【Bくんの悲報】
●オトボケな人気者
朝の海岸さんぽで毎朝のように顔を合わせていたチワワのBくんのお話です。
Bくんの飼い主さんは、車で10分ほどのところにお住まいでしたが、Bくんが海岸をお散歩するのが好きなので、毎朝車で海岸までやってきていたんです。
Bくんはマイペースな子で、気分が向けばわたしたち人間にも触らせてくれますが、大抵は飼い主さんから少し離れたところで
「オイ、まだか?早く行こーぜ」
というような顔でこちらを傍観しているような子でした。
そのスットボケたような表情が、なんともいえず可愛らしく、すれ違う人からはいつも
「あら、Bくん、今日は撫でさせてくれるの~?」
とか
「Bくん、Bくん!!あらまあ、今日は気分じゃないのね 笑」
などとイジられている人気者でした。
●手術を乗り越えて
Bくんは、確か8才くらいだと聞いていました。
犬の8才は一応、シニアに突入する年齢とされています。
とはいえ、人間同様にワンちゃんの寿命も飛躍的に伸びている今、8才はまだまだ現役で、10才を超えたあたりからがシニアという感覚になっていますね。
Bくんは、お母さんがついついオヤツをあげすぎてしまうようで、少々肥満気味でしたが、とても元気にお散歩していたのです。
ところが、ある時期まったくBくんを見かけなくなっていたので、
「どうしたんだろう・・・?」
と心配していたところ、1カ月ほどして久しぶりに海岸に現れた飼い主さんとBくんに会うことができました。
Bくんは、体調を崩して手術し、少しの間入院していたとのことでした。
その後、自宅での療養期間を経て、すっかり元気になって、前よりも少しだけスリムになってお散歩する様子に、みんなで
「元気になってよかったねぇ~~♪」
と喜んでいました。
●思い出の海岸で・・・
その時からわずか数か月後のことです。
朝、いつものようにワンちゃんたちを連れて海岸を散歩していると、Bくんの飼い主さんがお一人で浜辺に立っていらっしゃいました。
おや?Bくんは?
近づいてお話を伺うと、その2日前に突然Bくんが亡くなったと言うではないですか。
お散歩仲間のみんなに挨拶をするため・・・
そして、Bくんが大好きだった海岸にBくんを連れてきてあげるため・・・
Bくんの飼い主さんは前日にお空に送ったBくんの小さなお骨を抱いて海岸を訪れていたのでした。
あまりに突然のことで、わたしたちは言葉を失いました。
●突然のおわかれ
Bくんは、亡くなる前日はいつもと変わらぬ様子でとても元気だったといいます。
ところが、次の日には少し元気がない様子だったので、念のためお散歩をお休みしたそうです。
特に目立った症状はなかったものの、心配した飼い主さんはBくんを獣医さんに連れて行きました。
一通り検査をした獣医さんが、
「特に悪いところは見当たりませんけれど、念のためこのまま病院で一晩様子をみましょうか?」
と仰ったので、そのままBくんを病院に預けてご帰宅されました。
そしてその晩、Bくんの飼い主さんは病院からの電話でBくんが亡くなったことを知ったのだそうです。
●どちらにしても
Bくんの飼い主さんのお気持ちを想像すると、とても辛いですね。
毎朝、わざわざ車にBくんを乗せて大好きな海岸までお散歩に連れてきてあげていた飼い主さんは、目の中に入れても痛くないほどBくんを可愛がっていたのです。
車で10分といえばたいした距離ではありませんが、Bくんのお散歩する距離と時間自体がそう長くないのに、往復20分かけて車で海岸にいらしていたのは、
「車やバイクの往来がなく、安全にしかも気持ちよくBくんがお散歩できる海沿いの遊歩道をお散歩させてやりたい」
という思いやりだったはずです。
そのBくんが、手術を経てやっと元気になったと喜んでいた矢先に突然亡くなってしまった・・・
しかも、病院のケージの中でひとりぼっちで亡くなってしまったということは、やはりどう考えても耐え難いことだったと思います。
「こんなことになるんだったら・・・」
病院に置いていかずに、自宅に連れ帰って私が看取ってやればよかった」
