2018年7月31日火曜日

ウチの犬、「フツー」ですか?①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





【ウチの子、フツーですか?】


●よくある質問


もしかすると、ケージレスのペットホテル”あるある”なのかもしれませんが、お客様の飼い主さんから、こんな質問をお受けすることがしばしばあります。


「ウチの子、ウンチを食べちゃうんですけど・・・それって異常行動ですよね?」

「ゴハンを食べるのがものすごく早いんですけど・・・大丈夫なんでしょーか?」

「先代犬に比べて、はしゃぎ方が尋常じゃないような気がするんですけど・・・?」

「お水をあんまり飲まないようなんですけど、他の子はどうなんでしょう?」

「臆病すぎるようなんですが、他のワンちゃんといる時はどんな感じですか?」

「無駄吠えがすごくて、ひっきりなしにワンワンしているんですけど・・・?」


ケージレスのペットホテルにお泊りするということは、老若男女、様々なワンちゃんたちと一緒に、朝起きてから夜寝るまでの日常生活を一緒にする、修学旅行みたいなものなんですね。

それを観察することができる機会というのは、考えてみればなかなかないのかもしれません。

ですから、他のワンちゃんたちの中で自分の愛犬が一体どんな様子なのか?他のワンちゃんと比較して「フツー」なのか?ということに関心をもつ飼い主さんが多いのでしょう。



●多数派か少数派か


人間というのは社会との関わりを保ちながら群で生きる(集団生活をする)生き物ですから、他と大きく違う「少数派」だと「大丈夫かなぁ」と不安になったり心配したりします。

一方で、「多数派」というのは「つまらない」という見方もされますから、


「ええ、大丈夫ですよ~!オタクのワンちゃんはごくありふれたフツーー過ぎるくらいにフツーな子です」


なんて言われたら、なんかチョットやだ・・・(・_・;)

これは、日本語の難しさでもありますけど、人ってワガママですね~(笑)


言葉はとても難しいので、誤解がないようにお断りしておきますが、わたしたちは、どんなワンちゃんも「フツー」(←異常ではないという意味で)だと思っています。


ただ、ケージレスのペットホテルにおける最重要課題は、お預かりしたワンちゃんを最終的には無事に飼い主さんにお返しするということです。

そのため、次のようなワンちゃんはお断りせざるを得ません。


・理由の如何(いかん)に関わらず他のワンちゃんに危害を加えてしまうような子。

・わたしたちが制御しきれないような子(信頼関係が築けるまでにそれなりに時間がかかる子など)

・極端に臆病で、他のワンちゃんと一緒に過ごすことが本犬さんにとって過剰なストレスになりそうな子

・何らかの感染症にかかっている恐れがあるなど、健康状態にかなり不安がありそうな子


こういったことを見極めるために、初回ご利用前に面談をさせていただき、心配な要素がある場合は「1泊トライアル」を強くお勧めし、その結果「どうぞ、ぜひお越しください」となったワンちゃんの場合、まずみんな「フツー」です。

この場合の「フツー」というのは、特別なケアや更生プログラムのようなものを必要としないって意味です。



●個性的だけどフツー


ですから、Pet Hotel 11!でお預かりするワンちゃんは、実に個性豊かで、接し方の注意点もその子によって色々ですが、多くの飼い主さんが不安に感じていらっしゃるような「フツーじゃない」点はほぼありません。


・食糞する(ウンチを食べちゃう)

・早食い

・落ち着きがない

・小食(小飲)

