2017年12月31日日曜日

犬の”心に寄り添う能力”⑥

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



前回のブログに引き続き、ファシリティードッグについてお話しましょう。


【つらい検査も怖くない!】


●ファシリティードッグとは?


前回のブログで、ファシリティードッグは医療施設に毎日スタッフとして常勤するフルタイムワーカーだとお話しました。

日本ではまだそういう定義なのですが、ファシリティードッグがポピュラーなアメリカなどでは、医療施設に限らず、例えば裁判所などにもファシリティードッグがいるところがあります。

つまり、ファシリティードッグの本来の意味は直訳した通り「施設犬」なんですね。

その施設で職員として役割を担っている常勤スタッフの1人がワンちゃんだってことです。

所属する施設の業務や役割に応じた厳しい訓練を受けていますから、単なるカワイイ看板犬とはぜんぜん違うんですよ~!


●我が子を亡くした両親の想い


日本におけるファシリティードッグの第一号はオーストラリアで産まれ、ハワイでファシリティードッグの訓練を受けたゴールデンレトリーバーのベイリーです。

なぜ、オーストラリア生まれでハワイ育ちのベイリーが日本でファシリティードッグとして働いているんでしょう?

実は、ベイリーを日本に連れ来たのはキンバリーさんというアメリカ人女性でした。

キンバリーさんは日本に在住している時にタイラーくんという息子を出産したのです。

ところが生後1ヵ月にも満たない時にタイラーくんは急性リンパ性白血病と診断されてしまいました。

そして、わずか23か月という短い生涯に幕を閉じるまでの間、タイラーくんはずっと日本の病院から出ることができず、辛く苦しい治療を受け続けなくてはなりませんでした。

タイラーくんは、生後5ヵ月で骨髄移植を経験し、その後の2度にわたる敗血症との闘いでは、それぞれ1ヵ月間集中治療室に入っていました。

しまいには真菌感染が肺から脳へと広り、それがタイラーくんの最後の闘いとなりました。

辛く苦しく不自由な闘病生活の最中も、タイラーくんはいつも笑っていて、周りの人々をみんなハッピーにさせる、まるで太陽のような子だったといいます。

タイラーくんの両親は、タイラーくんと共に闘った経験を小児がんに苦しむ他の子どもたちに役立てたいという思いから、日本においてタイラー基金を設立しました。

現在のNPO法人シャイン・オン・キッズです。

そして、視察に行ったハワイの病院で出会ったのが、当時ファシリティードッグの訓練中だったベイリーだったのです。


●小児病棟看護師の想い


日本初のファシリティードッグハンドラーの森田優子さんは、小児病棟で看護師として働いていました。

当時、森田さんは小児病棟の子どもたちに対して、自分がとても無力な存在であることに悩みを抱えていました。


なにも楽しみがなく、笑顔の少ない長期入院中の子どもたちの発達が遅れてしまうことを心配しながらも、自分はなにもしてやれない。

病院に閉じこめられ、毎日同じ病室とベッドで過ごす子供たち。

そして繰り返される痛い注射や怖い検査・・・

そんな日々に耐えて頑張っているのに、病気が治って退院できない子もいる。

中には、もはや何の手立てもなく、ただ弱っているのを見守ることしかできない子どもたちもいる。

そんな子どもたちを笑顔にしてやれることは何かないのだろうか?


ちょうどそのころ、森田さんにベイリーのハンドラーとしての話がきたのでした。

ハワイに渡り、ファシリティードッグのハンドラーとしての訓練を受けた森田さんは、ベイリーと共に2009年に晴れて日本に帰国しました。

日本発のファシリティードッグが誕生した瞬間でした!



●信頼と理解が得られるまで


「誕生した瞬間でした!」

・・・って言ったって、すぐにベイリーが活躍できたわけではありませんでした。

ファシリティードッグなどというものを知る人はもちろんいませんし、病院に犬を入れるのはご法度でした。

そんな中、唯一ファシリティードッグに興味を示してくれたのが、静岡県立こども病院でしたが、そこでも最初は1週間のトライアルで、しかも病棟に入ることは許されていませんでした。

「犬に会いたいお子さんがいたら親御さんと一緒に廊下に出てきてください」

という形だったそうです。

それが徐々に信頼を得るようになり、子どもたちとの対面の場が廊下からプレイルームになり、ベッドサイドまで行くことがOKになり、ついに子どもたちと添い寝することも許されるようになりました。

けれども、添い寝まで許される状況になってもベイリーはまだ週に3回だけ病院に通っていく”セラピードッグ”のような存在でした。


●子どもたちの直訴


ベイリーと森田さんがフルタイムの週5勤務が認められるようになったのは、静岡県立こども病院に入院している子どもたちによる

「ベイリーは毎日必要なんだ!!」

という院長先生への直訴があったからです。

現在、静岡県立こども病院ではベイリーの後輩犬=ヨギがファシリティードッグとして活躍していますが、「骨髄穿刺」という、太い針をぐりぐりと腰の骨に刺す痛くてつらい検査のときも、ヨギが子どものそばに付き添うことが認められています。

子どもたちの中には、

「ベイリーやヨギと一緒なら、このつらい検査を100回受けてもいい」

と言う子がいるくらい、ファシリティードッグは子どもたちの心強い味方なんですね。


以下は、日本発のファシリティードッグハンドラー、森田優子さんがTEDでのプレゼンの動画です。

とっても素敵なお話ですので、ぜひご覧になってみてください。

ファシリティードッグがお仕事をしていない時の過ごし方についてもお話されていますヨ!





今回のシリーズは、母の元主治医Hに対する愚痴から始まりました。

母が通っていた病院の基本方針には

『患者様に満足信頼を感じていただけるような医療サービスを・・・』

とありますが、残念ながら母は不満不信の塊になって病院を後にすることになりました。


弱き者の心に寄り添い、真の満足と信頼をもたらしてくれる犬たちの行動を、H医師にも少しは見倣っていただきたいものです。

そのために・・・

「オイH!
犬のフンでも煎じて飲ませてやろーか~?!」←コッチは3kgくらいすぐに集まるんだぞ~~!


※2017年最後のブログにふさわしくない不適切な脅迫まがいの表現がありましたことをお詫び申し上げます。


来年が、すべてのワンコにとってステキな1年になりますように~~!




<今日のPet Hotel 11!>

今年最後の日の出だぜ~~~!

ヒャッハーーーッ!!
オレってパンクだろ~~~?!(誰?)

「ウソです。ボクです。マッチュでしゅ~」
(さっきは何が憑依してたんだろう・・・)

マッシュくん「見てくださ~い!
ボスとボク、どっちが脚が長いでしゅか~?」
・・・(-_-;) やめてあげて~

マッシュくん「ラニくん、知ってましゅか?
グレイスちゃん、今日帰っちゃいましゅよ!」
ラニくん「え?!ホントか?」

ラニくん「オマエ、帰っちゃうのか?」
グレイスちゃん「え・・・ええまぁ・・・」

ラニくん「なんでだよ~!もう少しいろよ~!」
グレイスちゃん「・・・無茶言うんですけどー」
グレイスちゃん、大丈夫。ちゃんとおうちに
送って行くからね~(^-^;
おりこうさんだったね。また遊びにおいで~!

ラニくん「ボスぅ~!グレイスちゃん
帰るってよっ!」

ボス&なつ「え?!そうなの?もう少しいれば?」
グレイスちゃん「ええ~~~・・・・(汗)」

ラニくん「チャコ!オマエはいつ帰るんだ?!」
チャコ「帰らないわよ!ここはワタシんちよ!」