2017年12月31日日曜日

犬の”心に寄り添う能力”⑥

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



前回のブログに引き続き、ファシリティードッグについてお話しましょう。


【つらい検査も怖くない!】


●ファシリティードッグとは?


前回のブログで、ファシリティードッグは医療施設に毎日スタッフとして常勤するフルタイムワーカーだとお話しました。

日本ではまだそういう定義なのですが、ファシリティードッグがポピュラーなアメリカなどでは、医療施設に限らず、例えば裁判所などにもファシリティードッグがいるところがあります。

つまり、ファシリティードッグの本来の意味は直訳した通り「施設犬」なんですね。

その施設で職員として役割を担っている常勤スタッフの1人がワンちゃんだってことです。

所属する施設の業務や役割に応じた厳しい訓練を受けていますから、単なるカワイイ看板犬とはぜんぜん違うんですよ~!


●我が子を亡くした両親の想い


日本におけるファシリティードッグの第一号はオーストラリアで産まれ、ハワイでファシリティードッグの訓練を受けたゴールデンレトリーバーのベイリーです。

なぜ、オーストラリア生まれでハワイ育ちのベイリーが日本でファシリティードッグとして働いているんでしょう?

実は、ベイリーを日本に連れ来たのはキンバリーさんというアメリカ人女性でした。

キンバリーさんは日本に在住している時にタイラーくんという息子を出産したのです。

ところが生後1ヵ月にも満たない時にタイラーくんは急性リンパ性白血病と診断されてしまいました。

そして、わずか23か月という短い生涯に幕を閉じるまでの間、タイラーくんはずっと日本の病院から出ることができず、辛く苦しい治療を受け続けなくてはなりませんでした。

タイラーくんは、生後5ヵ月で骨髄移植を経験し、その後の2度にわたる敗血症との闘いでは、それぞれ1ヵ月間集中治療室に入っていました。

しまいには真菌感染が肺から脳へと広り、それがタイラーくんの最後の闘いとなりました。

辛く苦しく不自由な闘病生活の最中も、タイラーくんはいつも笑っていて、周りの人々をみんなハッピーにさせる、まるで太陽のような子だったといいます。

タイラーくんの両親は、タイラーくんと共に闘った経験を小児がんに苦しむ他の子どもたちに役立てたいという思いから、日本においてタイラー基金を設立しました。

現在のNPO法人シャイン・オン・キッズです。

そして、視察に行ったハワイの病院で出会ったのが、当時ファシリティードッグの訓練中だったベイリーだったのです。


●小児病棟看護師の想い


日本初のファシリティードッグハンドラーの森田優子さんは、小児病棟で看護師として働いていました。

当時、森田さんは小児病棟の子どもたちに対して、自分がとても無力な存在であることに悩みを抱えていました。


なにも楽しみがなく、笑顔の少ない長期入院中の子どもたちの発達が遅れてしまうことを心配しながらも、自分はなにもしてやれない。

病院に閉じこめられ、毎日同じ病室とベッドで過ごす子供たち。

そして繰り返される痛い注射や怖い検査・・・

そんな日々に耐えて頑張っているのに、病気が治って退院できない子もいる。

中には、もはや何の手立てもなく、ただ弱っているのを見守ることしかできない子どもたちもいる。

そんな子どもたちを笑顔にしてやれることは何かないのだろうか?


ちょうどそのころ、森田さんにベイリーのハンドラーとしての話がきたのでした。

ハワイに渡り、ファシリティードッグのハンドラーとしての訓練を受けた森田さんは、ベイリーと共に2009年に晴れて日本に帰国しました。

日本発のファシリティードッグが誕生した瞬間でした!



●信頼と理解が得られるまで


「誕生した瞬間でした!」

・・・って言ったって、すぐにベイリーが活躍できたわけではありませんでした。

ファシリティードッグなどというものを知る人はもちろんいませんし、病院に犬を入れるのはご法度でした。

そんな中、唯一ファシリティードッグに興味を示してくれたのが、静岡県立こども病院でしたが、そこでも最初は1週間のトライアルで、しかも病棟に入ることは許されていませんでした。

「犬に会いたいお子さんがいたら親御さんと一緒に廊下に出てきてください」

という形だったそうです。

それが徐々に信頼を得るようになり、子どもたちとの対面の場が廊下からプレイルームになり、ベッドサイドまで行くことがOKになり、ついに子どもたちと添い寝することも許されるようになりました。

けれども、添い寝まで許される状況になってもベイリーはまだ週に3回だけ病院に通っていく”セラピードッグ”のような存在でした。


●子どもたちの直訴


ベイリーと森田さんがフルタイムの週5勤務が認められるようになったのは、静岡県立こども病院に入院している子どもたちによる

「ベイリーは毎日必要なんだ!!」

という院長先生への直訴があったからです。

現在、静岡県立こども病院ではベイリーの後輩犬=ヨギがファシリティードッグとして活躍していますが、「骨髄穿刺」という、太い針をぐりぐりと腰の骨に刺す痛くてつらい検査のときも、ヨギが子どものそばに付き添うことが認められています。

子どもたちの中には、

「ベイリーやヨギと一緒なら、このつらい検査を100回受けてもいい」

と言う子がいるくらい、ファシリティードッグは子どもたちの心強い味方なんですね。


以下は、日本発のファシリティードッグハンドラー、森田優子さんがTEDでのプレゼンの動画です。

とっても素敵なお話ですので、ぜひご覧になってみてください。

ファシリティードッグがお仕事をしていない時の過ごし方についてもお話されていますヨ!





