Pet Hotel 11! お庭番のブログ①: 大型犬はおりこうさん、小型犬は？②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!（ペットホテルワンワン）のお庭番です。

前回ブログのつづきです。

【小型犬の飼い主さんが陥りやすい傾向】

●飼い主さんの意識の違い（小型犬の場合）

前回のブログでお話した通り、小型犬の多少のヤンチャや落ち着きの無さは、大型犬と比べて日常生活に支障をきたすような一大事にはならないことがほとんどです。

そのため、

「まあこのくらいなら特に気にならないし、なにせ可愛いから許しちゃう♪」

と、愛犬をしつける差し迫った必要性をあまり感じず、おのずとしつけをないがしろにしてしまう飼い主さんが多くなるんですね。

その結果、小型犬に多い問題行動として、次のようなものが出てきます。

◇無駄吠え（特に要求吠え）

「抱っこ～！」

「アレ取って～！」

「撫でてぇ～！」

「遊んで～！」

「構って～！」

「早く帰ってきて～！」

「コッチこーーい！」

「ソレ、ちょうだ～～い！」

可愛らしい声で「キャンキャン」言っているので、飼い主さんもついつい

「ハイハイ、ちょっと待ってね～、なあに？コレがほしいの～？」

なーんてイチイチ要求に応じているうちに、犬は飼い主さんを家来のように操縦するようになるんですね。

エスカレートする「ワンワン！」が、ご近所から苦情がくるほど酷くなって、飼い主さんは初めて真剣にしつけに取り組もうとします。

けれども、今まで飼い主さんを思いのままに操縦していた愛犬の方だって意地になって権利を主張し、ますます威張って延々吠え続けます。

結局ご近所の手前、飼い主さんは早く吠えるのをやめさせようと、やっぱり要求に応じてしまい、愛犬は

「そうか、しつこく吠えれば言うことをきいてくれるんだな？！」

と、とんでもないことを学習し、問題行動はどんどんこじれていく・・・という負のスパイラルに陥ってしまうのです・・・(-_-;)

◇跳びつき

お散歩中に他の人やワンちゃんに跳びつこうとして、飼い主さんにリードを引かれながら後ろ脚で立ってピョコピョコしている子をよく見かけますね。

その他、飼い主さんの帰宅時やゴハンの前、来客時などの跳びつきは、身体が小さい犬だと「可愛い仕草」としてあまり直す必要性を感じていない飼い主さんが多いですね。

飼い主さんがむしろその仕草を好ましく思っているため、犬もジャンジャン跳びつくようになり、強化されていってしまいます。

この「跳びつき」をされて「可愛い」とか「嬉しい♪」と思うのは犬好きの人だけなのですが、困ったことに跳びつきを容認している小型犬の飼い主さんの多くは、自分が嬉しいのと同じように他の人もウチの子に跳びつかれてさぞや喜んでいるだろう・・・と勘違いしてしまっていることが多いんです。

郵便屋さんや宅配業者の人、ご近所の人が、実は顔をひきつらせているのにも気づかず、

「アラアラ、嬉しい嬉しい～♪オジサンが大好きなんでちゅねぇ～～～！！」

などと言い、なんだったら

「ウチの子に気に入られてよかったですね！」

ぐらいの勢いの飼い主さんもいらっしゃいますが、大型犬の飼い主さんにこういう人はまずいないのは解りますよね～？

大型犬が跳びついたら、下手すると損害賠償に発展しかねませんもんね～～・・・(^_^;)

犬好きの人だって、お気に入りの洋服を着て出かける途中だったり、ストッキングを履いている時に跳びつかれたらチョー迷惑ですが、犬にはそういう判断はつきませんから、基本的に跳びつきはさせないようにしつけた方がいいですね。

◇甘噛を含めた噛み癖

気に入らないことがあったり、身体の触れられたくない部位に触れられると飼い主さん家族にも唸って歯を剥く子は、小型犬には結構多くいます。

オモチャで遊んでいる時に、当然のように人の手を甘噛みしてくるのも身体の小さい子に多い傾向です。

その赤ちゃんのような仕草が可愛くて、飼い主さんが喜んでさせていると、人の手を噛むことへの抵抗がなくなり、簡単に本気噛みの一線を超えてしまうようになりますから、人に歯を当てることは絶対にさせないようにしつけておかなくてはなりません。

