2018年8月19日日曜日

大型犬はおりこうさん、小型犬は?③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





前回ブログのつづきです。


【許されることが多い小型犬の苦悩】


●甘やかされている小型犬は幸せなのか?


大型犬に比べて、小型犬はその小ささや軽さ、そして可愛らしさを武器に、多くのことを飼い主さんから


「しかたないなぁ~~・・・(デレデレ♪)」


と許されているワケですが、ここで問題になるのは、


たくさんのことを許されて甘やかされている小型犬は、キチンとしつけられた大型犬よりも幸せなのか?


ということです。

そこで、ちょっと次のようなご家庭を想像してみて下さい。



●花ちゃんとパパとママのお話


花ちゃんは3才の一人っ子です。

パパとママは共働きですが、花ちゃんは保育園に行っていないので、日中はママがパートに出ている間、一人でお留守番しています。

パパとママは、花ちゃんにあまり構ってあげられていない罪悪感から花ちゃんのことを甘やかしてしまっているので、花ちゃんはいつもきれいなお洋服を着せてもらっている、とっても可愛い女の子ですが、ずいぶんワガママに育ってしまっています。

パパとママは、しつけや健康に良くないなぁ・・・と思いながらも、花ちゃんが泣くと花ちゃんの言うことは大抵なんでもきいてあげちゃうんです。


花ちゃんが「お野菜きらい!」と泣けば好き嫌いも許してしまいます。

花ちゃんが「ハミガキいや!」と泣けば「仕方ないなぁ」と許してしまいます。

花ちゃんが「コレほしい!」と泣けば、「わかったわかった」とオヤツやオモチャを買ってあげます。


花ちゃんのパパもママも、本当は花ちゃんのワガママを直したいと思っているんです。

でも、泣き叫ぶ花ちゃんを静かにさせる一番ラクな方法は、花ちゃんの要求を叶えることですし、何よりも要求を叶えてあげた時の花ちゃんの笑顔を見るのが嬉しくて、ついつい甘やかしてしまっているのでした。


ところが・・・

いつでも花ちゃんのワガママをきいてあげられるかというと、そういうワケにはいきません。


週末、家族揃って遊園地に行って、乗り物の順番待ちをしていると「待つのイヤ!先に乗りたい!」と泣き叫ぶ花ちゃん・・・

親戚が集まる法事で、「オマエたちは花ちゃんを甘やかしすぎだぞ!」とママがオジサンに叱られている隣で「こんなごはんキライ!オムライスが食べたい!」と泣き叫ぶ花ちゃん・・・


そんな時、いつもは「しかたないわねぇ~」とか「はいはい、わかったわかった」と言うことをきいてくれるママとパパが、花ちゃんにイライラしてコワぁい顔で怒るんです。

けれども花ちゃんは泣き止むどころか ますます激しく泣き叫ぶばかり・・・

しまいにママはヒステリックに叫ぶんです。


「んも~~~!この子はどうしてこんなにワガママなのっ?!一体どうしたら泣き止むのよっ?!勘弁してちょーーーだいっ!!ムキーーーーー!!」




さて、花ちゃんをこんなにワガママな子にしてしまったのは一体誰なんでしょうか?

ワガママをパパとママにいつもきいてもらえている花ちゃんは、毎日幸せいっぱいなんでしょうか?



●幸せってなんだっけ?


わたしは、花ちゃんはふたつの意味でとても可哀想な子だと思います。


◇「当たり前」の不幸


ひとつは、花ちゃんにとって、自分の願いが叶うことが「当たり前」になってしまっていることです。


わたしたちは、なかなか手に入らなかったものがやっと手に入った時、大きな喜びを感じます。

キツいお仕事を頑張って頑張って・・・やっと休日を迎えるから嬉しいんです。


いつでも欲しい物が簡単に手に入ったり、毎日朝から晩までグウタラしていれば、それはもはや幸せを感じる機会が少ない不幸な状態に他なりません。

残念ながら、花ちゃんは泣けば何でも言うことをきいてもらえるため、日々の幸せを実感することができなくなっています。

逆に、当たり前のように自分のワガママが通っている日々の中で、少しでもそれが叶わないことがあれば、まるで不幸のどん底のような気持ちになってしまうでしょう。

花ちゃんは、幸せだと感じる時間よりも不満に感じている時間の方が長い・・・そんな可哀想な子なんですね。


◇パパとママを信頼できない不幸


自分が泣き叫べば、まるで家来のようにワガママをきいてくれるパパとママのことを、花ちゃんは「すごいなぁ~!」と尊敬できるでしょうか?

残念ながら、その可能性はとても低そうですね。

花ちゃんはパパとママを家来のように思っているのに、時々その家来たちは突然目を三角にして花ちゃんをヒステリックに叱るんです。

その豹変ぶりは花ちゃんにとってまったく意味不明で、花ちゃんをパニックに陥れます。

一貫性のないパパとママの態度に戸惑いながら日々を過ごす花ちゃんは、精神的にとても不安定になってしまうでしょう・・・可哀想ですね。



●ご都合主義の飼い主さんになっていないか?


花ちゃんのパパとママの一番の問題点はどこにあるでしょうか?