今回のシリーズは、母の元主治医Hに対する愚痴から始まりました。

母が通っていた病院の基本方針には

『患者様に満足信頼を感じていただけるような医療サービスを・・・』

とありますが、残念ながら母は不満不信の塊になって病院を後にすることになりました。


弱き者の心に寄り添い、真の満足と信頼をもたらしてくれる犬たちの行動を、H医師にも少しは見倣っていただきたいものです。

そのために・・・

「オイH!
犬のフンでも煎じて飲ませてやろーか~?!」←コッチは3kgくらいすぐに集まるんだぞ~~!


※2017年最後のブログにふさわしくない不適切な脅迫まがいの表現がありましたことをお詫び申し上げます。


来年が、すべてのワンコにとってステキな1年になりますように~~!




<今日のPet Hotel 11!>

今年最後の日の出だぜ~~~!

ヒャッハーーーッ!!
オレってパンクだろ~~~?!(誰?)

「ウソです。ボクです。マッチュでしゅ~」
(さっきは何が憑依してたんだろう・・・)

マッシュくん「見てくださ~い!
ボスとボク、どっちが脚が長いでしゅか~?」
・・・(-_-;) やめてあげて~

マッシュくん「ラニくん、知ってましゅか?
グレイスちゃん、今日帰っちゃいましゅよ!」
ラニくん「え?!ホントか?」

ラニくん「オマエ、帰っちゃうのか?」
グレイスちゃん「え・・・ええまぁ・・・」

ラニくん「なんでだよ~!もう少しいろよ~!」
グレイスちゃん「・・・無茶言うんですけどー」
グレイスちゃん、大丈夫。ちゃんとおうちに
送って行くからね~(^-^;
おりこうさんだったね。また遊びにおいで~!

ラニくん「ボスぅ~!グレイスちゃん
帰るってよっ!」

ボス&なつ「え?!そうなの?もう少しいれば?」
グレイスちゃん「ええ~~~・・・・(汗)」

ラニくん「チャコ!オマエはいつ帰るんだ?!」
チャコ「帰らないわよ!ここはワタシんちよ!」







2017年12月30日土曜日

犬の”心に寄り添う能力”⑤

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



前回のブログでは、身体や心が弱っている人を感知するオオカミとの不思議なふれあいをした人々のお話をご紹介しました。

そのオオカミの遺伝子を、犬たちは確実に引き継いでいると思えるような出来事はたくさん起きています。

そして、犬が弱き者に寄り添う行動がもたらすのは、決して単なる”気休め”ではないと感じるようなことも・・・


【犬が少年に起こした奇跡②】


●人生を変える事故


2年前の出来事です。

アメリカのユタ州に住んでいたカレブくん(6才)は、ひどい交通事故に遭ってしまいました。

診断は全身骨折と外傷性の重い脳障害。

呼びかけにも応じず、ただ横たわっているカレブくんの姿を見た家族は、もう二度とカレブくんの笑顔を見ることはできないのかと哀しみに暮れていました。


●カーネルがやってきた!


そんなカレブくんの治療の一環として、1匹のセラピードッグをカレブくんの元に通わせるという提案があり、ご両親は藁にもすがる思いでこれに同意しました。

選ばれたセラピードッグはゴールデンレトリーバーのカーネルです。

初めてカレブくんとカーネルを対面させた時のこと。

今まで呼びかけに対して、なんの反応も示さなかったカレブくんの瞳がかすかに反応したのです。

カレブくんの瞳に光が再び戻った瞬間でした!


●めざましい回復


その後も、カーネルはカレブくんのところに通い続けました。

そして、カレブくんは医師が驚くような回復を果たしていきます。

重い脳障害のために体を動かすことができなかったカレブくんが、

「どうにかしてカーネルにさわりたい」

という強い意志を持つことによって、懸命にカーネルに手を伸ばそうと頑張りました。

遂にカーネルに触れることができるようになると、今度は

「カーネルにおやつをあげたい」

と、自分の手でものを掴めるように頑張りました。

おやつがあげられるようになると、次は

「カーネルと遊びたい」

という思いから、掴んだ物を投げる訓練を頑張りました。

そんなふうにして、カレブくんは最終的には自分の足で立って、カーネルと並んで歩きながら笑顔で会話できるまでに回復したのです!


カレブくんがこんなに早く、ここまでの回復を遂げるとは誰も考えていませんでした。


カレブくんの回復の様子と、それに寄り添うカーネルの動画があります。

ぜひご覧ください!





【医療現場で活躍する犬たち】


カーネルの例以外にも、


・発作が起きる前に飼い犬が知らせてくれるので事故を未然に防ぐことができている。

・母親とも目を合わせることがない自閉症の子どもが、飼い犬とだけは見つめあう。

・うつ病だった人が、セラピードッグの訪問を受けるようになって劇的に回復した。


などといった、犬が心や体の弱った人に寄り添い、症状を改善させた事例はたくさんあります。


●人間が得たもの、失ったもの


人間は、その頭脳を活かして医療を進歩させてきました。

けれども、その医療では治せないような病を、医療の「い」の字も知らないオオカミや犬に治してもらっているケースがあるということを、どう考えたらいいのでしょう?

