ナゼ オマエ、ウンチ タベル?【食糞問題】① のつづきです。
北米の家庭犬を対象とした調査で、食糞という行動は4頭に1頭がする、さほど珍しくない行動だとうことが判りましたね。
でも・・・
どうしてあの子たちは、よりによってウンチなんかを食べるの~~~?!
という疑問について、専門家はどのような見解を示しているのでしょーか?
【犬が食糞をする理由】
実は、ハッキリとした理由は解明できていません。
けれども、学者たちは今回の調査結果のような積み上げられた事実から、その理由を推論という形で導いています。
●推論1 寝床の衛生管理?
これは、先のアンケート調査を行ったハート氏の推論です。
犬の祖先=オオカミには食糞行動があります。
そこで、犬の食糞行動はその名残だとする説です。
ウンチを食べちゃうワンちゃんの飼い主さんはもうご存知かと思いますが、彼らが食べるのはフレッシュウンチだけです。
統計によると、食糞をする犬のターゲットになるウンチの85%以上が体内から出されて2日以内のモノだということが判っていているんですねぇ~!
うう・・・時間が経ったカサカサウンチもイヤだけど、みずみずしいフレッシュウンチもいやだよぅ~~・・・
↑すみません、つい心の声が出ちゃいました(ウンチは出ていません)
このことから、オオカミや一部の犬たちが見せる食糞行動は感染予防を目的とした寝床の衛生管理なのではないかというのがハート氏の推論です。
オオカミのウンチには蠕虫(ぜんちゅう)、線虫、回虫といった寄生虫の卵が含まれている可能性があります。
それらの寄生虫の卵はウンチとして体内に出てから、早ければ48時間で感染能力を獲得することが培養実験から判っています。
そのため、オオカミが自分の糞を食べるという行為は、病原体を含む排泄物を、それが感染力を持つ前に なるべくフレッシュなうちにとっとと食べちゃうことによって、寝床や巣穴を清浄に保ち、群に感染症が広がることを予防している可能性が考えられるというのです。
なんと・・・!!
わたしたちの感覚では、
「きゃああーーっ!!ウンチなんか食べちゃったら病気になっちゃうー!」
と、不衛生極まりない行為だと忌み嫌っていた食糞という行為が、実は自分たちの寝床を清潔に保ち、群への感染拡大を抑えるための自然界の知恵だったのかもしれないんですねー!!
------------余談-------------
余談なので、読み飛ばしていただいて結構ですぅ~(;´Д`)
急に思い出したことが・・・
といっても わたしの記憶にはない、非常に不名誉なエピソードなのですが・・・
まだわたしが2才ごろのことです。
母が、兄と私をお風呂に入れようと、先に裸にしたわたしたち兄妹を浴室の洗い場に入れ、自分も今まさにお風呂に入らんとス!
ってタイミングで、わたしが・・・わたしが・・・
ウンチをもらしてしまったそうなんですぅ~~~!!
けれども、洗い場には兄とわたしのふたりだけ・・・
まだ4才と幼かった兄は、兄なりに
「こ・・・これはタイヘンだっ!なんとかしなくてはっ!!」
と考えたのでしょう。
母が浴室に入ってきた時・・・
バスタブのお湯に、小さな茶色い物体がプカプカと浮かんでいたそーです(-_-;)
幼い我が子たちはまだバスタブには入っていないにも関わらず、その物体だけが先行して一番風呂に浸かっているのは一体なぜ?!
驚いて言葉を失っている母に、兄がこう言ったそうです。
「ママ、あのね、なおちゃんがウンチ出ちゃったの。
でもね、もうダイジョーブだよ。
ボクがちゃーーーーんとお風呂に入れておいてあげたからねっ♪」
何が「ちゃーーーーんと」なんでしょう?
なぜ、お風呂に入れてしまえば「ダイジョーブ」だと兄は思ったのでしょう?
