前々回のブログのつづきです。
【誰のためのホテル選びか】
●フレンドリーなAちゃん
お電話でのお問い合わせいただいた翌日、飼い主さんとAちゃんは見学&面談にお越しくださいました。
pethotel11!はあいにく、大変わかりづらく狭い道の奥にひっそりとあるため、初めてお越しになる方はほぼ全員が道に迷ってたどり着くことができません(笑)
そこで、海岸沿いの駐車場にお車を停めていただき、そこまでわたしたちがお迎えに行くのが常です。
少し不便なようですが、これには思わぬ副産物もあって、飼い主さんと一緒に海岸からpethotel11!まで歩いて来る間に、ワンちゃんのお話を聞きながら、飼い主さんとワンちゃんの関係やワンちゃんの性格などを垣間見るいい機会になっています。
さて、Aちゃんと飼い主さんをいつものように海岸にお迎えに行くと、飼い主さんは次のようにおっしゃいました。
「車でお迎えに来てくださるんじゃないんですか?」
実は、例外的に車でお迎えに行くこともあります。
それは、酷暑の日の日盛りや土砂降りの日など・・・
そうでない限りは歩いてすぐの距離なので徒歩でお迎えに行っています。
その日は比較的涼しく、更に既に日が傾いた夕方だったので、わたしは歩いてAちゃんをお迎えに行きました。
そのようにご説明すると、
「あらぁ・・・歩けるかしら・・・大丈夫?Aちゃん?疲れちゃうかもしれないわねぇ・・・」
実際、Aちゃんは重たい身体をひきずるようにしてゆっくりゆっくり歩いていました。
普段、どのくらいお散歩しているのかを伺うと
「もう歳ですからね、お散歩はほとんど・・・10分もするかしら・・・5分・・・しないわねぇ・・・だって疲れちゃうものねぇ~」
と仰るのでした。
さて、施設を見学された飼い主さんは、pethotel11!を大変気に入って下さいました。
Aちゃんもまた、人にも犬にもフレンドリーな子で、お預かりするには何の問題もない性格のワンちゃんでした。
けれどもわたしたちは、飼い主さんにウチのホテルはおすすめできないとお話しました。
●飼い主さんがいいと仰っても・・・
「お預かりしたいのはヤマヤマなのですが、Aちゃんはほとんどお散歩ができないようなので・・・」
「ええ、だってもう11才なんですからねぇ」
「ハイ。11才でもとっても元気にグングンお散歩できるようなら、お預かりできたかもしれません。
でもAちゃんはそうではありませんよね?
わたしたちは、少なくとも朝夕の1日2回、犬たちを連れて30分~1時間は必ずお散歩に出てしまいます。」
「いいんですよ。Aちゃんは置いて行っていただいて。
この子はとってもおりこうですから、そのくらいの時間ちゃんとお留守番できますよ!
以前預けた他のペットホテルでは、スタッフの人に
『Aちゃんは本当に手がかからないおりこうさんだ』
って言っていただいたんですよ?」
「きっとそうでしょうが、これはわたしたちが絶対に守ると決めているポリシーなのです。
お預かりしているワンちゃんを置いて家を空けることはできません。」
「うるさく吠えたりしませんよ?その間はケージに入れていただいたって構いません。
それならどうでしょう?」
「いいえ、そういうことを申し上げているのではないんです。
わたしたちが不在の間、地震が来るかもしれないし、火事になるかもしれない・・・不審者が侵入するかもしれない・・・何が起きるかわかりません。
そういうことを考えると、やはりどうしてもお預かりしているワンちゃんを置いては出られません。
また、そういうことを抜きにしても、Aちゃんの様子を拝見していて、ウチのホテルよりも動物病院のペットホテルの方がAちゃんにとっていいのではないかと思います。
短頭種(ブルちゃんやパグちゃんのような鼻ペチャ族のワンちゃん)のAちゃんにとって、この夏の暑さは命取りなのはご存知ですよね?
元気な子たちは、短時間ながら気晴らしにお庭遊びもしますし、お部屋でも激しく遊ぶ子だっています。
Aちゃんのように、静かに過ごさなくてはならない子にとっては過酷な環境だと思いますよ。」
「すごく残念!せっかくやっといいペットホテルを見つけたと思ったのに・・・
なんとかなりませんか?
それなら、ずっとケージに入れておいていただいたっていいですから!
私、動物病院のホテルはイヤなんです!