医療の進歩が多くの人を救ってきたことは間違いありません。

けれども、もしかすると人間は、それと引き換えに大切な何かを失ってしまっているのかもしれない・・・

そんな風に感じてしまいます。


●ただ寄り添い共感すること


わたしたち人間には、オオカミや犬のように他の人の心や体の病を感じとる能力はありません。

そればかりか、当の本人ですら自分のメンタルが傷ついていることを気づかないということもありますね(^-^;

また、わたしたちはオオカミや犬のように見ず知らずの他人に ためらうことなく寄り添うということも、なかなかできません。


けれども、オオカミや犬が起こした魔法のような数々のエピソードを聞くと、

「ただ寄り添って共感してあげる」

ということが、いかに大きな力を持っているかをあらためて考えさせられます。


よく、

「どうしてこんなデタラメな話を信じたんだ?!」

と思うような詐欺に引っかかってしまう人や、あやしい宗教にのめり込んでしまう人がいますね?

そういう人に接近する詐欺師や勧誘員の多くは、被害者のお話をとても親身に聞いてくれ、長い時間寄り添い、「うんうん」と共感してくれるんだそうです。


オオカミや犬は、自分の損得をまったく考えることなく、見ず知らずの相手にも分け隔てなく寄り添ってくれるというのに、人間ときたら共感力を犯罪に使用するって・・・

サイテーやね・・・(-_-;)



●セラピードッグとファシリティードッグ


病を癒す能力を活かして、医療現場で活躍する犬たちがいます。

カレブくんに寄り添い、奇跡的な回復を助けたカーネルはセラピードッグでしたね。


◆セラピードッグ


セラピードッグというのは、病気やケガを負った人や精神的な痛手を負った人、お年寄りなどと、ふれあいや交流を持つことによって人々の心と体を癒す働きをするよう訓練を受けた犬のことです。

セラピードッグは要請があると老人ホームや養護施設、被災地の幼稚園や小学校、病院やリハビリ施設などに派遣されていきます。


◆ファシリティードッグ


ファシリティードッグは、まだ日本には2~3頭しかいません。

セラピードッグとの大きな違いは、セラピードッグが”癒し”を期待されているのに対して、ファシリティードッグはもっと医療に踏み込んだ”動物介在療法”という役割を担っています。

セラピードッグは要請を受けてさまざまな施設に派遣されますが、ファシリティードッグは医療施設に毎日スタッフとして常勤するフルタイムワーカーです。

そのため、施設(ファシリティー)に所属している犬という意味でファシリティードッグというのですね。

また、ハンドラーは犬のトレーナーさんや飼い主さんではなく、特殊な訓練を犬と一緒に受けた医療従事者だというのも特徴です。

つまり、ファシリティードッグというのは犬の持つ不思議な力を単なる”気休め”ではなく、一定の医療効果があると認めた上で生まれた、新たな使役犬の分野ということになります。



次回はこのファシリティードッグについてもう少し詳しくお話したいと思います。




<今日のPet Hotel 11!>


優等生のグレイスちゃんは・・・

ラニくんに「オスワリ!!」って言うと・・・

見ていないところで必ず
律儀にオスワリしているの~~(^-^;

”ダルマさんが転んだ”
みたいにオスワリしているの~(^-^;

ラニくん「オイラだってオスワリするよな~」
ボス「う・・・うん・・・」

ラニくん「なぁ!オイラ、オスワリしてるよなぁ~?」
マッシュくん「ボ・・・ボク知らないよー!」

マッシュくんとボスは お互いなんでも
譲り合い
「ボールどうぞ」
「いえいえ、どうぞ~」

冷えてきたからお部屋に入りなさーい!

「あ、どうぞお先に」
「いえいえ、キミこそ遠慮なさらずに~」

どっちでもいいから はよ入れーー!!(;'∀')








2017年12月29日金曜日

犬の”心に寄り添う能力”④

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



【犬が少年に起こした奇跡①(つづき)】


犬といってもコレは犬の祖先のオオカミのお話ですが・・・

前回のブログのつづきです。


●ザーネスティという子オオカミ


今まで言葉を発したこともなく、どんなことにも反応したことがないという重度の障害を持つ男の子を、父親の依頼でしぶしぶオオカミとふれあわせることにしたショーン氏。

柵の中からザーネスティという子オオカミを連れてきました。

英国野生動物センターのオオカミたちは、柵に囲まれている以外は基本的に野生のままの生態を保たれていました。

けれどもザーネスティは生まれて間もなく、母オオカミがザーネスティの上に乗って転がってしまったので(←ウッカリ母さんすぎでしょ~!)下あごの骨がつぶれてしまったという子でした。

そのため、ザーネスティは一時期を人間の手で育てられ、他のオオカミと比べて人間に対してあまり神経質ではなかったことが、男の子の相手に選ばれた理由でした。


●対面


ショーン氏がザーネスティを抱きかかえて柵から出す時、まだ生後3か月で遊び盛りのザーネスティはひどく暴れて、ショーン氏は両手に抱えているのが精一杯の状態でした。

虚空を見つめる少年が座る車イスのトレーにザーネスティを注意深く乗せた時も、ショーン氏はしっかりと両手でザーネスティのことを押さえつけていなくてはなりませんでした。

ところが・・・

その少年を見た途端、ザーネスティはピタリと動くのを止めて、じっと少年の目を覗き込みました。

ショーン氏は、まず片手を離してみました。

ザーネスティは動きません。

そこで、もう一方の手もそっと離して様子を見ることにしました。


●咬みつくのか?


