【災害救助犬って?】
この度の西日本豪雨災害現場でも、災害救助犬が行方不明者の捜索に尽力している様子が伝えられていますね。
足場の悪いキケンで過酷な現場でわたしたち人間のために働いてくれる災害救助犬について、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思います。
●災害救助犬の所属
地震や土砂崩れといった被災地に駆けつけて、瓦礫の下敷きになってしまった生存者や行方不明者を捜索する災害救助犬の姿を、テレビなどでご覧になったことがある人は多いでしょう。
けれども、災害救助犬のことは意外によく知られてはいません。
まず、災害救助犬ってどこに所属していると思いますか?
警察や自衛隊が帯同しているイメージがありませんか?
いえいえ、実は国内の被災地などで活躍している災害救助犬の9割以上は民間のボランティアに所属している犬たちなんです。
●日本における災害救助犬
なんとなーく、ずっと昔からいたように思っている災害救助犬ですが、日本におけるその歴史はとっても浅いんです。
それを示す、次のような記録があります。
平成7年に起きた阪神淡路大震災の発生当日、在京スイス大使館から災害救助犬を派遣するとの申し出がありました。
ところが、当時わが国ではまだ災害救助犬の認知度が低く、受け入れに混乱がありました。
結局、救助犬が現場に到着したのは発災2日目よりも後になってしまいました。
もっと早くに派遣の申し出を受け入れていれば、あるいは助かる命もあったかと思うと残念ですね・・・
ちなみに、この時災害救助犬の派遣を申し出てくれたスイスは、災害救助犬発祥の国です。
元々は、17世紀中期に スイスのアルプス山脈に住む修道士たちが、自分たちの飼っていた犬を、雪山で道に迷った人や、動けなくなった登山者達を捜索するために訓練していたことが災害救助犬の由来なんです。
●まだまだ発展途上
身体が小さくて軽い犬たちは、足場が不安定な倒壊現場などで捜索活動をすることが可能ですし、狭い瓦礫の隙間にも入り込むことができます。
そして、何よりも人間は実際に目で見えるものしか確認できないのに対して、犬たちはその優れた嗅覚によって、見えない場所にいる人を捜し当てることができます。
意識を失って声も出せないような人を捜索するのに、犬たちのズバ抜けた臭覚は大変役に立ってくれるんですね。
1999年11月に起きたトルコ大地震では、発生後24時間以内にヨーロッパ等8カ国から計72頭の救助犬が派遣されました。
このうちオーストリアの救助犬チーム(10頭)は3名の生存者を発見して救助しています。
わが国でも、2004年の新潟県中越地震で警視庁の救助犬が、4日ぶりに瓦礫に埋もれた車の中から男の子を発見し、救助した例があります。
(この時活躍した救助犬については、また別の記事で詳しくお話します)
このように、災害現場で救助犬を適切に運用すれば、尊い人命を救うことに大きな成果を上げることが出来ます。
欧米では、こうした災害現場における救助犬の価値が高く認められていて、育成環境や認定基準もしっかりできています。
たとえば ヨーロッパでは消防と軍が、アメリカではFEMA(連邦危機管理局)が救助犬を育成、保有し、各国の国際緊急救助部隊の中には救助犬チームが編成されています。
それに対して、まだまだ災害救助犬に対する認識や歴史が浅い日本では、民間の団体が独自の認定基準を設け、それぞれに育成活動をしているというのが現状です。
統一の基準がないことは、災害現場における救助活動では混乱を招きかねないといいます。
犬の能力に格差があるため、果たしてその犬がその現場に適した能力を有しているかの判断が誰にもできませんし、中にはかえって捜索救助の足手纏いになってしまうこともあるといいます。
また、ハンドラーの知識や装備が不十分で現場の捜索救助部隊(消防・警察・自衛隊)の顰蹙(ひんしゅく)を買ったりということも実際にあったそうです。
そこで、災害現場で安全・迅速・適切な救助活動をするために、国内統一基準の策定が急務だと言われています。
ちなみに、盲導犬などの介助犬は「身体障害者補助犬法」という法的根拠に基づいて、資格認定や育成訓練等についての統一基準や体制が確立されています。
まだまだ、国内の災害救助犬は実用的とは呼べないレベルなんですね。
●厳しい現状
さて、ここで次のような疑問を感じた方はいらっしゃいませんか?
「え?9割の災害救助犬の所属が民間団体ってことは、ニュースなどで目にしていた日本の災害救助犬たちの多くが有志ってこと?」
そーーーなんですよ~~~!!
中には、地元の県警などと派遣協定を結んでいる団体もありますが、多くはふだん、犬の訓練士などのお仕事をされている方たちが、日本各地で災害が起きると、お仕事を休んで自らが訓練した救助犬を伴って現地入りしているんです。
そのため・・・
現地までの移動に要する燃費や交通費も、
キケンな現場に立ち入るためのハンドラーの装備も、
もちろん自分たちや救助犬の食糧や飲料なども、
すべて自腹!!!
加えて、お仕事を休んでいる間の収入の保証もありません。
それから・・・
災害救助犬を伴って自家用車で自腹でやってくる彼らは緊急車両として認められていませんので、通行止めになっていれば足止めされてしまいますし、どこの道路が寸断されているのか?といった情報も迅速には入手できないのだといいます。
救助犬を連れて右往左往しているうちに、どんどん貴重な時間が奪われ、生存確率も落ちていく・・・という現状があるんですね。
日本各地にある救助犬を養成している団体と、そこに所属している救助犬たちは、HPなどで寄付金を募りながら、日々人命救助のための活動をして下さっているってことを、ぜひ知っておいてくださいね~!
次回は、実際に日本の被災地で活躍した救助犬たちのお話です。
<今日のPet Hotel 11!>
こんにちは!Hちゃんです♪ お散歩上手になったって褒められちゃったー! |
ナツ? |
ねえ・・・物置の下に何がいるの? ナツ・・?(;'∀') |
見学&面談に来てくれたCちゃん お泊りの時にはもっといっぱいボール遊びしようね♪ |
ネコに唸られて悲鳴をあげるほど臆病なボスだけど・・・ 優しい性格のせいで犬たちにはもれなく人気者 |
チャコ「ねえねえボスぅ~」 |
ボス「ん?なあに~?チャコ」 ま・・・・臆病なのもボスの個性なのかなぁ・・・ 臆病が解消してもボスは人気者でいられるんだろーか |