お世話してくれる人はコロコロ変わるし、夜も誰もいなくなってしまうし・・・なんだか対応が事務的だし・・・
飼い主の私が、ケージに入れっぱなしでもいいと言っているんですよ?
お散歩の時はお留守番させておいていいと言っているんですよ?
それでもダメなんですか?」
「飼い主さんのお気持ちはとてもよく理解できます。
でも、Aちゃんのことを考えてあげてください。
他の子がお散歩に行ったり、元気にお庭で遊んでいる時に、自分だけケージの中に閉じ込められているのはAちゃんにとって酷ではないですか?
だからといって、他の子と一緒に遊べばきっと、息が上がって身体がしんどくなるでしょう。
動物病院ならば、他の子たちと同じように静かに過ごせるので、今のAちゃんにはちょうどいいとは思いませんか?
それにもし急に体調に異変があっても、動物病院ならすぐに対応してくれて安心ですよ。
わたしたちがいつもお世話になっている動物病院は、確かにスタッフは数人いますが、基本的にいつも同じ顔ぶれですし、短いながら排泄のためのお散歩もしてくれます。
先生は、体調に不安がある子がいれば病院に泊まり込んだりもしてくれる、とっても愛情深い先生です。
だからわたしも自信を持っておすすめできます。」
「そうなんですか?・・・わかりました。
ああ、それにしても本当に残念!
この子は若い頃、本当にお外遊びやお友達と遊ぶのが愛好きな子だったんです。
もっと早く、こういうホテルに巡り合うことができていたら・・・!
でも、そうですね。
Aちゃんのためには、教えていただいた案の方がいいのかもしれないですね。
ありがとうございました。」
そして、その日の夜、Aちゃんの飼い主さんからお電話をいただき、
「教えていただいた病院にあの後行って、先生とお話し、予約してきました。
本当に感じのいい先生でした。
ご紹介いただき、ありがとうございました!」
と、とても晴れやかな声で言っていただくことができました。
最終的には、飼い主さんにも前向きな気持ちになっていただくことができ、心苦しく感じていたわたしたちも救われました。
飼い主さんが理想と感じて気に入ったホテルが、愛犬にとって必ずしもベストなホテルだというわけではないということを、ぜひ多くの飼い主さんにわかっていただきたいと思っています。
Aちゃんは高齢犬でした。
次回は、今後ますます増えていくであろう高齢犬とペットホテルの問題について、少し詳しくお話したいと思います。
<今日のpethotel11!>
昨日は小さな子たちにもオドオドして まったく近づけなかったHちゃん だいぶ慣れて余裕だね! |
Hちゃんが垣根の向こうに何か発見! 「ビビビビッ!!」って音を聞きつけた ナツ&チャコが、お庭の反対側から 猛スピードで駆けつけて・・・ |
ナツ&チャコ「どいてどいてぇ~っ!!」 Hちゃん「????」 |
何を奪い合っているんだか・・・(-_-;) (だいたい予想はついているけど) |
Hちゃん「なんなの?この子たち?」(憮然) この後、勝ち誇ったように”セミ”を咥えた チャコが出てきました~(-_-;) (画像は自粛しまーす) |
お庭で走り回るLちゃん、 もう臆病Lちゃんなんて呼べないね♪ |
Lちゃん「だいぶ鍛えられたからね♪」 |
わあわあ、誰か来たヨー! だれだれ~~? |
はじめまして Pちゃんです! スリングが大好きで、ずっとココに 入っていたいんです! |
まあまあそう言わずに・・・ せっかくだからスリングから出してみると、 なかなか堂々としたものです(笑) |
Pちゃん「怖がりなんじゃないの。 お友達と遊ぶのに興味がないだけなの」 マイペースってヤツね。それも個性だよ(*^_^*) |
イヤな子には「来ないで!」って言えて 好きな子とは近づける。 別に社交的じゃなくたって、そういうことが できれば十分社会性があるって思うよ! |
甘えん坊なHちゃんは・・・ |
他の子がヨシヨシされていると 不平不満が止まりません(笑) |
よく頑張ったね。 えらかったえらかった(*^_^*) 「エヘヘ♪」 |
あらら・・・寝ちゃった(笑) ホラ、もうすぐ飼い主さんがお迎えに来るよ~! |
Lちゃんも、今寝てたでしょ! Lちゃん「ううん、寝てないも~ん」どーでもいいけど、お鼻になんかついてるよ(笑) |
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