ザーネスティは少年が乗った車イスのトレーの上で、まっすぐに少年の目を見つめながらオスワリし・・・やがて前脚を伸ばして身体を前に乗り出し、少年の顔を舐め始めました。

この行動にショーン氏は驚いて、一瞬ザーネスティを引き離そうかと迷いました。

なぜならば、子どものオオカミは大人のオオカミに餌を吐き出してほしいとせがむときに、大人の口を咬む習性があるからです。

ショーン氏は、ザーネスティがその針の様に細く鋭利な歯で少年の口を咬むのではないかと身構えたんですね。

けれどもザーネスティは少年に咬みつきませんでした。


●奇跡


ザーネスティはただただ、とてもやさしく少年の顔を舐め続けました。

そして・・・

ショーン氏は、ザーネスティに優しく舐められ続ける少年の目から涙があふれ出し、頬を静かにつたうのを見たのです。

驚いたショーン氏が少年のお父さんに目をやると、その光景を見ていたお父さんもまた、涙を流していました。


生まれて間もなく、ウッカリ母さんに下あごを潰されるという不運な事故に遭い、ショーン氏いわく、

「ミッキーマウスの友達のグーフィのような顔」

になってしまった小さな子オオカミ ザーネスティは、この14年間人間たちがどんなに苦労しても成しえなかった形で、生まれてから1度も感情を表現することのなかった少年の心をあっという間に揺さぶったのでした。


【オオカミの持つ不思議な力】


もうひとつ、”犬が少年に起こした奇跡”の実話をご紹介したいのですが、その前に、ショーン氏が著した「狼の群と暮らした男」の中から、オオカミが弱っている人を見分ける(嗅ぎ分ける?)能力と、それを癒す不思議な力について、もう少しご紹介させてください。

●健康な人のはずなのに・・・


ショーン氏がクームマーティンという場所のパークでオオカミたちの世話をしていた時のことです。

ここでは、パークを訪れる人が野性のオオカミを柵の外から見ることができ、希望者には柵越しにオオカミとふれあうことができるようになっていました。

オオカミとのふれあいを希望する人には、必ず事前に次のような質問をすることになっていました。

・慢性の病気のある人はいますか?
・妊娠中の人はいますか?
・生理中の女性はいますか?

なぜなら、これらのことがオオカミたちの行動に多大な影響を与える恐れがあったからです。

ある時、病気の申告をしていない、まったく健康そうに見える男性に対して、1匹のオオカミが柵越しに近づき、男性の手を舐めはじめました。

優しく、けれども執拗に男性の手を舐め続け、男性がその場を離れる時もまだ名残惜しそうにしているオオカミを見て、ショーン氏は驚きました。

オオカミが見知らぬ人にこのような態度を取ることはまずないのを知っていたため不思議に思ったショーン氏はパートナーに

「本当に彼はなんでもなかったの?」

と確認しましたが、

「何も問題はないと言っていた」

と聞いて、この件は忘れようとしていました。

ところが・・・

パークからの帰り道、坂道で息を切らすその男性に「大丈夫ですか?」と声をかけたところ、

「この件は関係ないと思って黙っていたが、実は自分には血液の病気があり、それで時々息切れしてしまうのだ」

と答えたのだそうです。


傍目にはまったく判らないような病気を、オオカミは瞬時に見つけてしまったというワケですね。


●心の病



ある日、ひとりの大柄でガッシリとした体形の男性が柵の外からオオカミたちをながめていました。

ショーン氏は、彼が妻と3人の子供たちと一緒にパークに来ていることに最初は気づきませんでした。

男性は他の家族と完全に別行動を取っていたからです。

ショーン氏はすぐに、その男性とダコタというメスのオオカミが繋がったことに気づきました。

ダコタは、男性がかかめば同じようにかがんで見せ、男性が横に少し跳ぶと同じように横に跳びました。

こんな行動をとるオオカミを初めて見たショーン氏は大変驚きましたが、ダコタは明らかに男性をじっと見つめ、男性のしぐさの全てを真似していたのです。

実はその男性はラグビー選手でした。

ところが最近背中に大怪我を負って二度と走れない体になり、選手生命を絶たれたばかりだったのです。

人生の全てを奪われたように感じた彼は深く落ち込んで、家族やその他のすべてのことから遠ざかり、心を閉ざしてしまったそうです。

そして・・・

男性とダコタの間に何が起きたかはわかりません。

けれども、ダコタとの静かな交流の後、男性は家族の元へ行き、奥さんと子供たちに謝りながら涙を流し、熱い抱擁を交わしていたといいます。

ダコタが男性の心を蘇らせた瞬間でした。


ダコタの、男性の動きを完全に模倣するという行動は、その時の男性にとって、”共感してもらえた”ことを実感できる究極の方法だったのかもしれないとわたしは感じました。

柵越しに、言葉も通じない異種の動物が、傷ついた人の心にこんなにも劇的な作用をもたらすことができるなんて・・・


「アンビリーバボっ!!」(← ザキヤマ ビートたけしでお願いします)






さて、次回は”犬が少年に起こした奇跡”のふたつめの実話をお話しましょう。





<今日のPet Hotel 11!>

マッシュくん、今日からお泊りがんばろーね!

