2017年10月13日金曜日

幸せになった保護犬たち④

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログで、Pet Hotel 11!に愛犬を預けに来られた、元保護犬の飼い主さんたちに共通している以下のような点についてお話しました。

◆愛犬の特性をよく理解している
◆愛犬を客観的に見ることができている
◆愛犬のネガティブ情報を包み隠さず開示される(ペットホテルお預け時に)

元保護犬の飼い主さんたちにこういった特色がみられるのは何故なんでしょう?

それをひも解いていくと、犬を飼っているすべての飼い主さんにとって、非常に参考になる『愛犬に対する意識の持ち方』が見えてくるように思います。


はじめにお断りしておきますが、元保護犬の飼い主さん以外は意識が低いというようなことを申し上げているわけではありません。意識の高い飼い主さんもたくさんいらっしゃいますので、そこんとこご理解賜りますようひとつよろしくお願い申し上げますm(__)m


【愛犬に対する意識の違い】


●そもそもの意識が高い


まず、保護犬を家族に迎えようと考える時点で、動物愛護の観点から意識が高い人なのだろうとは思いますね。

『犬を飼いたいな』

と考えた時に、保護犬という選択肢すら頭に浮かばない人だっているのですから・・・

そして、シェルターが主催する譲渡会などに何度も足を運び、スタッフの人たちから様々なお話を聞くことによって、更に保護犬に対する理解も深まり、犬の飼育そのものへの知識も深まっていくのではないかと思います。

素地がある人が勉強をして更にブラッシュアップしているってことになりますね!


●飼い始める時の覚悟が違う


『保護犬を引き取ろうかな・・・』

と考えたことがある人はたくさんいても、実際に引き取るに至る人はそう多くはないはずです。

『既に少なくとも一度は辛い目に遭った子たちに、二度と悲しい思いをさせることがあっては絶対にはいけない・・・』

そう思えば、安易な気持ちで保護犬を引き取ることはできないはずです。

ですから、本当にその子の一生に責任を持てるか?ということを真剣に考えてみるでしょう。

家族でも、かなり具体的な話し合いをすることでしょう。


引き取る犬の年齢、雌雄、犬種、大きさ、健康状態などの条件はどうしようか?

子どもや先住犬がいる場合は、どのような対応が必要だろうか?


など、考えなくてはならないことや準備は山ほどあります。

『フラリと立ち寄ったペットショップで自分を見つめる愛らしい子犬にハートをズキューン射抜かれて、気づいたら買っちゃってました~ん♪』

というのとは覚悟が違いますね。

この時点で、今後のワンちゃんとの生活に対して、決して安直に考えていない・・・つまりナメてかかっていないということでしょう。


●『無知の知』という謙虚さ


そういった意識で家族として迎え入れたワンちゃんに対して、飼い主さんがまず心を砕くことは、ワンちゃんに心からくつろいでもらえる環境づくりでしょう。

保護犬によっては、保護犬になるに至ったおおまかな背景が判っている子もいますが、大抵の場合は正確な年齢も、保護犬になる以前にどういった生活をしていたかも判りません。

シェルターの方から、保護された時の状況やシェルターにいた時の様子などのわずかな情報を教えてもらうことはできるでしょう。

でも実際は、判らないことだらけです。


どんな人に飼われていたのか?

何が好きで何が苦手なのか?

どんな辛い経験をしてきたのか?

心の傷はどの程度の深さなのか?

病歴はあるのだろうか?


などなど・・・

そういう、判らないことだらけのワンちゃんに、

『この人たちは信用して大丈夫だ。ここは安心して過ごせる場所なんだ。もう何も心配しなくていいんだ』

と感じてもらい、心からくつろいでもらうために、自分たちはどう接していけばいいだろうか?

そう考えながら五感を総動員して、迎え入れた愛犬に向き合う時、飼い主さんはとても謙虚なのだと思います。

『そもそもわたしはこの子のことを何も知らない。この子はわたしの思い通りになる存在ではない』

その謙虚な姿勢は、右も左もわからないパピーを我が家に連れてきて、ハナから自分の所有物という意識で接するのとは雲泥の差ではないかと思うのです。

人間と犬というのは、そもそも”種”が異なる生物です。

犬はペットとしてあまりにもわたしたち人間に身近な存在になりすぎているため、特に子犬だったりすれば、ついついわたしたちは相手のことを全て解ったような気になってしまって、タカをくくってしまいがちです。

でも、本来は感じ方も性質も習性も異なる異種の動物だという意識を大前提として持つ必要があるはずです。

そういう部分で、元保護犬の飼い主さんたちは『無知の知』(自分は何も知らないのだと知っていること)という謙虚さがある分、犬の飼い主としての意識レベルがおのずと高くなるのではないかと思うのです。

※くりかえしますが、保護犬の飼い主さん以外はレベルが低いなどと言っているのでは決してありませんよ~!


●愛犬との関係を過信しすぎない


愛犬との日々を重ねるにつれて、お互いの絆が深まり、信頼関係も構築されていくでしょう。

一方で、そういった日々の中で、


『お散歩の時に子どもさんに会うとひどく怯えるな・・・もしかしたら昔、子どもにいじめられていたのかもしれないな・・・』

『携帯電話の音を聴くと興奮して暴れるな・・・もしかすると、辛い思いでと結びついているのかもしれないな・・・』

『撫でようとすると一瞬、怯えたように目をつぶるな・・・たくさん叩かれていた子なのかもしれないな・・・』


など、発見や気づきの連続だと思います。

もしかすると、一度はうまくいきかけていた関係構築が、壁にぶつかったり後戻りしたように感じることもあるかもしれません。

そんなことを経験しながら、愛犬との関係をひとつひとつ大切にたいせつに構築していくことによって、

『絆や信頼関係は勝手に出来上がっていくものではない』

ということを実感されるのではないでしょうか。


これは、子育てにも通じることですが、わたしたちは我が子や子犬の頃から育てている愛犬に対して、ともすると日々の信頼関係を維持する努力を”なおざり”にしてしまいがちです。

頭では、会話を大事にした方がいいと解っていても、つい忙しさにかまけてロクに会話も交わさぬ日々・・・でも、なんとな~く

『心の底では理解し合っているから大丈夫だろう』

というような甘えを抱いていたりということはありませんか?

長く連れ添った夫婦にも当てはまりますねぇ~(;'∀')


けれども、注意深く関係を構築してきた元保護犬の飼い主さんたちは、その関係が放置していても続くようなものではなく、常に理解を深める努力を継続することが必要だということを経験上理解しているのではないかと感じるのです。

ぜひぜひ見習いたいところだと思います。


長くなるのでつづきはまた次回にします。



<今日のPet Hotel 11!>

朝ごはん♪ モグモグモグモグ・・・・

ボス「ごちそーさま」(はやっ!)

ボス「ねぇ~”なつ”ぅ~、まだ食べてるの~?」
”なつ”「うるさいっ!がるるる~」

ボス「”なつ”に怒られたからおかわりくださ~い」
なんでやねんっ?!

暗くなってからティナちゃんがお泊りにきたよ~♪

「よっこらしょっと~♪」
2回目だから、すっかりくつろいでまーす(^▽^)