapted Child=従順な子供タイプ)の人は、困った夫や手のかかる息子、問題の多い愛犬に振り回されやすいのでしょう。

ただし、この診断でNPACになった人がみんな共依存症になるというわけではもちろんありませんので、念のため・・・



ちなみに、わたくしお庭番の性格診断結果は

ルーズでマイペースな合理主義

と出ました。

お料理番によると当たっているそうです・・・色々と気をつけまーす (・_・;)



●共依存症からの脱却


共依存症者が共依存を克服するために、もっとも大切なことは、自分が共依存症だと自覚することです。

そして、くりかえしになりますが、共依存症から多くの人が脱却できずにいる原因こそ、その自覚のし難さにあるんです。

ですから、もしもこのブログをお読みの飼い主さんの中に、

「もしかしてワタシ、共依存症かもしれない・・・」

と感じた方がおられたら、もう出口は見えたも同然なのです。

だって、一番難しい克服プロセスを通過してしまったんですからね。


では、具体的に、ご自身がワンちゃんにとって共依存者かもしれないと感じた飼い主さんは、どうすればいいのでしょう?


長くなるので、それについてのわたしの考えは次回のブログでお話します。



<今日のPet Hotel 11!>

これから野良仕事にでも行くのか?って風情のチャコ。
ボスはエリカラに怯えて見ようともしません(笑)

過日の台風でひどく荒れていた海岸も、
地元ボランティアと漁師さんのご努力で
綺麗になってきました。
本当にありがとうございます。

明日はいよいよ、繁殖犬だったチャコの避妊手術です。

神さま、どうか無事に成功させてください・・・




2017年11月27日月曜日

ワンちゃんへの愛?依存?③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回のブログのつづき、共依存の飼い主さんとワンちゃんが、なぜ不幸なのか?

というお話です。

前回はワンちゃん側の不幸でしたので、今日は飼い主さん側の不幸について、臆病で偏食で社会性のないケンちゃん(ビーグル犬)を例にして考えていきます。


【共依存の正体(つづき)】


●共依存者とは


これまで「共依存の関係」と書いてきましたが、正確には共依存症といいます。

共依存症が認識されたのはアルコール依存症の治療にあたっていた医師たちだったといいます。

彼らが気づいたのは、どうしても治療がうまくいかない依存症患者に常に献身的に付き添っている母親や妻といった存在です。

医師たちは、そういう母や妻を”共依存者”と名付けたんですね。

共依存者は、依存者に対して過度の世話を焼いたり、依存者の行動を制限したりしていることがわかりました。

そして、結局はこの共依存者の存在が、アルコール依存症者が依存症から抜け出すことを阻害していたんです。

今回のお話で言うと、

よりかかっている側=依存症(今回の場合 ケンちゃん)

よりかかられている側=共依存症(今回の場合 飼い主さん)

となります。



●共依存者が求めるもの


共依存者が求めているのは、

「承認欲求を満たしたい」

ということです。

簡単に言うと

「認められたい」

という欲求ですね。

何を認められたいかというと、自分の存在価値や存在意義を認められたいということです。


●あって当然の欲求


マズローの5段階欲求・・・以前もこのブログでご紹介したことがあると思います。

アメリカの心理学者、アブラハム・マズローが提唱したものです。





下位の欲求が満たされると上の階層の欲求が生まれ、それが満たされるとまた更に上の欲求が生まれるよってお話ですね。


承認欲求は何番目かなぁ~?

あったあった、下から4番目ですね。

承認欲求は、第3段階までの欲求を満たした全ての人が持つものですから、先進国の日本に住むほとんどの人にとって、

「あって当然のごく自然な欲求」

なんです。

安心しましたねぇ~~~♪


●承認欲求の落とし穴


承認欲求自体は誰にでもある欲求で、悪ではない。

でも実はここに大きな落とし穴があるんです。

マズローがこの承認欲求について論じている、次のようなことです。


「承認欲求とは、自分が価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求である。

尊重のレベルには2つある。

低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目などを得ることによって満たすことができる。

高いレベルの尊重欲求は、自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得ることで満たされ、他人からの評価よりも、自分自身の評価が重視される。

この低い尊重のレベルにとどまり続けることは危険である」


●他者承認欲求だけを満たすことの危険性


つまり、承認欲求には

他人から認められたいという低レベルの欲求
自分自身を認めたいという高レベルの欲求

の2種類があって、前者の低レベルの欲求にとどまるのは危険だってマズローおじさんは言っているんですね。(りくろーおじさんみたいだな ← 無視しましょう)

なぜ危険か、おわかりでしょうか?

他者承認欲求だけを満たしているということは、自分が恥ずかしいと感じるようなことをしてでも、他者からの評価が得られさえすればいいってことになっちゃうからです。

わかりやす~い例は、SNSで実態とかけはなれたセレブ生活を披露して、たくさんの人から「いいね いいね」と評価されることに溺れてしまう人です。

何人もの男性を殺してしまった恐ろしい女性もいましたね~・・・

それから、例のアレ!