よろしく~~♪

グレイスちゃん&ボス
「ねえねえ、お庭番!何してんの~?」

ラニくん「おい、何してる?」

チャコのシャンプーだよ~~!

ラニくん「なんでオイラがこんな所にいるか
わかるか?」

知ってるよ~!グレイスちゃんに
お部屋を占領されてるからだよね~
(^-^;

マッシュくん「じゃあボクがどうしてここに
いると思う~~?」

うん、ボスがマッシュくんのお部屋を
占拠してるからだね~(^-^;

ラニくん「オイ!何してんだ?」
チャコを乾かしてるんだよ~!

ラニくん「オイラにも見せろ!」
ハイハイ(笑)

ラニくん「なあなあ!なあってば!」
ちょっとラニくん、ジャマすぎだよ~(笑)





2017年12月28日木曜日

犬の”心に寄り添う能力”③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログからのつづきです。

母の元主治医の非情な言葉は母を大いに傷つけ、医師の指示通りに血圧を下げるお薬の服用量を倍に増やしたにも関わらず、血圧は相変わらず高いままで母は不調を訴えています。

もしも母の症状を現代の医療で解決することが難しかったとしても、医師が母の心に優しく寄り添ってくれ、母を安心させるようなことを言ってくれていたら、あるいはそれだけで母の体調は快方に向かっていたのではないか・・・そんな風に感じています。


【犬の不思議な癒しの力】


●弱き者に優しい犬


犬を飼ったことがある人なら、「犬が弱っている者にいかに優しく接するか」ということをお解りかと思います。

Pet Hotel 11!でも、そんなシーンを何度も目撃しています。

たとえば、新入りのワンちゃんがやってくると、

「わかってるわね?!アンタは新入りなんだかんねっ!!」

的なオラオラ系の態度を取る”某チワックス女番長”がいるんですが・・・(笑)

その新入りが老犬だったり幼いパピーだったりする場合、彼女は決して威圧的な態度を取ることはありません。

そればかりか、他の犬には許さないようなこと・・・例えばお気に入りのクッションを占領させるといったこと__をすんなりと許し、場合によっては他のワンちゃんからかばおうとすらします。


2ヵ月前に元繁殖犬のチャコが我が家にやってきた時も、ひどい皮膚炎を患っているチャコに、彼女”何か”を感じたのでしょう。

普段だったら絶対に彼女が許さないような”突進”をチャコから受けても、絶対にチャコを怒ることはなく、たったの一声も吠えなかったのです。


●飼い主以外の人間にも・・・


犬は、同じ犬だけでなく、弱っている人間に対してもやはり、寄り添ってなぐさめるような態度をよく取りますね。

泣いている赤ちゃんをあやすような仕草をするワンちゃんの動画をご覧になったことがある人も多いでしょう。

親に叱られ、泣いて自室に籠る子どもの元へ飼い犬が行って、慰めようと子どもに寄り添うワンちゃんのお話もよく聞きますね。


犬のこうした、弱き者の心に寄り添い慰めるという行動を、科学的に実証したチームがあります。

その実験は2012年にロンドン大学で行われました。

実験では18頭の犬とその飼い主、犬にとっての他人(研究スタッフ)が飼い主の自宅のリビングで、次の3つのチシュエーションを演じます。

①単に会話をしている
②鼻歌を歌う
③泣き真似をする

そして、犬たちがどのように振る舞うかの比較をしたわけですね。

実験の結果、18頭のうち3頭を除く15頭もの犬が、哀しそうに泣き真似をする人の傍に寄って行って躊躇なくその人の身体に鼻を寄せました。

それまでは、自分のシッポを追いかけることに夢中だったワンちゃんも、遊びをやめて泣き真似をする人の元へ行ったことが観察されています。

何より驚くべきことは、泣き真似をしているのが飼い主以外の、犬にとってはまったく見知らぬ人だったとしても、犬たちは飼い主にするのと同じように泣き真似をする人に寄り添ったということです。

(出典:Daily Mail


●癒しの力は単なる”気休め”か?


よく、気持ちは楽になるけど実際には何の役にも立たないことを例えて”気休め”という言葉を用いますね。

でも、犬が弱っている者に寄り添う行動を見ていると、”気が休まること”は単なる”気休め”と呼べないような、一種の治癒力を与えるパワーのようなものではないかと感じざるを得ません。

”病は気から”という言葉はまさにそれを表しているのではないでしょうか・・・

それを証明するような実話がありますので、ご紹介したいと思います。



【犬が少年に起こした奇跡①】


●はるばるオオカミに会いに来た親子


ひとつめのお話は犬ではなくて犬の祖先=オオカミのお話です。

『狼の群と暮らした男』の著者 ショーン・エリス氏がイギリスの野生動物センターの手伝いをしていた時の事です。

ある日、ひとりの男性がセンターを訪れました。

男性は車イスを押していて、そこには13~14才くらいの彼の息子が乗っていました。

車イスの上で身動きひとつせずに虚空を見つめているその男の子を見て、ショーン氏は彼が重度の身体障害を持っていることが一目で判ったといいます。

野生動物センターでは一般の人が野生のオオカミとふれあうことができると知ったお父さんは、自分の息子をオオカミに会わせたいと考え、なんと800kmも離れたスコットランドからはるばるやってきたというのです。

