みなさんは闘犬をご存じですか?
犬同士を闘わせてそれを観戦するという、古くからあった娯楽です。
わたしは個人的に、これは虐待だと思っていますが、本当に残念なことに
我が国日本では闘犬が認められています。
(東京、神奈川、富山、石川では条例で禁止されています)
闘犬の愛好家によると、
「闘うために生まれてきた犬種だから闘わせた方が幸せ」
なんだそうです。
本当かなぁ・・・
わたしは、犬が他の犬に唸ったり吠えたりするのは、闘うことが嫌いな生き物だからだと思っているんですが・・・
闘いが好きなら奇襲攻撃をしかけるところを、ギリギリまで戦闘を回避するために相手に警告を発しているような犬が、
「ワーイ!毎日闘わせてくれてありがとう!」
って思っているなんて、とっても思えません。
さて、今日はそんな闘犬の中でも、更に悲惨な”ベイトドッグ”にされていたピットブルのお話です。
【もう闘わなくていいんだよ】
●満身創痍(まんしんそうい)
カリフォルニア州のモレノバレーのシェルターに、路上でさまよっていた1頭の若いピットブルが連れてこられたのは今年の夏のことでした。
その子は全身が引っ掻かれたような傷と、咬みつかれたような傷で覆われていて、ひどい感染症を起こしていました。
頭を低くうなだれて通りを歩き、周囲の人々の動きに慎重に気を払いながら座っていたそうです。
何よりも目立った傷は、おそらく他の犬に咬み切られたと思われる、一部の肉が無くなった上唇でした。
その子はまた、ひどい栄養失調でしたし、歯はすり減っていました。
そのすり減った歯の状態から、その子が恐らくブレイクスティックを使われていた闘犬だったことが窺い知れました。
※ブレイクスティックとは、犬を咬みついた対象から引き離すために使う、ナイフのような形をした固い木製などの道具で、咬みついている犬の奥歯の間にねじ込んで無理矢理口を開かせるようにして使うものです。
●専門団体へ
公営シェルターのスタッフには、その子がどこからやってきたかは判らなくても、その子がすぐに適切な処置を受ける必要があるということは判りました。
そこで、このようなケースに詳しい団体を探した結果、サンディエゴに拠点を置く ”It's The Pits Dog Rescue” というブル種専門の保護団体に対応を依頼することにしました。
”It's The Pits Dog Rescue” に移送されたその子は、Triumph(トリンプ)という名前をつけてもらいました。
●ベイトドッグ
傷の状態から、Triumphが”ベイトドッグ”だったことが明らかになりました。
”ベイトドッグ”・・・つまり、他の闘犬をトレーニングするために、次々に他の犬の闘いの相手をさせられる犬です。
ベイト(bait)とは”餌”のこと。
Triumphは、まるで飢えた動物の前に投げ入れられる”餌”のように、他の闘犬に練習相手として差し出されていた子だったのです。
人々はつい彼の辛い過去を想像してしまうので、Triumphの傷を見るのも辛くなりそうなものです。
けれども、Triumphと一緒に過ごしてみると、そんなことをスッカリ忘れてしまうくらいに、彼の愛らしさに心を奪われてしまうそうです。
●愛くるしい甘えん坊
”It's The Pits Dog Rescue”のコミュニケーションディレクター、アンドレアさんは
「Triumphは迷子になって路上をさまよっていました。
だから残念なことに人々は彼の傷を見て逃げてしまったのでしょう。
けれどもTriumphは、抱っこやキス、そしてとりわけお腹をナデナデされるのが大好きな愛くるしい甘えん坊で、どんな人も本当の彼を知れば、彼と恋に落ちずにはいられないようなキャラクターなんです」
と語っています。
こんな愛くるしい子だったから、闘犬にはなれないと判断され、”ベイトドッグ”にされてしまったのかもしれません・・・( ノД`)
●穏やかな日々
獣医師による傷や感染症への対処と、体重を増やすための栄養補給の甲斐あって、保護されてから数週間後には、Triumphの上唇の傷も手術することなくすっかり良くなりました。
それから更にほんの2~3週間で、Triumphの傷はほとんど目立たなくなり、それと同時に様々なことに目覚めていきました。
玩具で遊ぶことや、お散歩することも覚えました。
犬として生まれた幸せを発見することもできました。
Triumphは現在、里親さんの家で他のワンちゃんたちと一緒に平和に暮らしながら、日々新しいことを学び、社会化トレーニングを続けています。
彼はアクティブな遊びやお散歩も もちろん好きですが、どちらかというとインドア派で、ソファで抱っこしてもらっている時間が一番好きなんだそうです。
●アメリカ合衆国での闘犬の実態
アメリカ合衆国では、50の州全てで闘犬が禁止され、重罪の位置づけになっています。
にも関わらず、寄せられる通報や、闘犬による傷を負って保護されるTriumphのような子の数から推察して、ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)は、現在でも闘犬に関わる人は数万人に上ると推察しています。
インターネットの普及によって、密かに闘犬仲間が声を掛け合って集まることが可能になったことで、近年はむしろ増える傾向にあるのだとか・・・
人間って残虐な生き物ですね。
●幸せになってね
Triumphは現在、里親さんの元で正式に家族として彼を迎えに来てくれる人を待っています。
ちなみに、Triumphという名前には”勝利”という意味もありますし”見返す”という意味もあるんです。
いい飼い主さんに巡り合って、”ベイトドッグ”としてTriumphに闘いを強いていた人たちを見返すくらい、う~んと幸せになってほしいですね!
ところで、現在のTriumphは、大好きな闘いができずに不幸だと思う方はいらっしゃるでしょうか?
闘犬たちがどんな酷い仕打ちを受けているかがよく解る映画があります。
以前の記事でご紹介した映画なので、ご興味のある方はぜひ
<今日のPet Hotel 11!>
寒い季節は、空の色がとっても綺麗♪ 女子トークもはずみますな(笑) |
ボス・・・なにそのモジャモジャは・・・? |
ウリだよ~~~~~ん! (笑) |
なんだかんだ言って・・・ |
ウリくんとボスはものすごく仲良し♪ |
助けてください助けてください! ハナ、寒くて抱っこしてもらわないと死んじゃいます~! はいはい・・・(;'∀') |
どーも!お世話になりましたっ! また来るのでヨロシク! はいはい、トリミングも獣医さんもよく頑張ったね! またおいで~(^▽^)/ |