前回のブログのつづきです。
【犬種の多様性はこうして生まれた】
●最初の選択繁殖
まだ人間が狩猟生活だけをしていたころ、”優しい顔をした従順なオオカミ”は単に人間にとって、外敵の接近を知らせてくれたり、獲物を発見するのに便利な存在という位置づけだったのでしょう。
”優しい顔をした従順なオオカミ”にとっても、獲物の分け前を人間からもらえるというメリットは大きかったことでしょう。
ただ、この頃はまだ人間の分け前をもらえる程度の頭数しか人間と共生していなかったはずです。
この間、人間がより従順なオオカミを選択繁殖したため、オオカミたちはどんどん優しい顔つきになり、もはやオオカミと呼ぶにはふさわしくない姿になっていったと考えられています。
犬の誕生ですね!
ようこそ~~~♪
●増えるワンコたち
およそ1万1500年前、中東を中心に人間たちの生活に大きな変化が生まれました。
農業革命です。
狩猟でのみ生活していた人間が、小麦や大麦といった作物を育てて、安定的に食料を得ることが可能になりました。
獲物を求めて移住生活をしていた人間が、畑や村落を作って定住するようになったんですね。
このころ、十分な食料が得られることを背景に、犬たちは爆発的に繁殖したと考えられています。
犬は畑を荒らす害獣を追い払うという役割に最適だったことでしょう。
また、十分な食料を得た人間たちの残飯もまた十分にあったことでしょう。
急増した犬たちは、その後数千年かけて世界各地に散らばっていったと言われています。
けれども、現在発見されている多くの遺骨の調査から、BC3000年ころまでは、まだ犬の外見にはそれほど大きな差が見られないことも判っています。
つまりまだ多様化していなかったということですね。
●オオカミっぽくない犬の誕生
ここまで、犬の外見は単に「家畜家によって外見が変化したオオカミ」という程度の特徴しかありませんでした。
他の犬とは明らかに一線を画するような特徴がある犬の誕生は、古代エジプト時代だと言われています。
BC3000年ごろの壁画に描かれている犬は、細長い脚と体に小さな頭という特徴的な体型をしていて、現代のファラオファウンドやグレイハウンド、サルーキーに似た、オオカミとはまったく異なる姿形をしています。
BC2300年頃の壁画に登場する犬 |
これは、少なくともこの時代には人間が犬を外見的な特徴を変化させる目的で選別繁殖を行っていた形跡だとみられています。
エジプト第19番目王朝の時代(ラムセス二世の時代ですね)には、次のような狩猟犬についての記録が残されています。
「この赤褐色の長い尾を持つ犬は、夜になると狩りをするために丘の上のスタート地点に向かう。
狩りになるとこの犬は、いつも真っ先にそこに赴き、神のごとく顔を光り輝かせ、これから始まる狩りを思って喜びに興奮するのだ」
つまり人間が最初に意図的に外見的特徴を持った犬を作り出したことによって生まれたのは、狩猟犬に適した俊足の犬だったということでしょう。
ファラオハウンドは、もっとも古くから存在していたとされる“原始犬”のひとつだと言われていて、3000年以上に渡ってその外見はほとんど変わっていません。
●軍用犬の登場
狩猟犬の次に現れるのが軍用犬として活躍していたとみられる犬種です。
エジプトでも、戦争に犬を同行させていた様子が伺える壁画が残っているようですが、闘いに特化した強そうな外見をしている犬が登場するのはバビロニア時代(BC2000年ごろから)です。
ハンムラビ法典で有名な古代バビロニア王のハンムラビは、大型のマスティフに似た体格の犬を軍用犬として飼っていたといいます。
そのころから現在に至るまで、戦争の形はすっかり様変わりしていますが、犬たちはずっと人間の戦争の手伝いをさせられているのですね・・・
●牧羊犬と愛玩犬の登場
BC15年ごろからの古代ローマ時代になると、狩猟犬や軍用犬(護衛犬・番犬)などと並んで、牧羊犬という使役犬の存在を確認することができます。
そして、この時代になると、犬界にとっては画期的な革命が起きます。
それは・・・
愛玩犬という夢のような存在です!
役に立たなければ単なるタダ飯食らいだった犬たちがもらった新しいお仕事、それは・・・
可愛がられること(ホレーーーイッ!!)
狩や戦争のお手伝いをしなくても、牛や羊を追わなくてもいい・・・ただただ、オマエがいてくれるだけでワタシたちは幸せ♪
そんなことを言われるワンちゃんたちが多く出現したのは、このころだったと言われています。
●最古の愛玩犬
実は、愛玩犬の存在はもっと昔からあるにはありました。
最も古い愛玩犬はマルチーズだと言われています。
マルチーズはBC1500年ごろに、名前の由来となったマルタ島で、船乗りたちのペットとして飼われていたようです。
なるほど、船乗りには狩猟犬も軍用犬も必要ありませんね。
ただ、長い航海の退屈や寂しさを紛らわすのに、癒しをもたらしてくれる犬は最高の相棒になったに違いありません。
けれども、このころにはまだ、愛玩犬という考え方はさほど一般的ではありませんでした。
長くなるのでつづきはまた次回のブログで・・・
<今日のPet Hotel 11!>
初めてのお泊り 都合によりモノクロで~す! |
たくさんおさんぽしたよ! |
おさんぽを一緒にすると、がぜん仲間意識が芽生えて 仲良しになります♪ |
波浪警報が出た翌朝は、海岸にイイ感じの 流木が流れ着いたりしています。 お料理番が拾ってきてくれた流木 |
チャコ、その流木はつまんないから 持って帰らないよ~! |
ああ!海岸を歩くのってどうしてこんなに 楽しいんだろう?! ヨカッタね、ボス(笑) |