当時のショーン氏はまだ、男の子がオオカミと会うことで何かを得るとは思っていませんでした。


●無駄と知りながら・・・


ショーン氏が一番注意を払ったのは、オオカミが男の子を傷つけるような事故を防止することでした。

更に、男の子本人が恐怖を感じないようにすることも大切なことでした。

そこでショーン氏は男の子のお父さんに


「これはとても大事なことです。

この子がオオカミのそばにいたくないと思った時に何か意思表示をすることはできますか?」


と尋ねました。

するとお父さんはそっけなく


「できないでしょう」


と答えました。


「今まで言葉を発したことがありませんし、どんなことにもぜんぜん反応したことがないのです。

生まれてこのかた、一度も感情を表したことがありません。」


それを聞いたショーン氏は、


「悪いけど、子どもを連れて回れ右をして今すぐスコットランドへ帰ってくれ」


と言うべきだろうと頭では解っていながら、自分でも理由を説明できないけれどなぜか父親からの依頼を引き受けることにしたといいます。


ショーンはオオカミの群の中から、ザーネスティという名の子オオカミを選んで、男の子に引き合わせることにしました。





長くなるので、つづきはまた次回にします。




<今日のPet Hotel 11!>

おお~!今日もパラボラは感度良好ですな(笑)
こんな風にチャコにほとんどのしかかられても
”なつ”は憮然とするものの決して怒りません。

グレイスちゃんの催促
「お庭で遊びたいで~~~す」
ハイハイ(^▽^)

とっても穏やかで優しいグレイスちゃんは
お庭遊びがとっても好きなんです♪
ずっといいお天気がつづきますように~!

夕方のおさんぽ♪

あ、ちょっとみんな待ってぇ~~~!
ボク、ウンチ・・・
毎日快便!

海岸から駅前まで来たところで、グレイスちゃんと
”なつ”が激しく反応したのは・・・

おんまさ~~ん♪
わぁ~~カッコイイなぁ~~~!

駅前からマホロバ前へ。
日当たりのいい場所の桜が既にこんなに・・・
遠くに見えるのは昼間の月。




2017年12月27日水曜日

犬の”心に寄り添う能力”②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



前回のブログのつづきです。


【泣きっ面に蜂】


●H医師の独演会


H医師の母に対する非情な言葉は更につづきました。

H「このところ血圧が今までにないほど高くて? 
今朝は 160/110 なんですよね?
で?
何かあったんですか?
頭が重くてふらつくことぐらいなんでしょ?
あと、背中が痛かったのかな?
でも生活できていたワケですよねえ?
だったらそれでいいじゃないですか~?!」

母「ええ・・・わたしはもうお婆さんですからいつ死んでもいいんです。
でも、ふらついて転んだり、脳梗塞で倒れたりして寝たきりになれば周りに迷惑をかけてしまうので・・・」

H「あったんですか、実際に?!
階段から落ちたり脳梗塞になったりってことが!
ないんでしょ?
ないのに勝手に心配してるんでしょ?!」

母「・・・・」

H「まあ紹介状は書いてあげますけどねえ・・・(母の過去のデータをPCで見ながら)
この〇〇〇っていう心臓疾患ですけど、コレ、なんです?
なんか、〇年〇月に突然出てきた病名みたいなんですけど?
いったいどこで診断してもらったの?
Aさんが言ったの?『自分は〇〇〇だ』って」

母「いえ・・・こちらで診断していただいたものです・・・」

H(カチカチとマウスを操作して)「ああ・・・コレかぁ・・・ふ~~ん、でもまあ10年くらい前の話だよね。
今は普通に生活できているんだよ。
あ~~あ、困ったなぁ!
なんて書けばいいかなぁ~!」


(K病院でちゃんと検査してもらうから内容なんかもうなんだっていいよ!早く帰らせてくれ~~!!)←わたしの心の声


H「まあいいや!じゃあねAさん、朝だけ飲んでる△△△と夜だけ飲んでる◇◇◇って薬を朝晩両方飲むことにします?それでいいでしょ?え?!」

私「先生のご判断でそれが効果的だということならば・・・わたしたちはシロウトでお薬のことは判りませんので・・・」

H「ハイ、じゃあ処方箋出しときますね~!」


●どういう人なら診察を受けていいのか?


H医師の言い分は、

「血圧が高かろうが 頭が重かろうが ふらついていようが 背中が痛かろうが、生活できているんだからそれでいいだろう。
そんなことで来られても医者は迷惑だ。」

ということのようですが、だったら一体どんな人なら先生の診察に来てもいいんでしょうか?

具合が悪くても生活できている人はダメってことは、付き添ってもらってでも自分で病院に来られるような人はダメなんでしょうねぇ・・・(-_-;)

だからといって、階段から落ちたり脳梗塞で倒れた人は救急でしょうから、きっと先生の診察室には行かないんでしょうねぇ・・・(;'∀')

H医師は仕事が嫌いなんだな~?

だったらすぐさま医者なんかやめちまいなーーーっ!!