ミュンヒハウゼン症候群代理ミュンヒハウゼン症候群

これもやっぱり他者承認欲求のみを満たしている人の病気です。


●共依存の飼い主さんの心理


自分だけを慕い、自分だけになついて、自分がいなければ生きていけないような頼りない存在=ケンちゃん

ケンちゃんにとっては、飼い主さんが世界の全てですから、飼い主さんは神さまのような存在になります。

もし、ケンちゃんが自分以外の人や犬とも仲良くできて、例えば明日からでもご近所の〇〇さんちに2~3日預けてもヘッチャラな子になったら・・・

飼い主さんは自分の存在価値が脅かされたように感じて不安になってしまいます。

ですから飼い主さんは、ケンちゃんが頼りないダメ犬(あえてこう書かせていただきます)であり続けてくれるように無意識にしむけてしまうんです。

この”無意識”ってところがなかなかクセモノ。

本来、飼い主さんが心から ケンちゃんが健全な心身を持って豊かな犬生経験を送ることを願っていたらするはずのこと(しつけなど)を、共依存症の飼い主さんは一切しません。

(あんまり意味のない”芸”は教えたりするんですけどね~(;''∀'') )

逆に、むしろケンちゃんの頼りなさや問題行動を助長するようなことをしてしまいます。

本当ならば、ご自分がしていることに飼い主さん自身が気づかないはずがないのですが、全力で気づかないフリをしてしまっているんですね。

どのくらい全力かというと、自分自身が騙されてしまうくらいに全力で・・・

そのため、共依存の人は代理ミュンヒハウゼン症候群の人と違って、自分は”共依存症”という好ましくない状態だということに気づきにくく、もし他人に指摘されても絶対に認めないんです。

特に日本では、不甲斐ない夫を支える妻や、息子のために身を粉にする母、手のかかるペットをかいがいしく世話する飼い主さんなどが美徳とされる文化があるので、なおさら共依存症の人が自分自身の問題に気づきにくいという背景があります。


●共依存症の飼い主さんの不幸


ケンちゃんが飼い主さんしか拠りどころがないような犬になってしまっているのは、そうしむけている共依存症の飼い主さんがいるからです。

もっとハッキリとキツイ言い方をすれば、共依存の飼い主さんというのは、

ダメ犬に仕立て上げた愛犬を利用して自尊心を満たしている人なんです。

ですから、ダメ犬をかいがいしく世話するステキな飼い主さんというのは、共依存の人が作り出した虚像ということになります。

自分が作り出した虚像が他者からいくら認められたり尊敬されたりしても、虚像は虚像でしかありません。

肝心な高レベルの承認欲求=自己承認欲求は満たされないまま・・・

だって、本人がウソだってことを潜在意識の中で知っているからです。

ですから、こういう人はいつまでたっても第4段階の欲求は半分しか満たされぬままで、欲求不満自己矛盾が解決しません。

満たされない欲求をずーーーっと追い求めてウソにウソを塗り重ねる状態が、本人にとって幸せと程遠いことはわかりますよね。


こういう飼い主さんは、例えば

「もしもアナタに何かがあったら、残されたケンちゃんはどうなると思いますか?」

というようなことを言われると、驚くことに

「ワタシが死んだらケンちゃんはもう生きていけないはず。可哀相だから安楽死させてワタシと一緒に葬ってやってください」

みたいなことを平然と仰ったりします。


コラーーーーッ!!


ケンちゃんは、アナタに私物化されて、アナタの自尊心を満たすために生まれてきたんじゃないんだぞーー!

って言いたくなります(言わないけど・・・)



<今日のPet Hotel 11!>

モモくん、お泊りよく頑張りました!
えらかったね~。また遊びにおいでね(^▽^)/

朝焼けがきれいな海をおさんぽ♪
みんなテンション上がっているけど・・・

モモくん、海が怖いのかな?
波打ち際には絶対に行かないぞ!!のお顔(笑)

今日はおひさまのお陰で暖かいね~♪

海の後、畑にも行ったよ!
「まだまだ歩きたいっ!」っていうモモくんと
「もう帰ってゴハンにしよーよ~う」っていうボス





2017年11月26日日曜日

ワンちゃんへの愛?依存?②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログのつづきです。


【共依存の正体】


●共依存はお互いが不幸になる


共依存というのは、恋人・親子・飼い主とペットの関係で、2者がお互いに相手に依存し合っている状態を指します。

小さい子どもが親に依存したり、ペットが飼い主さんに依存しているのは、ある意味当然ですね。

けれども、親や飼い主さんの方も我が子やペットに依存している共依存の状態になってしまうと、これは健全な関係ではなくなってしまいます。

共依存というのは、お互いがお互いに寄りかかっている状態ですから、双方の成長や自立を妨げていることになって、なによりも悲しいことは、そのどちらもが本当の意味での幸せを感じられない・・・要するに不幸だってことなんです。