と感じられたかもしれません。
一方で、自宅に連れ帰っていたとしてもやっぱりBくんが亡くなってしまえば
「こんなことになるんだったら・・・
病院に預けておけば助かったかもしれないのに!」
と後悔されていたかもしれません。
結局・・・あの時どちらの選択をしていても、飼い主さんはBくんの突然の死に対して後悔を感じない道はなかったということなのでしょう。
それを考えるとやるせない気持ちになりますね。
●ペットホテルとして
Bくんを獣医さんに置いていくという選択をされた時、飼い主さんはまさかBくんが亡くなってしまうほどの状態だとは夢にも思っていらっしゃらなかったに違いありませんね。
それは獣医さんも同じことだったでしょう。
でなければ、その可能性を飼い主さんに伝えているはずですから。
Bくんのように、はた目からは死を目前にしていることがわからない状態から突然亡くなってしまうというお話は珍しいことではありませんね。
「まさか!」
の事態に直面した飼い主さんは、その時にどう対応したとしてもやはり、納得感を得ることが難しいでしょう。
わたしたちはペットホテルです。
日々、大切なワンちゃんたちの命をお預かりしています。
もし、わたしたちのペットホテルに2泊3日ほどの予定でお泊りをしているワンちゃんが、Bくんのように容態が急変して亡くなった場合、飼い主さんはどう感じるでしょうか。
「いくらなんでも、あんなに元気だったのにこんなに急に死んでしまうなんてありえない!」
「ペットホテルは体調の変化になぜもっと早く気づいてくれなかったのか?」
「適切に対応してくれていたらこんな事態はきっと免れたはずではないのか?」
そんな風に感じられるのではないでしょうか。
その飼い主さんのお気持ちは、わたしたちも犬の飼い主ですから痛いほど理解できます。
愛犬をお預けくださる飼い主さんは、お預けになる時には必ず
「ウチの子は元気で帰ってくる」
と思っていらっしゃいます。
亡くなるなどということは当然、ほぼ100%考えてもいらっしゃらないのですから・・・!!
今のところ、わたしたちは幸いにしてそのような事態に直面したことはありませんが、もしも今後、そのようなことが起きてしまった場合、
予想もつかない形で突然愛犬を失った飼い主さんの悲しみや混乱、そしてわたしたちの対応について納得がいかないというご不満やお怒りに対して、どのように寄り添い、対応していけばいいのだろうか・・・
そんなことを話し合いました。
そして、その話し合いに結論は出ませんでしたが、常に考え続けていかなくてはならないことだと思っています。
最後に、Bくんはあんなにも可愛がられて、間違いなく幸せなワンちゃんだったと思います。
Bくん、とても悲しんでいるお母さんを、お空の上から励ましてあげてね。
それから、いつの日か虹の橋で、もしわたしたちと再会できたなら、その時は冷たくあしらわずにどうかナデナデさせてねー!!
<今日のPet Hotel 11!>
今日も快晴!暑くなりそう~(^_^;) Mちゃん、楽しかったね。 また遊びにおいでね~♪ |
Lちゃんは、お友達ご遊べるようになってよかったね! またいつかお泊りに来てね~(^o^) |
TちゃんMちゃん、家以外の場所で、お互いの 大切さを再確認したね。 また待ってるよ!! |
お!!Nちゃん、すごくイイモノ見つけたねぇ~! |
アメコカのLくん、とっても穏やかなマイペースさん |
Lくん「はじめまして~♪キミ、ずいぶん腰が低いねぇ」 ボス「いーえ、脚が短いだけなんですっ!!」 |
Lくん「そりゃ失礼・・・さあさ、どーぞ嗅いで~♪」 ボス「あ、どーも・・・」 |
はじめまして!Uちゃんです♪ |
オテンバNちゃんと・・・ |
すぐに仲良くなって、いーーっぱい遊んだよ! |
たーーーーのしーーーーーっ!! (興奮の極みって感じだね 笑) |
ボールも譲り合っちゃって・・・ よかったねぇ、気の合うお友達ができて(^o^) |
Cくん、夕方のお散歩。 今日は海にも人がいっぱいいたよ! |