前回のブログでは、身体や心が弱っている人を感知するオオカミとの不思議なふれあいをした人々のお話をご紹介しました。
そのオオカミの遺伝子を、犬たちは確実に引き継いでいると思えるような出来事はたくさん起きています。
そして、犬が弱き者に寄り添う行動がもたらすのは、決して単なる”気休め”ではないと感じるようなことも・・・
【犬が少年に起こした奇跡②】
●人生を変える事故
2年前の出来事です。
アメリカのユタ州に住んでいたカレブくん(6才)は、ひどい交通事故に遭ってしまいました。
診断は全身骨折と外傷性の重い脳障害。
呼びかけにも応じず、ただ横たわっているカレブくんの姿を見た家族は、もう二度とカレブくんの笑顔を見ることはできないのかと哀しみに暮れていました。
●カーネルがやってきた!
そんなカレブくんの治療の一環として、1匹のセラピードッグをカレブくんの元に通わせるという提案があり、ご両親は藁にもすがる思いでこれに同意しました。
選ばれたセラピードッグはゴールデンレトリーバーのカーネルです。
初めてカレブくんとカーネルを対面させた時のこと。
今まで呼びかけに対して、なんの反応も示さなかったカレブくんの瞳がかすかに反応したのです。
カレブくんの瞳に光が再び戻った瞬間でした!
●めざましい回復
その後も、カーネルはカレブくんのところに通い続けました。
そして、カレブくんは医師が驚くような回復を果たしていきます。
重い脳障害のために体を動かすことができなかったカレブくんが、
「どうにかしてカーネルにさわりたい」
という強い意志を持つことによって、懸命にカーネルに手を伸ばそうと頑張りました。
遂にカーネルに触れることができるようになると、今度は
「カーネルにおやつをあげたい」
と、自分の手でものを掴めるように頑張りました。
おやつがあげられるようになると、次は
「カーネルと遊びたい」
という思いから、掴んだ物を投げる訓練を頑張りました。
そんなふうにして、カレブくんは最終的には自分の足で立って、カーネルと並んで歩きながら笑顔で会話できるまでに回復したのです!
カレブくんがこんなに早く、ここまでの回復を遂げるとは誰も考えていませんでした。
カレブくんの回復の様子と、それに寄り添うカーネルの動画があります。
ぜひご覧ください!
【医療現場で活躍する犬たち】
カーネルの例以外にも、
・発作が起きる前に飼い犬が知らせてくれるので事故を未然に防ぐことができている。
・母親とも目を合わせることがない自閉症の子どもが、飼い犬とだけは見つめあう。
・うつ病だった人が、セラピードッグの訪問を受けるようになって劇的に回復した。
などといった、犬が心や体の弱った人に寄り添い、症状を改善させた事例はたくさんあります。
●人間が得たもの、失ったもの
人間は、その頭脳を活かして医療を進歩させてきました。
けれども、その医療では治せないような病を、医療の「い」の字も知らないオオカミや犬に治してもらっているケースがあるということを、どう考えたらいいのでしょう?
医療の進歩が多くの人を救ってきたことは間違いありません。
けれども、もしかすると人間は、それと引き換えに大切な何かを失ってしまっているのかもしれない・・・
そんな風に感じてしまいます。
●ただ寄り添い共感すること
わたしたち人間には、オオカミや犬のように他の人の心や体の病を感じとる能力はありません。
そればかりか、当の本人ですら自分のメンタルが傷ついていることを気づかないということもありますね(^-^;
また、わたしたちはオオカミや犬のように見ず知らずの他人に ためらうことなく寄り添うということも、なかなかできません。
けれども、オオカミや犬が起こした魔法のような数々のエピソードを聞くと、
「ただ寄り添って共感してあげる」
ということが、いかに大きな力を持っているかをあらためて考えさせられます。
よく、
「どうしてこんなデタラメな話を信じたんだ?!」
と思うような詐欺に引っかかってしまう人や、あやしい宗教にのめり込んでしまう人がいますね?
そういう人に接近する詐欺師や勧誘員の多くは、被害者のお話をとても親身に聞いてくれ、長い時間寄り添い、「うんうん」と共感してくれるんだそうです。
オオカミや犬は、自分の損得をまったく考えることなく、見ず知らずの相手にも分け隔てなく寄り添ってくれるというのに、人間ときたら共感力を犯罪に使用するって・・・
サイテーやね・・・(-_-;)
●セラピードッグとファシリティードッグ
病を癒す能力を活かして、医療現場で活躍する犬たちがいます。
カレブくんに寄り添い、奇跡的な回復を助けたカーネルはセラピードッグでしたね。
◆セラピードッグ
セラピードッグというのは、病気やケガを負った人や精神的な痛手を負った人、お年寄りなどと、ふれあいや交流を持つことによって人々の心と体を癒す働きをするよう訓練を受けた犬のことです。
セラピードッグは要請があると老人ホームや養護施設、被災地の幼稚園や小学校、病院やリハビリ施設などに派遣されていきます。
◆ファシリティードッグ
ファシリティードッグは、まだ日本には2~3頭しかいません。
セラピードッグとの大きな違いは、セラピードッグが”癒し”を期待されているのに対して、ファシリティードッグはもっと医療に踏み込んだ”動物介在療法”という役割を担っています。
セラピードッグは要請を受けてさまざまな施設に派遣されますが、ファシリティードッグは医療施設に毎日スタッフとして常勤するフルタイムワーカーです。
そのため、施設(ファシリティー)に所属している犬という意味でファシリティードッグというのですね。
また、ハンドラーは犬のトレーナーさんや飼い主さんではなく、特殊な訓練を犬と一緒に受けた医療従事者だというのも特徴です。
つまり、ファシリティードッグというのは犬の持つ不思議な力を単なる”気休め”ではなく、一定の医療効果があると認めた上で生まれた、新たな使役犬の分野ということになります。
次回はこのファシリティードッグについてもう少し詳しくお話したいと思います。
<今日のPet Hotel 11!>
優等生のグレイスちゃんは・・・ |
ラニくんに「オスワリ!!」って言うと・・・ |
見ていないところで必ず 律儀にオスワリしているの~~(^-^; |
”ダルマさんが転んだ” みたいにオスワリしているの~(^-^; |
ラニくん「オイラだってオスワリするよな~」 ボス「う・・・うん・・・」 |
ラニくん「なぁ!オイラ、オスワリしてるよなぁ~?」 マッシュくん「ボ・・・ボク知らないよー!」 |
マッシュくんとボスは お互いなんでも 譲り合い 「ボールどうぞ」 「いえいえ、どうぞ~」 |
冷えてきたからお部屋に入りなさーい! 「あ、どうぞお先に」 「いえいえ、キミこそ遠慮なさらずに~」 どっちでもいいから はよ入れーー!!(;'∀') |