それは、花ちゃんのためを思って、毅然として一貫性のある態度で花ちゃんに接してあげていないことです。

花ちゃんに、「これはイイ」「これはダメ」ということをキチンと教えることなく、自分たちの都合で気まぐれに許したり罰したりしていることです。


「ダメ」と思っているのに「時間がないから早く黙らせよう」とワガママを受け入れたり・・・

「ダメ」と思っているのに、花ちゃんの可愛い笑顔を見たいから、または花ちゃんに嫌われたくないからという理由でワガママを許してしまったり・・・

普段はそんな風に許してしまっているワガママを、「人目があるから」とか「恥ずかしいから」という理由で突然叱ってみたり・・・


それらはすべて、自己満足や自己都合で、本当に花ちゃんのことを思ってしていることではありませんね?

パパやママは、花ちゃんのしつけに時間や労力を割いて花ちゃんと真剣に向き合ってくれていない・・・それは悲しいことに花ちゃんに伝わってしまっていると思うんです。


さて、花ちゃんのお話を読んでいて、愛犬に対するご自身の態度とオーバーラップしていると感じた飼い主さんはいらっしゃいませんか?


人間の子供にとっても飼い犬にとっても、何よりも幸せなことは、日々の小さな要求が叶えられることなんかじゃなくて、パパやママ(飼い主さん)が自分のことを真剣に考え、時間と労力を割いて自分と向き合ってくれることではないでしょうか?

そして、一貫性のある態度で毅然として自分を導いてくれ、「すごいなぁ」「かっこいいなぁ」と思えるパパとママ(飼い主さん)でいてくれることではないでしょうか?



●ワガママな小型犬の胸の内


きっと、多くのワガママを許されて問題行動だらけに育ってしまっている犬たちは、日々こんな風に思って暮らしています。


ーーーーーーーーー
お腹が空いたよ!ゴハン早くしてよ!
・・・ったく、家来のできが悪くて困ったモンだ・・・

なんだこのゴハンは?オマエが食べてるそっちの肉をよこせよ!
・・・ったく、家来のくせにナマイキな!

「うるさいだって?」そっちがうるさいわっ!
何を急に威張ってんだ?家来のくせに!

オイ、ボールを投げて遊びの相手をしろっ!
早くしろよ、ノロマだなぁ~~!

オイコラ、抱っこしろったら!
どんだけ吠えたら言うことをきくんだ?
使えないヤツだなぁ・・・

キャアアアーー!!
ぶたれた!!
なんで急にそんなことするんだ?!
コワイよコワイよ~~~~!!

どうすればいいんだよぉ~~~?!

コイツ・・・もしかして情緒不安定のヤバいヤツなのか?!
油断ならない・・・気をつけなくっちゃ・・・
ーーーーーーーーー


なんだかこう・・・いつもいつも欲求不満で、ちっとも幸せそうに見えないですねぇ(-_-;)

飼い主さんのことを「情緒不安定なヤツだから気をつけなくちゃ」なんて思っていたとしたら、毎日をさぞや不安な気持ちで過ごしていることでしょう。



小型犬への「ま、いっか♪」という”手抜き”や、「可愛いから今日だけ許しちゃおう♪」という”気まぐれ”が、どれだけ愛犬を不安な気持ちにさせ、幸せとは程遠い生活を強いているか・・・

その自覚をぜひ、多くの(特に小型犬の)飼い主さんに知っていただきたいと思っています。


アナタが愛犬のことを


「まったくも~~、困った子!」


と思っているのだとしたら、間違いなく愛犬の方もアナタのことを同じ様に思っているということですね(^_^;)




さて、次回はもしオタクのワンちゃんが花ちゃんのようになってしまっていたとしても
ダイジョーブ!っていうお話です。






<今日のpethotel11!>

朝のおさんぽ♪
Mちゃん、威張っております(笑)

Sくんはお散歩がすごーーく上手!

Bくん、いいお顔だね♪

Pくん「今日も涼しいよ~!」

涼しいと、お外遊びいっぱいできるね♪

Bくん「Pくん、今日は何して遊ぶ?!」
Pくん「じゃあ、犬ごっこしよっか!」
・・・???(-_-;)

Nちゃん「ねえボスぅ~、ボール取りっこしよ!」
ボス「やだ!」

あっという間に奪われました(笑)

ボス「まてまてーー!!」

Nちゃん「ホラホラ、早く取ってごらんよ~!」

あ・・・・もう諦めたの?

ボス「だって、Nちゃん速すぎるんだもん」

Pくん「ボス、イジけてまーーーす」
放っておいていいよ(^_^;)

MくんとPくんも、なかなか馬が合うみたいだね!

「ちわーっす、Sくんでーす!
ボク、いっつもお庭でココにいるワケじゃないんだよ」

「ホラ、見てぇ~、ココも好きなんだっ♪」

「お友だちになったホウキくんだよ♪」

・・・はじめまして ホウキくん (-_-;)

Mくん「ホウキなんかと遊ぶなら
ボクと遊んでくれればいいのに」

まあまあ、そっとしといてあげてよ(*^_^*)

ブラッシングタイムで連れ去られるSくん

「お!Sくんガンバレ~~~!」
ギャラリーから熱い声援がとんでおります!(笑)
Sくん、すごく頑張ったね!
また遊びにおいで、待ってるよ~(*^_^*)

夕方のおさんぽ。
みんなの目線の先には・・・犬がお散歩中~
「おーーーーいっ!!」

そして、Nちゃんだけが身を乗り出して
見つめるのは
キャッキャ嬌声をあげて遊ぶ子供たち(*^_^*)

Nちゃんは珍しく子供大好き犬なんだよね~!