【レイラは虐待されていたのか?】
前回の記事で、そもそもわたしは村田さんがレイラにしていたことを虐待だとは思っていないと書きました。
今日は、わたしがそう考える理由についてお話したいと思います。
なお、これはわたし個人の考えですので、
「お前の勝手な解釈だろ?」
とゆーよーなご批判については、あらかじめ
「ハイそーでーす!」
とお答えしておきます(笑)
更に、
「勝手なこと言ってんじゃねーよ!」
に対しては
「わたしのブログですから勝手なことを言わせていただきまーす!」
とお答えしておきます(笑)
●「虐待だ」という人の言い分
村田さんを
「アナタがしていることは動物虐待だ!」
と責める人々の多くは、
村田さんが老齢で体調の悪いレイラを過酷な被災地で働かせていたこと
を指して「虐待だ」とおっしゃっているのだと思います。
あるいは、レイラに限らず「使役犬」全般について
「人間のために犬たちをこき使うなんて虐待だ!」
とおっしゃっている方も多いですね。
わたしは、これらの人々は、もしかすると1度も犬を飼ってから看取るまで真剣に向き合い、世話をしてきたことがないのかもしれないと思ってしまいます。
何故なら、愛犬の老いや病、そして死と向き合った経験がある人ならば、犬のことをもっとよく解っているように思うからです。
●犬、舐めんなよ
たとえば、お散歩が大好きだった愛犬が、だんだん年を取り、身体を動かすのがしんどそうになっていたとします。
それでも、飼い主さんがリードを手にして近づくと、懸命に体を起こしてヨタヨタした足取りでお散歩に行こうとする・・・
そんな時、この老犬は間違いなくお散歩に行きたがっているとは思いませんか?
実際、お散歩に連れ出すと、おぼつかない足取りでゆっくりゆっくり歩き、プルプル震える脚は、時折力なくカクンとなって、地面に顔をベタンと打ち付けてしまうようなことがあったとしても・・・また起き上がって前に進もうとする・・・
そんな愛犬を、飼い主さんはじっと待って、またゆっくりゆっくり歩調を合わせて歩く。
元気な犬ならば1分とかからないような距離を30分かけて行って・・・そして帰ってくる・・・
その姿を見て、
「あんな老犬を無理やりお散歩に引っ張り出して・・・!あれは虐待だ!」
そうお感じになるでしょうか?
わたしは、そうは思いません。
むしろ、とても愛情深い飼い主さんだと感じます。
では、上記と同じ老犬が、ある日飼い主さんがいつものようにリードを持って近づいても、起き上がろうともせずに、つまらなそうに顔をそむけたとしたらどうでしょう?
きっと、飼い主さんは無理やりその子にリードをつけて、ズルズルと地面を引きずっていくことはしないでしょうね。
もしそうしたとしても、その子はきっと歩かないでしょう。
何が言いたいかというと、犬は人間の操り人形でも奴隷でもなく、ちゃんと意思を持っているということです。
●能動的にでなければいい仕事はできない
災害救助犬は、生存者を捜索するように訓練されています。
そのため、遺体を発見すると、多くの災害救助犬はどうすればよいのかわからなくなり、恐怖に怯えて全身の毛を総毛立てて マリモのようになり、中にはヒンヒン鳴いてパニックに陥るような子が多いのだといいます。
特に、東日本大震災の津波で流されたご遺体のような”異形”のご遺体・・・つまり人間の形を保持していないようなご遺体に直面した救助犬は、そのショックからもう二度と災害救助犬としての役目を果たせなくなってしまうようなことも珍しくないそうです。
だから、災害救助犬のハンドラーの多くは、自分の犬に遺体の捜索はさせないことが多いといいます。
せっかく訓練を積んできた努力が台無しになるリスクがあるからですね。
言い換えれば、遺体しか発見できないような現場は、救助犬にとってそれだけ過酷な現場だということですね。
(もちろん人間にとっても・・・)
けれどもレイラは他の犬とは違いました。
そして、村田さんもまた一般的な女性とは違いました。
ふたりは、多くの自衛隊員や警察官、消防団員たちが、目の前の異様な光景に吐いたり体調を崩したりして任務を継続できなくなり、次々と脱落しては交代していく中、捜索隊の先頭を突き進みながら、ただ、
「はやくはやくっ!」
と、まだ埋まっているかもしれない生存者を探すことに夢中で取り組み続ける精神力と使命感を持っていました。
(もちろん、そこにはレイラと村田さんの交代要員などいなかったわけですが・・・)
そのようにして、震災の翌日、1日で150体ものご遺体を捜索したレイラは、そのお仕事をイヤイヤしていたのでしょうか?
イヤダイヤダと逃げようとするのを、村田さんに無理やり押さえつけられ、ムチで打たれながら捜索活動をしていたのでしょうか?
そんなわけないでしょう?
