【増え続ける犬種】
●現代も犬種が増え続ける理由は?
前回のブログでは、産業革命以降に犬種が爆発的に増えた経緯についてお話しました。
・貴族のステータスだった犬を中流階級の人でも飼えるようになったこと。
・時間とお金をもてあました有閑マダムの愛玩犬として外見重視の選択繁殖がブームになったこと。
・ケネルクラブの誕生によって、犬の容姿を競い合うドッグショーが過熱したこと。
などといったことですね。
ただ、現在は既に先進国において犬を飼うことはステータスですらないほど一般的なことになっています。
ごく一部の人を除いて、ドッグショーに興味のある人もそう多くはいませんね。
動物愛護の概念も浸透し、犬種不明の保護犬を引き取る人も増えています。
にも拘らず、今も休むことなく新しい犬種が続けられているのはなぜでしょう?
●MIX犬ブーム
つい最近まで、ケネルクラブに登録されている犬種以外の犬は”雑種”と呼ばれていました。
”雑種”っていう響きはあまりいい響きではありませんが、何も
「雑に作られた」
っていう意味ではありません。
”雑種”=”交雑種”
です。
”交雑”というのは、違う種類同士を掛け合わせることです。
ところが最近、MIX犬という言葉がありますね?
要するに雑種を英語にしただけぢゃ~ん!
と言う方もいらっしゃるでしょうが、そうではありません。
自然に違う犬種同士が交配した結果生まれた交雑種は”雑種犬”と呼ばれ、
人為的に違う犬種同士を掛け合わせて作り出された交雑種は”MIX犬”と呼ばれているんです。
お料理に例えると、”ごった煮”=雑種犬で、”カレーうどん”=MIX犬という感じでしょーか・・・
ごった煮には材料などの決まりはありませんが、カレーうどんは人々に料理名が認識され、どういったものかという共通認識があります。
ですから、最近のペットショップにはMIX犬それぞれについた”犬種の愛称”がちゃーんとプレートに記されています。
決して『雑種』なんて表示されていません。
MIX犬・・・最近よく見かけると思いませ~~~~ん?!
何を隠そう、何も隠しませんが、我が家の愛犬チャコがMIX犬(ヨーキー×シーズー)です(笑)
そう、今や空前のMIX犬ブームなんです。
人気のあるMIX犬をざっと挙げてみると・・・
・チワックス=チワワ×ダックス
(Pet Hotel 11!の超長期お預かり犬”なつ”はチワックスです)
・マルプー=マルチーズ×トイプー
・チワプー=チワワ×トイプー
・ラブラドゥードル=ラブラドールレトリーバー×プードル
・キャバプー=キャバリア×トイプー
・ポメチワ=ポメラニアン×チワワ
あ~~もうキリがない!
名前だけ書いていくので、何と何の掛け合わせか想像してみてください。
ポメックス、ポンスキー、ダップー、シープー、シュナプー、マルックス、ポメマル、ヨープー、ヨーチー、コッカプー、ポメ柴、チワパグ、パピチワ、ポメヨン、チワズー、ピンプー、チワピン、ペキプー
んも~~~イイよ!!イナフだっ!!
ってくらい列挙しましたが、実際にはまだまだあります。
現代でもこんなにたくさん、新しい犬種が作られていることがお解りいただけたかと思います。
●MIX犬はなぜ人気がある?
では、今どうしてMIX犬がこんなにもブームになっているのでしょう?
その理由は
・可愛い
・珍しい
このふたつの理由に尽きます。
上記で列挙したMIX犬たちの名前を見ていただければ解る通り、人気のある可愛らしい犬種同士の掛け合わせがほとんどですね。
実は、現在盛んに行われている犬たちへの繁殖介入の一番の理由は
ビジネス
コレなんです。
ビジネスなんて言っちゃうとカッコイイですけど、要するに金儲けですわ!
先進国=資本主義の悲しい定め・・・モノが売れなくちゃー、みんながお金を使わなきゃ―立ち行かなくなる社会でございます。
ペット業界の営業推進会議の様子が目に浮かぶではありませんか。
「犬、最近売れ行き落ちてますねぇ~!猫に負けてるなぁ~」
「犬を飼うことはもはやステータスでもなんでもないし、犬好きな人は既に犬を飼っているしな」
「チワワブームも、ダックスブームも、トイプーブームももう下火かねぇ・・・」
「なーんか爆発的にヒットするような犬種はいないもんかね~~」
「そうだっ!人気のある犬種同士をかけ合わせて、超カワイイ犬種を作るってのは?」
「お!それナーーイス♪」
実際に、MIX犬は大人気になりました。
MIX犬はまだ違う2犬種同士をかけ合わせただけなので、その外見も1匹1匹まったく違っていたりします。
つまりまだ「チワックスといったらこういう容姿」という定義がなく、ちゃんと育種されていないんです。
そのため、消費者側からすると
「キャアアーー!
ナニコレ~~~?!
ウソヤダ~~!
こんな子、見たことなぁ~~い!
おもしろ~~~い!
珍し~い!
欲っし~~~い!」
となり易いんですね。
まだ他に誰も持っていないような珍しい犬で、しかもとびきり可愛いとなれば、今まで犬を飼うつもりがなかった層の人の購買意欲を煽ることができるというわけです。
そして、今後も商品価値のある”売れそうな犬”は、人間の手によってどんどん作り出されていくことでしょう。
長くなるのでつづきはまた次回にします。
<今日のPet Hotel 11!>
”なつ”の変顔① |
”なつ”の変顔② |
シャンプーで疲れたチャコは爆睡してます(^▽^) |
ボスと”なつ”も爪切りイイ子に頑張りました♪ |