●ご迷惑になるといけないから・・・


病院の帰り道の車の中で、母からこんな話をききました。

母の友人 Eさんもやはり血圧が高く、同じ病院にかかっていていたそうです。

そしてある日、H医師に酷い言葉を浴びせられ、診察室で泣きだしてしまったといいます。

その後、Eさんは看護師さんに依頼して担当の先生を替えていただいたけれど、母は

「自分はEさんほど症状が重くないのだから、先生を替えてくれなどというワガママを言っては病院のご迷惑になる」

そう考えて我慢していたと・・・

ちなみに母は昔、脳外科の看護師をしていました。

そのため、必要以上に病院側の事情を考慮し、スタッフにも気を使ってしまったのかもしれません。


●落ち込む母


体調が優れず病院へ行った母は、ますます元気がなくなってしまいました。

「もしも年末年始に倒れて寝たきりにでもなったらアナタたちに迷惑をかけるからと、病院に行くことにしたけれど・・・そのせいでかえってアナタの手を煩わせて、その上気分の悪い思いをさせてしまって・・・本当に申し訳ないわ・・・」

と、しきりに謝る母に、もっと早く気づいてあげられなかったわたしとしては、逆に「ごめんね」という気持ちでいっぱいでした。


帰りの車の中と家に帰りついてから、少しでも母を励ますために、母が思わず笑いだしてしまうまで H医師のことをケチョンパンにこきおろして、大悪口祭りをしたのは言うまでもありません。

(更にブログに書いちゃうとゆー・・・)


●病は気から


昔から「病は気から」と言われるように、心が弱れば体調は悪くなります。

体調が悪く、ただでさえ心も体も弱っている患者を更に悪化させるようなH医師のような人が、どうして医者などになっているんだろーか?

もし、Hが母の症状を現代の医学ではどうすることもできないのだとしても、せめて母の訴えに耳を傾け、共感してくれたら、

「お医者さまに親身になってもらった。『大丈夫、心配いりませんよ』と言ってもらえた」

と、それだけで母は安心し、母の心は軽くなり、元気になったりするんじゃーないのか?

少なくとも患者からお金を取っているんなら、それも医者の大事な仕事のうちなんじゃーないか?


・・・そんなことを思いながら、ふと思い出したことがあります。


そうです、やっと犬のお話なんで~~す!


でもでも・・・

また長くなってしまったので、つづきは次回にさせてくださーーい!

スミマセンスミマセン・・・ブログが長くなるとお料理番に

「長い!飽きる!」

って叱られちゃうモンですから~(^-^;


鳴りやまぬブーイングを背にお庭番は犬たちの元へと去っていくのであった(←ふざけんなー!ワンワンッ!)



<今日のPet Hotel 11!>

グレイスちゃんがまたお泊りにきてくれました(^▽^)

まだお互いに探り合いの
美月ちゃんとグレイスちゃん

Cくんはヘビに睨まれたカエルのようになっているけと
グレイスちゃんはとーっても優しいのよ♪

嗅がれたら・・・

嗅ぎ返す・・・
倍返しだっ!!(←はぁ?)

美月ちゃん、とっても楽しかったよ!

いっぱい遊んだね!
またおいでね~~(^▽^)/

Cくんも、ずいぶん逞しくなったね!
また他のワンコと遊びにおいでよ~(^▽^)/



2017年12月26日火曜日

犬の”心に寄り添う能力”①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



本日、高齢の母を病院へ連れて行き、大変イヤな思いをしました。

かなり愚痴っぽくなってしまうかと思いますが、ぜひそのお話をきいてやってください。


【流行りの?パワハラドクター】


●病院へ行きたい


今朝、すぐ近くに住む母からメールが入りました。

「血圧がすごく高く、頭が重くてふらつきもあるので、予約していないけど病院に問い合わせて可能ならば行きたいと思う」

母は元々心臓が悪く血圧も高いため、常に血圧を下げる薬を服用しています。

かかりつけの医師に指示された通り、毎日血圧を測りグラフに記載しているのですが、このところ気温が低いせいか、お薬を飲んでいてもずっと血圧は高い状態で、上が150程度でした。

それが今朝測ってみると、上が160・下が110という数値になり、体調も悪かったので、年末年始の忙しい時期にもしも自分が倒れたりして周囲に迷惑をかけてはいけないと心配になり、今のうちに病院に行きたいと母は思ったワケですね。

わたしがすぐに病院に問い合わせたところ、看護師さんは

「すぐにいらしてください。慌てないでゆっくり気を付けながら動いてくださいね。」

と快く受け入れの意思を示してくださいました。

「ありがとうございます!ではすぐに連れて行きますので、よろしくお願いいたします」


●母の訴え


その病院は、母が10年以上前からお世話になっている、地元では大変有名な病院です。

母は狭心症などで、2度こちらの病院に入院してお世話になっています。

ただ、以前担当してくれていた先生が他の病院に移って、他の先生が担当医になってから、母は時折 前の先生がよかったと言っていました。

「今の先生はとっても感じが悪いの。
この前も先生のお話がよく聞こえなくて返事しなかったら
『わかったかわからないか、ちゃんと返事してくださいよ!』
ってすごく怒られて・・・」

