前回ブログのつづきです。
前回のお話に出てきたAちゃんは、いわゆる高齢犬でした。
少しお話はケージレスペットホテルの話題から逸れますが、関連して高齢犬とペットホテルについてお話させていただきたいと思います。
【高齢犬の預け先を見つけるのは難しい】
●ペットホテルが高齢犬を預からない理由
多くのペットホテルでは、ケージレスに限らず、高齢犬のお預かりをしていません。
理由はもちろん、お預かり中に体調を崩したり亡くなってしまったりするリスクが大変高いからです。
ペットホテルで亡くなってしまうということは、ホテルにとっても飼い主さんにとっても、そして当の本犬さんにとっても大変不幸なことです。
<ペットホテル>
いくら事前に「不慮の事故や死亡に対する責任は負えませんよ」という同意書に飼い主さんからサインをいただいていたところで、実際にお預かりしている犬が自分たちの管理下で亡くなってしまえば、最悪の場合は裁判沙汰に発展してしまうかもしれません。飼い主さんの心情を思えば当然なのですが、
「本当にちゃんと見ていてくれたのか? もっと他にできることがあったはずでは?」
という不本意な責めを飼い主さんから受ける可能性も高いといえるでしょう。
それに対して、飼い主さんが心底納得できるような説明をホテル側がするのは、不可能に近いでしょう。
酷いケースでは、
「あのホテルに預けたら、とても元気だったウチの愛犬が死んでしまったから気をつけた方がいい!」
などという酷い醜聞を流布されてしまうかもしれません。
そうなれば、店舗の存続に関わる大打撃ですね・・・
そういった大きなリスクを敢えて背負うのは、お預かり料金には見合わない・・・それが経営者の下す、至極当然の判断なのだと思います。
<飼い主さん>
他人に愛犬の命を預ける・・・しかも高齢犬を預けるということは、その間に「万が一」が有り得ることを頭では理解されていたとしても、本当にそうなった時に納得できる飼い主さんは何人いらっしゃるでしょうか?
大好きな飼い主さんと離れて慣れない場所に預けられるというだけで、ワンちゃんにとっては大変大きなストレスとなります。
それはどんなに愛情深く面倒をみてくれるペットホテルであっても同じことです。
若く健康なワンちゃんであれば、それがかえって「良い経験」になったりもします。
でも、多くの高齢犬にとって、飼い主さんと離れるストレスは大きなダメージになり、最後のともしびに痛恨の一撃を与えてしまうかもしれないのが現実なんです。
けれども、飼い主さんはきっとこう思われるでしょう。
「だって、あの子は高齢犬とはいってもあんなにも元気だったのよ・・・まさかたった1泊で容態が急変して亡くなってしまうなんて、絶対にありえない!!」
そこで、ホテルのやり方に問題があったのではないかと疑ったりホテルを責めたりしてみるでしょうが、それで気が晴れるはずもありませんね。
最終的には
「どうしてあの子を預けてでかけてしまったのかしら・・・あの子は一体どんな気持ちで最期を迎えたのかしら・・・可哀想に・・・ごめんねごめんね・・・」
と、預けたご自分を責めることになってしまうのでしょう。
<ワンちゃん>
ここはどこ?これからどうなるの?自分は飼い主さんに見捨てられたのだろうか?
高齢犬がそんな不安な気持ちから体調を崩し、飼い主さんに会えないまま旅立っていくことになれば、それはワンちゃんにとってあまりに辛すぎる最期だとは思いませんか?
●高齢ワンちゃんの飼い主さまへ
とはいっても・・・実はpethotel11!では高齢のワンちゃんをお預かりすることはそう珍しくありません。
正直なところ、大きなリスクを冒してまでお預かりするかどうかについて、かなり悩み、何度も話し合いをしました。
結果的に、わたしたちが条件付きで高齢犬をお預かりすることにしたのは、元気な高齢犬を預かる受け皿(ペットホテル)があまりにも少ないからです。
フードや生活の向上によって、犬の寿命は近年とても長くなっていますね。
つまり、老犬となってからの時間が大変長いわけです。
老犬となってから5~10年くらい?もっとでしょーか・・・
その間、飼い主さんにだって、出張やお引越し、おうちのリフォームや冠婚葬祭への出席、ご自身や家族の入院などなど、愛犬を預けなくてはならない事情はきっと出てくると考えるのが自然です。
そこで、ペットホテルがみな、老犬のお預かりを拒否していたら、きっとものすごく困る飼い主さんがたくさんいらっしゃるのではないか・・・とそう思うんです。
そこで、わたしたちpethotel11!は、初回のお預かり時に既に高齢犬となっているワンちゃんをお預かりする場合、飼い主さんに次の承諾書をよくお読みいただき、サインをいただくようにしています。
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<高齢ワンちゃんの飼い主さまへ>
Pet Hotel 11!では、原則、高齢(小型 10 歳、中型 8 歳以上)のワンちゃんはお預かりしていません。
とはいえ、やむを得ずワンちゃんを預ける必要のある飼い主さんのご事情を考慮し、以下の内容をご納得の上、ご了承いただけた場合に限り、お預かりさせていただくこととしています。
