前回、前々回のブログで「日本最初の盲導犬」という本の紹介をさせていただきました。
この本を読んでいて、犬のしつけについて改めて感じたことがあります。
今日はそのお話をさせてください。
【しつけの基本】
世の中には犬のしつけに関する情報が溢れかえっていますね。
大抵の情報は
「ハイハイハイハイ、わかってま~~~す」
と言いたいようなものです。
毎日愛犬と触れ合っている飼い主さんは当然、誰よりもご自身のワンちゃんのことをよく解っているでしょう。
そのため、つい愛犬への接し方がテキトーになっていたり、手抜きになっていたりということはないでしょーか?
「ないヨ!」
という方はどうぞこのお話はスルーしてください。
●犬嫌いの人が・・・
本の中に、ドイツからやってきた盲導犬を日本国内で訓練するよう命じられた軍人さんが登場します。
ドイツで盲導犬としての基本訓練を終えたシェパードとはいえ、日本の生活様式や住宅事情はドイツとは異なりますし、何よりも盲導犬を扱うノウハウ自体が当時の日本にはありませんでした。
そこで、実際に戦場で失明した軍人さんに、陸軍病院内で盲導犬を担当させ、育成させることによって、日本式の誘導方法の開発や、盲導犬使用者の習熟方法を確立させることにしたんですね。
超合理的な実践訓練ってワケです。
その役割を命じられた軍人さんの1人は、犬を触ったこともない、犬嫌いで有名な人でした。
また別な1人も、犬嫌いまではいかなくてもやはり、犬を飼ったこともない人でした。
今後、盲導犬をどんどん育成しようと意気込んでいた当時の関係者は、盲導犬を扱う使用者になる人は、必ずしも犬を好きな人ばかりではないということまで想定して、そのような人選をしたのでしょうか・・・
その辺りは本の中では明らかになっていません。
けれども 結果的に彼らは犬に対する先入観がまったくない状態で、自分が担当した1頭の犬と向き合うことで、素晴らしい成果を上げているんです。
2人の失明軍人さんがつけていた訓練日誌は、現代を生きるわたしたちにとっても大切なことを再確認させてくれる内容でいっぱいです。
●排泄の失敗
ドイツからやってきた4頭の盲導犬たちは、既にトイレットトレーニングされていました。
オシッコは1日1~2回、ウンチは1日1回
いずれも屋外に排泄に行かせるという方法だったようです。
今のわたしたちから見ると、
「ちょっと少ないんじゃあ・・・犬が可哀相・・・」
と感じてしまう回数ですね(;'∀')
お話を本題に戻します。
ところがある日、ボド(♂)が陸軍病院内の階段でウンチをしてしまった・・・
ボドはお腹を下してしまっていたんですね。
それについて担当した失明軍人さんは
「犬が異様に鳴いて何度も外に出たいと求めた時には外に出すことを必要とする」
と反省の弁を述べています。
当たり前・・・といえば当たり前のことですが、この失敗、実はわたしも経験があるんです~(-_-;)
トイレの失敗はまずない チワックスの”なつ”が深夜に突然鳴き始めた時のことです。
”なつ”が激しく鳴いたり吠えたりするのは大抵、猫やカラスなどの気配を感じたときです。
また、その時はたまたま”なつ”の大すきな”モカちゃん”が遊びに来て帰ってしまった晩でもありました。
そのため、わたしは”なつ”が鳴いているのは、猫か何かが外を通ったか、モカちゃんがいつの間にか帰ってしまったのが寂しくて、モカちゃんを呼んでいるかのどちらかだろうと決めつけてしまったんですね。
ところが、”なつ”が鳴いていた原因は下痢でした。
あの時は、本当に可愛そうなことをしたものです(´;ω;`)
「違いますから~①」
「違いますから~②」
「違いますから~③」
普段と違う鳴き方をしたり、吠えられては困る場面で、いつもなら吠えない子が吠えたりする場合、まずは体調不良を疑わなくてはなりません。
人間の都合でつい叱ったり、鳴きやませることばかり考えてしまうと手遅れになってしまう場合もありますから、今一度肝に銘じておきたいですね!
●犬の個性に応じて
盲導犬の訓練を始めて4週目の軍人さんたちの日誌には
「犬の個性に応じた誘導にしなければならない」
という議題について話し合われた記録が残っています。
危険に出くわした時に、その場にピタリと止まる犬と、使用者の前に入り込んで行く手をさえぎる犬とがいたんですね。
これはふたつの大事な基本をわたしたちに教えてくれています。
◆目的は何か?
先の盲導犬のふたつの行動パターンは、どちらも正解ですね。
どっちのやり方でも使用者に危険を知らせることができるんですから、やり方が違っていても目的は達せられています。
わたしたちは、しつけのノウハウ本などの影響で「こうでなければならない」を犬に押し付けてしまいがちです。
でも、その中にはもしかすると「どっちだってかまわないじゃーん」ということが含まれているかもしれません。
たとえば、おさんぽの時に自分の右側を歩かせるか左側を歩かせるか・・・というような細かいことについては、ショーに出す犬や補助犬の場合は重要かもしれませんが、一般のご家庭のワンちゃんには必要のない決まりかもしれませんよね。
しつけ本を鵜呑みにするばかりでなく、ご家庭によって必要なことや、しつけの目的を今一度見直してみることも大事なことかもしれません。
◆個性を尊重し、呼吸を合わせたしつけができているか?
例えば、ワンちゃんが何かをうまくできた時のご褒美について・・・
おやつをあげた方がうまくいく子と、大げさに褒めたり撫でたりする方がうまくいく子がいます。
それは、ワンちゃんの好み・・・つまり個性によって違うんですね。
また、ワンちゃんによって集中してトレーニングできる時間に差がありますし、その日のコンディションによってもまちまちです。
「毎日30分訓練するって決めたんだから絶対するぞー!」
というようなことは、意気込みとしては素晴らしいけれども、ワンちゃんにやる気がない時はサッサと切り上げるなどの柔軟性も必要ですね。
しつけは一方的なものでは絶対にうまくいきません。
ワンちゃんの個性を見極めて、独りよがりにならないように常に呼吸を合わせて一緒に取り組めるようにしたいものです。
長くなるので、つづきはまた次回にします。
<今日のPet Hotel 11!>
さ、チャコ~!お薬シャンプーしよっか 「え~~~またぁ~~?ワタシばっかり~・・・」 |
「なんでワタシばっかりいつもシャンプーなのよぅ?!」 カユカユを治すためだよ。我慢してね~(^-^; |
「そんでまた、ワタシばっかりコレつけるんだ~」 だって掻いちゃうから・・・ごめんね( ノД`) |
目を合わせるなーー! 捕まってシャンプーされるぞーー! |
決して目を合わせるなーー!! アンタたちはしないって・・・(-_-;) |
犬牧場って感じ?(笑) 明日はモカちゃんが来るよ! ”なつ”、よかったね~♪ |