共依存の状態に陥っている人のほとんどが、その事実を認めません。

むしろ、絶対にそんなはずはないと強く主張します。

けれども、共依存の関係は世の中に驚くほどたくさん存在しているんです。


●ある共依存の男女のお話


例えば恋人同士が共依存の場合、その関係は一見、とてつもなく強固です。


男「オマエはオレがいないと本当にダメな、可愛いヤツだなぁ。

オレがいない時はキケンだから絶対に外出したらダメだぞ!」


女「そうなの。ワタシ、アナタがいなければ死んでしまうわ!」


戯れに言っているのならヒューヒュー♪で済みますけど、ホンキで言っているとしたら相当ヤバイ関係です。

本来、自立しているべき大人の男女なのですが、男は自分を拠り所にしている彼女の存在で自分の価値を確認していますし、女は彼がいなければ死んでしまうそうですヨ!

男は彼女が社会に出て実力を発揮して活躍することを望まないでしょう。

できるだけ狭い世界に閉じこめておいて、いわば”かごの鳥”にしておきたいという心理が働きます。

そうすれば彼女は、いつまでも男を頼ってくれる存在であり続けてくれるからです。

女は男がいなくなったら死んでしまうなどと言っているくらいですから、精神的に自立していません。

彼に頼り切っています。


こんな関係・・・そこいら辺にゴロゴロ存在していると思いませんか?


「何故かクズ男ばかり選んでしまうの~~!」っていう女性や、

「どうしてもダメ女にハマっちゃうんだよね、オレ!」っていう男性は共依存の典型といえます。

このような共依存の恋人同士というのは、大抵が泥沼の破滅的な関係に陥って破局を迎えます。

健全じゃあないっていうのはお解りいただけたでしょーか?


●ある母親と息子のお話


じゃあ今度は親子のお話です。

息子は甘えん坊で泣き虫のケンちゃん(仮名)

母親はケンちゃんを溺愛していますから、ケンちゃんが怖がることや嫌がることを全て排除してあげます。


「人参キライ?いいのよ、人参なんか食べなくったって!」

「ウン。ママ、だーい好き!」


「お友達と遊べない?いいのよ。ケンちゃんにはママがいるんだから。ママと遊びましょうね~!」

「ウン。ママ、だーい好き!」


ケンちゃんは、”ママ命”の、偏食でワガママでお友達のいない子に育ってしまいました。

ママにとっては、そんなケンちゃんが唯一の生きがいです。



じゃあもし・・・

ケンちゃんは今、20才の大学生です。

って言ったらどう思いますか?

「ヤバイだろ~~!」

って思いませんか?



じゃあもし、

ケンちゃんは今、2才のビーグル犬です。

って言ったらどう思いますか?

「犬」と書いて「ケン」と読む・・・みたいな~(←無視してください)


「別にいいんじゃない?責任もってケンちゃんを最後まで面倒みれば・・・」

って思いますか?




●共依存は何故不幸なのか?


冒頭で、共依存は不幸だと書きました。

何がどう不幸なのかを、飼い主さんとビーグルのケンちゃんで考えてみます。

まずは、解りやすいケンちゃんの不幸から・・・


◆ケンちゃんの不幸


ケンちゃんは、飼い主さんに好き嫌いを助長されて偏食がひどいため、栄養バランスを崩して、しょっちゅう病気にかかっています。

健康でないというのは不幸なことですね。


ケンちゃんは、他のワンちゃんや飼い主さん以外の人と触れ合うことを知らずに一生を送ります。

本来なら感じられる多くの喜びや楽しさを感じられないのは不幸なことですね。


ケンちゃんの飼い主さんがもし、交通事故などで突然亡くなってしまったら・・・

ただでさえ、最愛の飼い主さんを失った悲しみで押しつぶされそうなケンちゃんは、自分の拠りどころを失って、文字通り生きていけないほどのショックを受けます。

実際・・・病気がちで社会性がまったくないケンちゃんは、新しい飼い主さんと巡り合うことも難しく、最悪の場合、引き取り手が見つからずに殺処分になってしまうかもしれません。

不幸すぎますね( ノД`)



飼い主さんの不幸については、長くなるので次回にお話します。



<今日のPet Hotel 11!>

モモくんがやってきたヨ!
とっても穏やかなおりこうさんです♪

チャコがタオルを巻いているのは
”邪魔なまるいヤツ”がちょっとブカブカだから(笑)

「”邪魔なまるいヤツ”をしてると、みんななぜか
ワタシを怖がるみたいなの・・・特にボスが・・・」

「チャコちゃんのまるいヤツ、こわいよぅ」

モモくんは未去勢なので未避妊のチャコに釘付け。
収拾がつかなくなるから柵で仕切られています。
「チャコちゃ~~ん!!」

チャコもモモくんに夢中!
「なあに~?モモく~~~~ん!・・・って
邪魔なまるいヤツが柵に当たるんですけどーー!」

笑笑 つっかえてる( ´∀` )

「チャコちゃんのまるいヤツ こわいよぅ」

みんなに避けられ、慕ってくれるイケメンくんとは
柵で分けられ・・・

「いろいろと不満なんですけどーーー?!」

はいはい(笑)




2017年11月25日土曜日

ワンちゃんへの愛?依存?①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


今回のお話は、

その行動、本当にワンちゃんのためですか?
それともご自身のためですか?