などと言っていたんです。

それに対してわたしは

「まあ、お医者様なんて大抵は感じが悪いわよね」

と、軽く受け流していました。

ところが本日、母に付き添って初めて診察室に同席したわたしは、母の訴えを単なる年寄りの愚痴ぐらいに考えていた自分を呪いました。


●感じ悪いどころじゃない


母と共に診察室に入るとH医師がいかにも面倒くさそうに

「Aさん(母)どういう症状ですか?」

と質問されたので、体調の悪い母に代わってわたしが応えようとしたところ

H「本人に訊いてるんだから本人が答えてください!」

と遮ります。

私「耳が遠く、体調も優れないので付き添っているのです」

というと

H「ああそう」

私「このところ血圧が高い日が続いていたのですが、今朝測ると 160/110 と更に高くなっていて、頭が重くふらつくと言っています。
また数日前には電車に乗っている時に背中から両腕にかけて、今まで経験したことのない痛みを感じ、動けなくなって下車し、ホームで暫く休んだところ治まったようです。
そのことも心配で・・・」

するとHは

H「頭が重かったりふらついたり、背中から腕への痛みがあることと、血圧が高いことは関係があるんですか?
因果関係は?」

母「それは・・・ハッキリとは判りませんが・・・でもこのところずっと血圧が高くて頭も・・・」

H(母の話を遮って)「あのねえ、因果関係がハッキリしているかどうかは、本人にしかわからないんですよ!

た~だそうやって・・・え?測ってみたら?血圧が高かった?
頭も重いしふらつく?
背中が痛い?

そんなこと言われたって医者は血圧とそれがどう関係するのかわかりませんからねぇ!
ハッキリと、血圧が高いことと体調が悪いことの因果関係が証明できないんなら、いちいち血圧が高かったと言って病院に来られたってどうしようもないんですよ!

じゃあアレですか?

血圧がいくつなら安心とか、そういうことを言ってでもほしいんですか?
たとえば170越えなければ大丈夫とか、そういう風に言えば安心するんですか?

これはねぇ、Aさん、アナタのキャラクターの問題ですよ!

今までは1か月ごとの診療でしたけどねえ、そんなに心配になるんだったら次から薬は2週間分しか出しませんから!
2週間ごとにきてくださいよ!

アナタのようなキャラクターの人はね、その方がいいんでしょ?!」


よく喋るなぁ・・・ヒマか?(←わたしの心の声)



●転院を決意


私「なんじゃ~~ゴルァ(←と言いたい気持ちを抑えつつ・・・)解りました。お手数をおかけして申し訳ございませんでした。

母はこんな状態ですし、今までのように1人で病院に来させるのが心配なので、次からわたしも付き添いたいと思います。

ただ、わたしの仕事の関係でこちらに通うのは難しいので、家の近くのK病院に転院させようと思いますから、紹介状をお願いできますか?」

※病院に行く前に、場合によっては転院したいという母の意思を確認していました。


H「へぇ~~!病院を変わるんですか?ああ~~~いいですよ!書いてあげますよ!

だけどK病院の先生だって迷惑だと思いますよ!血圧が高くて頭が重いってだけで来られてもねぇ!

紹介状になんて書けばいいんです?」

(はぁ?)

私「紹介状がなければ看ていただけないので、内容はお任せしますが、今までのコチラでの経緯が判る内容にしていただければ・・・」

H「知ってますよ。K病院は紹介状なしでは診てくれないことぐらい。
あ、じゃ、頭もついでに診てもらうように書きましょうか?」

私「お任せします」

H「書けたら郵送しますよ。でもK病院の先生も、こんな状態で来られてもイライラするだけだと思いますよ。

近所のクリニックかなんかでいいんじゃないですかね?

なんでK病院なんです?」

私「近くのクリニックをよく知らないからです。それにK病院が近いんです。でも一応近くのクリニックも調べてみますね。」

H「そうですねぇ、近くのクリニックにした方がいいと思いますよ~」


(どこの病院に行くかはコッチの勝手にさせてくれっ!)


H医師とはこれで縁が切れるので、どんなイヤな態度で何を言われても

「忍ニン・・・」

と心の中で唱えながら我慢していましたが、年老いた母がわたしの隣で今にも泣きだしそうな顔をしているのを見ると、許せないという思いでいっぱいでした。

その病院は、以前は遠方からの患者も来るほど評判がよかったのですが、有能な先生たちが何人もK病院に移ったことをネットで調べて知っていました。

きっと、自分の患者が他の病院に移るというだけでも腹立たしいのに、それがK病院だというのは許せなかったのかもしれませんね・・・

ま、これはわたしの邪推ですけど(-_-;)


血圧というデータと、本人が訴えている不調との関連性やその可能性を考えて診断したりお薬を処方したりするのが医師の仕事じゃーないんでしょうか?

実際に具合が悪いと訴えている患者に、「血圧との因果関係を証明できるのか?」なんてお医者さまが訊くのはフツーなんでしょうか?


H医師の非情な言葉は更に続きました・・・



あ・・・・でも・・・

関連して「犬の”心に寄り添う能力”」について書くつもりが、愚痴だけでこんなに長くなってしまいました(;^_^A

すみません、犬に関係のない回になってしまって・・・


つづきは次回にさせてくださ~~い(^-^;



<今日のPet Hotel 11!>

朝のおさんぽ。とっても綺麗な朝焼けでした♪

風は冷たくても、日が照たると暖かいね~!

美月ちゃんはおもちゃで遊んでもらうのが大好き!

特にこのボロボロ100均ハンバーガーはお気に入り♪

他の子が持っているおもちゃが欲しくなっちゃう
Cくんの熱い視線がハンバーガーに…
(^-^;

なあに?コレがほしいの?
(あげるのかな~?あげるのかなぁ~~?)

ダメッ!!
(笑)