もし、レイラがイヤだと思っていたなら、せいぜい引きずられるように被災現場をウロウロするぐらいしかできないはずです。
You can take a horse to the water,
but you cannot make him drink.
(馬を水辺に連れて行くことはできても 馬に水を飲ませることはできない)
というイギリスのことわざがあります。
レイラが虐待されていたとしたなら、亡くなる2週間前に海中から被災者のご遺体や遺品を見つけ出すようなクオリティーの高いお仕事をやってのけられるワケがないことくらい、容易に想像がつきますね。
村田さんは実際にもうレイラに捜索活動は無理だろうと思い、何度もレイラを止めたことがありましたが、レイラがそれを振り切ってでも行きたがったのです。
●レイラの志を繋げるのか?(村田さんの当時の手記より)
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被災地にはまだまだ沢山の帰りを待つ人、帰りたくとも帰れないで埋まっている人がいます。
車に飛び乗ることさえ出来なくなっていたレイラ
しかし子犬用に乗せてあったバリケンを引きずりおとし、我先に、と飛び乗ったウタを噛み付き下ろし、更にそのすきに飛び乗ったラマットを怒りの怒声一発で下ろした
まるで月命日の捜索は私の任務。
とばかりに不自由な身体を車に納めた。
まるで二週間後にその命が尽きるのをわかっているように
最期の捜索
彼女は必死だったのかもしれない
海中からお二人の御遺体をアラートし
返す刃で遺品や遺骨をアラートした
諦めていたご遺族の目の前で
奇跡をおこした
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●夢中になれるという幸せ♪
わたしは、幼稚園生のころ お友達と道で自転車レースをしていて(平和な時代ですなぁ)カーブで曲がり切れずに思いっきり転び、アスファルトに膝を擦って血がドバーっと出たことがありました。
そのとき、半べそをかきながらも絶対に家に帰って手当をしてもらおうとは思いませんでした。
何故なら、家に戻ると母親に「もう自転車レースはやめておきなさい」と言われたり「今日はもう家でおとなしくしていなさい」と言われるのがわかっていたからです。(←母親はマトモなんだな)
みなさんもうお気づきの通り、わたしはえらくバカな子だったワケですけど、その時のわたしにとっては、ケガの痛さや辛さよりも「もっと遊んでいたい」という気持ちの方が強かったんですね。
みなさんは子供のころ、暗くなるまで一心に四つ葉のクローバーを探した経験はありませんか?
わたしはあります。
見つからなければ「絶対に見つけるまで帰りたくない!」と思い、
見つかったら見つかったで「もう1つ見つけてやるぅ~!」と思い、
夢中になりすぎて、オシッコが間に合わずにジョンジョロリ~ン♪とおもらしして母親に鬼の形相で怒られたりしましたが、毎回、それでもいいと思うくらい夢中になっていました。
そんな風だったわたしはレイラの気持ちがなんとなくわかる気がするんです。
不謹慎な例え方かもしれませんが、レイラににとって捜索活動は四つ葉のクローバーを探す遊びと同じくらい夢中になれる大好きなお仕事だったように思っています。
お散歩やボール遊びが大好きな子と同じように、老いや病気で身体がキツくても
「ワタシにやらせてっ!!生存者を見つけるまではやめたくないの!」
という気持ちだったのではないかと思えてなりません。
村田さんの行為をレイラに対する「虐待だ」と責める人々は、80才でエベレスト登頂を成し遂げた三浦雄一郎さんのご家族のこともまた「彼を止めなかったのは老人虐待だ!」と責めたりしているんでしょーか・・・(まさかね~)
●今日も・・・・
東日本大震災によって、まだ2500人以上の方が行方不明のままで、ご遺族は
「どんな形でも構わないから、なんとか愛する人の手がかりを見つけたい」
と思っていらっしゃいます。
そんなご遺族のために、村田さんは今も南相馬で行方不明者の手がかりを探す活動を続けていらっしゃいます。
そのことを、みなさんはご存知でしょうか?
「震災をけっして忘れない」
そんなことを口にしながら、毎年3月11日になると震災を思い出すだけの人が大多数の中、あの日からずっとずっと、評価されようが、罵られようが、忘れられようが、粛々と捜索活動をつづけていらっしゃる村田さんのような方こそが、わたしは国民栄誉賞モノだと思っています。
<今日のPet Hotel 11!>
彼らにとっては、日々のお散歩が 「大事なお仕事」 |
「隊長!トマト発見しましたっ!」 ウム、よくやった! |
はあ・・・暑かった~! |
ボス「ねえ、チャコ、早くぅ~!」 |
ナツ「次、ワタシねーーー!!」 ボス「・・・・だと思った!」 |
さて、冷たい床でお腹を冷やして~~♪ ボス「あ、いいなぁいいなぁ~~!!」 ボス・・・(-_-;) |