というお話です。

わたし自身、胸に手を当てて考えながら書いてみたいと思います。


【気を引きたい】


●ミュンヒハウゼン症候群


先日のブログで、”結果””目的”にしてしまうとヨロシクないことが起きる例として、代理ミュンヒハウゼン症候群について触れました。

病気やケガのある子どもを献身的に看病する母親が、結果として周囲から同情や賞賛、注目を浴びるのは問題ない。

でも、同情や賞賛、注目を浴びるためにわざと子どもの病気完治を阻害したり、酷い場合は病気にしてしまうとなれば、それはサイアク・・・

そういう母親の症状を代理ミュンヒハウゼン症候群っていうんでしたね。


ちなみに、自分自身が病気になって周囲の関心を引こうとするのがミュンヒハウゼン症候群。

自分の近親者を病気にして、それを介護する自分に賞賛や注目を集めようとするのが代理ミュンヒハウゼン症候群です。

自分の欲求のために子どもや愛する者の病気を長引かせたり、わざわざ病気にしてしまう代理ミュンヒハウゼン症候群は、自分自身の身体を傷つけるミュンヒハウゼン症候群に比べて、質(タチ)が悪いといえますね。

そういうエピソードをニュースなどで目にすると、許せないという気持ちになります。

でも・・・


●誰でも因子は持っている


代理ミュンヒハウゼン症候群ほど病的なレベルでなくとも、自分を拠り所にしてくれる存在によって、自己存在価値を確認しているってこと・・・

人間であれば誰しも多かれ少なかれ持っていると思うのですが、どうでしょう?

ミュンヒハウゼン症候群や代理ミュンヒハウゼン症候群の患者の多くは、自らが子どものころに病気で入院したなどの経験を有するそうです。

小さい子どもがけなげに病と闘っているとき、両親や周りの医療従事者は、その子にたいそう優しく接するでしょう。

子ども時代に大きな病気をしていた人は、周囲の人の優しさや関心を一身に受けていた時の心地よさが脳に強く刻まれていて・・・

更に、その後の人生で何もかもうまくいかず自分に自信が持てないなど、色々な要因が絡まってミュンヒハウゼン症候群を発症してしまうのかもしれませんね。


みなさんも、子どものころに風邪をひいたりして、おかゆを作ってもらって「ア~~ン♪」なんてしてもらったスウィートな思い出があるのでは?

何かのきっかけで、わたしたちは誰でもミュンヒハウゼン症候群に似たような状態になってしまうのかもしれません。


●誰がこんな犬にした?


やっとワンちゃんのお話になりました(笑)

たとえば・・・


・愛犬は、ワタシの姿が見えなくなると不安がってダメなんです。

・愛犬は、ワタシ以外の人を怖がるんです。

・愛犬は、ひとりで階段を降りられないんです。

・愛犬は、ワタシだけになついているんです。


さて、こういうワンちゃんって・・・生まれつきこんな子なんでしょうか?

そんな子も中にはいるかもしれませんが、ほとんどのワンちゃんは違いますね。

では、こんなワンちゃんにしてしまったのは一体誰でしょう?

きっと、こういうワンちゃんでいて欲しいと思っている人でしょうね。

つまり、飼い主さんです。


●”愛”と錯覚しやすい”依存”


こういう飼い主さんは、

「アナタはワンちゃんに依存しています」

と誰かに言われても、きっと信じることができないでしょう。

「依存?むしろワタシは頼られている側で、依存なんてしていませんよ!」

そのとおりですね。

臆病なワンちゃんを、可哀相だからと庇護しているのは飼い主さんの方です。

ワンちゃんは間違いなく飼い主さんに依存しているといえます。

パっと見、飼い主さんは一方的にワンちゃんから頼られているように見えるでしょう。

でも実は、こういった飼い主さんは、自分を頼りにしてくれるワンちゃんの存在によって、自分の存在価値を確認しているんです。

そういう意味で、臆病なワンちゃんの存在が、飼い主さんの心の拠りどころになっています。

飼い主さんもワンちゃんも、お互いを拠り所にしてるってことですね。


そういう状態を「共依存」と呼びます。

共依存というのは、人間の男女や親子関係によくみられる、思わしくない関係なのですが、実は飼い主さんとワンちゃんにも多くみられるんです。

この共依存が怖いのは、”依存”は当人たちにとって”愛”と錯覚しやすいことです。

「まあまあ、困った子ねぇ。ワタシがいないとホントにダメなんだから・・・でも愛しているから何でもしてあげたくなっちゃうの」

という感じでしょうか。



長くなるので、つづきは次回にします。



<今日のPet Hotel 11!>

今朝のおさんぽはお山の畑
”邪魔なまるいヤツ”を外してもらって
チャコははしゃいでいます(笑)

遠くに富士山のシルエットが見えます。
寒い日は空気が澄んでいてキレイ~!

