前回のブログにつづき、「日本最初の盲導犬」という本の中で、犬嫌いまたは犬と初めて触れ合う失明軍人さん2人が文字通り手探りで盲導犬の訓練をした時の”訓練日誌”から、しつけの基本を再確認していきまーす。
【しつけの基本を見直す(つづき)】
●甘やかしすぎても厳しすぎてもうまくいかない
訓練の6週目になると、最初は犬嫌いだった失明軍人さんも、初めて犬に触れた失明軍人さんも、自分が担当した盲導犬のことが大好きになります。
2人は犬への深まる愛情に溺れて犬を甘やかしすぎるようになっていった様子が伺えます。
すると、目の見えない人を誘導中に、本来は止まらなくてはならないところで犬が止まらなくなるという事態が起きるようになったのです。
2人はまた、盲導犬を甘やかしただけでなく、訓練が順調にいっていたために つい犬に自分たちが甘えて周囲を杖でよく確認しないまま指示を出すようになってしまっていたとも自覚しています。
彼らの日誌には、この件を
「これは初めて犬を飼う人が必ず一度は経験すること」
だとする注意喚起が残っています。
実はこれは、今現在でも盲導犬訓練の最も気を付けなくてはならない注意事項とされています。
盲導犬の育成所でどんなによく訓練された犬でも、各家庭に入ってからの犬の扱い方次第で誘導技術そのものが著しく落ちるといいます。
それは、甘やかしすぎた場合だけでなく、厳しく接しすぎた場合もです。
盲導犬に限ったお話ではありません。
しつけ教室や犬のようちえんでトレーニングしてもらった子が、飼い主さんのお家に戻って少したつと、たちまちトレーニング前同様に問題行動が再発してしまうということは、耳にタコができるほどよく聞くお話です。
犬をしつけるにはまず、飼い主さん自身が犬との接し方について決めたルールをきちんと守り、節度とけじめのある接し方を心掛けること。
そして、とっても大切で一番難しいのは、このルールを犬に関わるご家族全員が共有して守ることです。
本の中には、盲導犬とご家族のかかわりについても書かれていて、大変参考になります。
●恐怖心を与えても何も生まない
犬に関してまったく素人(しろうと)だった2人の失明軍人さんが、1か月半の期間、真剣に担当する盲導犬と向き合い、試行錯誤を繰り返した結果、訓練の心構えとして到達した答えが・・・
「犬に恐怖心を与えて支配しようとするような手段は極力回避しなくてはならない。
むしろ犬を信頼して一心同体となり、ほめてのばす方法がもっとも犬を早く上達させる」
ということです。
彼らは実際に、吠えるのを止めなかったオスの盲導犬(ボド)を棒で叩いてしまったこともありました。
スパイクカラー(内側にトゲトゲがついた首輪)を盲導犬につけて訓練するということも試してみました。
けれども、結果的にそういった恐怖や痛みを犬に与えるような訓練はうまくいかなかったというんですね。
脅かしたり叩いたりすれば、確かにその時は困った行動を強制的に、しかも瞬時に止めることができるでしょう。
けれどもその方法は、長い目で見た時に、犬の身に着くようなものではないのは明らかですね。
そればかりか、痛みや恐怖を与えるしつけは、人間と犬との信頼関係を崩しかねず、真のしつけという意味ではかえって後退してしまう・・・そのことを決して忘れてはなりません。
●手を抜かない
2人の軍人さんはまた、
「犬が失敗した場合、見逃すのではなく、間違ったことをきちんと教えて、同じ場所でもう一度やり直させなければならないと分かった」
という記録を残しています。
犬がある程度できるようになってくると、人間の方がいい加減になってしまって、なあなあにしてしまうってこと、ありませんか?
やってもやらなくてもどっちでもいいようなことは、ハナからしつけなくてもいいのかもしれません。
でも絶対に守ってもらいたいことは、決して「まあいっか」にせずに、面倒でもその都度ワンちゃんに教えなおすという根気を持ちましょう。
とはいえ、忙しい時だったり人前だったりすると、ついつい失敗を見過ごしてしまいがちなんですよね~・・・
特に日本人の飼い主さんは、人前では愛犬をたしなめない人が多いようです(^-^;
相手が人間の場合は「仕方ないわね、じゃあ今日だけよ」が通じるかもしれませんが、犬にそんなことをしたらかえって混乱してしまって可哀相だということを肝に銘じておきましょう!
●無知の知
ソクラテスの言葉ですね。
自分が無知だということを知ることが真の認識に至る道である
という意味です。
本に登場する、犬に触れたこともなかった2人の失明軍人さんは、犬について解ったつもりになっている人よりもずっと素直に、そして真摯に犬に向き合っていたのではないでしょうか。
また、目が見えない分、目が見えているわたしたちが見落としがちな、犬のちょっとした息遣いの差などにも敏感に反応することができたのかもしれないと思いました。
彼らの訓練日誌からは、
「いかにして犬に自分たちの意思を解らせるか?」
よりも
「いかにして犬の意思を人間が正確に汲み取るか?」
ということに心を砕いていることが随所に見て取れます。
コミュニケーションの仕方も生態も異なる犬に対して、こちらの意を汲んでルールを守ってもらうためには、むしろ犬の気持ちをよく知り、それに沿った形で行うことがいかに重要か?
という真理に彼らが到達した証なのではないかと感じました。
それにしても、犬が嫌いだったり犬を飼ったこともなかった2人の失明軍人さんたちが、たったの1か月半という短い期間で、2頭の盲導犬を立派に訓練し、使用者が盲導犬の扱い方を習熟する方法を確立させたんです!!
頭が下がって下がって、もう”立位体前屈”状態ですよ~~~~!!( ノД`)
日々、ワンちゃんに接するわたしとしては、初心を忘れてはいけないなと、身が引き締まる思いがしました。
最後に・・・本書を読むと、盲導犬たちがいかに人間のために自分たちを犠牲にして尽くしてくれているかが、あらためて分ります。
最近ではそんな盲導犬たちを叩いたり蹴ったりするような使用者がいるというお話もよく聞きます。
ハンデキャップを負っているということは、何をしても許されるということではありませんね。
盲導犬は使用者を選べません。
心無い使用者の元からは、1日も早く盲導犬を保護してあげて欲しいものです。
<今日のPet Hotel 11!>
モカちゃんがお泊りにきてくれたヨ! 更に!”なつ”とモカちゃんの元飼い主さんが くりんくんと一緒に遊びに来てくれて みんな大喜び(*^▽^*) |
この甘えた顔!!(^▽^) |
元飼い主さんのお母さんも一緒に来てくれたヨ! モカちゃん、感慨深げ♪ |
ウリだっピョ~~~~ン!! |
ボス、うしろうしろっ!!(笑) ボールを渡したくないボスと ボールを取ってボスに追いかけてほしいウリくん |
ワタシ、シャンプーしてさっぱりしたのよ♪ どう?綺麗でしょ? |
・・・って、メガホン鬱陶しいなぁ・・・ |
メガホンちゃうわっ!! パラボラだわっ!! ・・・それも違う気がするよ~(^-^; |