2018年5月29日火曜日

命の尊厳について①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




ちょっと仰々しいタイトルになってしまいました(;^_^A



前回のブログ、「愛犬を他人に託す時(最終回)」の最後の方で、ペットホテルやお散歩代行、トリミングサロンなどを利用するとき・・・つまり”他人に愛犬を託すときに、飼い主さんは「命を預けるという意識」を持ちましょうってお話をしました。

また、その前に書かせていただいた「おりこうワンちゃんのレシピ(最終回)」では、飼い主さんがおおらかで心身ともに健全であることの大切さを書かせていただきました。


今回お話する内容は、これらのお話の根底にある「精神論」のようなものです。

あまり、耳障りのよいお話ばかりではないかと思いますが、ぜひご一緒に考えてみていただきたいと思います。



【印象に残った飼い主さんのお話(その1)】


このお仕事をしていると、ワンちゃんの飼い主さんと出会う機会も他の方より多くあります。

「命をお預かりする」という性質のお仕事をしているだけに、時には飼い主さんの愛犬に対する死生観に触れるような貴重な機会もあります。

中でも、特に印象に残った飼い主さんのお話をふたつ、ご紹介させていただきたいと思います。


●Kちゃんの飼い主さん


前回の「他人に命を託す時」シリーズの中で、お泊り中に病院に連れて行くことになったワンちゃんたちのエピソードを紹介しました。

胃捻転になり、病院に担ぎ込んだKちゃんのエピソードもそのひとつです。

リアルタイムのブログ(詳しい内容)はコチラ↓をお読みください。


「Kちゃんの胃捻転と飼い主さんの覚悟」

「胃捻転のKちゃんについて【ご報告】」


※お話の内容は以前書いたものと多くの部分が重複していますが、今回のテーマを書くにあたって、あらためてお話したかったので、どうかご理解ください。


Kちゃんは、10~11才くらいの、ポインターMIXで、元保護犬です。

Pet Hotel 11!にお泊り中、胃捻転により容態が急変して、わたしが病院に担ぎ込んだ時には、まさに三途の川を犬掻きで渡ろうとしている最中でした。


・レントゲンの結果、胃捻転であることは確実。

・胃のねじれを解消する手術が必要になるかもしれないが、高齢のため麻酔から生還する確率はあまり高くない。

・年齢を考えると、今回の胃捻転を乗り越えてもそう先が長いかどうかはわからない。


というような獣医さんのお話を飼い主さんにお伝えし、ご判断を仰がなくてはなりませんでした。

どういうことかというと、


「このまま放っておけばKちゃんは死んでしまうかもしれないけれど、手術をしても助からない可能性は高い(手術に耐えられるかどうか判らない)ので、今がKちゃんの寿命だという考え方もありかもしれませんよ」


ということです。

人によっては「そんな・・・冷たすぎる!」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、手術をすれば高額の医療費がかかるため、獣医さんとしては飼い主さんがどちらを選択しても罪悪感を抱かなくて済むようにとの配慮をしてくださったのだとわたしは思っています。

その時、Kちゃんの飼い主さんがおっしゃったのは、次のようなことでした。


「Kが助かる可能性が少しでもあるのなら、どんな処置でも”やってみる”という方向でお願いしたいです。

たとえ、それ(麻酔や手術)によってKが戻らなかったとしても、諦めるのではなくて生きる可能性に賭けたいと思います」


Kちゃんはその後、手術をすることなくお腹のガスを抜いてもらうことで胃の捻じれが元に戻ったため、体力を回復させるためにそのまま入院して点滴を受けながら飼い主さんのお帰りを待つことになり、わたしたちは少しホっとしました。

今後のことは、お帰りになってから飼い主さんがゆっくりと考えることになる・・・はずでした。

つまり、胃捻転の再発を防止するための手術を高齢のKちゃんにするかどうか・・・という判断についてです。


けれども、先のような飼い主さんのご意思を伺っておいて本当によかった!という事態が翌日の朝方に起きました。

Kちゃんは獣医さんのところでふたたび胃捻転になってしまったのです。

未明の出来事だったため、獣医さんはKちゃんに緊急オペを行いました。

胃のねじれを戻すと共に、再発防止のために胃の固定術も施してくださいました。

その結果、Kちゃんは無事に生還し、旅行から帰ってこられた飼い主さんに再会できましたし、2か月経った今も元気にしています♪

以前より少しふっくらしてますます元気になったくらい(^▽^)


簡単に概要をお話しましたが、飼い主さんがお帰りになるまでの間、Kちゃんを入院させてからも、わたしは何度も獣医さんに電話で様子を訊いたり、Kちゃんの様子を見に行ったりしていました。

そして、獣医さんのお話やKちゃんの様子を飼い主さんにご報告していました。

Kちゃんの命をお預かりした以上、そうするのが当然だからです。


飼い主さんの代わりとして、Kちゃんにできることはわたしたちなりにできる限りやったつもりではいましたが、それでもお預かりしたKちゃんを辛い目に遭わせてしまったことについて、


「お泊り中、Kちゃんはストレスを感じていたのかもしれない。それが胃捻転の引き金になったのかもしれない」


と、飼い主さんに対して心苦しい気持ちもありました。

お電話で飼い主さんにそのようにお話し、お詫びを申し上げた時、飼い主さんは次のように言ってくださいました。



「実は、わたしは看護師をしています。

人間にしても犬にしても、人の手に”預ける”ということは、”命をまるごと預ける”ことだと思っています。

わたしは、ワンワンさんを責める気持ちは、本当にまったくありません。

Kの年齢もわかった上でお預けしているんですから。

むしろ今回のことで、ワンワンさんには大変ご迷惑をおかけしてしまって、こちらの方こそ申し訳ない気持ちでいっぱいです。

Kの命をお預けした以上、何が起きてもそれはわたしたちの責任です。

そして・・・もし、万が一のことがあったとしても、それは大変つらく悲しいことではありますが、それがKの運命というか・・・仕方のないことなのだと思っています。」



印象に残った飼い主さんのお話(その2)は、長くなるので次回にお話させていただきまーす!





<今日のPet Hotel 11!>

”なつ”のテンションが⤴なのは・・・

昔一緒に暮らしていたモカちゃんが
やってきたから~~~♪

やってきてすぐにドッカ!とクッションを
占領してくつろぐモカちゃん(;'∀')

モカちゃんがお庭に出れば・・・

”なつ”とチャコが金魚のフンのように・・・

隊列を作ってついて行き・・・

モカちゃんが右を向けば
”なつ”もチャコも右を向き・・・

モカちゃん「ちょっと、なんでついてくるのよぅ?!」
モカちゃんはちょっぴり迷惑そう(笑)

とうとうお部屋に帰って、この暑いのに”イオホイ”
の中に籠っちゃいまいした!!

ボス「女子ばっかりでつるんでて、肩身が狭いよぅ~」

がんばれボス(;^_^)