日なたは暖かいねぇ~

おさんぽが終わると
「ちぇ・・・またこの”邪魔なまるいヤツ”つけるんだ~」
ごめんねチャコ、もう少しガマンね(;'∀')




2017年11月24日金曜日

おとなしい子だったのに・・・

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



【まさかの坂】


よくスピーチなんかで言われますね。

『人生には3つの坂がある。

上り坂と下り坂、そして最も気を付けなくてははらないのが”まさかの坂”』


昨日見たニュースは、まさにその”まさかの坂”を再認識するようなものでした。


●イベント中、突然・・・


ニュースの内容は次の通りです。

島根県浜田市の障碍者支援施設「桑の木園」で、昨日の祝日に恒例の「大収穫祭」が催されていました。

会場にはおよそ1000人の人が詰めかけていたそうです。

イベントのひとつである「乗馬体験」用の馬が突然逃げ出して、餅まきで賑わっていた駐車場めがけて走り出し、休日を楽しんでいた家族連れに突っ込み、生後4か月の赤ちゃんを含む10人が負傷するという事態になってしまいました。


●暴走したのはおとなしい馬だった


当日、イベントに出る馬は4頭いて、2頭が午前の部、もう2頭が午後の部という予定だったようです。

暴走した馬は、ラブという名前の9才の女の子で、午後の部に出場するために会場裏手の丘で出番を待っている状態でした。

ラブは、太い木の枝に手綱で繋留されていましたし、すぐ近くには飼育員もいたそうです。

目撃者の一人は

「木のようなものをつけた馬が目の前を駆け抜けていった」

と話しています。

ラブを繋留していた木の枝は根本から折れていました。

飼育員さんは

「ポキっという音とくっついてきた木に追いかけられて怖かったんだと思う」

と取材に答えています。


ラブは昨年の「大収穫祭」でも乗馬体験に参加していたそうで、ふだんは本当におとなしい子なんだそうです。



●馬を管理していた施設


「大収穫祭」は、今年で40回を迎える恒例の地元行事でした。

主宰していた障害者支援施設「桑の木園」は「かなぎウエスタンライディングパーク」を指定管理者として運営していました。

ラブが所属していたこの「かなぎウエスタンライディングパーク」は、乗馬を通して障がい者の馬とのふれあいや、知的障がい者の就労支援などといった福祉活動に取り組んでいたそうです。

地元の人たちとの交流もさかんで、素晴らしい取り組みをされていた施設だっただけに、今回の事件は本当に残念ですね・・・

このような事故を起こしてしまったことで、今後、この施設やラブたち馬はどうなってしまうのでしょうか。


●他人事ではない


今回のニュース、動物を扱う仕事をしているわたしたちとしては、とても他人事とは思えませんでした。

「なぜ、木の幹ではなく枝に繋留したのか?」

「なぜ、人がいるエリアとの間に柵を設けていなかったのか?」

など、後からならいくらでも言えるでしょう。

けれども、今回の場合、飼育員さんもすぐ近くにいて、決して目を離したわけではなく、当然、飼育員さんが折れそうな枝に手綱を結び付けたとも思えません。

今までも今回と同じようにやってきて、実際に事故は起きていなかったのでしょう。

けれども、”まさか”は起きてしまいました。


事件を起こしてしまったラブの隣で、担当の女性飼育員さんが泣きじゃくりながら

「怪我をさせてしまった人たちに本当に申し訳ありません。

ラブは、いつもはとってもおとなしい子なのにどうして・・・」

と声を詰まらせていた光景が頭から離れません。


●動物だという意識


ワンちゃんは馬ほどの重量はありません。

けれども、本気を出せば、とても追いつけないほどの速さで走ります。

身体の大きな子が我を失って暴れ出した時の力はすさまじく、人間が制御するのは困難です。

そして・・・咬みついたら簡単に骨まで達するほどの傷を人間に負わせる、するどい牙を持っています


わたしのような、多くのワンちゃんを扱う仕事に従事する者はもちろん、ワンちゃんの飼い主さんも、


『どんなに可愛くても、どんなに普段おとなしくても、どんなに普段聞き分けがよくても、犬は犬だよ。動物だよ!』


ということを、決して忘れてはならないと改めて思いました。

動物である以上、わたしたちの予測の及ばないような想定外の行動を、いつなんどきするかもしれない・・・

そのことを肝に銘じて、改めて日頃の安全対策をしっかり見直していきたいと思います。

きっと、ラブはわたしたちにそのことを教えてくれたのでしょう。


●何度もお話していることですが・・・


「しつこいっ!」

って言われても構うもんかー!