◇落ち着きの無さ

興奮しやすく、飼い主さんの足元でチャカチャカピョンピョンと動き回るのも、それを許容されている小型犬にとても多いです。

成犬のうれションもこういった子によく見られますね。

毎日そんなにハアハアと必死で興奮していたら疲れるだろうに・・・と気の毒になるような子もいます。

このような落ち着きのなさを生んでいる要因のひとつは、

「正解がわからない不安感」

ではないかと思っています。

小型犬の問題行動の多くを飼い主さんが「ま、カワイイからいっか♪」と容認しているにも関わらず、来客時など、時と場合によっては容認できないシーンがありますね。

そのたびに、普段は許していることを叱りつけて止めさせたりする飼い主さんは結構多いのではないでしょーか？

または、普段は「ダメよ」と言っていることに、しょっちゅう例外を設けて

「今日だけよ～～！」

なんて許してしまうことが多い飼い主さんもいるのではないでしょーか。

そういった行動は、愛犬にとっては「気まぐれなヤツ」としか映りません。

気まぐれな人は信用できませんよね？

でも信用できないその人に愛されていないと生きていけない。

だから、この気まぐれな人に嫌われないようにしなくちゃいけない。

嫌われないために自分はどういう風に振る舞うのが正解なのか判らない。

そんな風にして、落ち着きのない犬が出来上がっていくのではないかと思います。

なんだか・・・可哀想でしょ～？！(T_T)

「そんなに必死で愛情を求めなくても、大船に乗ったつもりでゆったり静かに暮らしていれば大丈夫なんだよ～！」

ってことを、ぜひ愛犬に伝えられる一貫性のあるリーダーさんになってあげて欲しいです。

◇社会性の低さ・分離不安

社会性の低さの原因は、小型犬に限らずたくさんありますから、大型犬にも社会性の低い子はいます。

ただ、小型犬の社会性の低さや分離不安の原因には、上記の「落ち着きのなさ」と同じ原因が潜んでいることも多いように感じています。

つまり、一貫性のないリーダー（飼い主さん）を信頼して身を任せていられないために、常に不安感を抱いている子が多いんです。

飼い主さんの自分への愛情を疑うことなく、安全基地（ベース）と認識できている犬は、安心して外の世界を探索し、興味の幅を広げていくことができます。

けれども、そのベースとなるべき信頼関係に不安感があると、

「もしかしたら、他の犬にいじめられてもこの人は守ってくれないかもしれない・・・」

「もしかしたら、この人は家を出ていったきり、もう帰ってきてくれないかもしれない・・・」

「もしかしたら、ペットホテルに連れて行ったきり、この人は迎えに来ないのかもしれない・・・」

という風に余計な不安を感じてしまうんですね・・・(T_T)

pethotel11!にやってくる大型犬の子の多くは、初日からいきなり「のほほ～ん♪」と落ち着いて過ごしていることが多いのは、

「あの飼い主さんがボクを見捨てる？ハハハ、バカ言っちゃいけないよ！そんなことあるわけないさ～～♪」

っていうことがよーく解っていて、安心して待っていられるからではないかと思っています。

◇引っ張りグセ

お散歩中にフレキシブルリードをながーく伸ばして、愛犬が勝手気ままに歩くはるか後方をニコニコしながら付き従っているのは十中八九小型～中型犬の飼い主さんですね。

大型犬にそんなことを許していたら飼い主さんは生傷や骨折が絶えず、ご近所からは「コワイからやめさせてくれ」と通報されてしまうかもしれません・・・(-_-;)

小型犬が飼い主さんを引っ張ったところで、体重が小さいために飼い主さんは引っ張られていることにさえ気づいていないことがほとんどなんです。

けれども大事なのは、実際に飼い主さんの身体が持って行かれるほど引っ張るかどうかではなくて、犬自身が

「自分が行き先の決定権を握って手下を引っ張って行ってるんだぜいっ！！」

という意識を持っているかどうかです。

愛犬が自分より前を歩いていてリードがピンと張っているのであれば、愛犬は間違いなくそういう気持ちでいるということを理解しておかなくてはいけません。

この、”お散歩時の力関係”は犬にとって主従関係の象徴的なものですから、お散歩で愛犬に引っ張られている飼い主さんは、ご自分の愛犬がまずアナタのことをリーダーと認めていないと自覚された方がいいでしょう。

さて・・・では、上記のような問題行動が見られる小型犬たちは、どんな気持ちで日々を過ごしていると思われますか？

長くなるので、それは次回にお話しまーーす(*^_^*)

＜今日のpethotel11!＞