【犬は人間の性別を見分けられる?】
●苦手な性別?
Pet Hotel 11!にやってくるワンちゃんについて、飼い主さんと初回の面談をしていると、けっこうな頻度で
「ウチの子、男の人が苦手なんです」
とか
「ウチの子、男の人が大好きなんです」
というお話をされることがあるんですね。
今回の話題とは直接関係ありませんが、
「子供が苦手なんです」
というワンちゃんも多いです。
「男の人が苦手」とか「男の人が大好き」とか、なぜか女性ではなく男性が主語になっているのは、きっとわたしが女性なので、
「女の人が苦手なんです」
とは言いにくいからなんだと思います(笑)
つまり、「男の人が大好き」って子は裏返せば「女の人が苦手」なんですね。
犬を飼っている人にとって、これは大して珍しいお話ではないでしょうから、
「あらそ~なの~?」
ってな感じでスルーしちゃいそうですけれど、実はコレってすごいことだと思いませんか?
だって、わたしたち人間は逆に犬たちの性別を、顔を見ただけで判別できたりはしませんよね?
赤ちゃんと犬の性別は、パっと見判らないから、呼ぶ時には無難に「〇〇ちゃん」と「ちゃんづけ」で呼んだりしますものねぇ~!
実際には、脚の間を覗き込んで「ついてる or ついてない」を確認しなくてはワカリマセ~~ン!
なのに、異種の犬たちが人間の性別を見分けられるなんて・・・しかも洋服を着ている人間を見ただけで判別できるなんて、すごいことだとは思いませんか?
●犬は人間の性別を見分けているという実験結果
京都大学の高岡祥子博士が率いる研究チームが行った次のような実験があります。
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まず、犬をモニターの前に座らせます。
次に、モニターの背後に設置されたスピーカ―から男性または女性の声で犬の名前を呼ぶ音声を流します。
その直後に、モニターに男性または女性の画像を映し出します。
(モニターに映った人が自分の名前を呼んでいると犬が感じるようにするんですね)
そのようにして、犬がモニターをジーーーっと見ていた時間の長さを調べます。
声も映し出される人物も、犬にとっては見知らぬ人のものです。
声と人物の性別が一致したもの(例:女性の声に女性の顔)と一致しないもの(例:女性の声に男性の顔)を犬に見せ、ジーっと見る時間に差があるかを調べる実験です。
その結果、犬たちは、声と画像の性別が一致している時よりも、一致していない時の方がモニターを長く見つめることが判りました。
つまり、犬は声と画像の性別が一致した時は
「うん、まあそうだろーね」
と、さして興味を示さないけれど、一致しない時は
「え?え?なんでなんで~~?!」
とビックリして、モニターを凝視していると考えられるんですね。
このことから、犬たちは声によっても外見によってもわたしたち人間の性別を判別できるということがわかったという実験です。
(参考資料:イヌ(Canis familiaris)におけるヒトの性別の感覚統合的概念)
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実験に参加した犬たちが、思っていた性別と違う画像を見せられて、思わず凝視する気持ち・・・わたしたち人間にも共通していますね。
電車の座席に座っていて、目の前に立った人の足元だけを見て「男性だろう」と思っていたのに、その人が隣の人と会話を交わした声が女性の声だったりした時、驚いて思わずハッとその人の顔を見てしまったりという経験は、誰にでもあるのではないでしょーか?
●なぜ見分けられるの?
人は、犬の性別を顔や声だけでは見分けることができないのに、どうして犬たちは人の性別を見分けることができるんでしょう?
動物は、無駄なことはしませんから、見分けられるようになったということは、見分けることに彼らなりの必然性があるんでしょうね。
そうでなければ、直接彼らの子孫繁栄に関係のない他種族の性別なんか、見分けられるようになる意味がありません。
いうまでもなく、人に飼われている犬たちにとって、人に対する いわゆる
「傾向と対策」
を掴んでおくことは、それこそ死活問題です。
ですから、わたしたちの犬に対する興味などの何十倍も、彼らは日々、一生懸命に人に興味と関心を持って観察を続けているんでしょう。
そんな中で、例えばパピーのころに男性、または女性、あるいは子供に、トラウマになるようなイヤなことをされたりといった経験が加われば、ますます敏感に性別によって人を区別しようとするのかもしれません。
「ああ・・・女の人ってどうしてあんなに感情的でコロコロ気分が変わるのかしらん?
苦手だなぁ・・・でも、女の人はボクのこの表情に弱いんだよね~!」
とか・・・
「んも~・・・男の人ってホント無神経で乱暴なんだから~~~!ブゥブゥ・・・だけど、男の人はボクが怯えた顔をすると舌打ちしてアッチへ行っちゃうんだよね~!」
とか、いろいろと考えて作戦を練っているのかもしれません(笑)
●苦手なものを減らしてあげたい
例えば、男の人が苦手になってしまっているワンちゃんは、お散歩で男の人とすれ違う瞬間に、いちいち緊張を強いられているのかもしれません。
いつもお話しているように、できるだけ苦手なことを克服させてあげられれば、それだけワンちゃんの犬生はハッピーになります。
何かしら、男の人にまつわる「イヤな記憶」があるのであれば、なるべくそれを、男の人にまつわる「楽しい記憶」で塗り替えてあげるようにしてみてください。
ワンちゃんは苦手な存在が近づくと、警戒したり怯えたりしますので、急いで距離を縮めようとするようなタイプの人ではなく、ちょっと距離を置きながら、優しい声がけをしてくれるような男性と接する機会を増やしてあげるといいと思います。
逆に、ワンちゃんをからかって喜ぶようなタイプの男性とは、ちょっぴり距離を置いてあげた方がいいかもしれません (;'∀')
性格的には、男女問わず、
「犬に気に入られようとしない人」
が、結果的に犬にモテるように感じていまーーす(^▽^)
<今日のPet Hotel 11!>
朝の海岸さんぽでボールにそっくりな”浮き”を 見つけてルンルンのボス |
さあ、今日もいっぱい遊ぶぞーー! |
お久しぶりのLくん 最初「イヤイヤ」してたけど、すぐにルンルンに(笑) |
実はなかなか要領のいい甘えんぼさん♪ |
ウリくん、今日も絶好調~♪ |
女の子のオシリをジロジロ見るもんじゃないよー! (-_-;) |
マテマテーーー! |
こらーーっ! |
マテーーーーイッ!! |
あれ?ボス・・・? (もう諦めた) |
・・・・・ |
・・・・・ |
ウリくーーん、ボスもう追いかけてきてないよー(;´Д`) |
なかなか神経質なCくん 不安げなお顔ですねぇ~~(ガンバレー) |
こっそりクンクン♪ |
ウリくん「嗅ぐだけ嗅いで、嗅がせてくれないんですけどー?!」 まあまあ・・・放っておいてあげて~(;^_^A |
Mくん、久しぶりだねぇ~~ ・・・ってか、だいぶ太った? |
Cくん「太ってないよ、毛のせいだよ~」 ・・・・そゆことにしといてあげよう(笑) |
夕方になって、Cくんも少し他のワンちゃんに慣れてきたかなぁ~? |
うん!慣れたっ♪ |
ウリくん「・・・・キミ、だれ?」 |
台風の準備で陸揚げされたお舟をバックに・・・ ボスは今日も快便で~~す♪ どうか台風で被害が出ませんように・・・ |