何度でも何度でも言っちゃいます。

やっぱり、ワンちゃんの飼い主さんにどうしてもやめていただきたいこと・・・


◆ドッグランなどの許可された場所以外でノーリードで遊ばせること

◆ロングリードでお散歩させること


周囲の人に迷惑をかけないためだけでなく、ワンちゃん自身の安全のためにも、ぜーーったいにやめていただきたいと思います。


以下、以前に書いた記事です。

お時間あればぜひお読みいただけたらありがたいです。


近所で実際に起きた咬傷事故のお話

ロングリードの危険性について





最後に、今回の事故で怪我をされた方々にお見舞いを申し上げます。

幸い、命に関わるようなお怪我をされた方はいらっしゃらなかったことが、不幸中の幸いでしたね。



<今日のPet Hotel 11!>


朝の海岸さんぽ。
ラニくんを睨む”なつ”の目・・・(笑)

他のワンちゃんが怖くて仕方ない蒼(あお)くん。
”なつ”がクンクンに夢中になっている今のうちに
そ~~~っと行ってみるの図。

え~~~~!またシャンプーするの~?

やーだなぁ~~~~~

でも・・・シャンプーの間はあの
”邪魔なまるいヤツ”つけなくていいから我慢しよっと♪

そのころ、”邪魔なまるいヤツ”は・・・
”なつ”「ちょっと!なんでよーーー?!」
(笑)

ボス「やーーめーーてーーーー!!」





2017年11月23日木曜日

チャコの三浦海岸物語(その3)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


10月29日の譲渡回から、もうすぐ1か月。

我家の新しい家族になったチャコの様子、第三弾です。


【症状が悪化?!】


●順調に回復していたのに・・・


元繁殖犬だったチャコは、決して清潔とは呼べない劣悪な環境に押し込められていたため、引き取った当初は、マラセチア菌というカビ菌とアトピーの影響で皮膚が酷い状態でした。

茅ヶ崎市保健所と約束していた避妊手術も、メスを入れるお腹の部分の皮膚炎症がおさまってからでなければできないと獣医さんに言われていました。

けれども、獣医さんにいただいたお薬をちゃーんと飲んで、薬用シャンプーも頑張っていたため、チャコは順調に回復し、今月29日には避妊手術ができるという段階まできていたのです。

ところが・・・

ハゲハゲだったオシリやシッポ、後ろ脚の周囲にも、ほんの少しですが、ホヨホヨと新しい毛が生え始めて、喜んでいた矢先・・・


●慌てて病院へ


今朝からチャコはやけに後ろ脚の付け根(太もものあたり)を痒がって、しきりにカミカミし始めたのです。

大好きなお散歩中も、痒くて集中できないのか、しょっちゅう立ち止まってはカミカミ・・・

お薬も飲んでいるし、食べ物も特に変わった物は与えていないため、きっかけはなんだろう???

まったく思い当たりません。

夕方になると、ついに血がにじむほどカミカミするようになってきたので、本当なら、11月26日(日)が、チャコの次の診察日でしたが、少し早めに獣医さんに連れて行くことにしました。

もしかすると、避妊手術はまた先延ばしになってしまうのかもしれない・・・

あんなに頑張っていたのにどうして?!

正直、ちょっぴり悲しい気持ちでした。


●ホッ♪


結果は

「特に心配なし。順調に回復中」

とのことでした。

獣医さんによると、顔周りも体全体の皮膚の状態も、明らかに良い方向に向かっているので心配はいらない。

29日の手術も予定通りできるから大丈夫!

とのことでした。

よかったぁ~~~♪

今回、突然痒がった原因は不明ながら、アトピーの子は

・興奮して急に血流が増えた
・寒いところから暖かいところに来て急に血行が良くなった

などといったちょっとしたキッカケでカユカユ発作が始まってしまうことはよくあるということでした。

お勉強になりました。


●初めてのエリカラ(笑)


ただ、激しくカミカミして出血したところから雑菌が入って化膿しないようにと、前回から飲まなくてよくなっていた抗生剤が再び処方されました。

抗生剤は、チャコが一番キライなお薬で、口に入れても必ずといっていいほど

「ペッ!」

って出してしまうので、正直テンションが下がりましたが、せっかくよくなっているんだから、後戻りしないようにガンバルしかないねー!

そして、これ以上カミカミしないために、チャコは犬生初の

エリカラ(エリザベス・カラー)デビュー

を果たしました!!(おめでとーーー! ←?)


●カールじいさんの空飛ぶ家


エリカラっていうとわたしは、『カールじいさんの空飛ぶ家』というピクサーの映画を思い出してしまいます。

この映画には、たくさんのワンちゃんが登場するのですが、お話の中ではエリカラがワンちゃんにとって

最大の屈辱

ということになっていて、エリカラをつけたワンちゃんの威厳はたちまち失墜・・・

他の犬たちの笑い者になるってことになっています。

この映画、実はわたしの中で

”予告編を観て『つまんなそーー!』って思ったのに、いい意味で期待を裏切られて大感動モノだった映画”

という位置づけです。

いわゆる「ワンちゃん映画」ではないのですが、実は犬好きにはたまらないシーンがたっぷり!

