前回のブログでは、犬の飼い主さんの方が猫の飼い主さんよりもペットと共依存関係になりやすいことの裏付けになりそうな研究結果をご紹介しました。
犬の飼い主さんは、自分が注いだ愛情に愛犬が応えてくれるところが愛しいと感じているので、愛犬によって承認欲求が満たされる。
猫の飼い主さんは、注いだ愛情に猫が応えてくれなくても単純に猫を愛しいと感じているので、愛猫によって承認欲求は満たされない。
ということでしたね。
今日はもう一つ、猫ちゃんに関する興味深い研究結果のお話をします。
【飼い主なのに保護者じゃない?!】
●実験概要
イギリスのリンカーン大学動物行動学チームの研究です。
成猫20匹とその飼い主さんに参加してもらい、実験室での猫たちの行動を観察しました。
何も物が置かれていない殺風景な実験室は、もちろん猫たちが初めて来る場所です。
そういう超不安な見知らぬお部屋の中で、
飼い主さんと部屋で一緒に過ごす時
飼い主さんが出て行ってしまった時
見知らぬ人が入ってきた時
見知らぬ人と部屋で一緒に過ごす時
見知らぬ人が部屋を出て、飼い主さんが部屋に戻って来た時
の猫たちの様子を観察し比較するという実験です。
この実験方法は、人間の子どもと母親の愛着関係のパターンを探るためにもよく用いられる方法でエインズワース・ストレンジ・シチュエーション・テストっていう名前がついています。
●実験結果
結論からいうと、猫たちの行動パターンは、飼い主さんと一緒の時と見知らぬ人と一緒の時で、大きな差がみられませんでした。
ネコは、見知らぬ人といる時よりも飼い主といる時により多く鳴き声を発することはありましたが、
「ネコと飼い主の間に安全について依存関係(愛着心)があることを示す証拠は(鳴き声以外には)見られなかった」
と、論文共著者の行動医学者ダニエル・ミルズ(Daniel Mills)氏が語っています。
「愛着心の他のサインは確実に見られなかったことから、鳴き声は単にフラストレーションのサインか、あるいは学習した反応なのではないか」
とミルズ氏。
「なじみのない環境では、依存関係にある個体は保護者の近くにいようとし、離れているときには苦痛のサインを示し、愛着心の対象が戻ってくれば喜びを示すが、こうした傾向は今回の研究でははっきり現れなかった」
そして、この結果は、飼い主さんご自身が
「ウチの猫はよく自分になついている」
と言っている猫であっても変わらなかったというんです。
(出典:ZME science)
●犬の飼い主さんからしたら・・・
この結果に、ワンちゃんしか飼ったことがない人はビックリするのではないでしょーか?
そう、愛犬家の方は、もし自分の愛犬がこの実験に参加したと仮定して、結果を容易に想像することができるはずです。
とりわけ、一旦部屋を出ていた飼い主さんが戻って来た時の愛犬の様子・・・
シッポはお尻ごとフリフリ、足元に跳びついたりまとわりついたりして、中には嬉しくてオシッコしちゃうような子もいるくらい、感極まった大興奮状態になるに決まってますよね?
猫には・・・それが・・・ない!
見知らぬ実験室に置いてきぼりにされたペットの元に愛する飼い主さんが戻ってきたというのに、寄っても来ないで「ニャー」って鳴くだけ・・・だなんて、ワンちゃんの飼い主さんからしたら
「え?ちょっとこれ・・・何のプレイ?」
って感じるほどのことでしょう。
●実験結果から解ること
犬にとって飼い主は”固有の安全地帯”つまり”保護者”の役割を果たしているけれども、猫は飼い主をそうはみなしていないってことですね。
飼い主さんがキャットフードやキャットタワー、トイレや猫砂、数々のおもちゃを与え、医療費をいっぱいかけて、猫ちゃんの保護者の役割を立派に果たしているにも関わらずです。
昔からよく
「犬は人につき、猫は家につく」
って言われています。
猫はテリトリー意識がとっても強いので、慣れ親しんだ居心地の良いテリトリーを大事にするため、家につくっていう考え方になったのかもしれませんね。
でも、実際には、お引越しなどで慣れない環境に置かれた場合、馴染むまで多少の時間はかかるものの、猫はそこにまた新しいテリトリーを作ります。
要するに、猫ちゃんは、居心地のよい場所(テリトリー)を確保していたいだけで、そういう環境を用意してくれている飼い主さんが大好きってことになるのかもしれません。
ですから、正確には
「犬は人につき、猫は人にはつかない」
かも・・・?
●犬にとって避難場所は飼い主さん
猫ちゃんとちがって、ワンちゃんの心の避難場所は自分のテリトリーというより、人間の子どもと同様に保護者である飼い主さんです。
つまり、生活はもちろん、心も飼い主さんに全面的に頼り切っているということです。
そして、ワンちゃんの飼い主さんは、頼られることで自分の存在価値を見出すことができるわけですから、猫ちゃんの飼い主さんに比べて共依存になってしまう可能性が高いってことですね。
気をつけよっと・・・(;''∀'')
【おまけ】
●オキシトシンはじめて物語
前回のブログで、愛情ホルモンや愛着ホルモンとも呼ばれているオキシトシンについて触れましたね。
飼い主さんに対して、猫はあまりオキシトシンを分泌しませんでした。
けれども、皮肉なことにこの愛情ホルモン:オキシトシンが最初に発見されたのは猫だったんです!
発見者のヘンリー・デイルは、1900年初頭に、妊娠中の猫を研究していて、子宮の収縮を促進する働きを持っていたホルモンを発見。
ギリシア語で「迅速な出産」を意味する「オキシトシン」という名前になったんだニャ~~!
●AIに猫だと判断された”なつ”
先日、受け取ったメールを見て大笑いしてしまいました。
差出人はGoogleさん。
時々GoogleのAIが、Googleフォトフォルダ内の写真を勝手にGIFアニメーション化したりコラージュしたりして
「こんな風な画像のアレンジメントはいかがっスかぁ~?」
っていう提案をしてくれるんです。
(頼んだ覚えはないんだけどね・・・)
で、その日にきたメールの中で提案されていたのは・・・
「お客さまの写真から生成されました猫のムービーを見てみよう」
そのムービーの被写体は、紛れもなく超長期お預かり犬、
チワックスの”なつ”様でした
( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
ちなみに、”なつ”以外の子のムービーは当然
「犬のムービーを見てみよう」
でした(笑)
<今日のPet Hotel 11!>
AIに猫と判定された”なつ” ( ̄m ̄〃)ぷぷっ! |
確かに・・・Felixに似てるけどね~ |
猫の烙印(笑) |
ハナちゃん、トリミング前 |
ハナちゃん、トリミング後 |
ハナちゃん、トリミング前 |
ハナちゃん、トリミング後 |
朝のおさんぽ♪ |
後光のパラボラ効果がすごすぎて チャコの顔がまっくらですがな(・_・;) |
ハルちゃんを吸引しようとしているとしか思えません 逃げて―ハルちゃん!(;''∀'') |