高齢犬の場合、いつものように元気に過ごしていたのに、突然なんの予兆もなく眠るように息を引き取った・・・という事例はたくさんあります。
(わたし自身の以前の飼い犬もそうでした)
犬にとっての1泊は、人間の1週間と同じくらいの時間です。
わたしたちは、心をこめてワンちゃんのお世話をすることをお約束させていただきます。
しかしながら、高齢犬にとって、大好きな飼い主さんと離れて慣れないペットホテルで過ごすこと自体が、命に係わるような大きなストレスとなることもあります。
それを、お心に留めておいていただきたいと思います。
そのため、不可抗力によるワンちゃんの健康上のトラブルや死亡につきまして、当店は一切の責任を負いかねますので、予めご了承ください。
また、万一ワンちゃんの容態に異常がみられた場合には、時間に関係なく、まずは飼い主さんにご連絡を差し上げ、ご意向を仰がせていただきますので、予めご了解いただきますようお願い申し上げます。
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この承諾書が、何か(係争など)あったときに自分たちを守ってくれる力を持っているとは思いません。
けれども、少なくとも高齢犬を預ける時に、飼い主さんにはそれなりの覚悟を持っていただきたい・・・そういう気持ちからお願いしていることです。
●愛犬が老犬となった時に備えて
多くのペットホテルでは高齢犬を預かってくれないとお話しましたね。
最近は老犬ホームも増えてきましたが、愛犬が本格的に「介護」を必要とする状態となり、飼い主さんがご自身では面倒を見られない場合に利用する老犬ホームは、ペットホテルとは目的が異なります。
ある程度元気にお散歩ができ、数泊のお留守番程度なら大丈夫そうなのに、年齢制限のせいで利用できるペットホテルが見つからない・・・
どうしても家族の病気などで家を空けなくてはならないのに、愛犬を預けることができない・・・
そんなことがないようにするにはどうすればいいでしょうか?
わたしは、次のようなことを提案したいと思います。
◇まだ愛犬が若いうちから信頼できる預け先を探して関係を築いておく
ケージレスのペットホテルのいいところは、たくさんの犬達とふれあいを持つことができることです。
子犬~若いワンちゃんをそういう環境に慣れさせることによって社会化も進み、応用力のあるワンちゃんになりますし、懇意にしているペットホテルであれば、その子の性質も扱い方もよく心得ているため、規約にある年齢制限にとらわれることなく、
「ああ、〇〇ちゃんならもちろん大歓迎ですよ!まだまだ元気だものねぇ~♪」
と言って預かってくれるホテルはきっと多いでしょう。
(いわゆるチェーン店は、会社の決めた規約どおりに運営しなければならないので、その可能性は低いかと思いますが・・・)
また、飼い主さんご自身がペットホテルのオーナーやスタッフとの間に信頼関係を築けていれば、もしも不測の事態が起きたときも、お互いにイヤな思いをすることは少ないでしょう。
「ここのスタッフになら、安心して預けられる。
もし、預けている間に愛犬が寿命を迎えたとしたらとても不本意だけど、きっとそれは、スタッフのみんながあの子のためにベストを尽くしてくれた結果に違いないと思える。」
そんなペットホテルがあれば、きっと心強いことでしょう。
もちろん、ペットホテルに限らず、ペットシッターさんやお友達や親戚で愛犬を快く預かってくれる人でも構いません。
欲を言えば、そういう先が多ければ多いほど、先々安心していられるといえますね。
さて、ちょっと横道に逸れすぎてしまいました(^_^;)
次回はケージレスのペットホテルに向いている犬と、そうでない犬についてのお話です。
<今日のpethotel11!>
「みんな久しぶり~!」ってな感じで 入ってきたEちゃんです(笑) 今日からまたよろしくね♪ |
初めてのお泊りで緊張MAXのAくんです(笑) |
大きなGくんは初めてだけど緊張感ゼロ♪ |
Eちゃん「ん?コレはなんだ?」 |
Gくん「ボクだよぅ~~!こんにちは♪」 Eちゃん「わあ大きい!よろしくね♪」 すぐに仲良しになったヨ(*^_^*) |
Aくん、まあまあそうキンチョーしないで(*^_^*) |
「ボクも~、ワタシも~!」 アンタたちはキンチョーしてないでしょ?!(笑) |
今日からお世話になりまーす♪ Cちゃんも初めてのお泊りだけど余裕~! Cちゃん「何して遊ぼうかな~♪♪」 |
そして・・・すごーく甘えん坊さん(笑) |
すぐにみんなと仲良くなりました! |
Aくんはドキドキしてるけど Cちゃんはお構いなし |
Aくんもそーーっとクンクンできたね! |
だいぶリラックスして歩き回ってみるAくん |
よーし、お庭で遊ぼ♪ |
どこでオシッコしよっかな~・・・ |
Aくん、お庭でオシッコもウンチもして、 すっかりリラックスしたね♪ |
Aくん「チャコちゃん、何笑ってるのさっ?!」 チャコはAくんがリラックスしてるのが 嬉しいんだって♪ |
夕方のお散歩 |
Aくんもみんなと一緒に上手に歩けたよ! |
ん~~、いい顔してる♪ だいぶ涼しくなってきて嬉しいね(*^_^*) |
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