ご覧になっていない方は騙されたと思って一度ぜひ♪




さて、カールじいさんの影響で、エリカラをつけたチャコがみんなにバカにされないかドキドキしてしまったわたしでしたが、本犬さんがめちゃくちゃ嫌がっていただけで、特に他の子からバカにされている様子はありませんでした。

よかったよかった ε-(´∀`*)ホッ


【うれしい変化】


●表情


さて、獣医さんからもお墨付きをいただいた皮膚の状態はもちろん、チャコはわたしたちから見て、明らかに表情が変わってきました。

我家に来て間もなくの頃は、常にひょうひょうとした感じで、どちらかというと無表情でした。

けれども、日を追うごとに自我に目覚めてきたようで、本当に表情が豊かになってきました。

まるで、ぬいぐるみが命を吹き込まれたような感じです。


●態度


我家に来てからしばらくの間、チャコは愛に飢えていたように、必死でわたしたちに甘えていました。

他のワンちゃんに構おうとすると、なんとか割り込もうとしていましたし、お部屋から出ていたわたしたちがお部屋に入っていくと、すっ飛んできて足元にじゃれついてきました。

その様子は可愛いと同時に、あまりの必死さが不憫たったんです。


「そんなに必死にならなくても、チャコはもうウチの子だよ。

どこにもやらないから安心していいんだよ」


そんな気持ちでヨシヨシしてやっていました。

それがどうでしょう・・・

このところのチャコったら、わたしがお部屋に入っていっても、チラっと見て


「なんだオマエか~」


という風な顔をしてお昼寝の続きを・・・


この変化がわたしたちにはとっても嬉しいのです。

こんな風になったのは、チャコがもう、ここが自分の居場所だとすっかり確信してくれている証拠ですし、チャコに対するわたしたちの愛は、チャコが必死で求めなくても既に自分のものだということを実感できている証拠だと思えるからです。


気を引く必要なんかない。

ありのままでいい。

何をしたってずーっとチャコと一緒にいるよ~~!



さて!29日はいよいよ避妊手術です。

全てがうまくいきますように・・・



<今日のPet Hotel 11!>

ラニくん「チャコちゃん、どうしたの?」
バカにするどころか心配そうにしてくれています

本犬さんはエリカラがすっごくイヤで
この情けない表情・・・がんばれチャコ!

カミカミしたところが、こんな風に赤くなって血が
にじんでいます。心配したよ~!


ラニくん。悪役商会の役者さんも真っ青の強面ですが…

実はものすごく甘えん坊さん(笑)

「や、やめろよ~ バラすなよ~!」

夕方のおさんぽのあと、冷たい床で
お腹を冷やし中~~

夕方やってきた蒼(あお)くん。
今日はいっぱい歩いたから眠くなっちゃったみたい

蒼くん、寝ていいんだよ~!

「やだ。眠くない。寝たくない」
( ´∀` )

お料理番の足の間に挟まれて、
抜け出そうともがいたら
”なつ”がこうなって・・・
固まってます(笑)





2017年11月22日水曜日

犬を飼っている人は長生きする?②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログで、犬を飼っている人は、そうでない人に比べて死亡リスクや心臓血管関連死亡率が低くなるという研究結果についてお話しました。

今日はその研究結果と報道のされ方について私見を・・・


【でしょうね・・・( ̄▽ ̄)】


まず、研究結果についてですが、異論はまったくありません。

ただ正直なところ、この研究結果を受けてのわたしの感想は

「でしょうね」

というものでした。

特に、普段からワンちゃんに親しんでいる方なら、おおむね似たような感想を持たれたのではないでしょうか。

研究結果というのは、必ずしも世間をアッと驚かせるものでなくてはいけないってことはありません。

感覚的にみんなが

「たぶんこうじゃないかなぁ~・・・」

と思っていたことを実証するのも大切なことです。

そりゃそーなんだけど、どうしてこうも素直に受け止められないんだろう?

そればかりか、喜ばしいはずの研究結果に抵抗すら感じてしまっているのはどうしてかしらん?

で、考えた結果、恐らく・・・

この研究結果は、単に目新しくないってだけじゃなく、こじつけっぽいからじゃあないかと思ったのです。

嗚呼・・・関係者の方がいらしたら本当にすみませんすみません。

小さな島国の片田舎に住む、ただのおバカさんの意見だと笑って、おへそでお茶でもブクブクしておいてくださいまし。


わたしはどうも、この研究結果は・・・

実際には『犬を飼っている人は長生きする』ではなくて、例えば

毎日習慣的に軽い運動をしていて、
日光や外気、雑菌といった外部環境と適度に触合っていて、
地域の人たちとの会話や交流があって、
自らの存在価値や生き甲斐を感じられている・・・

そんな人は、そうでない人に比べて長生きだよ!