全ては謎のままです。
けれどもなんとなく、自分たちのいる場所からウンチを遠ざけてしまえばダイジョーブなんだという感覚・・・
これはまさしく感染症予防という観点から本能的に兄が取った行動なのではないでしょーか?(←ぜーーったいに違うから~~~)
--------余談ココマデ-----------
犬たちの一部が食糞する理由が、たとえ衛生管理を目的としたものであったとしても、現代の家庭犬たちにとっては、そんなことをする必要はまったくありませんね。
だって、人間が2日以内に確実に片づけてしまうんですもの・・・
とはいえ、彼らの食糞行動の理由が
「きれいにしなくっちゃ」
「仲間を感染から守らなくっちゃ」
という理由かもしれないと思うだけで、なんともけなげに感じるではあーりませんか?
母が兄を叱らなかったように(叱りたくても思わず笑っちゃったそうです)、みなさんもどうか食糞した愛犬を叱らないであげてくださいねー!
●推論2 栄養補給
ハート氏の推論に対して、
「その説も筋が通っているが、それだけではすべての食糞行動への説明はつかない」
としているのがペンシルベニア大学のJames Serpell教授です。
サーペル氏は、ワシントンポスト紙の取材に対して
「食に貪欲な犬に関しては、もっと食べ物に関するモチベーションが関わっているのではないか」
と語っています。
ハート氏のアンケート調査の結果を見ても、食いしん坊の犬ほど食糞行動を見せる確率が高いことがわかっています。
また、サーペル氏は、発展途上国では犬が人間の糞便を食べて栄養補給をしていることから、
「「現代の飼い犬や飼い猫の食事は脂肪分やタンパク質が豊富で全てが消化されず、ウンチに含まれて出てくるため、第二の栄養分として魅力があるのではないか」
と推察しています。
なるほど・・・確かにその可能性はあるかもしれませんね。
犬の食糞行動に関して今現在解っている事実と専門家の推論を統合して、わたしはこんな風に考えました。
「犬がウンチを食べちゃうのは、オオカミから引き継いだ生得的な行動パターン。
でも、ウンチを食べることが習慣化してしまうのは、その生得的本能に突き動かされて食べてみた結果・・・けっこう美味しかったからクセになっちゃった~♪」
という感じではないでしょーか?
また、いつも同じフードを食べていることが多い家庭犬にとって、他の犬のウンチを食べることは、ある種の自分に足りていない栄養分を補給することにもつながっているのかもしれないと思いました。
うん・・・
わかったわかった・・・
ウンチのウンチクはよーーくわかったよ・・・
でもね、どんな理由があるにせよ、とにかくわたしは・・・
「愛犬にウンチを食べるのをどーーしてもやめさせたいのよーーーう!!」
という飼い主さんが大半ですよねぇ?
そこで、次回は
どうすれば食糞行動を止めさせることができるのか?
というお話をしたいと思いまーーす!
<今日のPet Hotel 11!>
朝の海岸さんぽ Hくん「ちょっとこの綺麗な景色を 眺めてから行こうよ!」 |
Pくん「さんせーーい!」 |
浜の緑地は絶好のウンチスポット♪ 食糞しないように見張ってなくちゃね! |
Hくん、今度は朝顔鑑賞♪ |
Pくん「ねえねえ、Nちゃん・・・」 Nちゃん「んーー?」 |
Pくん「その枝、ボスくんが大事にしてるヤツだよね? さっきから見てるよ・・・ボスくんが」 Nちゃん「んーーーー?」 |
Nちゃん「ホントだーーーーーー!!」 ボス「ジィ~~~~」 |
Nちゃん「よしっ!」(スクッ) |
Nちゃん「Hく~ん、ホラホラ、いい枝あるよー!」 Hくん「・・・・」 |
Nちゃん「ホラホラ、Hくんったら~!」 Hくん「うるさいなぁ・・・」 |
Nちゃん「ホーラ楽しい♪」 |
Nちゃん「欲しかったら追いかけてきてごらーん!」 Hくん「・・・・」 |
Nちゃん「ちょっとーーーっ?!来ないのー?」 |
Hくん「放っておいてヨ!ボクはこっちの 細い枝に夢中なんだったら!」 |
Pくん、いっぱいお友達と遊べたね~! また次回を楽しみに待ってるからねー(^▽^)/ |