・臆病

・無駄吠え



などといったことがあっても、その頻度と程度が日常生活を送る上で、飼い主さんと本犬と周囲の社会にとって特に大きな問題にはならない・・・

または、日常生活での飼い主さんの接し方を変えることで比較的容易に改善できる


ということですね。


人間に置き換えると・・・

いわゆる「普通学級」に行ける子供たちの中には、臆病で人見知りの子もいるし、社交的で目立ちたがり屋の子もいる・・・それと同じような感じです。


ですから、お預かりしたワンちゃんの中には、もしその子が人間の子どもだったら通信簿に


「もう少しお友達と仲良くできるようになりましょう」


とか


「授業中は落ち着いて静かに先生のお話を聞けるようになりましょう」


みたいなことを先生が書くように、ワンちゃんの個性に応じたアドバイスを、飼い主さんからのご要望があればできるかぎりさせていただくようにしています。



●フツーって難しい


裏返せば、フツーではないワンちゃんってどんなワンちゃんなのかっていうと、単に


特別なケアや更生プログラムのようなものを必要としていると思われるワンちゃん


ということですから、そのワンちゃんに応じた治療なりプロのトレーニングなりを施してあげることで、やっぱり「フツー」の集団入りするワンちゃんになる可能性もありますね。

(もちろん、現代の医学やトレーニング方法ではどうにもならない子も一定数います)

ワンちゃんがそうなった原因は、先天的なものである場合もあるし、扱われ方だったり特殊な経験によるトラウマだったりという後天的な因子がこじれてしまった場合もあるでしょう。

でも、自分の愛犬が「フツー」じゃないということで、嘆き悲しむことはどうかやめてあげて欲しいのです。


目が悪い人に眼鏡やコンタクトレンズがあるように、

難聴の人には補聴器があるように、

更に・・・

全盲の人には、点字や杖、盲導犬や介助者などの助けがあるように、

聴覚障害の人には、手話や読唇術、聴導犬や介助者などの助けがあるように、


どんな子であっても、飼い主さんが愛犬とうまくやっていく方法は必ず見つかるはずだと思っています。


だって、「フツー」っていうのは、ただのありふれた「多数派」って意味なんですからね。


社会は「フツー」と呼ばれる「多数派」に便利なように作られているから、そうでない「少数派」にとっては生きにくいシステムになっているはず。

つまり、彼ら「少数派」の生きにくさを作っているのは、他でもない「多数派」の自分たちなんだってことに思いを至らせる必要性を感じています。




長くなるので、次回につづきまーす!





<今日のPet Hotel 11!>

12歳のRおばあちゃんは、ちょっぴりガンコだけど、
誰とでも仲良くできる穏やかで優しい子♪

まだ生後5か月のKくんは、何もかもに興味津々。
ワンパクだけどちょっぴり怖がりさん♪

こんなに小さくて弱々しく見えるAくんだけど、
いつも高いところに上って、みんなの様子を見渡して
困っている子やいじめられている子を守る正義の味方♪

7カ月のPくんは、たくさんのことをぐんぐん
吸収して、ものすごいスピードで成長中♪

9才のEくんは、物静かで犬見知りだけど、
とっても処世術に長けたマイペースさん♪

ちょっぴり神経質で警戒心が強いCくんは、
慣れるまで時間がかかるけど、慣れちゃえば
とってもフレンドリーな甘えん坊さん♪

みんなの姐御=ナツは普段は
超マイペースで時にガルガルするけど、
老犬やパピーにはサイコーの優しさを見せる子♪

平和主義で甘え上手のチャコは、つい最近まで
繁殖屋の小屋に多頭飼育で閉じ込められていたため、
犬社会の処世術についてはプロ?
今は初対面の犬と人間社会について学習中♪

小さい頃から甘やかされて育ったボスは、
怖がりで甘ったれでワガママだけど、他のワンちゃん
への優しさはみんな知ってるよね?!

朝の海岸さんぽ
Aくん「あんまハシャギすぎんなよ!」
Kくん「はい、センパーイ♪」
5カ月のPくんは、12歳のRおばあちゃんから
きっと多くを学んでいることでしょう

それぞれに関わり合って・・・

それぞれの個性を尊重して・・・


譲り合って・・・

みんな仲良くなれるといいよね~♪