っていうことに過ぎない気がするんです。

で、犬を飼っている人の多くは、結果的にそれに合致しているんでしょう。

唯一、犬でなければならない要素だと思えたのは『癒し』の部分でしょうか・・・


でもまあ、だからといってこの研究結果自体には、そこまで目くじら立てるようなこともないですね。

わたしが一番抵抗を感じた部分・・・つまり本丸は、その報道のされ方にあったのです。


【ちーがーうーだーろーーーっ!!】


●目的と結果をはき違えると・・・


世の中には、

〇〇すると △△になる

というような、色々な因果関係がありますが・・・

△△になるために 〇〇する

っていう風に、”結果””目的”にしてしまうとヨロシクないことがいっぱいありますよね?


例えば、代理ミュンヒハウゼン症候群って言葉をご存じでしょうか?

病気やケガのある子どもを献身的に看病する母親が、周囲から同情や賞賛、注目を浴びるということは、よくありますね?

代理ミュンヒハウゼン症候群の母親は、周囲からの同情や賞賛を集めるために、わざと自分の子どもにケガを負わせたり病気にしたりするんです。

病気にする・・・っていうと「どうやって?」って思うかもしれませんが、なんらかの病気にかかった子どもに必要な投薬をわざとせずに完治を遅らせたりする軽いものから、ひどい場合は少量の毒物を食事に混ぜたり虐待したりということもあるんですね。

こわいですねぇ~~~~!!

”結果””目的”にしてしまうとヨロシクないことの事例は他にもたくさんあります。

身近なところだと、例えば子どもが


勉強を頑張って、テストでいい点を取った結果 親に褒められる → 〇

親に褒められたいから テストの点を改ざんして親に見せる   → ✖


・・・みたいなことです。


●気に入らねーなあ!


今回の研究結果が、CNNでどのように報道されたかというと・・・

Want to live longer? Get a dog
(長生きしたいですか?では犬を飼いなさい)

というタイトルの元、まずサンジェイ・グプタという医学者が出てくる動画が流れます。

この方はCNNの番組で医学に関する話題が出ると、たびたび専門家としてコメントする立場にあって、ご本人の番組も持っているような、言ってみればタレント学者的な人のようです。

動画の中で彼は、

『Pets are the best medicine』
(ペットは人間にとって最高の医療だ)

と言っています。

「気に入らねーなあ!」

コレがわたしの正直な感想でした。

得意満面で語る彼の顔が気に入らなかったというだけではありません。

「冗談言ってもらっちゃー困るよ!犬をバランスボールやセンブリ茶と一緒みたいに語ってんじゃーないよ!!」

という不快感です。


(動画のあるCNNのサイトはコチラ



●決定的に抜けているもの


仮にも医学者である超有名人物が、メジャーな報道機関から得意顔で

『長生きしたけりゃ犬を飼え』

『ペットは最高の医療だ』

みたいなことを発信すれば、その影響力は決して小さくはないと思います。

彼は犬好きでご自身も犬を飼っているようですし、『犬に倣え』というような内容の書籍も著している人です。

ですから彼は単に、今回のスウェーデンの研究結果を受けて、犬を飼うことの素晴らしさを伝えたかっただけなのかもしれません。

その想いにエンターテイメントの要素を盛り込んで、少し誇張しただけに過ぎないかもしれません。

けれども、仮にも医学の専門家であれば、グプタ氏には今回のスウェーデンの研究結果を、

『この結果は、犬を飼えば長生きできることを示唆するものではなく、犬を飼っている人のこういう生活習慣が長生きに繋がっているという意味ですよ』

ということをむしろ伝えていただきたかった・・・

そうでなかったことが実に残念です。


わたしが声を大にして言いたいのは、

『それは”結果”であって、絶対に”目的”にしてはならない』

ってことなんです。

彼のお話に決定的に欠落していること・・・それは

命ある生き物を飼うことに対する、人間の重い責任

という点です。

犬の飼い主が手にするのは、健康的な生活という”権利”だけでなく、命を預かるという”責任”であって、後者の方がむしろ大きいという点です。

それヌキで、このような報道をするのは、単なる人間のエゴにしか感じられないのはわたしだけでしょうか?


わたしは、この報道を見た独り暮らしの老人たちが、少しでも長生きしたいからという目的のために、自分よりも長生きしてしまいそうなワンちゃんを安易に飼おうとペットショップへ走らないことを願ってやみません・・・

『なぁに、犬さえいれば長生きするから大丈夫さ!』

なんてアホなこと言わないでよね!!( ノД`)


ちょっと心配しすぎかしら?


<今日のPet Hotel 11!>

三浦海岸の冬の風物詩 大根干し~~
そして・・・
公認の拾い食い~~♪

ボス「みんなはもう知ってると思うけど・・・
ボク、”なつ”と”チャコ”っていうふたりの女の子に
大人気なんだぁ~!」

「ね?!ボクのとなりに居たいってさ!
こういうの、両手に花っていうんでしょ?」

「あ、ちょっとチャコ・・・重たいんだけど・・・」

「ねえ、チャコ?それじゃボクが写らないんだけど・・・」

「ねえ?!ちょっとちょっとーーーっ?!」

ボス・・・がんばれ~~~(笑)