2017年10月15日日曜日

幸せになった保護犬たち⑥

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


【かけがえのない贈り物】


●ごく普通の人たち


Pet Hotel 11!にやってくる、元保護犬たちとその飼い主さんたちについてお話してきました。

皆さんはどのように感じられたでしょうか?


保護犬を引き取って育てている人って、やっぱりすごいんだなぁ・・・

自分にはとってもこんな風にはできないなぁ・・・


そんな風に感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。

確かに、同じ犬の飼い主として元保護犬の飼い主さんたちから学ぶことは数多くあります。

けれども、元保護犬の飼い主さんたちは、最初からそうだったのでしょうか?

わたしはそうは思いません。

むしろ、保護犬を引き取ったばかりのころは、今現在この記事を読みながら

『すごいなぁ・・・』

と思っているアナタとまったく変わらない、ごく普通の犬好きな優しい人だったのではないかと思うのです。


●学校や本では学べないこと


ちょっとだけ、個人的なお話をさせてください。

わたし自身、子育てではかなり悩み、苦労をしました。

ここで詳しくお話することは避けますが、少し難しい子だったのです。

(現在は既に成人して自立しています)

わたしは、結婚して子どもを産むまで、苦労らしい苦労ひとつせず、スクスクスクスク育ってきた、とても恵まれた人間でした。

大きな壁にぶつかることもなく、まさに順風満帆!向かうところ敵なし!というくらいお気楽ハッピーな人生でした。

大学では、乳幼児心理学や児童心理学を学びましたので、子育てだってきっとうまくやってのけられると、ずいぶんナメてかかっていた新米ママだったと思います。

神様はそんなわたしに、あえて難しい子を授けたのかもしれません。

大学で教わったことも、わたしの培ってきた常識も、育児本に書いてあることも、まったく通用しない我が子を前にして、わたしは途方に暮れました。

(実際、育児本はビリビリに破いてゴミ箱にポイッしました)

今でこそ笑い話になっていますが、当時の我が家は暴れて叫ぶ我が子と、必死でそれをおさめようとヒートアップするわたしと、泣き叫びながらそれを見つめるもうひとりの子・・・まさに地獄絵図のようでした(笑)

けれども、放り出すことも逃げ出すこともできない目の前の我が子に、必死で向き合い、理解しようと努め、どうすればこの子が幸せな人生を歩んでいくことができるか?を模索し続けたあの時間がなければ、今のわたしはどうなっていただろう・・・

と考えることがよくあります。

きっと、小生意気で視野が狭く、多様性など真の意味でまったく理解していない人になっていただろうと思います。

自分のおかれている立場がいかに恵まれているかということも解らないまま、自分は優れた人間だとでも勘違いしていたかもしれません。

よく言われていることですが、わたしは子育てしているつもりでいましたが、間違いなく子どもによってわたし自身が育ててもらいました。

断言できるのは、学校や親から教わったことの何倍ものことを子育てによって教えられたという実感です。

そして、もがき苦しんで、毎晩のように泣いて悩みながら子どもと一緒に乗り越えてきた多くの経験から自分自身が学んだこと・・・

それは、学校でも教えてくれない、どの本にも書いていない、私自身のオリジナルのスキルとなって、今のわたしを日々助けてくれています。

それらの経験に根ざしたスキルは、泥棒に盗まれることもありませんし、火事で燃えてしまうこともありません。

わたしが生きている限り、持ち続けていることができる財産なのです。

なんでも知っているつもりでいたころの自分は、実はなんにも解っていなかったのだということを教えてくれたのは、あの苦悩の日々でした。



●最初はみんな・・・


保護犬を家に引き取って育てようと思った人たちも、最初はみーんな初心者だったはずです。

普通以上に思い通りにはいかない、複雑な背景を背負った子に向き合う日々は、苦悩と無力感、挫折感の連続だったのではないかと思うのです。

ニコやかに『優良飼い主さんの代表選手』のようなたたずまいの飼い主さんが、

これまた穏やかで『おりこう犬の代表選手』みたいなワンちゃんを前に、

『今でこそこうですけど・・・最初ウチに来た時は、それはそれは大変だったんですよ・・・』

とお話下さいます。

それを聞いて、嗚呼、この飼い主さんたちはみな、引き取ってきた保護犬たちに育ててもらって今があるのだな・・・

保護犬も飼い主さんも、お互いがお互いを幸せにしているのだな・・・

そう強く感じるのです。


●保護犬のススメ


お話してきたように、保護犬を引き取って育てるというのは本当に大変なことです。

けれども、その苦労と引き換えに得られるものは、おつりがジャラジャラくるほどの、大きな、そしてかけがえのない贈り物になって、飼い主さんに帰って来るのではないかと思います。

それは、現在では幸せになっている元保護犬たちと飼い主さんのお顔を見ていればわかります。

もちろん、命を引き受けるのですから、安易な気持ちで手を出せることではありません。

でも、

『新しく犬を飼いたいな』

と思われたなら、ペットショップに行く前にぜひ、保護犬を迎え入れることを検討してみてください。

シェルターには、アナタが想像もしていないくらい大きな”ハッピーの種”との運命的な出会いがアナタを待っているかもしれませんよ。


『この子と出会っていなかったら今のわたしはないと思います』


多くの元保護犬の飼い主さんたちが異口同音にそうおっしゃるのは、きっとそういうことなのだろうと思います。



<今日のPet Hotel 11!>


ううう・・・クマたん・・・
今日も雨降りで屋内遊び~♪

おなかナデナデが大すきで人間みたいにオスワリする
ティナちゃん♪とってもおりこうさんでした!
またお泊りにおいでね~(^▽^)/

ハナちゃんに抱っこを替わるように言われていますが、
ぜーーーったいにどきたくない”なつ”

みてみて~~!!
ハナちゃんの右目の下、外歯瘻で血が出ていたところ。
いい子にしてお薬をちゃーんと飲んでいたら
もうキレイになったよ!!えらいね~~~(拍手)


早く雨やまないかなぁ~~~~~~!!